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マーケティング分析とは?代表的な分析手法・フレームワークなどをご紹介

マーケティング分析

総務省が2020年に発表したレポート(※1)によると、アンケート企業2003社の内、マーケティング領域において、データの活用予定がないと答えた企業が37.5%を占める一方で、今後、または引き続きデータを活用していきたいと答えた企業が38.4%、今まで以上にデータを活用していきたいと答えた企業が24.1% を占めていることから、データ活用の重要性が高まっている現状が読み取れます。

企業のデータ活用における最重要課題は、いうまでもなく、データ活用を通して、自社の事業目標を達成することであり、その目標達成に不可欠な企業活動が、マーケティング分析です。

現状を正確に分析することなしに、企業に利益をもたらす、的確なマーケティング戦略の立案・実行は不可能です。

本コラムをお読みの企業担当者様におかれましても、マーケティング分析の実施を検討されている方も多いのではないでしょうか。

ただし、マーケティング分析の手法・フレームワークは多岐に渡るため、各々の特徴を理解した上で、分析手法などを選定する必要があります。

そこで本コラムでは、マーケティング分析をスムーズに実施できるようマーケティング分析の概要説明からはじまり、代表的な分析手法・フレームワークや押さえておきたいマーケティング評価指標、分析時の注意点につき、詳しく解説します。

※1 出典:デジタルデータの経済的価値の計測と活用の現状に関する調査研究(2020)(総務省)

マーケティング分析とは?

マーケティング分析

マーケティング分析とは、自社データを収集、管理、最適化し、社内外に対して付加価値の高い情報を提供すること を指します。

マーケティング分析を実施することで、事前に質の高い事業投資の費用対効果の推測ができ、マーケティング戦略の成功確度を高めることが可能です。

マーケティング分析の重要性

人々のニーズが多様化し、ありとあらゆる商品・サービスが市場に溢れる昨今において、直感や過去の経験則といった主観性に重きを置いたマーケティング戦略では思い描く利益を継続的に得ることは不可能 です。

企業が効率的に利益の最大化を図るには、顧客ニーズをはじめ、自社商品の優位性や競合他社のデータなどを収集・分析の上、効果的なマーケティング戦略へと落とし込む必要があり、マーケティング分析の実施は欠かせません。

代表的な分析手法・フレームワーク

以下に、代表的な分析手法・フレームワークを9つご紹介します。

3C分析

3CのCは、「Customer(顧客)」、「Competitor(競合他社)」「Company(自社)」のことを指しています。以下の要素につき、客観的なデータ分析が可能なため、 3C分析は事業戦略の立案に適しています。

Customer(顧客)

顧客ニーズや購買行動、市場規模、市場の成長性などを分析します。

Competitor(競合他社)

各競合他社の市場シェア、代替品の可能性などについて分析します。

Company(自社)

自社の資本力や市場シェア、サービス・製品の特徴など、自社の強みと弱みについて分析します。

PEST分析

PESTは、「Politics、Economics、Society、Technology」の頭文字を取った略称です。PEST分析は、企業経営に関する4つの外部環境を大局的に分析していくためのフレームワークであり、 自社の今後のビジネス展開におけるチャンスや脅威を、発見・把握する際に効果を発揮します。

  • 政治的要因(Politics):法律や規制の動向など
  • 経済的要因(Economics):賃金や物価、金利、家計消費の動向など
  • 社会的要因(Society):人口動態や流行、宗教など
  • 技術的要因(Technology):技術革新やインフラの整備状況など

5フォース分析

5フォース分析は、以下3つの内的要因と2つの外的要因から、自社の競争力やライバル企業の脅威、参入後の収益性などを検討できる分析手法です。5フォース分析は 、新規参入を検討している市場の競争率や参入価値の分析に適しています。

  • 内的要因:競争企業間の敵対関係、供給企業の競争力、買い手の交渉力
  • 外的要因:代替品・代替サービスの脅威、新規参入業者の脅威

STP分析

STPは、Segmentation(細分化された市場)、Targeting(目標の市場)、Positioning(自社の立ち位置)の頭文字を取った略称です。3つの要素から、成長が望める市場や自社の立ち位置を分析できるため、STP分析は一般的に、 新規参入時や事業戦略の立案時に用いられています。

Segmentation(細分化された市場)

事業対象となる市場の顧客を、多様な軸(年齢、性別、職業、家族構成、国・地域、ライフスタイル・趣味嗜好など)でセグメントの上、自社商品・サービスとの相関性の高さを分析します。

Targeting(目標の市場)

セグメントしたグループの中から、事業成長につながる相関性の高いターゲット市場を分析・決定します。

Positioning(自社の立ち位置)

決定したターゲット市場における自社の優位性などを、競合他社と比較した上で、分析・把握します。

SWOT分析

SWOTは、Strengths(強み)、Weakness(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字を取った略称です。SWOT分析は、自社の内部・外部環境にあるプラス・マイナス要因を組み合わせた上で、 今後のマーケティング戦略の方向性を探る際によく用いられています。

以下は組み合わせの一例であり、SWOT 分析を行うことで、企業はさまざまな観点から的確なマーケティング施策を検討・展開できるようになります。

「Strengths」×「Opportunities」

自社の「強み」を活かし、いかにして市場で利益を得る「機会」を獲得していくかなどを分析できます。

「Weakness」×「Threats」

いかにして自社の「弱み」を克服し、「脅威」となる外部環境に適応していくかなどを分析できます。

4P分析(マーケティングミックス)

4PはProduct(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)を指し、4つの要素を組み合わせながら、 最適なマーケティング戦略を策定する際に用いられる分析手法です。 4Pの適切な組み合わせを検討できることから、4P分析は「マーケティングミックス」とも呼ばれています。

「この製品に対して、設定価格は妥当性があるか」、「商品流通を考えた際、このプロモーションは最適か」など、相互に関連する4Pの内、複数の要素を組み合わせることで、はじめて4P分析は効果を発揮します。

バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、製品やサービスが顧客に渡る間に、どのプロセスにおいて価値が生まれるかを分析できるマーケティング分析手法です。 各プロセスにおけるコストの把握、競合他社比較における自社の強みの分析などに適しています。価値を正しく分析できるよう、以下2つの要素に分け、バリューチェーン分析を行いましょう。

「直接的」に価値発生に関与する要素

購買物流、製造、出荷物流、販売、マーケティング、サービスなど

「間接的」に価値発生に関与する要素

技術開発、調達、人事・財務管理、インフラ管理など

ファネル分析

ファネル分析は、顧客が製品・サービスを認知しサイトに訪問以降、「カテゴリーページ」⇒「商品・サービスページ」⇒「申込み、購買」といった顧客行動をプロセスごとに細分化し、各プロセスにおける離脱率などを確認の上、改善を図れるマーケティング分析手法です。

実際の購買行動から、離脱しやすいプロセスがわかるため、ファネル分析は ペルソナの設定やCVR(コンバージョン率)の向上を図る際に適しています。

RFM分析

RFMは、以下3つの指標の頭文字を取った略称であり、RFM分析は、顧客を分類する際のスコアリングやランク分け時に用いられています。RFM分析を行うことで、 優良顧客、離脱顧客といった実態に即したグループ分けができ、各顧客に対して最適なアプローチが可能となります。

  • Recency(最新の購入日)
  • Frequency(来店頻度、購入頻度)
  • Monetary(累計の購入金)

押さえておきたいマーケティング評価指標(マーケティングKPI)

マーケティング分析には、「マーケティングのKPI」と呼ばれる押さえておきたいマーケティング評価指標がいくつかあり、以下が主な指標です。

  • マーケティング活動におけるコンタクト数
  • 商品・サービスに関心がある消費者のライフサイクル、ライフステージ
  • 施策毎の収益レポート
  • コンテンツ毎のコンバージョン数、トラフィック数
  • ソースごとのコンタクト数、平均消費者数、見込み顧客数、リード数

マーケティング施策の効果を細かいセグメントに分け、検証することで、質の高いマーケティング分析へとつながります。

効率的に利益の最大化を目指すためにも、上記の評価指標を上手に活用するようにしましょう。

分析時の注意点

正確で効果的なマーケティング分析の実施に向け、注意すべき点につき、以下に解説します。

主観性よりもデータを重視すること

想定外のデータが検出された際、過去の経験から、こんなはずはないと考え、データに基づかないマーケティング戦略に変更してしまった場合、マーケティングの費用対効果に影響が出る恐れがあります。マーケティング分析を実施する上では、直感や過去の経験則といった主観性ではなく、あくまでデータに重きを置くことようにしましょう。

マーケティング分析を実施する目的や課題を明確にすること

前段の代表的な分析手法・フレームワークでもご紹介の通り、分析手法により、分析できる内容は異なります。自社のマーケティングの課題や目的を明確にすることで、正しい分析手法の選択へとつながるため、分析の前に事前に整理するようにしましょう。

ターゲットを絞って狙うこと

マーケティング施策において、市場全体を狙うことは非常に困難です。施策の効果を高めるためにも、幅広い層にアプローチするのではなく、自社商品・サービスを将来購買する可能性の高いターゲットを絞り込むようにしましょう。

まとめ

マーケティング分析とは、自社データを収集、管理、最適化し、社内外に対して必要な情報を提供すること、また、マーケティング分析には、代表的な分析手法とフレームワークがあり、効率的な利益の最大化に向け、マーケティングKPIと3つの注意事項を押さえる必要がある点などにつき、本コラムを通してご紹介しました。

マーケティング担当者に求められる知識・情報量は膨大であり、マーケティング分析における手法や関連スキルは、一朝一夕で身に付けられるものではありません。

あまりにマーケティング分析に時間や工数が取られるようであれば、マーケティング活動の効率化を図ることができるMAツールの導入を検討事項に入れることをおすすめします。

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