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副業から起業するメリットやデメリットは?方法や具体的な例を紹介

副業 起業

将来的な起業を踏まえて、リスクヘッジ策として挙がるのが副業からの起業です。しかし、スモールスタートで起業の準備を進めようと考える一方で、「そもそも副業からスタートして、起業まで持っていくことができるのか」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

副業でビジネス基盤を形成してから起業する場合、退職後すぐに起業するよりもリスクを減らすことが可能です。

本コラムでは、副業で起業することのメリットやデメリット、副業をベースに起業する方法をご紹介します。

「副業に興味がある」「副業から始めて将来は起業したい」と考える方は、ぜひ最後までお読みください。

副業とは?国も後押しする働き方改革

政府も推進する副業

副業とは、本業とは別の仕事を持つことです。もともとは収入源を増やすことが主たる目的でしたが、現在はスキルアップを通じて自分自身の市場価値を高める手段としても、副業に取り組む人が増えています。

副業と似た言葉に複業(パラレルワーク)がありますが、複業(パラレルワーク)が本業と並行して2種類以上の仕事を同時に手掛けるのに対して、副業は本業よりも少ないリソースで行うことが一般的です。そのため、副業はあくまで本業がメインとして存在し、その空き時間を活用して働くことを指します。

副業者が増える背景

副業者が増える背景にあるのが、2018年に改正されたモデル就業規則です。この改正によって、副業に関する制限が緩和されたことをきっかけに、副業を希望する人材が増加しました。

さらに、同時期には副業、兼業についてのガイドライン」が策定され、副業・兼業に関する方向性や具体的な留意点が示されました。この一連の流れから、2018年は副業元年とも呼ばれています。

また、この時期から副業を解禁する企業が徐々に増え、地方自治体や政府が起業を後押しする補助金や助成金、給付金などの整備が進んでいます。

副業から起業する方法

起業とは、新しく事業を起こすことです。副業として事業を起こす際は、法人と個人事業主の2種類の方法があります。

副業のビジネスを法人化する

1つ目は、副業で提供するソリューションを基盤に、法人化を図ることです。一般的には長期的な事業拡大や従業員の採用を見越している場合、資金調達や事業継承の観点から法人化を選ぶ傾向にあります。

法人化するためには資本金や登記の手続きなど、さまざまな手続きが必要です。法人は社会からの信用度が高く、節税しやすいというメリットがあります。そのため、個人事業主から法人設立を通じて、事業拡大する方もいます。

会計、事業計画、マーケティング、経営方法など、法人化には幅広い知識が求められます。そのため、起業当初は、専門分野のプロフェッショナル人材に有償で依頼される方も多いです。税理士に依頼した場合、確定申告、所得税、節税や経費という税金に関するアドバイスや申請代行をしてくれます。

個人事業主として起業する

2つ目は、個人事業主として起業することです。一般的には副業の収入が20万円を超え、確定申告が必要になった場合に、個人事業主を選ぶ傾向にあります。

個人事業主の場合、税務署に開業届を提出するだけで起業ができるため、法人化と比べると手続きが簡単です。また、資本金が不要であるため、起業に必要な資金を抑えられます。

しかし、一般的に法人よりもクレジットカード等の各種審査が通りにくいというデメリットもあります。特に就業先を退職し、個人事業主として独立する場合は注意が必要です。

また、個人事業主は社会保険の負担が会社と折半ではなく、全額負担する必要があります。

とはいえ、個人事業主は資本金を必要としないため、スモールスタートで事業を展開できることが魅力です。まずは個人事業主として起業し、事業が安定したら法人化するほうがよいでしょう。

副業から起業することのメリット

副業から起業することには、さまざまなメリットがあります。副業の解禁が推奨されている今、早くから始めておいて損はありません。起業・副業のメリットは以下のとおりです。

  • 本業とは別の手段で収入をアップできる
  • 少ないリスクで起業できる

それぞれ解説します。

本業とは別の手段で収入をアップできる

そもそも副業には、本業以外で収入を得られるメリットがあります。そのうえで副業が安定軌道に乗った状態で起業すれば、事業のスケールを高めながら、収入を上げていくこともできるでしょう。これは総収入が上がるだけでなく、将来的に本業を超える収入源を生み出すことにもつながります。

また、起業のメリットは節税ができることです。事業活動に必要な出費であれば、経費として計上することができます。

低リスクで起業できる

副業から起業するメリットは、低リスクであることです。本業を辞めて独立・開業する場合、資金調達に不安がありますが、副業から起業する場合であれば、金銭的なリスクをより小さい状態に抑えられます。

また、副業の参入ハードルは着実に下がっており、スマートフォン一台でも始められる時代です。アフィリエイトや動画編集など、事業内容によっては初期費用を最小限に抑えながら副業をスタートすることもできるでしょう。

副業から起業することのデメリット

副業からの起業は、メリットだけではありません。起業のデメリットを理解し、対策を講じておくことが重要です。ここからは、副業から起業するデメリットについて解説していきます。

オーバーワークとなる可能性がある

副業から起業し、本業と両立する場合は、オーバーワークに注意しましょう。会社員が副業する場合は、土日や業務後の時間に働くことになります。副業や起業の準備、本やセミナーでの勉強など、時間がかかります。

副業は稼働すればするほど収入が増えるため、キャパシティを超えた仕事を受けてしまい、オーバーワークとなりかねません。

また、本業と両立しながら登記の手続きや株式会社の設立、起業における人材集めなど多くのことを行わなければならないことも、オーバーワークとなる可能性のひとつです。

オーバーワークになると最悪の場合、大きく体調を崩してしまうリスクもあります。対処法としては、副業が本業に影響が出ないように適度に休息を取りつつ、自分の稼働可能な業務量を把握することです。

会社の規程に違反する可能性がある

世間的に副業は推奨されているものの、今も副業を禁止にしている企業は少なくありません。

厚生労働省のモデル就業規則では、会社が副業を禁止・制限できる理由として、次の4つが示されています。

① 労務提供上の支障がある場合

② 企業秘密が漏洩する場合

③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

④ 競業により、企業の利益を害する場合

※引用:モデル就業規則(厚生労働省)

副業を始める際は、会社の就業規則や副業の業務内容を確認し、競業避止義務や秘密保持義務などに違反しないかを確かめましょう。

初期費用がかかる

一般的な起業方法では、手続きやオフィス代、人件費などの費用がかかります。その額が多い場合、資金調達が必要な場合もめずらしくありません。

主な資金調達の手段として、次の出資元から融資を受けることができます。

  • 日本政策金融国庫
  • クラウドファンディング
  • ベンチャーキャピタル
  • エンジェル投資家
  • 地方銀行
  • メガバンク
  • 補助金、助成金、支給金

それぞれ融資の条件が異なるため、自分自身の事業内容に合うものを選ぶことが重要です。副業の種類によって、初期投資の金額は変わります。初期投資に多額のお金がかかるような事業を選んでしまうと、初期の段階でうまくいかずに破綻してしまう恐れがありますので、注意しましょう。

副業として起業する流れ

副業で起業する流れは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、個人事業主として起業する場合の流れを簡単に説明していきます。

開業届の提出

個人事業主の場合、事業開始から1ヵ月以内に税務署に開業届を提出する必要があります。

また、青色申告特別控除を受けたい場合は、申告期限などを確認し、早めに提出しましょう。

事業開始等申告書の提出

事業開始申告書は、各都道府県に自身の事業の開始を申告するための書類です。各自治体に提出する書類で、各自治体によっては提出期限や呼び方が違う場合があるため、まずは各自治体に問い合わせて確認を取りましょう。

青色申告承認申請書の提出

事業開始から2ヵ月以内に、青色申告承認申請書を提出しましょう。青色申告をすることで、青色申告特別控除や赤字の損益繰越ができます。

最大65万円まで特別控除を受けられるため、個人事業主は白色申告より青色申告を始めるのがおすすめです。

税理士を探す

税金関係で困ったことがあったときに、頼りになるのが税理士です。節税や確定申告、その他の税金の悩みなども顧問税理士がいれば、スムーズに手続きができます。

顧問料が発生するものの、個人事業主における書類手続きや補助金・助成金のアドバイス、経費にできるもの、節税、起業のノウハウなど、さまざまなサポートを提供してくれます。

一方で、近年ではネットで確定申告や税金納付ができる便利な会計ツールが台頭してきたため、収入が少ないうちはこちらを利用しても問題ありません。起業後に順調に収入が増えてきてから顧問税理士に相談するなど、将来を見据えてビジネスの適切な対処をすることがおすすめです。

副業で起業するおすすめ職業例

本業にすることを見越して、副業を選ぶことも大切です。Web系の副業はリスクも少なく、始めやすいうえに起業している人も多くいるため、おすすめできる副業の1つです。

他にも自身に資格や技術があれば、知識や技術を教える講師業もおすすめです。

具体的に起業を見据えた副業として、どのようなものがあるのかを紹介していきます。

アフィリエイト

アフィリエイト(成果報酬型広告)とは、ウェブサイトなどの媒体でのPRを通じて、利益を得る手法です。アフィリエイター(媒体運営者)が設定したリンクを通じて、企業の商品・サービスの購入が発生した場合、企業から利益の一部を報酬として受け取ることが、アフィリエイトの主な仕組みとなっています。

ブログやYouTubeなどでコンテンツを作り、そこに広告(リンク)を載せることで準備が整うため、気軽に始められる副業として注目を浴びています。

近年では商品・サービスの購入、資料請求や問い合わせなどのリード獲得で報酬が発生する成果報酬型に加えて、クリックごとに報酬が発生するクリック報酬型のアフィリエイトなども生まれています。

アフィリエイトはパソコン一台あれば始められ、初期費用がほとんどかからないため、副業で起業したい方におすすめです。収入を安定化するにはユーザーの動向を踏まえたコンテンツ制作などのスキルが求められるものの、自分自身が精通した分野の商材であれば動機を分析しやすく、成果を出しやすいでしょう。

物販

物販とは、店舗にて商品を販売し、利益を得る手法です。物販における店舗は、リアル店舗だけでなく、オンラインショップなども含まれます。

近年はフリマアプリなどの台頭で、個人間で商品の売買が行われるのも珍しくなくなりました。これによって商品のニーズを学びながら、少しずつ新たな商品を仕入れて、ビジネスを拡大していけるようになっています。

ただし、必要以上に在庫を抱えてしまうと、売れ残りのリスクがあります。商品の売れ残りはニーズの低下がきっかけで、最終的には販売額が仕入れ額を下回ってしまい、損失が生まれるが可能性があるため、注意が必要です。売れ残りが発生しないように、商品の需要予測や利益計算を念入りに行いましょう。

ハンドメイド商品販売

ハンドメイド商品の販売は、商品の設計やアレンジが得意な方におすすめの副業です。ハンドメイドは商品を作成するスキルと販売するスキルが求められ、具体的には次のような商品が挙げられます。

  • アクセサリー
  • インテリア
  • ぬいぐるみ
  • フラワーアレンジメント
  • ペーパー/レザークラフト
  • 小物類(スマホケースなど)

近年は3Dプリンタの登場で、ハンドメイド商品の量産化が容易になっています。一方で3Dプリンタは導入コストがかかるため、まずはニーズの高い商品の目星をつけてから、量産化に踏み切ると良いでしょう。

また、最初からリアル店舗を出店する、あるいは自社でECサイトを運営することにはリスクがあります。初期フェーズでは、有名なインターネットショップなどで販売し、少しずつ知名度を獲得していくとよいでしょう。

講師

語学やITのスキルがある人は、講師として誰かに教えることも副業にできます。今はオンライン授業なども主流になってきており、在宅で自分のスキルを活かして講師などをする選択肢もあります。

英語の講師として独立・起業する場合は、ブログやSNSで英語に関する情報を発信し、集客しましょう。また、法人化して拠点を増やしたい場合は、フランチャイズビジネスにチャレンジするという選択肢もあります。

趣味やスキルを活かした職業

自分の趣味や本業で培ってきたアイデアやビジネスの人脈など、どのようなスキルや経験が副業に活かされるか分かりません。

副業に興味があれば、自分のスキルを見つめ直すことも重要です。スキルを洗い出し、やりたい仕事が見つかったのであれば、クラウドソーシングサイトを使ってみるのもひとつの手です。初心者でも可能な副業が多く掲載されています。

まとめ

副業から起業することについて解説しました。社会的に副業を推進している今こそ、副業を始めてみるチャンスでしょう。

起業と聞くと身構えてしまうイメージがあります。しかし、副業を始めて気付いたら本業より収入が多くなり、副業が本業になった人など、思わぬことが人生を変えることも多々あります。

副業の収入が安定化し、事業として拡大できる見込みを見いだせたなら、起業を検討してみると良いでしょう。

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