現在、mRNA医薬品の事業化検討および事業性評価(バリュエーション)において、研究開発から製造(CMC)、臨床試験、そして商用化段階に至るライフサイクル全体のコスト構造を精緻化することが喫緊の課題となっています。
mRNA医薬品は、脂質ナノ粒子(LNP)を用いたデリバリー技術や高度なコールドチェーン管理など、従来のモダリティとは異なる独自のコストドライバーを有しています。しかし、これらの実勢価格や「Gross-to-Net(GTN)」の乖離幅、製造原価(COGS)の相場感は依然としてブラックボックス化しており、精度の高いビジネスケース構築の障壁となっています。
本インタビューでは、公開情報に基づく推定値ではなく、実務経験に裏打ちされた「実勢ベースのベンチマーク」や「業界の知見」を伺うことで、意思決定の精度を高めることを目的としています。
なお、本依頼は一般的な相場感やトレンドの把握を目的としたものであり、貴組織の非公開情報や特定の守秘義務に抵触する情報の提供は一切不要です。専門家としての一般的な見解をご提示いただける範囲で、率直なディスカッションをお願いしたく存じます。
■主にお願いしたいこと:
mRNA医薬品、特に希少疾患・遺伝子疾患領域における以下の5つのカテゴリーについて、具体的な構造と規模感お伺いしたいです。
○製造原価(COGS)構造:
mRNA合成からLNPカプセル化(Encapsulation)に至る内製原価の構成。
CDMO委託時におけるプレミアム、およびLNP等のライセンス料(Royalty/Access fee)が見積もりに与える影響。
スケールアップに伴うユニットコストの低減(Scaling)効果。
○臨床試験費用(Clinical Trial Spend):
遺伝子疾患・希少疾患におけるPh1〜Ph3のコストベンチマーク。
症例登録の難易度に伴う「患者一人当たりコスト」の相場。
日・米・欧および国際共同治験(MRCT)における地域別の費用乖離。
○商用化段階の販管費(SG&A):
特殊なコールドチェーン(超低温管理)を要する流通コストの規模感。
希少疾患市場におけるマーケティングおよびメディカル活動の標準的な予算規模。
○販売価格と利益構造(GTN Bridge):
公定価格(List Price)から、リベートや各種割引を差し引いた「ネット価格(Net-realized price)」の決定要因。
研究開発費の償却等を考慮した、mRNA医薬品における標準的なEBITDAマージン。
○地域別収益性差異:
米国のPBMリベート、欧州のHTA(医療技術評価)および法的割引、日本の薬価制度が収益性に与える影響の差異。
■シーズ概要:
ゲノム編集技術は、生物ゲノムの遺伝子配列を自在に変える技術であり、細菌の獲得免疫系として発見されたCRISPR-Casシステムの利用により、医学・農学・資源開発などの様々な分野で利用が世界的に拡大しています。新規ゲノム編集技術を基盤とする独自のゲノム編集を国内外のバイオ・創薬企業に提供し、より精密で多様な細胞・生物の開発に役立てることで新たな産業創出に貢献します。
■研究者のご紹介:
刑部 祐里子 教授(東京科学大学 生命理工学院 )
様々な生物におけるゲノム編集技術の応用を目指した基礎研究をテーマに、特に、新規ゲノム編集技術の基盤開発研究を行われています。ゲノム編集技術の医療応用や植物分野の応用技術開発を進めていらっしゃいます。

