【依頼背景】
本案件は、NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」の一環として、東北大学大学院 工学研究科 航空宇宙工学専攻 齋藤研究室の研究シーズを起点に、大学発スタートアップの創出・事業化を目指すプロジェクトです。
齋藤研究室では,ロケットやスラスタの推進性能を支配する内部の熱・物質移動メカニズムを研究し,基礎研究から宇宙実証までをつなぐ「宇宙推進内部弾道学」を基軸に研究開発に取り組んでいます。
その中で、バルブなどの宇宙機用の流体制御器を調達する際、海外製品への依存、高額な調達費、半年以上の長納期、仕様変更の難しさといった課題に直面してきました。宇宙市場が拡大する一方で、こうした基幹部品の柔軟性・調達性が不足していることは、国内宇宙開発のスピードを制約する要因にもなっています。
現在、試作や特許出願、顧客候補との接点形成が進みつつありますが、今後の事業化に向けては、市場開拓、顧客ヒアリング、宇宙実証機会の獲得、サプライチェーン構築、海外展開、ガバメント対応等を担うビジネス人材が必要です。
そこで今回、研究者・技術メンバーとともに本シーズの事業化を推進し、将来的な大学発スタートアップのCXO候補として参画いただける方を募集します。
【シーズ概要】
本シーズは、宇宙開発・宇宙実証・宇宙ビジネスにおいて基幹部品となる「宇宙機用の流体制御器」に関する技術・事業構想です。
バルブなどの流体制御機器は、ロケットエンジン、人工衛星の推進系、地上試験設備等において、推進剤やガスの流れを制御する重要部品です。
現状は規格品中心で、顧客ごとの用途・流量・推進剤・試験条件に合わせた柔軟な仕様最適化が難しく、調達にも時間とコストがかかる課題があります。
本プロジェクトでは、バルブなどの基本構造を共通設計化し、部品単位で管理・組み合わせることで、顧客ごとの要求仕様に応じた短納期・低コスト・高柔軟性の実現を目指します。
受注後にゼロから設計・製造するのではなく、共通部品を活用しながら必要な部分のみをカスタマイズする受注組立生産型の提供モデルにより、宇宙関連企業の開発・実証スピード向上に貢献することを目指しています。
【シーズへの想い】
東北大学 大学院工学研究科 齋藤勇士 准教授
本シーズの出発点は、研究・実験現場で実際に直面してきた「必要な部品を、必要な仕様で、必要なタイミングに手に入れられない」という課題認識です。
宇宙開発において、バルブなどの流体制御機器は目立つ部品ではありませんが、推進剤やガスの制御を担う重要な基幹部品です。にもかかわらず、現場では海外製品を高額かつ長納期で調達せざるを得ない場面が多く、開発スピードの制約になっています。
弊研究室では、この現場課題を解決し、国内宇宙産業の競争力向上に貢献するため、柔軟に仕様変更でき、短納期で調達可能な宇宙機用の流体制御器の社会実装を目指しています。
将来的には宇宙領域に加え、水素インフラ、月面開発、次世代エネルギー関連設備など、高圧流体制御が求められる市場への展開可能性も見込んでいます。

