【依頼背景】
本案件は、NEDO「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」の一環として、東北大学 大野和則教授の研究シーズを起点に、大学発スタートアップの創出・事業化を目指すプロジェクトです。
大野教授は、困難な実環境下で機能するタフなサイバーフィジカルAIの研究に取り組んでおり、建設業、製造業、物流、災害対応など、実世界の複雑な環境でロボット・AIを社会実装するための技術開発を進めています。
本プロジェクトでは、その研究成果の一つとして、採石場や土木建設現場で利用される大型ダンプトラックに後付け機器を搭載し、自動で砕石・土砂運搬を行う知能化ソフトウェアの事業化を目指しています。
採石場や土木建設現場では、ダンプトラックによる運搬作業が不可欠である一方、ドライバー不足、危険作業の負担、現場ごとに異なる運用条件への対応などが課題となっています。特に、既存の車両を活用しながら自動運転化できる有効な手段は限られており、現場導入しやすい後付け型の自動運転技術には大きな可能性があります。
現在、既に複数の企業と連携しながら実証を進めている段階ですが、今後のスタートアップ化に向けては、営業、事業開発、プロダクト設計、現場導入支援、パートナー連携を担うビジネス人材が必要です。
そこで今回、研究者・技術メンバーとともに本シーズの事業化を推進し、将来的な大学発スタートアップのCXO候補として参画いただける方を募集します。
【シーズ概要】
本シーズは、採石場や土木建設現場で稼働する大型ダンプトラックに後付け機器を搭載し、自動で砕石・土砂運搬を行うための知能化ソフトウェアに関する技術・事業構想です。
本技術は、各社の業務内容に合わせてダンプトラックの動きを指定するシナリオ作成機能、30t・60t級の大型ダンプトラックの自動運転制御、有・人バックホウと連携した積込み運搬計画、出力された経路を安全かつスムーズに追従する制御技術などを組み合わせています。
採石場では、積込み、運搬、積み下ろしという一連の作業が繰り返し行われますが、現場ごとに経路、地形、作業手順、車両、建機との連携方法が異なります。そのため、単なる自動運転機能だけでなく、現場ごとの運用に合わせて柔軟に調整できるソフトウェアと導入支援が重要になります。
本プロジェクトでは、開発した知能化ソフトウェアを活用する企業を段階的に拡大し、初期段階ではNDAを締結した企業に対してパーミッションライセンスで提供し、実環境での検証・改良を進めることを想定しています。将来的には、基本機能のOSS化によるユーザー拡大と、現場導入支援・カスタマイズ・周辺ソフトウェア提供による収益化を目指します。
【シーズへの想い】
東北大学 大学院情報科学研究科 大野和則教授
本シーズの出発点は、採石場や土木建設現場における人手不足、危険作業、現場ごとの運用負荷という社会課題です。
採石・建設現場では、大型ダンプトラックによる運搬作業が日常的に行われていますが、熟練ドライバーの確保が難しくなっているほか、現場環境によっては安全面・作業効率面での課題も大きくなっています。
一方で、これらの現場には既に多数のダンプトラックや建機が存在しており、全てを新しい自動運転車両に置き換えることは現実的ではありません。だからこそ、既存車両に後付けでき、各社の現場環境に合わせて導入できる技術が重要だと考えています。
本プロジェクトでは、研究室で培ってきたロボット制御、SLAM、環境認識、シナリオ生成等の技術を活かし、採石・建設現場の生産性向上と人手不足解消に貢献することを目指しています。
将来的には、採石業を初期市場としながら、土木建設、資源開発、災害復旧、物流など、困難な実環境下での自動運転・作業自動化が求められる領域への展開可能性も見込んでいます。

