筑波大学では、研究シーズを基にしたスタートアップの継続的な創出に向け、研究者とともに事業化を推進する経営人材「EIR」の参画を進めています。
今回募集するのは、山路恵子先生を中心とする研究チームが開発している、在来植物と在来微生物を活用した鉱山跡地の緑化技術について、海外市場での事業化をリードする人材です。
鉱山跡地では、重金属、乾燥、酸性土壌などの影響により、植物が定着しにくいことが課題となっています。
従来は、外部から大量の土を搬入する「覆土」や、成長の早い外来植物を使用する方法が採られてきました。しかし、大規模な土木工事が必要となるほか、森林回復や生物多様性への配慮が十分ではない場合があります。
本技術は、対象地域にもともと存在する植物と、その植物の生育を支える微生物の共生関係を活用し、鉱山跡地の自然回復を促進するものです。現地の土壌環境や植物に合わせて微生物・土壌改良資材を組み合わせ、地域ごとに適した緑化方法を提案します。
研究チームは、国内鉱山における実証や、鉱山・金属関連企業等との共同研究を進めています。一方、国内では鉱山の閉山後における水処理が優先され、緑化に充てられる予算が限られる傾向があります。
そのため、本案件では、国内の実証実績を基盤として、今後も鉱山開発が進み、閉山後の環境修復に対する投資が見込まれる海外市場への展開を目指します。
現在のチームは研究者が中心で、海外市場の検証、顧客・連携先の開拓、事業モデルの設計、事業計画策定などを専任で推進する人材が不足しています。
単なる市場調査や助言にとどまらず、研究チームとともに手を動かし、海外の鉱山関連企業、資源会社、商社、緑化事業者、行政、大学等へ働きかけながら、筑波大学発スタートアップの立ち上げを推進していただける方を募集します。
■シーズ概要
『在来植物と在来微生物を活用した鉱山跡地の緑化技術』
本研究では、鉱山跡地などの過酷な環境に自生する植物と微生物を調査・分析し、それらの共生関係を活用した緑化技術を開発しています。
現地の土壌環境、重金属、酸性度、乾燥状態等を調査したうえで、対象地域に適した在来植物、微生物、土壌改良資材を組み合わせ、植物の定着と生育を促進します。
研究チームでは、植物ごとの特性や必要な栄養成分、微生物との組み合わせに関する知見を蓄積し、現地ごとに適した緑化方法を設計することを目指しています。
■本技術の特徴
・対象地域にもともと存在する在来植物と微生物を活用
・現地の土壌、気候、重金属等の条件に合わせた個別設計
・大量の土を搬入する覆土とは異なる環境負荷の小さいアプローチ
・植物の生育だけでなく、森林回復や生物多様性への貢献を志向
・国内鉱山における実証および企業との共同研究実績
・緑化後の植生や生物多様性を継続的に評価する構想
・将来的なカーボンクレジットや地域雇用との接続可能性
本技術に関する知的財産は、筑波大学とJOGMECによる共同出願であり、スタートアップ創出に向けた関係者間の合意も進められています。
■想定する事業モデル
研究チームでは、以下のような事業モデルを想定しています。
・対象地域の土壌・植生・微生物環境を調査
・現地に適した植物、微生物、土壌改良資材を選定
・鉱山跡地ごとの緑化計画を提案
・緑化事業者、土木・建設会社等と連携して施工
・植生、生物多様性、環境への貢献度を継続的に評価
・将来的に森林回復やカーボンクレジット等の付加価値へ接続
研究チームが調査・分析、技術設計、植物・微生物の提案を担い、実際の工事や施工については、現地の土木・建設・緑化事業者等と連携することを想定しています。
■想定する海外展開
本案件では、国内鉱山を実証・技術検証の場として位置づけながら、アジア・オセアニアをはじめとする海外市場への展開を想定しています。
海外では、現在も操業中または開発中の鉱山が多く、将来の閉山を見据えた環境修復や緑化計画が求められるケースがあります。
現時点では、具体的な進出国、顧客、価格、販売方法、現地パートナー等は確定していません。参画いただく方には、研究チームや既存の企業ネットワークを活用しながら、以下の内容を検証いただきます。
・どの国・地域から展開を始めるか
・鉱山関連企業、資源会社、行政等のうち、誰を顧客とするか
・現地でどのような環境課題や緑化ニーズがあるか
・調査、技術提供、施工、モニタリングを誰が担うか
・土木会社、緑化会社、環境コンサルタント等とどのように連携するか
・受託研究、技術提供、ライセンス、コンサルティング等のどの収益モデルが適するか
・カーボンクレジットや生物多様性評価を事業に組み込めるか
・海外展開に必要な実行体制と資金をどのように確保するか

