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はたらき方にはどんな種類がある?雇用形態や勤務時間による違いを解説

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働き方改革が進み、ワークライフバランスの見直しやリモートワークが普及してきたことで、自分に合ったはたらき方を選べる環境が徐々に整備されてきました。子育てや介護、自己実現などのため、自分に合ったライフスタイルを構築したい人には追い風といえるでしょう。 そこで気になるのが、雇用形態や勤務時間といった諸条件による違いです。本記事でははたらき方の種類について、雇用形態や勤務時間などの観点から解説します。はたらき方を見直したいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

はたらき方の種類にはどのようなものがある?

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はたらき方の種類や条件を知るうえで、最初に把握しておきたいのが以下の2点です。 ・ 雇用形態別のはたらき方 ・ 社会保険の適用有無 順番に見ていきましょう。

雇用形態別のはたらき方

主な雇用形態としては、以下の5種類があります。

  • 正社員
  • 契約社員
  • 派遣社員
  • アルバイト・パート
  • 業務委託(副業・フリーランス)

ここでは、雇用形態別の特徴やメリット、注意点を見ていきましょう。なお、上記のうち業務委託は雇用形態ではなく契約形態の一種ですが、ここでは多様化するはたらき方の一つとして解説します。

正社員

厚生労働省の資料によると、正社員は以下3つの条件に該当する労働者を指すとされています。

  • 労働契約の期間の定めがない
  • 所定労働時間がフルタイムである
  • 直接雇用である

出典:勤務地などを限定した「多様な正社員」の円滑な導入・運用に向けて(厚生労働省)

正社員としての勤務では、雇用が安定していることや、他の雇用形態と比べて収入が高い傾向にあること、福利厚生や待遇が充実している傾向にあることから、比較的安定した労働環境を得られるのがメリットです。一方、はたらく年数が長くなると給与が上がっていく傾向にあるため、短期的に収入を伸ばすのが難しいとされます。努力や結果に応じた収入を望む人は成果報酬制度がある企業などを探すと良いでしょう。

契約社員

契約社員は、期間が定められた「有期労働契約」による雇用形態を指します。労働基準法により、契約期間の上限は原則3年と定められています。ただし、専門的な知識や技術などを有する労働者、または満60歳以上の労働者と労働契約を結ぶ場合の上限は5年です。

契約社員のメリットは、正社員に近い待遇を得られることや、企業によっては転勤や異動の可能性が低いこと、労働期間の定めが明確なことなどです。しかし、有期契約であることから長期的な安定性があるとはいえず、計画的なキャリア設計が必要です。

派遣社員

派遣社員は、人材派遣会社(派遣元)などと雇用契約を結んだうえで、人材派遣会社を通じてほかの会社に派遣されるはたらき方をいいます。派遣期間の上限は原則3年となっており、賃金は派遣元の会社から支給されます。ただし、派遣社員に対して指揮命令を行うのは派遣先の会社です。

派遣社員のメリットは、ライフスタイルに合わせて派遣先を選びやすいことや、アルバイトやパートと比べると賃金が高い傾向にあることなどです。一方、派遣期間に上限があるため、契約社員と同じく安定性があるとはいえないでしょう。

アルバイト・パート

アルバイトやパートは、1週間あたりの所定労働時間が同一事業所における通常の労働者よりも短い雇用形態を指します。給与は時間単位で計算されるのが一般的です。

アルバイトやパートとしてはたらくメリットは、自分のライフスタイルに応じて労働時間を調整できることや、転勤や異動が基本的に発生しないことなどです。一方、一般的には責任のある仕事を担当できる機会が少ないとされているため、キャリアアップにつながりにくい点を理解しておく必要があります。

業務委託(副業・フリーランス)

業務委託は、副業を行う個人やフリーランスが企業などと業務委託契約を結び、業務に従事するはたらき方です。雇用関係はないため、厳密には雇用形態ではなく契約形態の一つです。副業の場合、本業を続けながら空いた時間で業務に取り組むのが一般的で、フリーランスの場合は個人事業主として業務を受託し、複数企業と契約することも珍しくありません。

業務委託のメリットは、自分のペースで業務に取り組みやすいことや、努力した分がそのまま収入につながりやすいことです。一方、雇用関係ではないため、案件が単発で終了するものもあります。事前に単発案件なのか継続案件なのか確認しましょう。

社会保険の適用有無

はたらき方を選択する際は、社会保険の適用有無を確認しておくことも重要です。社会保険とは、健康保険や厚生年金保険などの公的な保険制度を指します。また、雇用保険と労災保険を含む「労働保険」の適用有無も確認しておきましょう。

社会保険や労働保険の適用有無は、雇用形態の違いだけによって決まるものではなく、業種や雇用人数、労働時間などさまざまな要素によって決まります。一般的には、正社員であれば健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険などの適用対象となるケースが多いため、より安心してはたらける環境だといえるでしょう。短時間勤務の正社員や契約社員、パート・アルバイトの場合は適用条件が定められており、勤務先への確認が必要です。

勤務時間・勤務地・給与制度におけるはたらき方の違い

ライフスタイルに合わせてはたらき方を考える場合、雇用形態のほかに以下の3つの要素にも着目するとよいでしょう。

  • 勤務時間
  • 勤務地
  • 給与制度

ここでは、それぞれの観点ではたらき方の種類やメリット、注意点をご紹介します。

勤務時間による違い

勤務時間という観点では、大きく4つのはたらき方が挙げられます。

  • 固定時間制
  • 変形労働時間制
  • フレックスタイム制
  • 裁量労働制

順番に見ていきましょう。

固定時間制

固定時間制は、会社が定める所定の曜日や時間に勤務する形態のことです。後述するフレックスタイム制などの導入も最近では進んでいますが、正社員としての雇用であれば固定時間制が基本となっているケースはまだ多いでしょう。予定が立てやすい反面、業務量やプライベートの事情に応じた柔軟なはたらき方が難しいというデメリットがあります。

変形労働時間制

変形労働時間制は、1か月や1年など一定の期間内における総労働時間をあらかじめ定め、その枠内で勤務する形態です。シフト制の仕事や季節によって繁閑の差が大きい業種や職種などに適したはたらき方とされています。繁忙期に勤務時間を増やし、閑散期に勤務時間を減らすといったメリハリのあるはたらき方が可能な場合があります。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、一定期間において定められた総労働時間のなかで、労働者自身が日々の労働時間を自由に決められる制度です。フレックスタイム制を導入している企業の多くは、勤務を必須とする時間帯として「コアタイム」を設けています。

例えば、フレックスタイム制では、ラッシュアワーを避けて出退勤をするといった柔軟なはたらき方が可能です。コアタイムが10時~15時だった場合、10時以前および15時以降の勤務時間を自由に決められます。身体的な負担やストレスが軽減され、仕事のパフォーマンスが向上する可能性もあるでしょう。

裁量労働制

裁量労働制はみなし労働制とも呼ばれ、実際の勤務時間にかかわらずあらかじめ定められた労働時間分の勤務を行ったとみなす制度です。例えば、労働時間を1日8時間と定めた場合、実際の勤務時間が8時間未満だったとしても所定時間通り勤務したものとみなされます。

厚生労働省のサイトによると、具体的には以下3つのパターンがあります。

  • 事業場外みなし労働時間制
  • 専門業務型裁量労働制
  • 企画業務型裁量労働制

出典:労働時間・休日(厚生労働省)

事業場外での勤務により労働時間の算定が困難な場合や、使用者が具体的な指示をしない専門業務・企画業務などを行う場合が想定されています。

勤務地による違い

近年では、リモートワークの普及によって勤務地に制約されないはたらき方も可能になりました。ここでは出社型、リモートワーク型それぞれの特徴を見ていきましょう。

出社型

出社型とは、従来のはたらき方ともいえる「オフィスへの出社」を前提とする勤務形態です。出社が必要なため、通勤にかかる時間や負担はデメリットといえます。しかし、上司や同僚と適宜コミュニケーションを取りながら業務を進められる点や、仕事とプライベートのオンとオフを明確に切り替えられる点はメリットです。製造業の技能職や小売業の販売職など、リモートワークの導入が難しい業種や職種では、出社型の勤務が一般的です。

リモートワーク型

リモートワーク型とは、オフィス以外の場所で業務を行うはたらき方のことで、テレワークとも呼ばれます。従来はWeb関連の職種やシステムエンジニア、プログラマー、デザイナー、カスタマーサポートなどの職種で利用されていましたが、新型コロナ感染症の拡大をきっかけに幅広い職種で活用が始まりました。すべての勤務をリモートワークにするのではなく、必要に応じて使い分ける「ハイブリッド型」も広く利用されています。

リモートワークのメリットは、出社が不要なため時間的、体力的な負担が軽減されることです。ただし、集中できる環境づくりやオンとオフの切り替えが難しい点には注意が必要です。

近年ではリモートワークで対応可能な副業や兼業を始める人も増えています。出社が不要なため本業を続けながら取り組みやすく、新たなスキルアップや収入アップの機会となっています。

給与制度による違い

給与制度は、大きく分けて固定給と歩合制の2種類があります。それぞれの特徴やメリット、注意点を見ていきましょう。

固定給

固定給とは、一定の時間・期間の勤務に対して事前に定められた金額が支払われる給与制度です。収入が安定しやすい点はメリットですが、成果に応じて収入が変動するわけではないため、モチベーションが上がりにくいという面もあります。営業職などにおいては、後述する歩合制と組み合わせることも少なくありません。

固定給のなかでは月給制や時給制が一般的ですが、ほかにも年俸制や日給制などがあります。年俸制とは、給与の年間支給額を定め、その総額を月ごとに分割して支給する制度です。日給制とは、1日あたりの給与が事前に決められている制度です。ただし、1ヶ月分まとめての支給になるなど都度支払いではないケースも多いため、確認をするようにしましょう。

歩合制

歩合制では、仕事の量や達成した成果に応じて給与が変動します。勤務先に貢献した分だけ収入に反映されるため、モチベーション高く業務に取り組める点はメリットです。ただし収入の安定性には欠けるため、特に完全歩合制の仕事を選ぶ場合などは慎重に検討しましょう。

まとめ

本記事では、はたらき方の種類について、雇用形態や勤務時間などの観点から違いを解説しました。

はたらき方を選ぶ際には、雇用形態や社会保険の適用有無、勤務時間、勤務地、給与制度、自分がどのようなキャリアやライフスタイルを望むのかといったさまざまな観点で検討することが大切です。

近年では、固定時間制かつ出社型の勤務以外にも多様なはたらき方が可能になりました。正社員としてはたらきながらリモートワークで副業や兼業に取り組む人や、フリーランスとして独立を選ぶ人も増えてきています。 本コラムを参考に、自分がどのようなはたらき方を望むのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

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