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パーソルキャリア株式会社 タレントシェアリング事業部 兼 HiPro 事業責任者 鏑木 陽二朗

はたらく個人のスキルが解放された
「雇用によらないはたらき方」が
実現できる社会に

パーソルキャリア株式会社
タレントシェアリング事業部 兼 HiPro 事業責任者

執行役員 鏑木 陽二朗

わたしが「新しいはたらき方の創造」に取り組み始めたのは2011年のこと。きっかけは、中小企業の経営者である、わたしの父でした。経営を揺るがすような問題にぶつかっても相談できる相手がいなく、一人で抱え込んでしまう。いざ、問題解決のために人を採用しようとしても、採用力が弱くなかなかうまくいかない。そんな父の姿を見て、経営課題を抱える企業を支援する仕組みをつくりたいと考えたのです。そして立ち上げたのが、専門性を有したプロ人材を活用することで企業が抱える事業課題を解決に導く、「i-common」です。

10年余りの年月を経て今、「はたらく」を取り巻く環境は大きく変化してきました。終身雇用の崩壊、人生100年時代の到来などは従前より唱えられていましたが、テクノロジーの進化や労働人口の減少、終身雇用の崩壊、そして新型コロナの感染拡大。リモートワークの広がりで、自宅やオフィスから遠く離れた地方でも働けるようになり、勤務日数も週休3日の企業が登場するなど、状況が目まぐるしく変わる予測困難な時代に突入し、日本の「はたらく」の常識は覆されました。

こうした急速な変化の中で個人は、企業に「はたらく」を保証してもらうのではなく、自身の意志で自らの「はたらく」を決め、選択すること、すなわち「キャリアオーナーシップ」を持つことで、不確実性の高い世の中と向き合っていかなければならなくなりました。一方、企業は、誰も経験したことのない、正解のない経営課題に対して、これまで以上に柔軟に、迅速に対応することが求められるようになりました。

個人、法人の変化する多様なニーズにどう応えるのか。スキルを持つ個人は、1社に留まることなく、他社にも自らのスキルを提供する。企業はそれを、必要な時に、必要な期間だけ活用するといった、「雇用によらないはたらき方」がキーになるとわたしは考えています。

しかしながら、こうした外部の人材を活用している企業は、ほんの一部に限られているのが実情です。特に中小企業や地方企業では、まだまだ人材活用というと「雇用」、つまり「社員や契約社員を採用する」という選択肢しかもたない企業がほとんどです。一方で、こうした企業は、大企業と比べて採用力が低いケースが多く、場合によっては企業の存続自体を揺るがす事態にもなりかねないのです。また、大企業においても外部人材の活用は、新規事業など一部の部門に限られています。

「雇用によらないはたらき方」が浸透した社会を築くためには、これまでのようにサービス単体で挑むのではなく、企業が抱えるさまざまな課題に対して、多岐にわたる外部人材サービスが必要ではないか。そう考え、「HiPro」を立ち上げました。

「スキルを解放し、社会を多様にする。」、これが、「HiPro」が目指す世界感です。個人の持つさまざまな経験、スキルを1社の中に閉じずに広く社会に解き放つこと。解き放たれたそのスキルは、必要とされる企業の中で柔軟に活かされ、更に力強く経験を積み重ねていく。この繋がりにより、社会が多様でより素晴らしいものに生まれ変わる、そんな社会を創り上げていきたいと考えています。

パーソルキャリア株式会社 タレントシェアリング事業部 兼 HiPro 事業責任者 鏑木 陽二朗