転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社のプロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro（ハイプロ）」＜ https://hipro-job.jp/ ＞は、2024年7月より、森ビル株式会社が企画運営する大企業の新規事業創出に特化したインキュベーション施設「ARCH Toranomon Hills Incubation Center」（以下「ARCH」）の運営パートナーに就任したことをお知らせします。

左から、森ビル株式会社 ARCH企画運営室 室長　飛松 健太郎氏
パーソルキャリア株式会社 執行役員 兼 「HiPro」事業責任者　鏑木 陽二朗

「ARCH」運営パートナー就任の目的

「HiPro」は、日本全体で深刻化する「労働力不足」という課題解決の一助を担うべく、企業における副業・フリーランスといったプロ人材活用の促進に取り組んできました。特に、大企業における新規事業創出のニーズは増加傾向にあり、今日に至るまで数多くのマッチングに関与してきました。また、2022年より「ARCH」の提携パートナーであった「HiPro」は、この度、運営パートナーに就任。大企業が抱える新規事業の課題解決をこれまで以上に支援してまいります。

 「ARCH」と「HiPro」、協業まで歩みと実績

日本の大企業はこれまで、高い技術力で日本経済を支えてきました。しかし、既存事業に多くのリソースを割いてきた結果、新規事業を生み出す社内文化の醸成や、経験・ノウハウを有する人材の育成において苦戦を強いられているのが現状です。そのような状況を打破すべく「ARCH」は、2020年4月の開業以来、日本の大企業発の新規事業創出を目指し、「ARCH」参画企業に対しオープンイノベーション支援や、スキル習得・マインドセットのためのコンテンツ等を提供してきました。一方で、新規事業を推進するために必要不可欠な知見・経験・理解を有する“経験者”が、参画企業内で不足していることに課題を抱えていました。

企業の経営課題解決を長年推進してきた「HiPro」は、2022年4月から提携パートナーとしてARCH企画運営室の業務を一部受託。大企業の新規事業創出における専門性向上や、業務支援を実現するアクセラレーションプログラムの開発設計から提供まで担ってきました。また、ARCH企画運営室の一員として、参画企業の担当者にヒアリングを実施。担当者が抱える課題やニーズを迅速にキャッチすることで、「HiPro」に登録する新規事業創出に長けたプロ人材とのマッチングに携わってきました。

結果、参画企業における2023年度の「HiPro」利用社数は昨対比で15倍、案件数は20倍以上に。これらの取り組みを通じて、新規事業創出におけるさまざまな成果が生まれています。

 運営パートナーとしての具体的な取り組み

・コミュニティ運営、および企業同士、さらには企業とプロ人材のビジネスマッチング支援
・アクセラレーションプログラムの企画設計および運営
・新規事業向け実践型ワークショップの企画設計および運営
・新規事業アクセラレーションプログラムの提供    
・社内ビジネスコンテスト支援パッケージの提供

ARCH参画企業のHiPro導入事例

森ビル株式会社　ARCH企画運営室 室長　飛松 健太郎氏　コメント

この度、2022年から提携パートナーであった「HiPro」の皆様を、もう一段踏み込んだ運営パートナーとしてお迎えすることとなりました。

「ARCH」開業以来4年間で顕在化した課題は、日本の大企業の新規事業担当者の実に約9割が、事業創出経験のない人材であるということでした。一般的に、大企業には事業創出に必要な知見や経験を持つ人材が多くなく、外部のプロ人材から適切な人に出会うことも至難の業です。しかし、「HiPro」の持つ約5万人のプロ人材のデータベースは、必要な知見を持つ人を容易に探し出し、共に協創を目指すことを可能とします。とりわけ「ARCH」においては、HiPro事務局がARCH企画運営室の一員となり、「ARCH」参画企業の課題やニーズを解像度高く把握することで、適切なタイミングで選りすぐりのプロ人材を紹介いただくことができるようになり、結果多くの事業創出を加速させることとなりました。さらに、参画企業の「HiPro」への依頼から、思いがけないニーズが掘り起こされ、「ARCH」のサービス内容を拡充、進化させるきっかけともなっております。

この2年間で「HiPro」と培った良い流れをさらに太く確実なものすることで、参画企業による新規事業の創出を加速させ、日本の社会課題を解決し、豊かな未来に寄与するものと期待しております。

パーソルキャリア株式会社　執行役員 兼 HiPro事業責任者　鏑木 陽二朗　コメント

社会構造の変化に伴い、日本を牽引する大企業の大半が、マーケットの成熟化による既存事業の頭打ちに直面しています。結果、多くの企業が新規事業開発に着手しているものの、成功している企業は約3分の１^※にとどまっているといわれています。

※パーソル総合研研究所「企業の新規事業開発に関する調査結果」https://rc.persol-group.co.jp/assets/files/202205230001.pdf

「HiPro」は2020年、「ARCH」に出会いました。参画企業の担当者は、日本を代表する企業として大きな新規事業を創出すべく日々奮闘しているものの、社内の人的リソースや知見不足などから事業を進めるにあたって苦戦を強いられている。そして、「ARCH」は、大企業の新規事業を推進するため、サポート体制をさらに強化していきたいという想いを持っていることを知りました。「HiPro」は2022年から「ARCH」の提携パートナーとなり、「HiPro」が有するプロ人材関連のアセットや、パーソルキャリアが有するHRのノウハウを提供してまいりました。結果、参画企業の新規事業創出のサポートを通じて、確実に成功事例が生まれてきています。

今後は、運営パートナーとして、インキュベーション施設の運営支援に加えて、参画企業の新規事業開発をより推進するために、施設関係者の皆さまとともに、新しい価値を生み出していく礎を築き、ひいては日本企業全体の新規事業開発を牽引する取り組みにできればと考えます。

「ARCH」について＜ https://arch-incubationcenter.com/ ＞

「ARCH」は、大企業の事業改革や新規事業創出をミッションとする組織に特化して構想された、世界初のインキュベーションセンターで、2024年7月現在 約120社/900人が参画しています。豊富なリソースやネットワークを持つ大企業ならではの可能性と課題にフォーカスし、ハードとソフトの両面から、事業創出をサポートします。

企画運営は、虎ノ門ヒルズエリアにおいてグローバルビジネスセンターの形成を目指す森ビルが行い、米国シリコンバレーを本拠地とするWiLがベンチャーキャピタルの知見をもって参画。国内外の幅広いネットワークと事業創出のノウハウを活かした、事業創出を支援する独自のサービスを提供します。 また、施設専属の新規事業支援の専門家が、会員同士のコミュニケーションや事業創出をサポートしていきます。

「ARCH」は様々な産業分野の多様なプレーヤーが交差する架け橋となり、日本ならではのイノベーション創出モデルの実現を目指します。