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副業と本業は両立できる?両立ができないケースや大切なポイントを徹底解説

副業と本業の両立のイメージ

副業は単に収入を増やす手段ではなく、自身の市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げるための戦略的な一手です。しかし、計画を立てずに進めると、本業と副業の両立が難しくなるリスクも潜んでいます。

本記事では、副業と本業を両立させるための具体的な注意点や、成功に導くためのポイント、さらには実践的な時間管理術まで、データに基づいて徹底的に解説します。

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副業との両立は本当に可能?副業の実態を解説

副業と本業の両立は可能なのか。まずは、客観的なデータから副業の両立の実態を正しく理解し、現実的なキャリアプランを描くための土台を築きましょう。

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「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で労働者の健康の確保が明記されている

国も副業と本業の両立を後押ししており、その指針が厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」に示されています。

このガイドラインでは、企業に対して「副業・兼業を原則として認めることが適当」との見解を示しており、はたらき方の多様化を推進する姿勢が見て取れます。重要なのは、単に副業を解禁するだけでなく「労働者の健康の確保、ゆとりある生活の実現の観点から、長時間労働にならないようにすること」も同時に求めている点です。

つまり、国の方針としても「健康を維持しながら、無理なく両立させること」が重視されています。副業は自己責任のもとで行うものですが、その前提として、心身の健康を損なわないはたらき方が社会全体で求められています。

出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン(厚生労働省)

総労働時間(本業+副業)に占める副業の割合の中央値は約30%

実際に副業をしている人は、どのくらいの時間を割いているのでしょうか。

HiProが発表した「副業・フリーランス人材白書2025」によると、専門性の高いハイクラス層における1か月あたりの副業時間は「20時間」が中央値でした。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

さらに、本業と副業を合わせた総労働時間に占める副業の割合の中央値は「29.4%」という結果が出ています。これは、総労働時間のうち約3割を副業に充てている計算です。

多くの人が本業のパフォーマンスを維持しつつ、コントロール可能な範囲で副業に取り組んでいることがわかります。

闇雲に時間を投下するのではなく、本業とのバランスを意識した計画的な活動が、両立を実現する鍵といえるでしょう。

本業と副業の両立が難しいと感じる人も一定数存在する

副業と本業の両立は可能である一方、誰もが簡単に実現できるわけではありません。時間や体力の制約から、両立の難しさを感じ、副業に踏み出せない人が一定数いることも事実です。

HiProの「副業・フリーランス人材白書2025」によれば、副業をしない理由として「時間的に副業をする余裕がないから」と回答した人は、ハイクラス層で20.3%、メンバークラス層で21.9%にのぼりました。

また、「体力的に副業をする余裕がないから」という回答も、ハイクラス層で12.7%、メンバークラス層で18.7%と、決して少なくありません。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

これらのデータは、副業を始める前に、自身の可処分時間や体力を客観的に把握し、無理のない計画を立てることの重要性を示しています。

副業と本業の両立をする際の注意点

副業と本業の両立は、キャリアに大きなメリットをもたらす一方で、いくつかの注意点を理解しておかないと、双方に悪影響を及ぼしかねません。

時間管理の失敗から法的なリスクまで、起こりうる問題を事前に把握し、賢くリスクを回避することが、持続可能な副業キャリアの第一歩です。

時間配分を誤って本業のパフォーマンスが低下する

副業に熱中するあまり、本業のパフォーマンスが低下するのは避けたい事態です。

特に、マーケティング戦略の立案や事業アドバイザーといった専門職の副業は、高い集中力と深い思考を要します。夜遅くまで副業に没頭した結果、翌日の本業で集中力を欠いたり、重要な会議で的確な判断ができなかったりすることは望ましくありません。

本業の就業時間中は副業の連絡を返さない、休息する日を週1日は設けるなど、明確なルールを設定することが不可欠です。時間配分を誤ると、本業での評価を損なうだけでなく、心身の疲労から副業の継続も困難になるリスクがあります。

スキルや実績につながりにくい案件を選んでしまう

目先の報酬額や手軽さだけで副業案件を選んでしまうと、時間を有効に使えない可能性があり、キャリアの停滞を招く恐れがあります。

たとえば、専門性を必要としない案件だけでは、収入は得られても、自身の市場価値向上にはつながりにくいと言えそうです。

副業は単なる収入源ではなく、新たなスキルを獲得し、実績を積み上げるための戦略的な「投資」としての側面もあります。長期的なキャリアの可能性を広げる副業を選ぶことが、自信の市場価値の向上につながりやすいでしょう。

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燃え尽き症候群で仕事へのモチベーションが低下する

本業と副業の両立は、常に高いパフォーマンスを求められるため、精神的なプレッシャーも大きくなります。特に責任感の強い人ほど、双方で完璧を目指そうとして、知らないうちに心身をすり減らしてしまうことがあるため注意が必要です。

休息を十分に取らずにはたらき続けると、ある日突然、糸が切れたように意欲を失う「燃え尽き症候群(バーンアウト)」に陥るリスクがあります。

燃え尽き症候群になると、仕事への関心を失い、本業・副業双方のパフォーマンスが著しく低下する可能性があります。そうなる前に、意識的に休息を取り、趣味や運動などでリフレッシュする時間を確保することが不可欠です。仕事のモチベーションを維持するためにも、自分自身の心と体の声に耳を傾ける習慣を持ちましょう。

競業避止義務・秘密保持義務に違反して、信頼の失墜につながる

副業を行う上で、法的な義務の遵守は絶対条件です。特に注意すべきなのが「競業避止義務」と「秘密保持義務」です。

競業避止義務とは、所属企業と競合する企業ではたらいたり、競合する事業を自ら行ったりしない義務のことです。秘密保持義務は、業務上知り得た企業の機密情報を外部に漏らさない義務を指します。たとえば、本業で得た顧客リストを副業で利用する、未公開の製品情報を副業先のコンサルティングで話してしまうといった行為です。

こうした違反が発覚すれば、副業のクライアントからの信頼を失うだけでなく、本業の会社から損害賠償請求や懲戒処分を受ける可能性もあります。副業を始める前に、本業の就業規則を確認し、契約内容を正しく理解することが、自身のキャリアを守る上で不可欠です。

労働時間の管理を怠り、法的なリスクや心身の不調を招く

本業と副業のはたらき方によっては、労働時間の管理が法的に重要になるケースがあります。

特に注意が必要なのは、本業・副業の両方で「雇用契約」を結んでいる場合です。このケースでは、労働基準法に基づき、両社の労働時間を通算して管理する必要があります。通算した時間が法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えれば、割増賃金が発生します。

一方で、本業が雇用契約、副業が業務委託契約の場合や、その逆のケースでは、原則として労働時間の通算は不要です。しかし、法的義務がないからといって、無制限にはたらいて良いわけではありません。過度な長時間労働は、心身の健康を損ない、本業・副業双方のパフォーマンス低下に直結します。どのような契約形態であれ、自己管理のもとで無理のない範囲で活動することが、両立を成功させる大前提となります。

出典:副業・兼業における労働時間の通算について(厚生労働省)

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本業と副業を両立させるために大切な5つのポイント

本業と副業の健全な両立は、行き当たりばったりでは実現できません。戦略的な時間管理、仕事の選び方、そして心身のセルフケアが不可欠です。

ここでは、多忙な中でも着実に成果を出し、キャリアを拡大していくための5つの重要なポイントを解説します。

「タイムブロッキング」で副業に使える時間を明確にする

両立を成功させる第一歩は、時間の可視化です。

「タイムブロッキング」は、1日や1週間のスケジュールを時間単位で区切り、特定のタスクを割り当てる時間管理術です。カレンダーアプリなどを用いて、「月曜20時〜22時は副業A社の資料作成」「水曜8時〜9時は副業B社との定例会議」というように、あらかじめ副業の時間をブロックします。

タイムブロッキングの利点は、副業に使える時間を明確に確保できるだけでなく、「今は本業に集中する時間」「ここからは副業の時間」と意識を切り替えやすくなる点にあります。

また、自分のキャパシティを超えた案件を受けてしまうのを防ぐ効果もあります。漠然と「空き時間でやろう」と考えるのではなく、時間を予約する意識を持つことが大切です。

副業の経験を本業にも活かせる「シナジー案件」を見つける

副業を単なる収入源と捉えず、本業との相乗効果(シナジー)を生む機会と考えることが、キャリアアップを加速させます。たとえば、副業で得た知識やスキル、人脈が本業にも直接的に活かせるような仕事のことです。

事業会社のマーケターが、副業で急成長中のスタートアップ企業のマーケティング戦略アドバイザーを務めるケースを考えてみましょう。副業先で最新のデジタルマーケティング手法やアジャイルな組織運営を学ぶことで、その知見を本業の組織に還元し、新たな価値を創造できるでしょう。

このように、本業と副業が互いに好影響を与え合う関係を築くことで、一石二鳥の効果が生まれ、両立のモチベーションも高まるでしょう。

タスクの「優先順位付け」を徹底して効率的に仕事をする

本業と副業、双方から発生する無数のタスクを効率的に対応するには、徹底した優先順位付けが不可欠です。「緊急度と重要度」のマトリクスなどを活用し、今やるべきこと、後でやること、やらなくてもよいことを常に仕分ける習慣をつけましょう。

たとえば、クライアントへの提案書の提出期限が迫っているタスクは「緊急かつ重要」ですが、業界動向のリサーチのようなタスクは「重要だが緊急ではない」かもしれません。成果に直結するコア業務に集中し、それ以外の付随業務は効率化を図る意識が求められます。

優先順位付けは、限られたリソースを最大限に活用するための必須スキルです。

規則正しい生活と適度な休息で心身のバランスを維持する

高いパフォーマンスを維持するためには、心身の健康が土台となります。特に、本業に加えて副業を行う場合は、意識的に休息を取り、生活リズムを整えることが重要です。睡眠時間を削って副業の時間を捻出するようなはたらき方は、長続きしづらいです。

十分な睡眠の確保はもちろん、定期的な運動やバランスの取れた食事、趣味に没頭する時間など、仕事から完全に離れてリフレッシュする機会を設けましょう。資本である自身の心と体が健全でなければ、質の高いアウトプットは望みにくいでしょう。

規則正しい生活と休息は、持続的に価値を提供し続けるための重要な「戦略」と捉えましょう。

専門家に相談してトラブルのリスクを抑える

副業を始めると、契約内容の確認や確定申告、本業の会社との関係調整など、専門的な知識が必要な場面に直面することがあります。特に、クライアントとの契約で不利な条項を見抜けなかったり、法的な義務を怠ったりすると、後々大きなトラブルに発展しかねません。

自分一人で抱え込まず、必要に応じて弁護士や税理士といった専門家の助言を求めることが、リスクヘッジにつながります。たとえば、契約書のリーガルチェックを弁護士に依頼する、複雑な税務処理を税理士に相談するなど、専門家の知見を活用することで、安心して副業に集中できる環境を整えられます。

副業と本業の両立はどのように実施するとよい?

副業と本業を両立させるためには、具体的なはたらき方の工夫が鍵となります。どのような契約期間で、どの時間帯に活動するのか。多くの成功事例には、本業への影響を抑えつつ、副業の成果を最大化するための共通点が見られます。データに基づいた実践的なアプローチを知ることで、あなたに合った両立のスタイルを見つけましょう。

「スポット型」副業で活動時間を調整する

副業を継続する上で、活動時間のコントロールは重要な課題です。特に、本業が繁忙期に入るタイミングなど、状況に応じて柔軟に活動量を調整したいと考える方は多いでしょう。そこで有効なのが、長期間の継続契約ではなく、「スポット型」の案件を選ぶ方法です。

HiProの「副業・フリーランス人材白書2025」によると、ハイクラス層の実に39.3%が、プロジェクト単位や数か月単位で完結するスポット型の案件で活動しています。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

たとえば、「新規事業の立ち上げ支援(3か月間)」や「特定のマーケティング施策に関するアドバイザリー(全5回)」といった案件です。

スポット型であれば、一つの契約が終了したタイミングで、次の案件を受けるかどうかを自身の状況に合わせて判断できます。

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副業の会議・打ち合わせは、平日の早朝・夜や休日が多い

本業との両立において、クライアントとのコミュニケーション時間をどう確保するかは大きな課題です。特に、日中は本業の就業時間の方が多いでしょう。しかし、多くの副業実践者は、この課題をうまくクリアしています。

HiProの「副業・フリーランス人材白書2025」の調査では、62.6%もの人が、副業の会議や打ち合わせを「平日の早朝・夜」または「休日」に実施していることが明らかになりました。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

これは、多くのクライアント企業が、副業人材のはたらき方に対して柔軟な対応をしていることを示唆しています。たとえば、本業が始まる前の早朝に30分だけ進捗会議を行う、あるいは平日の夜に集中してディスカッションの時間を設けるといった工夫です。

本業のコアタイムを避け、柔軟にコミュニケーション時間を設定することが、両立の現実的な解といえるでしょう。

副業と本業の両立に関するよくある質問(FAQ)

副業と本業の両立を検討する中で、多くの方が同じような疑問や悩みを抱えています。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

Q1.子育てや介護と両立しながら副業はできる?

結論から言うと、子育てや介護と両立しながらの副業は可能です。ただし、時間やタスクの管理をより一層、戦略的に行う必要があります。重要なのは、活動時間を柔軟に調整できる案件を選ぶことです。

たとえば、納期を守れば作業時間は問われないコンサルティングの資料作成や、週1回・1時間のオンラインアドバイザリーなど、時間に縛られないはたらき方ができる副業が適しています。

また、突発的な対応が求められる子育てや介護の状況を考慮し、あらかじめクライアントに事情を伝え、理解を得ておくことも大切です。無理のない範囲で始め、生活の状況に合わせて徐々に活動を調整していくのが成功の鍵です。

Q2.複数の副業を同時に両立させることは可能?

複数の副業を同時に両立させることは可能ですが、高度な自己管理能力が求められます。まずは一つの副業に集中し、本業との両立のペースを掴むことをおすすめします。

一つの副業で安定的に成果を出せるようになった後、もし時間的・体力的に余裕があれば、二つ目の副業を検討する、というステップを踏むのが安全です。複数の副業を持つ場合は、それぞれの案件の納期やタスクを一覧化し、全体のスケジュールを俯瞰できるツールを活用することが不可欠です。

副業と本業の両立を実現してキャリアの可能性を広げよう

本記事では、副業と本業を両立させるための具体的な注意点や成功のポイントについて、データと共に解説しました。

副業と本業の両立は、計画的な時間管理、キャリア戦略に沿った案件選び、そして心身の健康維持が揃って初めて実現可能です。まずは自身の可処分時間を正確に把握し、無理のない範囲で始められる「スポット型」の案件を探すことから始めてみましょう。

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