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副業トラブルガイド|確認すべきポイントや相談先まで解説

副業トラブルのイメージ

はたらき方が多様化して副業が身近になる一方で、トラブルに巻き込まれるケースも存在します。本記事では、副業トラブルの実態や、契約前に確認すべき重要ポイントを解説します。

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急増する副業に関するトラブルの実態と背景

近年、副業を取り巻く環境は大きく変化し、トラブルも増加しています。ここからは、消費者庁の注意喚起を基に、副業トラブルがなぜ増えているのか、その実態と社会的な背景を解説します。

消費者庁が注意喚起を出している

消費者庁は、副業に関するトラブル、特にSNSを悪用した手口に対して強い警告を発しています。

令和6年7月以降、SNS等に表示される「簡単なアンケートに答えるだけ」といった広告をきっかけとした相談が、全国の消費生活センター等に多数寄せられている状況です。

最初は、誰でもできる簡単な作業で少額の報酬を実際に支払うことで利用者を信用させます。その後「より高額な報酬を得るためにはサポートプランへの加入が必要」などと持ちかけ、高額な契約を結ばせるのが一般的です。

最初の「簡単な作業」で関わってしまった手前、後の高額な要求を断りきれずに被害に遭っている人は少なくありません。

出典:簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起(消費者庁)

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副業でよくあるトラブルの事例と特徴

副業には、詐欺的なものから契約内容の認識齟齬まで、多種多様なトラブルが潜んでいます。

ここでは、6つの典型的なトラブル事例を挙げ解説します。

曖昧な契約による成果指標や契約範囲を巡るトラブル

契約書における業務範囲や成果物の定義が曖昧な場合「業務範囲の拡大(スコープクリープ)」を引き起こす要因となります。

たとえば、記事の執筆を依頼されたはずが、納品後に「この記事に関連するSNS投稿も作成してほしい」と、契約外の作業を追加料金なしで要求されるケースが考えられます。

このような事態を防ぐためには、契約段階で「修正は2回まで」「成果物は〇〇の要件を満たしたもの」など、具体的かつ客観的な指標を決定することが不可欠です。
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高額案件における契約解除・損害賠償リスク

高額な報酬が期待できる案件は、契約解除に伴うリスクも大きくなる傾向があります。

契約書には、受注者側の一方的な都合による契約解除や納期遅延に対して、高額な違約金や損害賠償を定めた条項が盛り込まれていることがあります。また、クライアント側の都合で納期に間に合わなくなったにも関わらず、責任を受注者側に転嫁される可能性もゼロではありません。

契約を締結する前に、解除条件や賠償責任の範囲を法的な観点から慎重に確認し、自身に一方的に不利な内容になっていないかを見極めることが大切です。

成果物納品後の報酬未払いトラブル

成果物納品後の報酬が未払いになるトラブルも存在します。

成果物を納品した途端にクライアントと連絡が取れなくなったり「品質が期待に満たない」と一方的な理由をつけて支払いを拒否したりする手口が典型的です。このような場合、まずはメール等の記録が残る形で支払いを催促し、それでも応じない場合は内容証明郵便を送付して正式に請求の意思を伝えることが有効です。

機密情報・競業避止義務違反となるリスク

本業を持つ会社員が副業を行う際に、特に注意すべきなのが「機密保持義務」と「競業避止義務」です。

本業の就業規則で副業が許可されていても、本業の競合他社ではたらいたり、同種の業務を行ったりすることで、意図せずこれらの義務に違反してしまうリスクがあります。

副業を始める前には、本業の就業規則を再確認し、自身の副業が本業の利益を不当に害するものでないか、慎重に検討することが大切です。

海外企業との契約における法務・税務の落とし穴

グローバル化に伴い海外企業との取引も増えていますが、ここには国内取引とは異なる特有のリスクが存在します。

特に、契約書に記載されている「準拠法(どの国の法律を適用するか)」や「裁判管轄(どこで裁判を行うか)」には注意が必要です。トラブルが発生した際に、海外の法律に基づき、外国の裁判所で争わなければならない事態に陥る可能性があります。

また、契約書が英語やその他外国語で作成されることが多く、法的専門用語が難解なケースも少なくありません。結果「報酬の支払条件」「契約解除のルール」「知的財産権の帰属」などの重要な部分を十分理解しないまま署名してしまうリスクもあります。

加えて、日本に居住する個人が海外企業から報酬を受け取る場合、原則として日本の所得税法上の課税対象となり、確定申告が必要となるケースがあります。ただし、所得の内容や租税条約の適用状況によって取扱いが異なるため注意が必要です。

出典:No.2010 納税義務者となる個人(国税庁)No.2885 非居住者等に対する源泉徴収のしくみ

意図せず著作権侵害・知的財産権侵害となるリスク

副業には、知的財産権に関するトラブルに巻き込まれるリスクも存在します。

クライアントの指示に従って制作した成果物が、結果として第三者の著作権を侵害していた場合、その責任は制作者である受注者自身が問われることが少なくありません。契約書に「成果物に関する知的財産権の問題は受注者が一切の責任を負う」といった条項が含まれている場合は注意が必要です。

副業でトラブルに遭わないために確認すべきポイント

副業トラブルの多くは、事前の確認を徹底することで防ぐことが可能です。ここでは、安全な副業案件を見極めるために、契約前に必ずチェックすべき5つの重要なポイントを紹介します。

運営会社の情報が明記されているかをチェックする

信頼できる事業者かどうかを判断するためには、運営会社の情報を確認することが重要です。

公式サイトなどに掲載されている「特定商取引法に基づく表記」などを確認し、会社名、住所、電話番号、代表者名が正確に記載されているかを見ましょう。特定商取引法に基づく表記が求められるサービスであるにもかかわらず、これらの情報が確認できない場合は注意が必要です。

さらに、国税庁の「法人番号公表サイト」で会社名を検索し、法的に登記された実在する企業であることを確認する一手間が重要です。もし、住所が架空であったり、法人登記が確認できなかったりした場合は、その案件は危険性が高い可能性があります。

「誰でも・必ず・簡単に稼げる」など甘い言葉で誘っていないかを確認する

「スマホをタップするだけ」「1日10分で月収30万円」など、労働の対価として不相応に好条件をうたう広告には警戒が必要です。

上記のような誘い文句は、冷静な判断力を奪い、楽して稼ぎたいという心理につけ込むための常套句です。

非現実的なリターンを約束する案件は、その裏に高額な情報商材の販売や詐欺的な目的が隠されている可能性が高いと考えましょう。

不自然に高額な登録料や教材費を要求されないかをチェックする

副業案件としての業務委託であるにもかかわらず、登録料やマニュアル代、サポート費用といった名目で事前に高額な費用を求められる場合は注意が必要です。

正規のクラウドソーシングプラットフォームなどでは、手数料は報酬から天引きされるのが一般的であり、はたらく側が先にお金を支払う構造にはなっていません。

「すぐに元が取れる」といった言葉に惑わされず、仕事を得るためにお金を支払うという構図自体に疑問を持つことが大切です。

契約内容や業務内容、報酬体系が明確に示されているかを確認する

契約書や業務委託基本契約書は、トラブルを未然に防ぐための重要な書類です。

契約を締結する前に、以下の項目が具体的かつ明確に記載されているかを確認しましょう。

  • 業務の範囲
  • 成果物
  • 検収基準
  • 報酬額と支払条件
  • 知的財産権の帰属

まず、具体的にどのような業務を行い、何を成果とするのかの確認は大切です。制作物の知的財産権が誰に帰属するのかも合わせて確認しておきましょう。また、どのような状態になれば作業が完了し、どのように支払いが行われるかも確認する必要があります。

書面による契約書がない場合でも、メールやチャット上でこれらの条件が明確に合意されているかを確認しましょう。

SNSやインターネットで第三者の客観的な口コミ・評判をチェックする

契約を検討している企業やサービス名でインターネット検索を行うことも、効果的な自己防衛策です。ただし、高評価の口コミが意図的に作られたものである可能性も否定できません。

口コミの有無や評価だけでなく、情報の偏りや投稿時期なども含めて総合的に判断することが重要です。

一人で悩まないことが大切|副業に関するトラブルの無料相談先一覧

消費者を守るための公的な相談窓口や専門家が存在します。トラブルが起きた場合、問題を抱え込まず、適切な場所に相談することが大切です。ここでは、主要な窓口を紹介します。それぞれの役割を理解し、状況に応じて活用してください。

消費者ホットライン(188)

消費者ホットラインとは、副業に関するトラブルを含め、商品やサービスの契約に関する困りごと全般について相談できる全国共通の電話番号です。局番なしの「188」に電話をかけると、最寄りの市区町村や都道府県の消費生活センターにつながり、専門の相談員からアドバイスを受けられます。

事案の内容によっては、事業者との間に入ってあっせん(交渉の仲介)を行ってくれる場合もあります。どこに相談すればよいか分からない場合は、まずは消費者ホットラインに電話するとよいでしょう。

出典:消費者ホットライン|消費者庁どうしよう?困ったときは、消費者ホットライン188番にご相談を!(政府広報オンライン)

返金交渉や法的措置を考えるなら弁護士へ相談

事業者との交渉が難航している場合や、未払い報酬の回収、損害賠償請求など、法的な手続きを視野に入れる場合は、弁護士への相談が不可欠です。

法律の専門家として、あなたの代理人となり、内容証明郵便の作成・送付から、交渉、調停、訴訟まで、法的な手続きを任せられます。初回相談を無料で行っている法律事務所も多いため、まずは相談してみることが大切です。

副業トラブルの知識を身につけて安全に副業ができる環境を整えよう

本記事では、急増する副業トラブルの実態・背景や具体的な事例、トラブルを回避するための確認ポイントや発生時の対処法について解説しました。

はたらき方の選択肢が広がる現代において、副業は収入やスキルを向上させるための有効な手段です。ただ、その裏には巧妙化する詐欺や契約上の落とし穴といった多くのリスクが潜んでいます。

まずは、現在検討している副業案件の契約内容を確認し、安全に作業ができるかどうかを確認しましょう。

少しでも不安な点があれば、行動を起こす前に立ち止まり、専門家に相談することも大切です。

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