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【弁護士監修】副業で契約書は必要?主な種類や重要視される理由・作成方法を徹底解説

副業の契約書のイメージ

副業において契約書は「形式的な書類」ではなく、自分の権利と報酬を守るために重要なツールです。仕事を進めるうえでのルールを明文化し、トラブル時には法的な拠り所にもなります。

契約書を軽視すると、報酬未払いや業務範囲の押し付け、成果物の権利トラブルなど、取り返しのつかない問題に発展する恐れがあるため注意が必要です。

本記事では、副業における契約書の必要性やメリット、種類ごとの特徴、そして実際に作成するときの重要項目まで徹底的に解説します。

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副業でも契約書が重要視されている背景

副業の仕事は単発やリモートなど柔軟なスタイルが多い一方、トラブルが起きやすく、またトラブルになった場合、本業の会社にまで迷惑が掛かりかねないという側面もあります。契約書は「言った・言わない」の水掛け論を防ぎ、信頼できる関係を築くための基盤です。

なぜ重要視されるのか、その背景を見ていきましょう。

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権利・義務を明確にするため

契約書の第一の役割は、双方の権利と義務を明確にすることです。副業では、報酬額や業務範囲、納期、著作権の帰属など、多くの要素が曖昧なままスタートしてしまいがちです。

ただ「追加の作業を頼まれたが報酬が変わらない」といったケースは、契約書がなければ不利な状況に陥る危険があります。

あらかじめ書面で取り決めておくことで、依頼者は業務の遂行を安心して任せられ、受託者は正当な対価を請求することが可能です。

揉め事や訴訟が発生した際の証拠となるため

副業に関するトラブルは、報酬の未払い、納品物の品質、知的財産権の扱いなど多岐にわたります。口頭での合意しかない場合、万一揉めた際に「本当に約束したのか」という点が争点となり、立証が難しくなります。

契約書は、契約内容や権利義務の範囲を示す有力な証拠となり、裁判や調停などの法的手続でも活用されます。契約書があれば、争いが起きた際に「どちらの主張が正しいか」を冷静に判断する基準が残るため、余計な消耗を避けられます。

期日や支払い方法などのトラブルやミスを防ぐため

納期や支払い条件をめぐる行き違いは、副業で特に多いトラブルです。「報酬は月末払いと思っていたが、相手は翌々月払いの認識だった」「納期が一週間早いと依頼者が主張している」といった問題は、契約書に明記がないと解決が難しくなります。

契約書には、支払い日や振込先、納期や検収の基準などを具体的に記載することが推奨されます。こうした項目をあらかじめ固めておくことで、双方の期待値を合わせ、業務をスムーズに進めることが可能です。

特に副業では本業との兼ね合いからスケジュール調整が不可欠です。事前に書面で取り決めることが、効率的に安心してはたらくための土台になります。

企業側は副業人材に不安を抱えているため

契約書が重要視される背景には、企業側の心理的不安もあります。

HiProの調査(2025年)によれば、副業・フリーランス人材を活用しない理由として、ハイクラス層(※1)では、18.4%、メンバークラス層(※2)では17.3%と、約20%の企業が「業務に責任を持ってもらえるか不安」と回答しています。

※1:高度な事業課題を解決できる経験・スキルを有する人材層。「副業・フリーランス人材白書2025」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円以上」とした。
※2:日常的に発生する業務に従事する人材層。「副業・フリーランス人材白書2025」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円未満」とした。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

企業にとって、副業人材は本業との両立や責任感の度合いが見えにくいため、契約書で業務範囲や成果物、守秘義務を明文化することが信頼関係の前提となります。つまり、契約書は副業人材が「責任を持って仕事を遂行する意思」を示すツールであり、安心して任せてもらうための重要な証明手段ともいえるでしょう。

副業で契約書を締結するメリット

契約書は単なる形式ではなく、副業を安全かつ効率的に進めるために重要なツールです。報酬・業務範囲・権利関係を明確にできるため、トラブル防止だけでなく交渉や信頼関係の構築にも役立ちます。

ここでは、副業で契約書を締結するメリットを紹介します。

報酬や支払い条件などの金銭トラブルを防止できる

副業で多いトラブルの一つが、報酬の未払い・遅延です。

口頭やメールだけで合意した場合、支払い条件の解釈違いが発生しやすく、請求が難しくなる恐れがあります。契約書に「報酬額」「支払期日」「振込先」「消費税の扱い」などを明記すれば、万が一の支払い遅延時にも法的根拠を持って請求可能です。

たとえばコンサルタント業務を月額固定で行う場合、契約書に「翌月末日払い」と記載しておけば、遅延が生じても根拠を示しやすくなります。副業においては「対価を得られる仕組み」を整えることが、安心して継続するための必須条件といえるでしょう。

業務範囲や責任分担を明確化できる

副業案件で最初は「資料作成のサポート」だったものが、気づけば「会議の企画・運営」まで任されるといったケースもあります。

契約書に業務内容と範囲を明確に記載すれば、依頼者が追加作業を求めた際に「契約外の業務である」と指摘できます。また、業務範囲を明文化することで、依頼者も安心して仕事を任せられます。特にマーケティングや経営コンサルティングといった専門性の高い業務では、責任範囲の線引きが重要です。

契約書は、双方の役割を公平に保つガイドラインとしても機能することを理解しておきましょう。

著作権や成果物利用のトラブルを防止できる

副業で作成した資料や分析レポート、プログラムなどは「誰の権利に帰属するのか」が明確でないとトラブルの原因となります。

契約書に「著作権は依頼者に譲渡する」「利用範囲は当該プロジェクトに限定する」と定めることで、後の誤解や権利侵害を防げます。

知的財産権は法的保護の対象であるため、あらかじめ契約で線引きをしておくことが重要です。権利関係を明文化することで、双方が安心して成果物を活用できます。

双方が信頼して仕事を進められる

契約書の存在は、単に法的効力を持つだけでなく、互いに信頼して協力するための象徴でもあります。

依頼者にとっては「この人は責任を持って契約を結ぶ姿勢がある」と評価でき、副業者にとっては「報酬や条件が不透明にならない」という安心感につながります。信頼がベースにあれば、仕事の進行もスムーズになりやすいでしょう。

はたらき方や条件の交渉がしやすくなる

契約書を前提に話を進めることで、報酬額や日数、成果物の範囲などを客観的に交渉できます。書面化されると、感覚的なやりとりではなく、条項ごとに条件を検討できるため、双方が納得しやすい点が魅力です。

たとえば副業コンサルタントとして「月10時間まで対応」「それを超える場合は追加料金」と契約書に記載すれば、無理な依頼を避けつつ、交渉によって追加報酬を得る余地も生まれます。

副業で使用する契約書の種類は?契約形態別に解説

副業で交わされる契約書には、大きく分けて業務委託型と雇用型の2つが存在します。

独立した事業主としての委託契約か、雇用契約かによって内容は大きく異なります。自分のはたらき方に合わせた契約書の種類を理解しておきましょう。

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業務委託契約で使用する「業務委託契約書」

副業の多くは、会社に雇われるのではなく業務を引き受ける形で進められます。

その際に交わすのが業務委託契約書です。委託者(発注側)と受託者(副業をする側)の対等な関係を前提とし、原則として労働基準法の適用外となるのが特徴です。

報酬は労働時間ではなく成果や業務遂行そのものに基づいて支払われます。副業者は自ら業務をコントロールできる反面、社会保険や労働保護の対象外になる点に注意が必要です。

以下では代表的な契約形態として「請負契約書」と「委任契約書・準委任契約書」に分けて解説します。

成果物で報酬が決まる「請負契約書」

請負契約書は、完成した成果物の納品をもって報酬が発生する契約です。成果物の完成が条件となるため、納期や品質が明確に求められます。

たとえば、経営戦略に関する市場分析レポートや、新規事業の計画書を提出する業務は「成果物の完成」が基準となるため請負契約が適しています。この場合、依頼者は完成した成果物を受け取り、副業者はその成果物を納品する責任を負います。

成果物が完成しなければ報酬は支払われないため、リスクを伴う契約形態でもあります。そのため、報酬額や検収条件を契約書にしっかりと定めることが必須です。

業務の遂行自体が目的の「委任契約書・準委任契約書」

委任契約・準委任契約は、成果物の完成ではなく業務の遂行自体が目的となる契約です。業務を遂行することに対して報酬が発生し、結果そのものは問われません。

たとえばマーケティング戦略のアドバイザーとして定期的に会議へ参加し、助言を行う場合は委任契約が該当します。さらに、データ分析やシステムの運用サポートのように専門知識をもとに継続的に支援する業務も準委任契約に含まれます。

成果物完成のリスクを負わない分、業務範囲や時間、役割を契約書に細かく定めておくことが大切です。副業者にとっては安定的に報酬を得やすい契約形態といえます。

雇用契約で使用する「雇用契約書」

雇用契約書は、企業に雇われる形で副業を行う場合に使用されます。労働基準法が適用され、勤務時間や休日、社会保険の取り扱いなどが明記される点が特徴です。

雇用契約では、労働基準法により本業と副業の労働時間は原則として通算されます。そのため、長時間労働の防止や割増賃金の取扱いについて、企業側に一定の管理対応が求められる点が特徴です。コールセンター業務やアルバイト的な副業には、雇用契約が利用されることもあります。

副業を検討する際には、自分が「労働者」として雇われるのか、「事業主」として業務を行うのかを見極めることが、契約書を理解するうえで重要です。

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副業の業務委託契約書を作成する際に確認すべき重要項目

副業で交わされる契約の多くは「雇用契約」ではなく、独立した立場で業務をする「業務委託契約」です。

そのため、原則として労働基準法上の保護はなく、取引条件は契約書の内容に大きく依存します。安全に仕事を進めるために確認しておきたい重要項目を整理します。

業務内容・範囲

業務委託契約で重要なのは、業務の内容と範囲を明確にすることです。ここが曖昧だと、依頼者から想定外の追加作業を求められる恐れがあります。

たとえば「マーケティング支援」とだけ記載されている場合、レポート作成から広告運用まで幅広く依頼されかねません。契約書には「市場分析レポート作成」「月2回のオンラインミーティング参加」といった具体的な内容を明記し、責任範囲を限定することが重要です。

副業では本業とのバランスも必要なため、業務内容を明確にしておくことで、時間や労力の過剰負担を防げます。

報酬(金額・支払条件)

報酬額と支払い条件は、副業者にとって関心の高い項目です。金額はもちろん、支払期日、振込先、消費税や源泉徴収の有無まで明記しておきましょう。報酬の算定方法(固定報酬、時給、出来高)も明示しておくと、後の誤解を防げます。

特に請負契約の場合は、納品と検収が報酬発生の条件となるため、検収基準や期日を具体的に取り決めておくことが大切です。

契約期間・納期

契約期間と納期を明確にすることは、副業者が本業との両立を図る上で不可欠です。期間が定められていない契約は、終了時期をめぐるトラブルの原因になります。

その際、「契約期間は2025年4月1日から2025年9月30日まで」といった明記が望ましいです。納期についても「市場分析レポートを5月末までに提出」と具体的に記載する必要があります。

納期が曖昧だと、依頼者の期待と副業者の認識がずれ、信頼関係が損なわれかねません。契約期間や納期は、双方が安心して業務を進めるための大切な指標です。

成果物の権利の帰属(知的財産権)

副業で作成した成果物が「誰のものになるのか」を契約書で定めることは必須です。知的財産権の取り扱いが不明確だと、依頼者と副業者の双方に不利益が生じます。

たとえば、市場分析レポートを作成した際に「著作権は依頼者に帰属する」と定めていなければ、副業者が勝手に外部で利用することも可能になり、トラブルの火種となります。一方、副業者としても「ポートフォリオに利用可能か」「自分の知見を再利用できるか」を明確にしたいところです。

契約書では「成果物の著作権は依頼者に帰属する。ただし実績紹介として利用することは可能」など、双方の利益を調整する条項を盛り込むことが望まれます。

秘密保持義務・競業避止義務

副業では企業の内部情報や顧客データを扱うことが少なくありません。そのため、秘密保持義務に関する条項は契約書の必須要素です。契約書で「知り得た情報を第三者に開示してはならない」と定めることで、依頼者は安心して情報を共有できます。

特にマーケティング戦略や新規事業計画などは、外部に漏れると大きな損失につながります。一方、副業者にとっても「何が秘密情報に当たるのか」「どこまで活用できるのか」が明文化されていれば、誤って情報を使うリスクを回避可能です。なお、副業の場合、本業の会社への報告義務があるケースも多くあります。しかし、秘密保持の対象が広範だったり、業務の内容や委託者名を含んだりする場合は注意が必要です。このような状況では、本業の会社への報告が秘密保持義務に抵触してしまうという事態が起こり得ます。

その場合は、契約時にあらかじめ「(本業の会社)への報告は除く」などの条項を入れておくといった対策が必要です。秘密保持義務は信頼関係の基盤であり、記載のない契約書を結ぶことは避けましょう。

また、副業という性質上、競業避止義務の範囲内に本業の会社が含まれたり、将来的に含まれたりすることがないかも注意が必要です。最悪の場合、副業のために本業を犠牲にせざるを得なくなったり、本業の会社に迷惑がかかったりすることにもなりかねません。副業や本業の遂行に過度な制約を課す内容になっていないか、慎重に確認することが重要です。

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再委託の可否

業務を第三者に再委託できるかどうかも重要です。副業案件では、自分のリソースだけでは対応が難しい場合もあります。

その際に再委託が認められていなければ、契約違反となりトラブルに発展します。契約書で「依頼者の承諾を得た場合のみ再委託可能」と定めることが一般的です。特にデータ分析や調査業務の一部を外注するケースでは、この条項が明確になっていないと大きなリスクを抱えることになります。

副業者にとっても、再委託が認められるか否かを事前に確認しておくことで、安心して受注の可否を判断することが可能です。

契約解除の条件

契約解除の条件は、双方にとってリスクを管理するために重要です。

「報酬未払いが続いた場合は解除可能」「業務遂行に著しい支障がある場合は解除できる」といった条項を盛り込むことで、トラブル時に柔軟な対応が可能になります。

契約解除の条件が曖昧だと、不当な理由で一方的に打ち切られる恐れがあります。副業者にとっては安定的に業務を続けるための保証となり、依頼者にとっても不誠実な対応を防ぐ手段となるでしょう。契約書に解除条件を定めることで、公平な取引を担保できます。

損害賠償の有無

契約違反や不履行があった場合に、損害賠償責任を負うかどうかを契約書で定めておく必要があります。副業者にとっては過大な責任を負うリスクを回避するため、範囲や金額を限定する条項を確認すべきです。

たとえば「損害賠償の範囲は契約金額の総額を上限とする」といった記載があれば、過剰なリスクを避けられます。依頼者側にとっても、重大な契約違反が発生した際に備える条項があることで、安心して業務を依頼可能です。

損害賠償は双方のリスクバランスを調整するための重要項目といえるでしょう。

反社会的勢力の排除条項

契約書には、反社会的勢力との関係を排除する条項が一般的に盛り込まれています。副業契約であっても例外ではありません。

契約書に「反社会的勢力と関係を持たない」旨を定めることで、企業は社会的信用を守れます。副業者にとっても、反社会的勢力と誤解されることを防ぐ安心材料となるでしょう。

紛争の解決方法

契約書には、紛争が発生した場合の解決方法も記載しておくことが一般的です。

裁判所で解決するのか、仲裁や調停を利用するのかをあらかじめ決めておくことで、トラブルが長期化するのを防げます。また、遠方で裁判をしなければならない場合もあるため、どこの裁判所で裁判を実施するかを事前に確認しておくことが大切です。

副業で業務委託契約書を作成する流れ

契約書は一方的に渡されてサインするだけのものではなく、双方で協議しながら内容を整えていくものです。

副業者として不利な条項を避けるためには、契約の流れを理解し、各ステップで確認すべき点を押さえておくことが重要です。

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ステップ1:副業先(委託者)と契約内容を協議する

まずは、業務の内容・範囲、報酬、納期などの基本条件を副業先と話し合うことが大切です。この段階での認識のズレを放置すると、契約書作成後に大きな修正が必要になったり、信頼関係を損なったりする恐れがあります。

たとえば、コンサルティング業務を依頼された場合、「週1回の定例ミーティング参加」と「成果物として月次レポートを提出」と具体的な内容まで詰めておきましょう。

副業者側も、本業との両立を考慮して現実的に対応できる条件を提示することが大切です。協議の段階で誠実かつ率直に意見を交わすことが、その後の契約を円滑に進める基盤となります。

ステップ2:必要な情報を盛り込んで業務委託契約書を作成する

協議した内容をもとに、契約書の草案を作成します。重要なのは、口頭で合意したことを漏れなく書面に反映することです。

業務範囲や報酬、成果物の権利、秘密保持義務など、必須項目を具体的に記載していきます。契約書は依頼者側が用意するケースが多いですが、副業者側から修正や追記を求めることも可能です。

契約書は形式的な文書ではなく、自分のはたらき方を守る交渉の道具であるという意識を持つことが重要です。

ステップ3:作成した契約書を双方で確認して修正する

草案が完成したら、双方で読み合わせを行い、修正点を調整します。

専門用語が多い契約書は、一読しただけでは理解しづらい部分もあるため、不明点は質問し、納得できる表現に修正してもらいましょう。

特に注意すべきは報酬の支払い条件や契約解除の条項です。副業者に不利な条件が隠れていないかを確認することが欠かせません。必要に応じて弁護士や専門家にレビューを依頼するのも有効です。

契約書は「署名してからでは直せない」ため、この段階で妥協せずに調整することが、将来のトラブル回避につながります。

ステップ4:契約を締結する

最終的に双方が合意した契約書に署名・押印を行い、契約を締結します。

近年では電子契約サービスを利用するケースも多く、オンライン上で署名・保管が可能です。電子契約は紙の保管や郵送の手間を省け、法的にも有効とされています。契約締結後は、自分の控えを保管し、後から参照できるようにしておきましょう。

形式的にサインするのではなく、「ここに記された内容が自分を守る盾であり、同時に義務を示すものだ」という意識を持つことが、副業を安全に進めるための第一歩です。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律(e-Gov法令検索)

副業の契約書に関するよくある質問(FAQ)

ここからは、副業の契約書に関するよくある質問を紹介します。

Q1.契約書は必ず作成しなければいけませんか?

契約自体は口頭やメールでも成立するため契約書は必須ではありませんが、作成した方がよいでしょう。口頭での合意だけでは証拠が残りにくく、後で「言った、言ってない」のトラブルに発展する可能性があるためです。

特に副業は本業との両立でトラブル処理に時間を割きづらいことが多いため、契約書を残しておくことで万一の際に自分を守れます。小規模な業務や短期間の案件でも、基本的な契約内容だけでも書面にしておくのが安全です。

Q2.契約書の内容を変更したい場合はどうすればいいですか?

契約締結後に条件を変更したい場合は、「覚書」や「変更契約書」を作成して合意内容を更新します。口頭で合意しただけでは効力が曖昧になりやすいため、書面に残すことが大切です。

報酬の支払日を変更する、納期を延長するなど、よくある修正事項は記録を残すことでトラブルを回避できます。

副業の契約書まとめ:安全に副業を続けるために

副業を安心して続けるためには、契約書をしっかり整えることが欠かせません。

契約書は「業務内容」「報酬」「納期」「知的財産権」「秘密保持」などを明確にする役割を持ち、トラブルを未然に防ぐために有効な手段です。特に副業では本業との兼ね合いや立場の弱さから、不利な条件を押し付けられるケースも少なくありません。

口頭やメールのやりとりだけに頼らず、書面や電子契約で証拠を残すことが、自分の仕事を守る第一歩です。さらに、内容が複雑な契約や長期にわたる案件では、専門家に相談してチェックを受けるのも有効です。

副業を継続的に成長させるためには、スキルや実績の積み上げだけでなく、法的なリスク管理も重要なポイントです。契約書を味方につけることで、安心して仕事に集中し、信頼関係を築きながら長く活動を続けられるでしょう。

(監修日:2025年9月1日)

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【監修者】河野 冬樹 法律事務所アルシエン|弁護士

法律事務所アルシエン(https://www.kawano-law.net/ )|弁護士

弁護士として、主にクリエイターの方をメイン顧客とし、著作権、フリーランス法務、エンターテイメント法務などを取り扱っております。 情報発信にも力を入れており、Xのフォロワー数は1万人を超えております(@kawano_lawyer)。

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