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“デジタル”のスキルを活かし、副業で視野を広げる。案件獲得が新たな自信に。

塩澤 美幸

塩澤 美幸

30代。化粧品メーカーで企業ブランディング領域におけるデジタルプロモーションやコンテンツなどの企画・制作を担当。バナーや動画、Webサイトなどの制作経験も長く、豊富な知見と高いスキルを持つ。

キャリアの初期には、主に紙媒体のクリエイティブを経験してきた塩澤美幸さん。スマートフォンの普及とともにデジタルコンテンツの重要性を感じ、デジタルの制作スキルを身につけるために広告代理店へ。多くのクライアントを抱えるディレクターとして活躍した後、現在勤める化粧品メーカーの広報部に転職されました。

しかし、すぐにコロナ禍に突入。リモートワークといった環境の変化を受けて、副業への関心を持ったと言います。需要の高いデジタルコンテンツのディレクター兼クリエイターとして、どのように副業と向き合っているのか。生の声を伺いました。

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コロナ禍の副業解禁。在宅勤務でも視野を広げてはたらきたかった。

――まずは本業について教えてください。

化粧品メーカーの広報部で、企業プロモーションの領域を担当しています。企業の魅力や価値を社外に発信していくために、たとえば社長や社員に出演いただくコンテンツや技術情報に関するコンテンツなどを企画・制作しています。

――副業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

今の会社には7年ほど前に転職しましたが、しばらくして新型コロナウイルスの感染拡大があり、在宅勤務に変わりました。在宅勤務はこれまでのはたらき方と違いが多く、以前のように情報が飛び交う中でインプットとアウトプットを繰り返すような仕事ができなくなっていきました。情報格差のようなものを感じていた頃、会社で副業が解禁になりました。副業を始めれば、たとえ在宅勤務でも視野が広がりやすいのではないか、できることも増えるのではないかと思ったのがきっかけでした。

――副業活動に対して期待されていたことはなんでしょうか?

スキルアップと人脈を広げることです。先ほどもお伝えした通り、視野を広げ、できることを増やしたいと考えていました。また、本業ではどうしても関わる方が限られてしまい、新たな出会いは生まれ難い状況がありました。以前から人脈を広げたいと思っていたので、よい機会になるのではと期待しました。実際、副業で関わった制作会社とは本業でもつながることができています。

――副業をスタートさせるにあたり、不安な点はありましたか?

継続的に案件を獲得できるかという漠然とした不安がありました。せっかく始めるのであれば、長く続けていきたいという気持ちがあったので、継続的に案件を獲得するために、どうすれば信頼してもらえるか、どのような経験談を話したら説得力が増すかなどについて考えました。

「もう一回、会いたい」と思ってもらえるように。工夫を凝らして案件を獲得。 

――何か事前に準備したことはありましたか?

自分の性質上、興味のあることしか続けられないと思ったので、事前の準備として時間をかけたのは、「本当に好きなことは何か」を洗い出す作業でした。たとえば食や旅行、地域開発、スポーツなどに興味があったので、その領域でやってみたい案件の方向性を定めていきました。

もちろんスキルや経験の棚卸もしましたが、実績を示すためのポートフォリオを作るようになったのは、副業案件に応募し始めてしばらく経ってからでした。

というのも、これまで十分に経験やスキルを積んできたという自負があり、もともとあった人脈経由で受けた案件もあったため、(ポートフォリオを作らずとも)案件を獲得できるという自信がありました。しかしながら、実際に応募し始めてみると、案件を獲得できないことが続きました。最初の頃は、正直に言って「あれ? なんで駄目なのかな?」と理由が分からずにいました。

そうした時期が半年ほど続いた頃、改めて自分のやり方を振り返ってみて、「説明が足りていない」「自分の強みを伝え切れていない」と気づきました。そこで、再度スキルの見直しをしたり、自分の強みやその理由を説明できるように取り組みました。ポートフォリオを作ったのもこの時期です。ただ作品を載せるだけではなく、制作意図も書き加えるなど工夫を凝らした結果、少しずつ案件が獲得できるようになりました。

――これまでにどのような副業を実施しましたか?

たとえば、大手企業のプロモーションやマーケティング施策に関する支援を担当しました。もともと案件情報には具体的な業務内容が書かれていたのですが、課題を見る限り、さらに改善できる方法があるはずだと思い、面談には改善案を用意していきました。その案は採用されなかったものの、結果的に契約の成立につながりました。

案件を獲得するためには「もう一回、会ってみたい」と思わせる工夫をすることが大切だと考えています。私自身、事業会社で仕事をしているのでわかるのですが、何か新しいことをはじめる際には、社内で稟議を通すための資料が必要なんですよね。その資料も「私が作ります」と提案するくらいの姿勢を見せ、「この人は違う」「また会いたい」と思っていただけるように努めています。

――副業のはたらき方について教えてください。

本業はフレックスタイム制で、残業もほとんどありません。副業は、たとえば本業の勤務時間を朝8時から夕方4時に設定し、その後の時間をあてたり、土日に1~2時間程度はたらいたりという形で行っています。活動時間は、おおよそ月11~15時間くらいです。

本業があっての副業だと考えているので、案件への応募基準も活動時間がオーバーしないものを選んでいますし、案件に参画してからも決められた時間内でパフォーマンスを出すよう心掛けています。

地域開発の課題に、デジタルコンテンツの力で貢献していきたい。

――副業を始めてみていかがですか。感想を教えてください。 

私という一人のビジネスパーソンを信頼し、依頼してくれる企業があることが、まずとても嬉しいことでした。会社員として企業に所属していると仕事があることが当たり前だと感じてしまいますが、副業は違います。一度仕事をした会社から再び依頼があったときは、自分が頑張ってきたことが認められた気がして、大きな自信につながっています。

もう一つ、副業を始めての変化として、「もっと役に立ちたい、貢献したい、喜んでもらいたい」という想いで情報を自ら取りにいき、インプットすることが増えました。前向きに副業に取り組む活力は、本業への意欲にもつながりますし、実際に副業で調べたことが本業で役に立つこともあり、その循環に面白さを感じています。

――今後のビジョンについてお聞かせください。

今までは短期間の案件が多かったので、長期的なプロジェクトに参画し、キーパーソンとして力を発揮できるような案件に挑戦してみたいと思っています。そのためには、スキルをさらに高めて、戦略策定からデザイン、サイト運営などの実務まで、一連の仕事を「一人で完結できます」と言えるような人材になりたいと考えています。

制作に関しては、実際に案件に携わる中でまだまだ成長が必要だと感じているため、最近はデザイン関連のセミナーなどにも参加して勉強しているところです。

また、自分が関心を持っている分野の一つに地域開発があります。私は関西地方の出身ですが、こと自分の地元を考えてみても、土地が持つ魅力や価値があまり人に知られておらず、「少し工夫すればきっとよくなるのに」ともどかしさを感じることがあります。経験やスキルを培ってきたデジタルコンテンツやプロモーションの力は、そうした地域の課題に貢献できると思っているため、今後は地域の魅力を発信する案件もぜひやってみたいと希望しています。

――最後に、副業に興味を持っている方へのメッセージをお願いします。

本業とは別に副業というもう一つの世界を持つことは、自分に自信をつけ、価値を高める一つの方法だと思っています。「人生100年時代」と言われますが、生きていく上で自分自身を守ったり、さらに魅力的な人生にするのは自分にしかできません。そういった視点からもぜひ挑戦してほしいと思いますし、私自身、挑戦してよかったと実感しています。

取材後記

時代の流れを的確に読み、紙からデジタル領域へとスキルの幅を拡大してきた塩澤さん。さらに視野を広げようと副業に挑戦し、副業活動を通して気づいた自身の課題を乗り越えようと取り組むその姿勢に、今ある経験・スキルに満足することなく、前進する大切さを感じました。

HiProに登録されている方の中には、「スキルアップ」や「キャリアアップ」を目的に副業に挑戦される方もたくさんいます。今ある経験やスキルでどこまで貢献できるのか。自分が目指すキャリアを実現するために何が足りないのか。そうした新たな気づきを得たいときにも副業は有効です。興味がある方は、ぜひHiProに登録してみてはいかがでしょうか。

and HiPro編集部

パーソルキャリア株式会社

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