愛知 株式会社ドリーム・ワン

Instagram運用に課題を抱える老舗喫茶店。
運用ノウハウを持つプロ人材との連携で、
継続的な発信と魅力的なコンテンツ制作が実現。

株式会社ドリーム・ワン

Profile

企業

社名:株式会社ドリーム・ワン
所在地:愛知県小牧市
業務内容:珈琲専門店の経営
従業員数:50名未満

プロ人材

名前:Tさん(副業)
居住地:岐阜県
本業の業種:製造業
本業の仕事:自動車の部品製造
本業の従業員数:300~500名未満
<プロ人材としての活動>
業務内容:SNS(Instagram)アカウントの運用(コンテンツ制作・更新)
活動頻度:月20時間
活動方法:対面、リモート

  • Instagramでの情報発信に挑戦するも、
    投稿の継続が困難に。
  • 60名の応募者から選んだ決め手は、
    同じ目線で伴走してくれる姿勢。
  • プロ人材に運用業務を依頼するも、
    最終的には自立運用を目指す。
  • 投稿数の安定と内容の質向上を両立。

1)プロ人材活用の背景

地域に愛される老舗喫茶店。魅力発信と新規顧客開拓に課題。

 当社が経営する「珈琲専門店グランチェスター」は、愛知県で38年の歴史を持つ純喫茶です。コーヒーとワッフルを看板メニューに、モーニング、ランチメニュー、デザートメニューを提供しており、現在は県内に2店舗を構えています。落ち着いた雰囲気で、お客様にゆったりとした時間を過ごしていただける空間づくりを心がけている一方、店の雰囲気や魅力を十分に発信できていないという課題を抱えていました。また、50代〜60代の地域の方々を中心にご来店いただき、地元では「昔からある馴染みのお店」としてご利用いただいているものの、遠方にお住まいの方を含め、より多くの方に店のよさを知ってもらいたいという想いがありました。

株式会社ドリーム・ワン

Instagramでの情報発信に挑戦するも、投稿の継続が困難に。

 2019年頃からInstagramのアカウントを開設し運用をスタート。「魅力発信や新規のお客様を開拓するためには、SNSでの情報発信が大事」と周りから言われていたものの、店主である私は具体的な運用方法がわからなかったため、アルバイトスタッフに更新作業をお願いしていました。店内メニューやイベント情報などを不定期に投稿していましたが、スタッフの卒業と同時に更新がストップ。2022年頃からは、アカウントが休止状態となっていました。「何とか再開しなければ」と思いつつも、日々の店舗運営で手一杯の状況が続いていました。
 そうした折、取引先である金融機関から、プロ人材の活用について教えてもらいました。「店の魅力を効果的に発信したい」という強い想いと、「Instagram運用の休止・ノウハウ不足」という現実的な課題を解決するために、プロ人材の力を借りることを決意。プロ人材への依頼は初めての経験でしたが、不安はなく、「状況を変えられるかもしれない」という期待感が大きかったです。

2)応募状況・決め手

60名の応募者から選んだ決め手は、
同じ目線で伴走してくれる姿勢。

 当初、依頼内容として想定していたのは、写真の撮影とテキスト制作、実際の投稿と投稿結果の分析などを含めたInstagramの総合的な運用支援でした。募集を開始すると想定を上回る反響があり、合計60名のプロ人材から応募いただきました。
 ご依頼するプロ人材を選ぶにあたり、重視していた条件は大きく二つです。一つ目は「副業として活動している方」、二つ目は「実際に店舗まで来ていただける距離にお住まいの方」です。基本的な作業はリモートで進める予定でしたが、定期的に直接お会いして相談したいと考えていたこと、また実際に店舗に来て店の雰囲気や料理を知ってもらいたいとの想いがあったため、地理的な条件も重視しました。
 これらの条件を満たす候補者の中から最終的に依頼したのは、本業で自動車部品製造の企業にお勤めのTさんです。決め手となったのは熱意でした。面談前に、実際に店舗にお客様として来店してくださり、メニューや店内の雰囲気を詳しく調べていただいていました。さらに、Instagramのページ作りの動向や近隣の飲食店のSNS分析、具体的な運用計画などをまとめた資料まで作成して持参してくださったのです 。本来であれば契約後に行う業務レベルの準備をしてくださった、その熱意と丁寧さに強く心を動かされました。
 Tさんは、SNS運用について学べるスクールに通っていたため基本的なノウハウはお持ちでしたが、実際の運用経験は初めてでした。経験豊富な方も多数応募される中で、実務未経験のTさんを選んだのは、かえって一緒に取り組みやすそうだと感じたためです。経験が豊富すぎる方だと、一方的なアドバイスに終始してしまい、同じ温度感で取り組んでいただけないのではないかという心配がありました。その点Tさんからは、私たちの想いに寄り添い、伴走してくれそうな雰囲気を感じました。

3)依頼した業務、業務を進める上での工夫

プロ人材に運用業務を依頼するも、
最終的には自立運用を目指す。

 Tさんには、当初の想定通りInstagramの運用を依頼しています。将来的には自分たちでInstagramを運用することを目標としているため、運用業務と合わせてノウハウの共有もお願いしています。
 効果的な運用のために、まずは投稿スケジュールや投稿内容、アカウントの方向性についてのすり合わせからスタート。投稿は週2回定期的に行うことや、投稿内容を店内の雰囲気に合わせた「落ち着いたトーン」に統一することなどを決めました。投稿内容は、Tさんにご提案いただいたメニューの紹介や決済方法といった基本情報の案内に加えて、店の特色の一つでもある音楽ライブについても投稿することにしました。特に統一感を重視し、店の落ち着く雰囲気が伝わるように写真の色調はブラウン系に統一するなど、細かな部分まで検討を重ねました。最初は、私たちが投稿したい内容を伝え、Tさんに作成いただいた投稿内容を確認、問題なければ投稿いただくという手順で進めていました。現在は、将来的な自社運用を見据え、業務の全てを対応していただくのではなく、投稿内容の提案や写真撮影など、業務の一部を私たちが担当する形へと段階的に移行しています。
 コミュニケーションは、互いに連絡を取りやすいLINEを主に活用しています。打ち合わせの時間や日程は固定していませんが、日常的に連絡を取り合っており、お互いの都合に合わせてやりとりを重ねています。月に2回程度は実際に店舗にお越しいただいて直接お話しする機会も設けています。

4)得られた成果

投稿数の安定と内容の質向上を両立。

 取り組みを始めてまだ間もない段階ですが、「Instagramの投稿を継続できるようになったこと」は最も大きな変化です。これまで止まってしまっていたInstagramの更新が、Tさんのサポートにより定期的に行えるようになりました。特に夏場は繁忙期のため、このタイミングでTさんにお願いできていなければ、現在もアカウントは停止したままだったと思います。
 また、以前は伝えたい情報をただ事務的に発信しているだけでしたが、Tさんから「投稿レイアウトの重要性」や「写真撮影のコツ」、「動画撮影の技術」などのノウハウを実践的に指導していただいたことで、見る人を意識した、より魅力的な投稿ができるようになったと実感しています。ストーリー機能の活用目的や、フォロワーに向けた効果的な発信方法など、これまで曖昧だったInstagram運用の目的や戦略も明確になりました。
 今回の施策を通して、時間の節約と専門知識を効率的に習得できることこそが、プロ人材活用のメリットだと感じました。自分でInstagramの運用を一から学ぶには相当な時間と労力が必要ですが、プロ人材に依頼することで、短期間で専門的な知識と技術を取り入れることができました。

数値目標よりも質の高いコンテンツ制作を優先。

 プロジェクト開始当初は、フォロワー数を増やすことを目標においてはどうかと考えていました。ただ、Tさんとの協働を通じて「フォロワー数を追い求めるのではなく、店の魅力を丁寧に伝えることを最優先にしよう」と考えに変わりました。もちろん目に見える数字は大事ですが、知識を得ていくにつれ、「魅力的な発信をし続ければ、おのずと結果はついてくるのではないか」と思えるようになったためです。一つの基準として、半年後にフォロワー1,000人達成という具体的な目標は設定しているものの、現段階では投稿内容の質を高め、継続的に発信し続けることに集中して取り組んでいます。たとえば季節に合わせたページづくりや、メニューの紹介など、やってみたいアイデアはたくさんあります。

 今後は自社でのアカウント運営を実現すること、そして現在得られているノウハウを活用し、もう1つの店舗でのInstagram運用も改善していくことが目標です。Tさんの支援は今も継続中。ときには投稿内容がマンネリに陥ることもあるかもしれませんが、Tさんと共に乗り越えながら、よりよい魅力的な情報発信を目指して取り組んでいきたいです。

株式会社ドリーム・ワン