京都 株式会社グラックス

新しい顧客管理システムの導入にプロ人材を活用。
システム導入がきっかけとなり、
残業削減・業務効率化など想定以上の成果。

株式会社グラックス

Profile

企業

社名:株式会社グラックス
所在地:京都府伏見区
業務内容:害虫駆除・防除、消毒・殺菌、ハウスクリーニング
従業員数:50名未満

プロ人材

名前:Hさん(副業)
居住地:埼玉県
本業の業種:不動産関連
本業の仕事:事業企画
本業の従業員数:50名未満
<プロ人材としての活動>
業務内容:顧客管理システムの導入と運用支援
活動頻度:月10時間程度
活動方法:リモート

  • 顧客管理システムのサポートが終了。
    一年以内のシステム切り替えが急務に。
  • システム導入の経験豊富なプロ人材に依頼。
    中小企業への理解の深さが決め手。
  • プロ人材がシステム会社との橋渡し役に。
    費用も抑えながらシステム導入を進行。
  • 約8か月で新システム導入が完了。
    残業削減・業務効率化など想定以上の成果。

1)プロ人材活用の背景

顧客管理システムのサポートが終了。
一年以内のシステム切り替えが急務に。

 当社は、害虫・害獣などの駆除や防除を主な事業とする会社です。1999年に設立して以来、施工実績は25,000件以上。難防除物件も積極的に受注し、「有害生物対策の最後の砦」となる事業者だと自負しています。
 法人・個人と幅広くいらっしゃるお客様の管理には、パッケージ型の顧客管理システムを使用していました。しかしその顧客管理システムがサポート終了することになり、一年以内に新たなシステムを導入する必要に迫られました。長く同じシステムを使っていたこともあり、新たなシステムの選定や導入ができる知見を持った人材は社内にいませんでした。そもそも、そこに人員を割ける体制にもなっていませんでした。
 当社の営業担当は施工の作業者でもあり、お客様からの問い合わせ対応から、受注、現場作業、作業報告まで一貫して担当します。また、基本的に全員が現場に出るため、売上管理や支払処理をはじめとするバックオフィスの業務は社長が時間を割いて行う状況です。さらに、各担当者が顧客管理システムに顧客情報や営業情報を入力するためだけに帰社したり、それを社長が別システムに打ち込み直して請求書を起こしたりといった効率の悪さがありました。新しいシステムに置き換えるのであれば、それらも改善したいポイントでした。
 ノーコードツールを使い、自分たちで自社に合ったシステムを構築することも考えましたが、すぐにハードルが高いことが判明。コンサルティング会社にサポートを依頼するにも費用面でマッチせず、困っていたときに取引のある金融機関から紹介されたのが、「HiPro」でした。ツールの選定から導入まで一緒に進めていただける方がいるならとお願いすることにしました。

2)応募状況・決め手

システム導入の経験豊富なプロ人材に依頼。
中小企業への理解の深さが決め手。

 募集を開始すると、9名も応募があり大変驚きました。ただ、コンサルティング職の方が多く、費用的に想定していた範囲で収まるかどうか不安でした。そのため、コンサルティングに寄った方ではなく、IT技術に専門性を持つ2名と面談しました。どちらも甲乙つけがたかったのですが、最終的には、本業の会社内で事業企画をしており、これまでに事業をいくつも立ち上げ、営業支援システムや顧客管理システムの導入経験が豊富なHさんに依頼を決めました。面談の場で当社の課題をお話したところ、Hさんは中小企業について深く理解されているという印象を持ちました。企業の規模が異なれば、対応できる範囲や要望にも違いが出ますから、Hさんであれば当社の状況を汲んで支援いただけるのではないかと期待しました。

 実際、最初のミーティングから、Hさんにお願いしてよかったという思いを強くしました。まずは現状の課題を整理しようと当社の業務の流れをフロー図にしてお渡ししたのですが、「ここ、課題になっていませんか?」と私たちが気づいていなかった点をすぐに指摘してくれました。たとえば、新規に仕事を受注した場合、どの営業担当に振り分けるかは、社長の経験的感覚で行っていました。そこをHさんは「振り分けの基準を設定して、システムに組み込みましょう」とすかさず提案。プロ人材の力を実感しました。

株式会社グラックス

3)依頼した業務、業務を進める上での工夫

プロ人材がシステム会社との橋渡し役に。
費用も抑えながらシステム導入を進行。

 Hさんに依頼した業務は、従来使用していた顧客管理システムを新しいシステムに置き換えることです。顧客管理だけでなく、受注管理から請求・入金管理まで一気通貫できるシステムを導入したいというのが当社の要望でした。
 2~3週間を使いシステムの選定を行いましたが、当初こちらでも考えていたノーコードツールで問題ないだろうと決定しました。Hさんも業種こそ違うものの、同じツールを使って営業支援のシステムを構築した経験があり、また、カスタマイズしてくれるシステム会社も紹介してくれました。その後、Hさんが基本的な仕様書を作ってくださったので、それをもとに当社・Hさん・システム会社の3者でミーティングを重ねながら内容を詰めていきました。
 当社側からさまざまな要望を出していくにあたっては、システム開発の専門用語がわからないこともあり、うまく伝わらないこともありました。Hさんはそれをエンジニアに伝わる言葉に通訳してくださるなど、当社とシステム会社との交渉がスムーズにいくよう橋渡しをしてくれました。また、当社が何気なく出す要望の中には、実は工数が膨大で費用が跳ね上がってしまうものが含まれていることも、ミーティングの中でわかってきました。コストを抑えたい当社の事情を理解しているHさんは、「運用面でこう変えられれば、費用は半分くらいになり、結果はそれほど変わりません」といった具体的な提案をしてくれて非常に助かりました。
 古いシステムのサポート期限が切れる5か月ほど前には新システムのテスト運用が始まり、細かな調整を実施。最後の2か月は、新旧のシステムを併用しながら、実際にシステムを使う営業担当への教育期間としました。わからないことがあれば直接システム会社に問い合わせるよう促してくださり、営業担当たちも初めは慣れないシステムに戸惑っていましたが、徐々に新システムに移行していきました。

4)得られた成果

約8か月で新システム導入が完了。
残業削減・業務効率化など想定以上の成果。

 プロジェクト開始から約8か月後、無事に新システムへの移行が完了しました。以前のシステムは、社内のパソコンからのみアクセスでき、またアクセスできるパソコンの台数も限られていたため、非効率でした。新システムへの移行後、営業担当は一人ひとりタブレットを持ち、社外でも合間に事務作業を済ませられるようになったため、施工作業後に帰社する必要がなくなりました。請求対応まで一気通貫してできるようになったため、もう社長が別システムに数字を打ち込み直す必要もありません。そうしたことによって劇的に変化したのは、残業時間です。例年、気温が高くなると繁忙期に入り残業が増えますが、新システム導入後は、半分以下になる見通しです。
 また、法人・個人の多様な顧客情報をいつでもどこでも確認・共有できるようになったことで、緊急時の担当変更も可能になり、トラブル回避にもつながっています。加えて、顧客情報が可視化されたことで属人化していた案件の振り分けもスムーズになりましたし、新人教育の効率化に資することも間違いありません。業務効率化につながる変化がいくつも起きており、新システムの導入に留まらない成果が得られています。

データの可視化をきっかけに、
人事評価制度の見直しも開始。

 新システムの導入の影響は人事制度にまで及び始めています。これまでも業績などの数字をもとに人事評価をしてきましたが、旧システムではできることが限られていたため、評価を出すまでの工程が複雑になっていました。今回システムを刷新し、営業担当の営業活動や予実、クレーム率も含めた業績がすべて可視化できるようになり、定量評価の手間を抑えられるようになったため、このタイミングで定性的な評価基準も見直し、より明確な人事評価制度を構築したいと考えるようになりました。定性的な評価基準は、たとえば安全管理に対する意識など、当社の行動指標などに基づいた内容を考えていました。ただ、当社の意見だけではなく、他社の制度や世の中の流れなども参考にしながら構築した方が、社員も納得しやすいのではないかと思い、こちらもプロ人材に参画いただきながら検討したいと考えています。

小規模の組織だからこそ、
プロ人材に頼るべき。

 小規模の組織では、社長がバックオフィス業務をすべて担う傾向にありますが、それにはやはり限界があります。一方、外部に頼ろうとしても費用面が折り合わず断念しがちです。しかし今回、プロ人材への依頼という新たな選択肢を知り、新システム導入のみならず大々的な業務改善ができました。想定以上の成果が得られたことで、これまでなかなか実行できずにいた営業エリアの拡大にもチャレンジする余力が生じています。小規模の組織こそプロ人材に頼るべきだと強く感じるようになりましたし、当社もまた新たな課題が生じた際は、プロ人材の活用を検討したいと考えています。