長野 株式会社オーセンアライアンス

洗浄・水処理装置メーカーが目指す新市場の開拓。
プロ人材の業界知見とネットワークが
販路拡大の突破口に。

株式会社オーセンアライアンス

Profile

企業

社名:株式会社オーセンアライアンス
所在地:長野県茅野市
業務内容:水処理装置全般の設計・施工・販売・コストダウン提案、工業用洗浄機の企画・製造・販売、家庭用・業務用浄水器の設計・施工・販売
従業員数:50名未満

Profile

プロ人材 A

名前:Kさん(フリーランス)
居住地:大阪府
経歴:総合商社で国内外での営業、輸入・輸出営業を経験。新規開拓営業や、新規開拓・M&Aを含む海外案件に強みを持つ。
<プロ人材としての活動>
業務内容:新市場および企業の開拓、営業戦略の立案・策定、窓口取次、営業支援
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート

プロ人材 B

名前:Aさん(フリーランス)
居住地:東京都
経歴:商社およびメーカーで工業系の営業、企画の管理職を37年にわたって経験。アジア圏でのビジネス経験が30年以上あり、豊富なネットワークを有する。
<プロ人材としての活動>
業務内容:新市場および企業の開拓、営業戦略の立案・策定、窓口取次、営業支援
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート

  • 継続的な事業成長のために新規開拓が必要となるも、
    即戦力となる人材の確保や育成が困難な状況。
  • プロ人材の戦略立案力が決め手。
  • 業界知見とネットワークを活用し、
    未開拓市場へ進出。
  • 新規取引先の決定に加え、
    新規開拓の土台となる知見も獲得。

1)プロ人材活用の背景

継続的な事業成長のために新規開拓が必要となるも、即戦力となる人材の確保や育成が困難な状況。

 当社は「独自の水処理化技術で、地球環境を守り、社会に貢献する」を企業理念に掲げ、製造業向けの洗浄装置と水処理装置の企画設計・製造・保守を手がけています。
 医療現場、超精密工業、水処理業界など、多岐にわたる分野で活用いただいている一方で、課題となっていたのが、新たな取引先の開拓です。 既存の取引先の動向によって引き合いや売上が左右されることに、かねてより課題を感じていました。また、コロナ禍による社会情勢や営業スタイルの変化も、既存市場に頼る現状への危機感を強める一因でした。 当社の製品をさらに世の中に広め継続的に事業成長していくためには、既存の取引先への強固な関係構築に加え、新しい市場や企業へのアプローチなど、これまでとは異なる営業戦略が不可欠です。 しかし、製品や技術の知識に長けた営業担当はいるものの、保守メンテナンスの窓口や設計業務と兼務をしており、営業専任の部署や担当者は不在でした。 中途採用にも取り組んでみましたが、即戦力となる経験豊富な人材の採用は容易ではなく、また、既存人材に対する育成への投資も難しい状況でした。
 そんな折、取引のある金融機関から提案いただいたのがプロ人材の活用です。 外部人材の活用は初めてでしたが、即戦力となる人材と出会える可能性があることや、新規採用などと比べて費用面での負担が抑えられる点が特に大きな魅力に感じ、活用を決めました。

2)応募状況・決め手

プロ人材の戦略立案力が決め手。

 募集にあたり想定していた依頼業務は、新規開拓のための営業戦略の策定と実行サポートです。具体的には、当社の製品の魅力や競合との差別化ポイントを明確にし、その特長を活かした営業戦略を立案してもらうこと。 そして、実際に新たな市場や企業へのアプローチや窓口取次といった実行サポートを期待していました。
 募集を開始したところ、12名ものプロ人材から応募があり、その中から、総合商社での営業経験を持つKさんと、商社やメーカーで営業や企画の管理職などを経験されてきたAさんにお願いすることにしました。
 面談において重視したことは大きく二つです。一つ目は、「営業人材としてのコミュニケーション力」です。 これまでのご経歴はもちろん、現在の経済情勢や業界の最新動向についてどれだけ精通されているか、会話を通して確認させていただきました。 二つ目は、「当社が開拓したいと考えていた特定の業界についての知見やネットワークをお持ちか」という点でした。 新しい市場を開拓する上では、その業界の知識や商習慣はもちろんのこと、キーパーソンを把握していることや接触するためのアプローチ方法を知っていることが重要です。 実際、当社ではアプローチすべきキーパーソンや担当部署の特定に困難を極めており、そうした業界での実務経験とつながりをお持ちの方がいれば、効果的な商談が可能になると考えていました。
 この二点に加え、お二人とも面談の段階で当社の状況を踏まえ、具体的な戦略をストーリー立てて話してくださったことが、最終的な決め手となりました。

3)依頼した業務、業務を進める上での工夫

業界知見とネットワークを活用し、
未開拓市場へ進出。

 お二人には募集時の通り、主に「未開拓市場の進出に向けた戦略策定」と、その戦略に沿った営業活動を依頼しました。
 まず、協業開始後は、約1か月間かけて、当社の事業内容や製品への理解に時間を充ててもらいました。 その後は、KさんとAさんが持つ知見やネットワークを活かし、それぞれ異なる市場の開拓に向けたアプローチをお願いしました。 戦略立案のプロセスでは、まず当社から開拓したい市場や、中長期的な計画を共有した上で、お二人に具体的な開拓先やアプローチ方法を提案してもらいながら進めました。 協業は現在も継続しており、当初設定した目標に対して、毎月の行動計画を提示してもらい、それに沿って商談や情報収集を進めていただいています。進捗は都度共有いただき、状況に応じた計画の見直しは一緒に行っています。
 一連のコミュニケーションは、主にメールを活用していますが、直接お聞きした方がわかりやすいことは電話でコミュニケーションをとっています。時には、打ち合わせの後に食事をしながら、よりフランクな意見交換をすることも。 頻度高く連絡を取り合っており、非常に前のめりな姿勢で協業してくださっていることは、とてもありがたく感じています。

4)得られた成果

新規取引先の決定に加え、
新規開拓の土台となる知見も獲得。

 KさんとAさんにご支援いただき、新規開拓への確かな道筋をつけることができました。 たとえば物流業界、また災害対策に取り組まれている地方自治体などと商談をさせていただき、見積もりを提出したり、中にはすでに取引が決定している企業もあります。 これらはいずれも、これまで私たちだけではアプローチが難しかった業界です。新規開拓の足がかりを掴み、具体的な成果まで得られたのは、大きな進歩です。 加えて、当初想定していた開拓先のほか、思いもしなかった領域にも可能性があるとわかり、一部すでに商談を開始しています。「見えていないだけで市場はある」と気づけたことは、今後の新規開拓への励みになっています。

 さらに、お二人から貴重な知見も提供いただきました。たとえば、業界特有の商習慣や、商談を前に進めるための前提知識はその一つです。 それを知っているのと知らないのとでは、営業の進めやすさがまったく異なりますし、知らなければそもそも商談の土俵にさえ上がれないこともあります。 今回得られた知見は、新規開拓における力強い土台になっていると感じています。
 当初は外部のプロ人材を社内に招き入れることに対して、多少の抵抗感や、活用の仕方についてイメージが湧きづらい部分もありました。 しかし、現在はまるで同僚のように、打ち合わせの際には率直に意見を交わし合い、親身に相談に乗ってくれる姿勢に信頼を置いています。

株式会社オーセンアライアンス

新規開拓が進んだことで見えてきた新たな課題。

 新規開拓が進展したことで、次に取り組むべき課題も見えてきました。新しい市場により深く入り込んでいくためには、製造現場がそのニーズにしっかり応えられるよう、教育や体制の強化が欠かせません。 今後、その課題を乗り越えていくことが、事業をさらに成長させる鍵になるため、注力していきたいと考えています。
 新規開拓は前進しましたが、営業面をはじめ、改善点はまだ多数あると捉えています。 今後もお二人に意見をいただきながら取り組んでいくと同時に、お二人のご尽力にしっかりとお応えできるよう、会社として経営基盤と製品品質の両面において、さらなる向上を図っていきたいと考えています。