経理業務に複数の課題が発生。
プロ人材の伴走によって、既存業務の改善と
給与計算業務の内製化に向けた基盤構築が前進。
企業
社名:金井溶接株式会社
所在地:長野県東御市
業務内容:溶接業(長尺ロボット溶接システム、炭酸ガス溶接、MAG溶接、パルス溶接)
従業員数:50名未満
プロ人材
名前:Sさん(副業)
居住地:神奈川県
本業の業種:輸送機器の製造・販売業などを展開するスタートアップ
本業の仕事:経理含むバックオフィス全般
本業の従業員数:50名未満
<プロ人材としての活動>
業務内容:納品書・請求書発行に関する支援、給与計算業務の内製化に伴う支援
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート
- 経理業務において複数の課題が発生。
- 依頼の決め手は、課題解決のプロセスをまとめた資料と「寄り添う姿勢」。
- 納品書・請求書作成時のエラーがゼロに。 給与計算業務の内製化も着実に前進。
- 経理業務の基盤づくりを経て、新たな事業展開に挑戦。
1)プロ人材活用の背景
経理業務において複数の課題が発生。
当社は長野県を拠点に、溶接加工を主軸とした事業を展開しています。特に長尺部品溶接の量産に強みを持ち、長尺ロボット溶接システムや炭酸ガス溶接、MAG溶接、パルス溶接などを手がけています。
企業として成長を続ける過程で発注数や人員が増加し、バックオフィス業務の負担が年々大きくなっていく中で、経理業務について課題を抱えていました。
中でも喫緊の課題だったのが、納品書・請求書作成時にエラーが発生していたことです。
請求書作成ソフトを導入し、手順に沿って作成・出力していたものの、一部で数字に差異が出てしまい、納品書・請求書の作り直しが度々起きていました。
請求書の作成は当社の収入や取引先との信頼にも影響を及ぼす重要な業務です。素早くエラーの原因を特定し、改善したいと考えていました。
加えて、今後の目標として、給与計算業務を内製化できる体制を構築したいと考えていました。
現状は紙のタイムカードで勤怠管理を行い、給与計算を外部に委託していましたが、紙のタイムカードは労働時間の集計や計算に手間がかかるため内製化には適しません。
そのため、勤怠管理ソフトや給与計算ソフトを導入した上で、内製化したいと希望していました。
これらの業務を行う担当者は独学で試行錯誤しながら業務を進めていましたが、限界がありました。
「経理業務や給与計算に詳しい方のサポートがほしい」と考えていたところ、取引先である金融機関からプロ人材活用について教えていただきました。
プロ人材の活用は初めてでしたが、知見のある方の力を借りられるならぜひお願いしたいと、前向きに募集を決めました。
2)応募状況・決め手
依頼の決め手は、課題解決のプロセスをまとめた資料と「寄り添う姿勢」。
当初想定していた業務内容は、喫緊の課題であった納品書・請求書作成に関するサポートと、給与計算業務の内製化に関するサポートの二つです。
そのため、「中小企業の製造業で経理業務を担当した経験がある方」「当社が使っている請求書作成ソフトの知見がある方」などを対象として募集しました。
希望していたのは、担当者にも理解しやすいよう、丁寧に指導してくださる方です。 基礎的なことも含め、段階を踏みながらのサポートを求めていました。 結果的に12名もの応募があり、そのうち4名と面談を実施。
最終的に製造業などでの経理経験を持つSさんにお願いすることにしました。
応募者には素晴らしい知見をお持ちの方が多くいらっしゃいましたが、決め手となったのは、Sさんの“寄り添う姿勢”です。
Sさんは面談の段階で、実際に支援いただく場合の課題解決プロセスを資料にまとめて提示してくださいました。
何が一番の課題なのかを仮定した上で、対応の優先順位などについて論理的かつ丁寧に説明してくださる姿に大きな安心感を抱きました。
また、フランクに相談できそうな雰囲気や、「いつでも気軽に相談してください」という言葉にも、心強さを感じました。
3)依頼した業務、業務を進める上での工夫
リモートでの画面共有を通じて、納品書・請求書作成におけるエラーの原因を特定。
依頼後は、まず喫緊の課題であった納品書・請求書作成におけるエラーの解決に着手しました。 社内で原因を特定できていなかったため、まずはどこに問題があるのかを探るところからお願いしました。
Sさんとは毎週1時間のリモートミーティングを設定しています。 画面共有機能を活用し、Sさんに普段の作業手順を確認していただきながら、原因を追求していきました。
併せて、より効率的に納品書や請求書の発行作業ができるよう、これまで活用しきれていなかった請求書作成ソフトの便利な機能の設定や、当社に合わせたカスタマイズもしていただきました。
勤怠管理ソフトの選定や給与計算の現状把握を実施。
給与計算業務の内製化については、まず紙のタイムカードでの管理から、デジタルでの勤怠管理へ移行するため、勤怠管理ソフトの選定から始めました。
Sさんの支援が始まる前に、無料の勤怠管理ソフトを使ってみてはいたものの、設定が細かく、うまく使いこなせていませんでした。
Sさんにはそのソフトを見てもらったり、他に適したソフトがないか調べてもらい、最終的に新たなソフトを導入することに決めました。
Sさんには、ソフトの選定のみならず、当社の状況に合わせた設定や具体的な運用の方法まで、きめ細やかにサポートいただきました。
すぐにデジタルでの勤怠管理に完全移行をするのはリスクがあるため、まずは従来の紙のタイムカードと並行しながら、徐々にデジタル勤怠管理へ移行していく予定です。
給与計算については、現在の委託先から給与計算の方法をヒアリングし、その内容をSさんに共有した上で、Sさんに計算方法をまとめた資料を作っていただきました。
Sさんに確認いただきわかったのは、当社の給与計算が複雑だということです。
そのため、実際に給与計算業務の内製化までにはまだ時間がかかりそうですが、まずは現在どのような給与計算をしているのかを、Sさんに作っていただいた資料をもとに担当者が正しく理解するところから始めています。
進捗と対応事項を細かくすり合わせ、スムーズにプロジェクトを進行。
Sさんとはリモートでの面談の他、メールでの細やかなやり取りを通じて、課題の共有や進捗確認を行っています。 Sさんはミーティング後にアドバイスのほか、当社側の次回までの対応事項、Sさんの対応事項などを記したメールを送ってくださいます。 さらに、これまでの作業内容や進捗をまとめたチェックリストを作成し添付してくださるので、常に何をすべきかが明確になっています。 通常業務と並行して進めるのは簡単ではありませんが、Sさんにこうした工夫をしていただいたおかげで、スムーズにプロジェクトを進めることができています。
4)得られた成果
納品書・請求書作成時のエラーがゼロに。 給与計算業務の内製化も着実に前進。
まず、一番の課題であった納品書・請求書作成に伴うエラーが完全に解消されました。 原因特定からエラーをゼロにするまで、2か月足らずで解決できたと思います。 Sさんに依頼する以前から社内で原因を探っていましたが、やはり社内だけでは確認する観点が偏りがちで、なかなか見つけられずにいました。 今回、Sさんに専門的かつ第三者の視点でフラットに見ていただいたおかげで、スムーズに原因を特定し改善することができ、本当に助かりました。 給与計算業務の内製化は、もう少し時間が必要だと感じているため、契約期間を延長し引き続きサポートを受けています。
納品書・請求書に関する喫緊の課題が解決できたことで、給与計算業務の内製化をはじめ、他のバックオフィス業務にも目を向けられるようになったことは大きな成果です。
今後は事務・経理業務のさらなる効率化を図っていきたいと考えています。
Sさんの存在は、業務上の成果にとどまらず、精神的な支えにもなっています。 未経験の領域や、社内では賄いきれない部分をサポートしてくださり、常に寄り添ってくださいます。
またメインでお願いしている業務以外の事務周りの整理についても、相談に乗ってくださり頼りにしています。
特に、支援開始当初にいただいた「よくここまで業務を回していましたね」という温かい言葉は、今も印象に残っています。
経理業務の知識や経験が不足している当社にとって、Sさんはまさに「先生」のような存在であり、心強いパートナーです。
経理業務の基盤づくりを経て、新たな事業展開に挑戦。
今回ご依頼した課題のほか、組織が大きくなっていくにつれ、さまざまな課題が生まれています。 たとえば、当社は孫請け業務が多いことから収益の安定化はその一つです。 今後は、既存事業の技術力を活かしつつ、別の製品も展開していくなど、新たなチャレンジを計画しています。 Sさんの支援により経理体制の土台が整ってきた現在、当社は新たな成長に向けて一歩を踏み出す準備を進めています。