長野 株式会社春月

105年続く伝統の味を若年層へ届ける。
食品業界×発信のプロとSNS運用を開始し、
約半年で1,800人のフォロワーを獲得。

株式会社春月

Profile

企業

社名:株式会社春月
所在地:長野県飯田市
業務内容:農産物の加工販売、水産物の加工販売、不動産、駐車場賃貸
従業員数:50名未満

プロ人材

名前:Iさん(副業)
居住地:東京都
本業の業種:小売
本業の仕事:マーケティング
本業の従業員数:5,000~10,000名未満
<プロ人材としての活動>
業務内容:SNSツールの選定、アカウントの運用(コンテンツの制作、更新)、商品のアレンジレシピの企画など
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート

  • 105年続く味を若い世代へ。
    SNSで「おたふく豆」の認知拡大を目指す。
  • プロ人材選定の決め手は、
    業界知見・運用ノウハウ・数値コミット。
  • 若年層を意識した投稿設計と
    斬新なレシピで新たな魅力を発信。
  • 約半年でフォロワー1,800人を達成。
    今後は自社ECサイトとの連携を目指す。

1)プロ人材活用の背景

105年続く味を若い世代へ。
SNSで「おたふく豆」の認知拡大を目指す。

 当社は、大正創業の料理店を起源とする食品メーカーです。現在は豆や山菜、天女魚(アマゴ)、鯉などの農水産物を加工・販売しています。看板商品は、そら豆を煮あげた「おたふく豆」。蜜を105年間注ぎ足しながら、当社独自の味を磨いてきました。
 販売経路は、百貨店や高級スーパーへの卸と自社ECサイトが中心です。メイン顧客は50代以上で、女性が多くを占めます。事業の継続と中長期の成長を見据えると、若年層への認知拡大が不可欠ですが、当社の販促活動は既存顧客へのダイレクトメールが中心で、新規層との接点は十分ではありませんでした。

 若い世代との接点を生み出すため、数年前からSNSの重要性を認識していましたが、導入には二つの壁がありました。一つは「人材不足」です。日々の通常業務に追われる中で、企業アカウントを継続的に運用する体制を社内で確保することは現実的ではありません。もう一つは「ノウハウ不足」です。個人利用の経験はあっても、企業運用は性質が全く異なります。炎上リスクへの対処などノウハウが必要だと感じていながらも、一歩を踏み出せずにいました。

株式会社春月

2)応募状況・決め手

プロ人材選定の決め手は、
業界知見・運用ノウハウ・数値コミット。

 そのような状況下で、取引先の金融機関から「プロ人材活用」という手法を紹介いただきました。初めての取り組みでしたが、信頼できる金融機関経由の紹介だったため、サービスへの不安はほとんどありませんでした。魅力的に感じたのは、契約の自由度です。活動時間や金額が固定ではなく、プロ人材との協議で柔軟に決められる点が、初めて活用する当社でも導入ハードルが下がる要因となりました。
 募集要項では「若い世代への認知獲得に向けたSNSでのPR支援」というテーマに加え、「『おたふく豆』を使ったアレンジレシピを制作できること」を条件としました。背景には、商品をそのまま食べるだけの提案では従来の宣伝と変わらず、若年層への訴求力が弱いという課題意識があったためです。

 募集開始後、約20名から応募があり、その中から5名と面談を行いました。面談で重視したのは食品業界での経験です。最終的に依頼を決めたIさんは、食品業界への深い理解とSNS運用における確かな実績を兼ね備えていました。大手小売で広報を担当した経験もあり、情報発信に関するノウハウも十分です。さらに個人でもグルメ関連のアカウントを運用し、1万人以上のフォロワーを抱えていることから、「成果を出していただけるのでは」と期待を抱きました。
 特に印象的だったのは、「1か月後には300人、2か月後には500人のフォロワーを獲得します」と明言されたことです。これまでSNS運用の経験がなかった当社にとって、具体的な数値目標を明確に示されたことは大きな安心材料となりました。

株式会社春月

3)依頼した業務、業務を進める上での工夫

若年層を意識した投稿設計と
斬新なレシピで新たな魅力を発信。

 取り組みの範囲は、SNSツールの選定からアレンジレシピの企画、画像・動画編集を含む投稿制作、アカウント運用までを一貫して依頼しました。まずはツールの選定を協議し、若年層との親和性や視覚訴求の強さを踏まえてInstagramに絞り込み。続いてアカウントの方向性(トンマナ)をすり合わせました。贈答用としての需要や百貨店・高級スーパーでの取り扱いという文脈を前提に、親しみやすさを確保しつつ品格を損なわない上品な印象で統一する方針で合意しました。
 投稿は意図を当社から共有した上で、Iさんのノウハウを最大限活用する体制を選択。既存イメージを刷新したいという狙いを伝え、投稿時間や構成、見せ方はIさんに一任しています。更新頻度は月4〜5回。アレンジレシピを中心に、静止画のフィード投稿に加えて動画でのレシピ紹介も織り交ぜ、生成AIも部分的に使用しています。また、若年層の視聴スタイルを考慮し、ストーリーズも定期的に配信し見逃されにくくしています。
 特に印象的だったのは、アレンジレシピの斬新さです。当社では「『おたふく豆』はお菓子として食べるもの」という固定観念がありましたが、Iさんはパスタの具材として主食にも取り入れるなど、新しい食べ方を多数提案。外部の視点を取り入れたことで、商品の新たな魅力や活用シーンにも気づけたのは大きな収穫でした。
 Iさんとのコミュニケーションはチャットが中心です。素早く丁寧な対応が続いているため意思疎通のストレスがなく、スムーズな協業が実現しています。

4)得られた成果

約半年でフォロワー1,800人を達成。
今後は自社ECサイトとの連携を目指す。

 成果は数字として明確に表れています。面談時の宣言通り、月平均300人のペースでフォロワーが増え、半年で約1,800人に到達しました。投稿へのコメントも増え、「アレンジレシピを試してみたい」といった反応が見られるなど、継続的な発信が興味・関心の高まりにつながっていると実感しています。
 一方で、現時点ではInstagramと自社ECサイトが連携しておらず、SNS経由の流入や購買へのつながりを定量的に把握できていません。Iさんとの取り組みにより、運用の型やコンテンツの方向性、投稿設計といった土台が整ったため、次のステップとして購入導線の設計と効果測定の仕組みを強化したいと考えています。現在Instagramとの連携を含めたホームページの全面リニューアルを計画中です。

SNS施策の継続と小容量・手頃価格の開発で、
若年層の購買につなげる。

 現在もIさんとの契約は継続しています。魅力的な投稿を続けると同時に、商品プレゼントなどのキャンペーンを拡充し、認知した方が実際に商品を手に取る機会を増やしていきます。
 今後はプロモーションだけでなく、商品面でも新たな取り組みを進めます。たとえば、若年層がより手に取りやすい価格帯の商品開発です。これまでは1,000円前後の商品が中心でしたが、240円程度で購入できる小容量サイズを開発中です。日常的に購入しやすい商品を展開することで、SNSで興味を持った若年層が購買行動へ移りやすい流れをつくり、認知から購入、そしてリピートへとつながる好循環を目指します。

株式会社春月