静岡茶を用いた新規カフェ事業への挑戦。
専門性の異なる2名のプロ人材と共に、
コンセプト設計と商品開発を約6か月で推進。
プロ人材 A
名前:Mさん(フリーランス)
居住地:東京都
経歴:20年以上にわたりデザイン業界に従事し、サインデザインからブランディング、Webマーケティングまで、幅広いスキルを保有。企業のブランディング事業部長として、マーケティング・広報戦略・営業推進・採用強化を横断的に支援してきた経験を持つ。
<プロ人材としての活動>
業務内容:カフェや商品のブランドコンセプトの設計、マーケティング
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート
プロ人材 B
名前:Sさん(フリーランス)
居住地:東京都
経歴:新聞記者を経て、企業フリーマガジン/認定事業誌の編集長を歴任。設立参画した企業でフリーマガジン・Webメディアの編集長/プロデューサーを担当。イベント・パンフレット制作から、商品・メニュー開発、店舗プロデュースまで幅広い経験を持つ。
<プロ人材としての活動>
業務内容:商品開発、パッケージなどのデザイン
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート
- 静岡のお茶農家が抱える課題解決を目指し、
新規カフェ事業に挑戦。 - 求めたのは、事業の土台づくりを
共に推進できる人材。 - 2名のプロ人材それぞれの強みを活かし、
コンセプト設計と商品開発を実施。 - 約6か月でコンセプト設計が完了、
開発した商品のテスト販売では想定以上の売上を達成。
1)プロ人材活用の背景
静岡のお茶農家が抱える課題解決を目指し、
新規カフェ事業に挑戦。
当社は、「架け橋になれる人と事業」を経営の基本とし、福祉事業を通して障がいのある方々と共に地域社会に新たなサービスや価値を生み出すことを目指しています。
障がいのある方々が社会活動に参加し、自分たちの存在意義を示していく手段の一つとして、これまで農業や耕作、果樹栽培などに取り組んできました。活動を通して農家の方々との信頼関係を築く中で、農作物を活用した新たな価値を提供する新規事業の可能性を検討しています。
そしてこのたび、新規事業として着手したのが、静岡のお茶を使ったカフェ事業「利茶(りた)」の立ち上げです。当社が所在する静岡では、地域のお茶農家が高齢化や担い手不足といった課題を抱えていました。同事業は、そうした課題に対し、障がいのある方々と共に新たな価値を創造することで応えたいという、当社の理念そのものを体現するものです。しかし、当社に飲食業の経験は無く、カフェ事業を立ち上げるためのノウハウや知見は十分ではありません。特に、事業の根幹となるコンセプトの言語化や、商品開発、そして開店までの準備プロセスにおいて、専門的な知識と経験を持つ人材の必要性を強く感じていました。
2)応募状況・決め手
求めたのは、
事業の土台づくりを共に推進できる人材。
プロ人材活用のきっかけは、取引先である金融機関の紹介です。導入しやすい費用感であったこと、また、他社事例を見ても数か月で成果を得ているケースが多いことが魅力に感じ、活用を決めました。
選定にあたり重視していたのは、助言に留まることなくプロジェクトを前進させる推進力をお持ちかどうかです。当社の事業内容を理解した上で、カフェ事業のコンセプト設計や商品開発といった事業の土台を一緒に整えてくれる方を期待していました。十数名にご応募いただき、最終的に依頼を決めたのがMさんとSさんの2名です。
Mさんを選んだ決め手は、「なぜこの事業を行うのか」という点を深く理解し、それを的確に言語化・提案してくださったことです。当社の意図や目指す方向性を汲み取り、「こういうことを伝えたいのではないか」という、当社にベクトルを向けた提案をしてくれました。その「言語化する力」は、コンセプト設計において非常に重要な要素だと感じ、ぜひ依頼したいと思いました。
Sさんは、Mさんと異なる視点での専門性を期待しました。まず、商品開発や店舗デザインの実績に加え、編集・ライター経験に裏打ちされた高い行動力が魅力でした。また、面談をする中で、「私たちが大切にしたいこと」を共に尊重しようとする姿勢が伝わり、それが決め手の一つになりました。
3)依頼した業務、業務を進める上での工夫
2名のプロ人材それぞれの強みを活かし、
コンセプト設計と商品開発を実施。
今回、プロ人材のお二人には、当初想定していたカフェ事業の立ち上げに関する一連の業務を依頼しました。具体的には、Mさんには主に「コンセプト設計」を、Sさんには「商品開発」を中心に担当していただきました。
まずMさんには最初の3か月間で、「利茶」のブランドコンセプトやキャッチコピーの作成を依頼しました。カフェ自体のコンセプトに加え、当社が取り組む福祉に対する意思、事業を通じた地域との関わり方までを言語化していただき、新規事業の土台を設計。さらに、コンセプトの店舗空間への反映方法など視覚表現の提案も幅広くいただきました。続く3か月間では、ターゲット層の設定とターゲットに沿った商品のアイデア、マーケティング戦略の企画立案、出店までのスケジュール設計やタスク整理までサポートを受け、プロジェクトを前進させました。
Sさんには6か月間を通して、商品開発と商品パッケージなどをデザインいただきました。当社でも商品開発を進めていましたが、知見が不足していたため、開発の進め方や品質基準の設計に課題がありました。そこで、商品開発フローの設計、材料(食材)の選定、商品の品質基準づくりまで伴走いただき、商品開発のプロセス全体をリードしてもらう体制を敷きました。
お二人には、同じタイミングでプロジェクトに参画してもらいました。Mさんのコンセプト設計と並行して、Sさんも商品開発に着手することで、コンセプトと商品の一貫性を保つことを目指しました。プロジェクトの進行にあたっては、Mさん・Sさん・当社の三者連携が重要だったため、両者と週に2回ずつ(合計週4回)オンラインミーティングを実施したほか、メールや電話も使いながら、密な情報交換を行いました。
4)得られた成果
約6か月でコンセプト設計が完了、
開発した商品のテスト販売では想定以上の売上を達成。
約6か月間の間に、「利茶」のコンセプト設計が完了し、商品開発も8割完了できました。コンセプト設計や商品開発には長く時間がかかると聞いていた中で、着実に前へ進められたのは、プロ人材に伴走いただいたおかげだと感じています。
特にMさんには、「なぜこの事業を行うのか」という当社の想いを深く理解していただき、「架け橋になれる会社」という理念を軸に、障がいのある方々と地域、そしてお茶を結びつける事業の意義を言語化していただきました。
Sさんには、ただ美味しい静岡茶を提供するだけでなく、お茶をカジュアルに楽しんでもらうための視点から、ドリンクメニューを考案いただきました。静岡茶の現状を知ってもらい、実際に静岡茶を飲んでもらいたいと思っても、現代ではいつでもどこでもペットボトルのお茶が手に入るため、お茶の葉を買って急須で淹れてもらうよう促すのは容易ではありません。だからこそお茶の葉を売ろうとするのではなく、静岡茶を再定義し、誰もが気軽にお茶を楽しめる商品を開発いただきました。
商品は、先日開催された学園祭でテスト販売の機会を得ました。100杯ほど用意し、目標は50杯程度。結果は約80名の方に購入いただき、想定以上の売上を達成できました。お客様の反応を直接確認できたことで商品のポテンシャルを実感できましたし、実地提供を通じてオペレーション面の改善点も抽出でき、Sさんから具体的な助言を受けて次の打ち手につながりました。
新たな挑戦を後押しする
プロ人材という存在。
初めてプロ人材を活用し、日ごろは接点のない他業種の専門家の方と協業する価値を強く感じました。新規事業がゆえに不確実な要素が多く頭の整理が難しい場面でも、プロ人材に壁打ち相手になってもらうことで思考の型を学び、優先順位をつけられるようになったのは非常に助かりました。
新しい挑戦は、自分たちだけでは手が届きにくかったり、時間がかかることも多いと思います。そうした場面でプロ人材の力を借りられること、サービスを通してプロ人材との出会いが生まれることは、心強い後押しとなります。
一方で、プロ人材が持つスキルを最大限引き出せるかどうかは依頼企業側の「調整力」に左右されます。契約すれば自動的にプロジェクトが進むわけではありません。プロ人材と信頼関係を構築し、適切に依頼し、意思決定する。主体的な関与が求められます。そうした過程自体も、当社のスキルアップや意識改革のきっかけを与えてくれました。
目指すのは「福祉の会社」ではなく
「福祉を創っていく会社」。
これから店舗オープンに向け本格的な準備に入ります。Mさんが現場施工管理技士の資格保有者のため、契約期間を延長し店舗デザインの業務もお願いしました。プロ人材の力を借りながらまずはカフェを無事にオープンさせ、新規事業として軌道に乗せたいと考えています。
これまで取り組んできた農業も、今回挑戦した静岡茶のカフェ事業も、いずれも「食」を通じて人の健康に寄与する取り組みです。制度や既存の福祉事業に頼るだけではなく、障がいのある当事者自らが健康産業に挑戦し、社会に貢献できる事業を創り出す。そうした実践を積み重ねることで、私たちは「福祉の会社」から、「福祉を創っていく会社」を目指していきたいと考えています。