老舗の缶詰製造会社が挑むリブランディング。
具体的な提案で導くプロ人材と連携し、
コンセプト再構築からパッケージ刷新まで達成。
企業
社名:株式会社サスナ
所在地:静岡県焼津市
業務内容:大手食品メーカー製品OEM製造、ツナの缶詰・レトルトパウチ製品の製造・開発・販売
従業員数:50~100名未満
プロ人材
名前:Tさん(副業)
居住地:神奈川県
本業の業種:教育
本業の仕事:商品/サービス企画
本業の従業員数:10,000名以上
<プロ人材としての活動>
業務内容:ツナ缶「おりづる」ブランドのリブランディング、パッケージデザイン案作成、販売戦略の策定
活動頻度:月20時間程度
活動方法:リモート
- 市場変化に備え、自社ブランドの販売強化を目指す。
- 案件募集から2週間で30名が応募。
提案力と考え方の一致が依頼の決め手に。 - 当社の想いを核にコンセプトを再定義。
シリーズ再編とパッケージ変更で一貫性を強化。 - コンセプトの再構築とパッケージ変更が完了。
販路拡大の戦略提案を手がかりに商談を推進。
1)プロ人材活用の背景
市場変化に備え、
自社ブランドの販売強化を目指す。
当社は、焼津港の近くに拠点を置き、マグロやカツオを主原料とした缶詰製品や業務用のパウチ製品の製造を主軸としています。明治43年の海産魚問屋創業以来の歴史を背景に、買い付けから加工製造まで一貫体制でツナ缶やレトルトパウチ製品をつくってきました。
長年、OEM事業を中心に展開してきましたが、近年は缶詰市場全体が縮小傾向にあり、今後のOEM売上の不安定化リスクを抱えていました。
一方で、当社には自社ブランドのツナ缶「おりづる」があります。OEMの不安定性への備えと、自社ブランド商品を通じた当社の認知向上を目的に、「おりづる」の販売強化に踏み出しました。ただ、現状は直売所のみの販売で、認知も地元が中心。社内にリブランディングや販売戦略に関する知識が不足していたため、具体的な道筋を描けない状況でした。
そうした中、地域の金融機関からの紹介でプロ人材活用という選択肢を知り、課題解決のために依頼を決意。活用は初めてでしたが、「専門的なアドバイスを得られるなら」という前向きな気持ちで臨みました。
2)応募状況・決め手
案件募集から2週間で30名が応募。
提案力と考え方の一致が依頼の決め手に。
自社ブランドのリブランディングを軸に、販売戦略の策定までサポートいただける人材を募集しました。具体的には、パッケージデザインの刷新、ブランドコンセプトとブランドストーリーの構築、販売戦略の提案など、多岐にわたるサポートを期待していました。
募集を開始すると、わずか2週間で30名もの応募があり、その反響の大きさに驚きました。これまでの経歴と「当社の雰囲気に合うか」という2点を基準に5名まで絞り込み、面談を実施しました。
最終的に依頼したのは、大手食品メーカーでの勤務経験を持つTさんです。皆さん素晴らしい経歴をお持ちでしたが、Tさんは食品のパッケージデザインの経験があることに加え、面談の段階から「差別化に有効なパッケージ案」や「『おりづる』ブランドに適した販路」など、複数の具体的な提案をしてくれました。さらに、今後の販売戦略の方向性も当社の考え方と近く、「この人と一緒に進めたい」と強く感じ依頼を決めました。
3)依頼した業務、業務を進める上での工夫
当社の想いを核にコンセプトを再定義。
シリーズ再編とパッケージ変更で一貫性を強化。
契約開始後は、予定していた自社サイトのリニューアルに合わせ、ブランドコンセプトとブランドストーリーの作成に着手しました。「おりづる」は、戦後の食糧が今ほど豊かではなかった時代に、人々の健康や平和・復興への願いを込めて生まれたブランドです。Tさんには、そうしたルーツや現代の食の事情、当社が大切にしている社会・地域貢献への想いを共有。これらを踏まえて「食卓をツナぐ。心をツナぐ。」という「おりづる」の新たなブランドコンセプトと、それに沿ったブランドストーリーを構築いただきました。
並行して、既存商品と新商品を用途や味の方向性で「シリーズ(カテゴリ)」を再編。たとえば、既存商品の「ガーリックツナ」と新商品の「醤油仕込み」は、“つまみなツナ缶”シリーズとして分類し、ラインナップの整理と商品の選びやすさの向上につなげています。
さらに、新商品のパッケージデザインと既存商品のパッケージのリニューアルも依頼しました。既存商品は歴史が長く、社内では「変えない方がいいのでは」という慎重な意見もあり、一定期間議論を重ねました。最終的には、ブランド全体での統一感を高め、より広い層へ届けるためのリニューアルが必要だと再確認し、意見が一致。新旧の商品を一貫性のある世界観で表現できる体制が整いました。
Tさんとのコミュニケーションは、最初の工場見学を除き、基本的にはリモートで実施しました。月に3〜4回程度のメールでのやりとりを中心に、ブランドコンセプトの決定など重要事項はオンラインミーティングで議論し、密に連携しながら進めました。
4)得られた成果
コンセプトの再構築とパッケージ変更が完了。
販路拡大の戦略提案を手がかりに商談を推進。
進め方がわからなかったリブランディングについて、ブランドコンセプトの再構築から、パッケージのリニューアルまで実現でき、手ごたえのある成果を得られたと実感しています。
新パッケージは、平和や復興への祈りを込めたブランド名「おりづる」にちなみ、旧デザインから折り鶴のイラストを継承。その上で、折り鶴という和のモチーフを核に、折り紙を連想させる和のテイストでデザインしました。「誰かに渡したくなる一缶」を目指し、贈答や土産シーンでの選ばれやすさを意識しています。一般にツナ缶は廉価で日常使いの印象が強いからこそ、価格以外の選ぶ理由を設計し、付加価値の創出につなげました。新パッケージの商品は、2025年12月から徐々に展開を開始しています。
依頼業務の中心はリブランディングでしたが、当初の予定通り、今後の販路拡大に向けた販売戦略の方向性を整理した提案書もご提示いただきました。現在はその提案を参考に販路開拓の商談を進めており、一部商品は契約が成立しています。
プロ人材との協業は、
従業員の意識向上にも寄与。
Tさんとの協業は、業務の遂行に留まらず、社内の意識改革にもつながりました。リブランディングや販路拡大という未経験領域への挑戦が従業員の刺激となり、検討段階に留まっていた施策に対し社内から積極的な意見があがるようになったことで、具体的なアクションが生まれました。たとえば、これまで未設置だった看板を直売所に掲げたこと、SNSでの発信強化はその一つです。その結果、直売所への来店客数も例年と比べて増加。Tさんの「わからないことがあればいつでも相談してください」というスタンスも、こうした動きを後押ししてくれたと感じます。
3年で自社ブランドの売上比率10%を目指す。
今後の目標は、現在約3%の自社ブランド売上比率を、3年で10%まで引き上げることです。販売チャネルを拡大し、「おりづる」の認知を高めていくと共に、主力であるOEM事業の認知拡大や、採用活動への好影響も期待しています。また、地元に根差した企業として地域貢献も継続しながら、持続的な成長を目指したいです。