副業での新規事業開発経験はキャリアにどう活きる?ニーズが高い理由や案件内容も紹介

「組織」から「個人」へとキャリアの主導権が移行する中で、キャリアを見直すための選択肢が増えています。特に副業は個人の新しいキャリアの可能性を開く手段として注目を浴びています。
企業においても、急激なテクノロジーや顧客ニーズの変化によって、市場に新しい価値を生み出していく新規事業創出の重要性が増しており、企業内で不足する人材を獲得する方法の一つとして副業人材が求められるケースが増えています。
本記事では、企業からニーズの高い新規事業の副業を行う魅力に迫ります。
新規事業とは?パターン、企業が取り組む背景

新規事業は、既存のビジネスとは異なる「新たな価値を創出する事業」を指します。新しい製品やサービスの開発、新市場への進出、または既存のビジネスモデルの革新など新規事業の目的は多種多様です。ここでは、新規事業のパターンや、企業が新規事業に取り組む背景についてご紹介します。
新規事業には多様なパターンがある
新規事業には、既存の技術を用いた新商品で新市場の開拓をする、ゼロから新サービスを開発するなど、さまざまなパターンがあります。「商品・サービス」と「市場」という2つの観点に「既存」か「新規」かという軸を組み合わせることで、新規事業のパターンが見えてきます。
また、既存市場に投入する「新しい商品・サービス」を開発する場合、新規事業のパターンは「新商品・新サービス」の開発となります。一方、「既存商品・サービス」を用いて「市場」を広げる場合は、「新市場の開拓」となります。そして、「商品・サービス」と「市場」のどちらも新しい場合は、「事業の多角化」と呼ばれています。
企業が新規事業に取り組む2つの背景
企業が新規事業に取り組む背景には2つの理由があります。
企業の競争力を維持・強化し、持続可能な成長を達成させる
既存の事業が順調であっても、永遠に成長し続ける事業はほとんどありません。競合の参入により競争力の低下が起こったり、新たな技術開発で利便性の高い機能が出現したりすれば、今までの製品は売れなくなってしまう可能性があります。
企業として、競争力の維持や成長を続けるために、新規事業に取り組む必要があるのです。
新規事業により市場の変化や技術革新に対応する必要がある
テクノロジーの進化に伴い、技術革新のスピードが上がっています。また、顧客ニーズは変化し製品のライフサイクルも短縮化の一途を辿っています。目まぐるしく変化する時代のなかで持続的に成長を遂げるために、データ分析、人工知能、IoTなどを駆使して、新しい価値を提供する新規事業の開発に取り組む必要があるのです。
企業が新規事業に携わる人材を副業で募集する理由
企業が新規事業に携わるポジションを副業で募集する理由として、「新規事業の専門知識や経験を持つ人材の確保」が考えられます。社内のメンバーだけではスキルやノウハウが不足していることから、社外のプロ人材への期待がよせられているのです。
下の図は、株式会社パーソル総合研究所が発表した、企業における新規事業開発に関する調査結果です。新規事業開発担当者が感じている組織マネジメント上の課題に対して、「新規事業開発を担う人材の確保が困難」との回答は38.9%、また「新規事業に関する知識・ノウハウが不足」との回答は38.6%となり、それぞれ高い割合を占めていました。ここから、人材の確保、そして知識やノウハウの不足が大きな課題と感じていることが読み取れます。

(出典・画像引用元:株式会社パーソル総合研究所「企業における新規事業開発に関する調査結果」)
新規事業は、既存のビジネスとは異なり「新たな価値を創出する」ことが重要です。社内の人的リソースだけで実行すると、顧客ニーズの捉え方や収集できる情報に偏りが発生しやすくなり、最適な施策の実施が難しくなることがあります。そこで、外部の知見を取り入れることを目的に、副業をはじめとしたプロ人材の活用が進められています。
プロ人材を活用することで、企業は第三者からのフラットな目線によるアドバイスを得たり、自社だけでは知り得ない市場や他社の動向、知見を取り入れることができます。それによって自社の課題を客観的に見つめ直し、市場と照らし合わせた対策を練ることができるようになるのです。こうして視野を広げることは、企業にとってビジネスの成長につながるでしょう。
新規事業開発の副業案件にはどんな募集がある?
では新規事業領域での、副業の案件には一体どのようなものがあるのでしょうか。
具体的な副業の案件には、事業開発、経営企画や管理、マーケティング、セールスなどの多様な職種での募集があります。中には経営層直下案件として、経営層と直接コミュニケーションをとりながら業務を進めるコンサルティング案件なども見られます。
新規事業の立ち上げや新規事業の拡大に関する業務は企業からのニーズが高い一方で、副業としての新規事業案件は、専門性、事業の立ち上げやマネジメント経験など、スキルやこれまでの経験の有無によってある程度数が絞り込まれます。その理由は、新規事業の成功には綿密な計画と実行力が必要であり、求められるスキルと経験が高度だからです。
高度なスキルや経験が求められる案件が多い傾向にありますが、新規事業の業務経験がなくても、これまで自分が培ってきた知見を活かしてチャレンジが可能な案件の募集があれば、積極的に応募を検討してみるのも良いかもしれません。
案件内容を見ることで、多様な業界で新規事業への取り組みが行われていることがわかります。案件の募集背景や仕事内容、活働期間の情報などから、副業でのはたらき方をイメージしてみましょう。
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副業での新規事業開発の経験はキャリアにどう活きる?取り組むメリットとは?
副業での新規事業開発経験を通して、個人が得られるメリットについて考えてみましょう。
新たなスキルの獲得
副業で新規事業開発に取り組むことは、既存のスキルを活かすだけでなく、新しいスキルを得るチャンスでもあります。
たとえば、副業を通じて新規事業領域に挑戦することで、0から事業を立ち上げるスキルを獲得し、自己成長につなげることができます。これらのスキルは、将来のキャリア形成において新たなポジションや裁量ある職務を引き受ける際に大いに役立ちます。
また、新規事業の経験者であっても、本業では携われなかった知識や経験を得て、本業に還元することも可能です。
リーダーシップの獲得
新規事業を立ち上げるためには、計画立案、時間管理、チームの指導など、周囲を巻き込むリーダーシップが必要です。
本業ではマネジメントポジションでの経験を積むことが難しい状況であっても、副業を通して経験を積むことで、将来的にリーダーシップポジションへのステップアップする際の役に立つでしょう。
人的ネットワークの拡大
新規事業を進める際には、さまざまな分野の専門家や協力者と連携します。副業を通じて構築したコネクションは、将来のキャリアにおいて転職など新たなビジネスチャンスや、協働でプロジェクトに取り組むなどのパートナーシップを生む可能性があります。
将来の起業への備え
副業で新規事業に取り組むことによって、マーケットの分析や、新たなプロダクトの創出、売上やコスト管理など、経営視点を持ってひとつの事業に携われます。そのため、自ら起業する前に、新たなアイデアをビジネスとして成長させるプロセスを経験できる点がメリットになります。
将来自分でビジネスを立ち上げる際にも、この経験は貴重な資産となるでしょう。
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まとめ
副業での新規事業経験は、キャリアに多様性をもたらすばかりでなく、自己成長と将来のキャリア選択の幅を広げてくれる可能性があります。「すぐに転職や独立とまでは考えていないけれど、この先も本業ではたらき続けていくのだろうか……」と考えている方は、長期的なキャリアを見据えて、新たなステージに挑戦してみるのもオススメです。
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