副業の税金対策ガイド!確定申告のやり方から節税まで解説

「副業を始めてみたけど、確定申告はどうすればいい…?」「確定申告が必要?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。本記事では、確定申告のやり方から賢い節税方法まで解説します。本記事を参考に、副業を成功させましょう。
副業で税金が発生する仕組みとは?知っておくべき基礎知識

副業を始めたら、必ず知っておきたいのが税金の仕組みです。会社員として給与所得を得ている場合でも、副業で得た収入には税金がかかる場合があります。ここでは、副業で税金が発生する基本的な仕組みについて解説します。
なぜ副業収入に税金がかかるのか?所得税の仕組みを解説
所得税は、個人の所得に対して課税される税金です。会社員の場合、給与から所得税が源泉徴収されていますが、これはあくまで給与所得に対する税金です。副業で得た所得(儲け)は、給与所得とは別の所得として扱われ、年間20万円を超えた場合は所得税の課税対象となります(2025年4月時点情報)。つまり、副業収入も、本業の給与と合算して所得税を計算する必要があるのです。
所得税は、所得の種類に応じて計算方法が異なります。副業の場合、主に「雑所得」や「事業所得」として扱われることが多いです。雑所得は、他の所得区分に当てはまらない所得を指し、事業所得は、事業として継続的に行っている副業から得られる所得を指します。所得の種類によって、経費の計上方法や税金の計算方法が異なるため、注意が必要です。
副業の種類で税金は変わる?課税対象となる所得の種類
副業で得た収入は、その種類によって課税対象となる所得の種類が異なります。主な所得の種類と、それぞれの特徴は以下の通りです。
- 給与所得
アルバイトやパートをはじめ、雇用契約に基づいて得られる収入のことです。源泉徴収されるため、確定申告が必要な場合とそうでない場合があります。 - 雑所得
フリマアプリでの売上、アフィリエイト収入、ポイントサイトの収入など、他の所得区分に当てはまらない収入のことです。年間20万円を超える際は確定申告が求められます。 - 事業所得
Webライティング、プログラミング、コンサルティングなど、事業として継続的に行っている副業から得られる収入のことです。青色申告をすることで、節税効果が期待できます。 - 不動産所得
マンションやアパートの賃貸収入など、不動産を貸し付けることで得られる収入のことです。
どの所得に該当するかによって、税金の計算方法や確定申告の手続きが異なるため、ご自身の副業の種類を確認し、適切な対応を行いましょう。
年間の副業所得が20万円を超えると確定申告が必要!ボーダーラインをチェック
副業で得た収入がある場合、必ず確定申告が必要になるわけではありません。確定申告が必要となるかは、年間の副業の所得によって決まります。会社員の方の場合、年間の副業による所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。この20万円という金額は、収入から必要経費を差し引いた「所得」で判断される点に注意が必要です。
ただし、確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要となる場合があります。住民税は、所得に応じて課税される税金であり、確定申告の情報に基づいて計算される点が特徴です。確定申告をしない場合でも、住民税の申告を行うことで、副業収入に対する住民税を納める必要があります。住民税の申告方法については、お住まいの自治体のウェブサイトなどで確認しましょう。
副業の所得が20万円以下でも、医療費控除や住宅ローン控除、ふるさと納税など、他の所得控除を受けるために確定申告をする場合は、副業収入も合わせて申告する必要があります。
副業を始めたら、まずご自身の副業収入がいくらになるのかを把握し、確定申告が必要かどうかを確認することが大切です。
副業にかかる税金の計算方法
副業の税金を正しく納めるには、計算方法を理解しておく必要があります。所得税と住民税は計算手順や税率が異なりますので、それぞれのルールを確認し、自身の副業収入に合った計算を進めてください。
所得税の計算方法
所得税の計算は、まず副業で得た収入から必要経費を引き、所得金額を求める手順です。その後、基礎控除や各種控除を差し引いた課税所得に税率をかけて算出します。
所得税の計算手順
- 年間収入(売上など)−必要経費=所得金額
- 所得金額−所得控除=課税所得
- 課税所得×税率−控除額=所得税額
税率は課税所得に応じて5〜45%と段階的に決まっています(2025年4月時点情報)。たとえば、課税所得が100万円の場合は5%、400万円の場合は20%の税率です。
住民税の計算方法
住民税の計算は、1年間の所得から所得控除を引いた「課税所得」に対して税率をかけて求めます。
住民税の計算手順
- 1月から12月までの所得−所得控除=課税所得額
- 課税所得額×10%=所得割
- 所得割に均等割(5,500円程度)を加算
住民税は全国一律で所得割10%(市町村民税6%+都道府県民税4%)です(2025年4月時点情報)。たとえば、副業による課税所得が200万円の場合、200万円×10%=20万円が所得割です。ここに均等割が加わり、年間住民税が算出されます。
住民税は所得税とは異なり、副業の所得がいくらであっても申告が必要になるため、注意しましょう。
出典:個人住民税(総務省)
副業の税金対策は早めの準備が重要!必要な準備を解説
副業を始めたばかりの時は、日々の業務に追われて税金対策がおろそかになりがちです。しかし、税金対策は早めの準備が非常に重要です。年間スケジュールを立て、計画的に対策を進めることで、スムーズな確定申告と節税効果が期待できます。
副業開始前に知っておくべき税金対策の基本
副業を始める前に、まずは税金の基本を理解しておきましょう。副業で得た収入は、原則として所得税の課税対象となります。年間20万円を超える所得がある場合は、確定申告が必要です。収入から必要経費を差し引いた額が所得となること、所得の種類によって税金の計算方法が異なることなどを把握しておきましょう。
経費をしっかり把握!領収書管理のコツ
副業で得た収入にかかる税金を正しく納めるためには、経費を正確に把握することが重要です。経費として認められるのは、副業を行う上で直接的に必要となる費用です。たとえば、以下のようなものが経費として計上できます。
- 仕事で使用する備品代
- 通信費(インターネット回線、電話代など)
- 交通費
- 書籍代、セミナー参加費
- 仕事で使用するソフトウェア、アプリの利用料
領収書は、経費を証明するための重要な書類です。紛失しないように、しっかり整理・保管しましょう。領収書がない場合は、クレジットカードの明細や銀行の振込明細なども証拠として利用できる場合があります。近年では、領収書をスキャンしてデータ化し、クラウド上で管理できるサービスも登場しています。これらのツールを活用することで、領収書管理の効率化を図りましょう。
また、100%副業で使用していない場合、たとえば自宅兼事務所の場合などは、使用割合に応じて経費を按分する必要があります。全額を経費として申告すると、税務調査の際に否認される恐れがあるため、注意が必要です。
青色申告で節税効果アップ!メリットとデメリット
確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告は、一定の要件を満たすことで、さまざまな税制上の優遇措置を受けることが可能です。たとえば、青色申告特別控除(最大65万円)や、赤字を3年間繰り越せる制度などがあります(2025年4月時点情報)。ただし、青色申告を行うためには、事前に税務署に申請が必要であり、複式簿記による記帳が義務付けられています。
青色申告のメリットは節税効果が大きいことですが、デメリットとして、記帳作業が複雑になることが挙げられます。会計ソフトなどを活用することで、記帳作業の負担を軽減可能です。税理士に相談して、青色申告を行うべきかどうか検討するのも良いでしょう。
iDeCoは活用できる?副業と税金対策の相性
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分自身が掛金(毎月の積立金)を拠出し、その資金を自分で選んだ金融商品(投資信託や定期預金など)で運用する私的年金制度です。
20歳以上65歳未満の公的年金に加入している方であれば加入できます。積み立てた資産は、原則60歳以降に一括または年金形式で受け取ることが可能です。
毎月積み立てた金額は全額が「所得控除」となり、課税所得が減少します。結果、所得税・住民税の負担の軽減につながるでしょう。
【税理士監修】副業の税金で困らないための相談窓口
税務署の無料相談を活用する方法
副業の税金について疑問や不安がある場合、まず活用したいのが税務署の無料相談です。税務署では、確定申告期間中はもちろん、期間外でも税金に関する相談を受け付けています。電話相談や面談相談など、さまざまな形式で相談が可能です。
ただし、税務署の相談窓口は混み合うことが予想されます。事前に電話で予約をしてから訪問することをおすすめします。また、相談内容を整理し、関連資料を準備しておくと、スムーズな相談が可能です。
また、税務署のホームページでは、よくある質問とその回答が掲載されているため、事前に確認しておくと疑問が解決するかもしれません。
税理士に相談するメリットと費用相場
税務署の相談窓口で解決できない複雑な税務問題や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、税理士への相談を検討しましょう。税理士は税金の専門家であり、個別の状況に応じた最適な税金対策を提案してくれます。
税理士に相談するメリットは、以下の通りです。
- 税務に関する深い知識と経験に基づいたアドバイスを受けられる
- 確定申告の手続きを代行してもらえる
- 節税対策を提案してもらえる
- 税務調査の対応を依頼できる
税理士への相談費用は、相談内容や時間、税理士事務所によって異なります。確定申告の代行を依頼する場合は、副業収入の金額や内容によって費用が変動します。
複数の税理士事務所に見積もりを依頼し、費用やサービス内容を比較検討することをおすすめします。
オンライン税理士サービスの選び方
近年、オンラインで税務相談や確定申告の代行を行ってくれるオンライン税理士サービスが増加しています。オンライン税理士サービスは、時間や場所にとらわれずに相談できるため、忙しい会社員や地方在住の方にとって便利な選択肢です。
オンライン税理士サービスを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
- 料金体系
月額制、スポット相談など、さまざまな料金体系があります。ご自身のニーズに合った料金体系を選びましょう。 - 対応範囲
確定申告の代行だけでなく、税務相談や節税対策など、どこまで対応してくれるのか確認しましょう。 - 実績と評判
利用者の口コミや評判を参考に、信頼できるサービスを選びましょう。 - セキュリティ対策
個人情報や財務情報を扱うため、セキュリティ対策がしっかりしているサービスを選びましょう。
無料相談を提供しているオンライン税理士サービスもあるため、まずは相談してみて、サービスの雰囲気や相性を確認することをおすすめします。
【ケース別解説】副業の税金、確定申告のやり方
副業の確定申告は、はたらき方によって少しずつ異なります。ここでは、具体的なケースを想定して、確定申告のやり方を分かりやすく解説します。ご自身の状況に近いケースを参考に、確定申告の準備を進めましょう。
▼関連記事
【税理士監修】会社員の副業には確定申告が必要?20万円以下でも申告する必要があるケースとは
ケース1:会社員がアルバイトで副業収入を得ている場合
会社員の方がアルバイトで副業収入を得ている場合、副業先から給与として所得を得ていることになります。この場合、本業の給与所得と副業の給与所得を合算して確定申告を行います。
- 源泉徴収票
本業と副業、それぞれの源泉徴収票が必要です。副業先で年末調整が行われない場合、源泉徴収票の「乙欄」に〇印がついているか確認しましょう。 - 確定申告の要否
副業の所得(収入から必要経費を引いた額)が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要です。20万円以下でも、医療費控除など他の理由で確定申告を行う場合は、副業収入も申告する必要があります。
ケース2:会社員(給与所得)が業務委託(給与収入以外)で副業している場合
会社員が業務委託で副業収入を得る場合、業務委託による報酬は多くの場合、「雑所得」や「事業所得」として扱われます。
フリマアプリでの売り上げなど一時的な収入の場合は「雑所得」です。ただ、継続的な営利活動とみなされる場合は、「事業所得」として扱われます。
副業で年間の所得(売上から経費を差し引いた額)が20万円を超えた場合、所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも、住民税の申告は必要となります。
確定申告は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」やe-Taxを使えば自宅で手続きできます。住民税の納付を会社ではなく自分でしたい場合は、「住民税を自分で納付(普通徴収)」を選択することも検討しましょう。
ケース3:フリーランスが業務委託で副業収入を得ている場合
フリーランスの方が、継続的に報酬を得ている本業の他に副業収入を得ている場合、両方の収入が事業所得として扱われます。
- 青色申告
フリーランスの方は、青色申告を行うことでさまざまな税制上の優遇措置を受けられます。 - 経費の計上
事業に必要な経費(必要経費)は、収入から差し引けます。領収書や請求書などをしっかり保管しておきましょう。 - 確定申告の要否
所得が年間48万円(基礎控除額)を超える場合は、確定申告が必要です(2025年4月時点情報)。
確定申告に必要な書類と入手方法
確定申告に必要な書類は、収入の種類や所得控除の種類によって異なります。主な書類と入手方法を以下にまとめました。
- 確定申告書
税務署の窓口、国税庁のウェブサイトから入手できます。e-Taxを利用する場合は、オンラインで作成・提出できます。 - 源泉徴収票
年末調整の計算後、勤務先から交付されます。 - 所得控除に関する書類
・社会保険料控除(国民年金保険料控除証明書など):日本年金機構から郵送されます。国民健康保険に加入している場合は、納付額通知書がお住まいの市町村から郵送されます。
・医療費控除(医療費控除の明細書):国税庁のウェブサイトから入手できます。
・寄付金控除(寄付金の受領証明書):寄付を行った際、寄付先の自治体から郵送されます。
確定申告の手順:初心者でも迷わないステップバイステップガイド
確定申告は、以下の手順で進めます。
- 書類の準備
必要な書類を揃えます。 - 確定申告書の作成
確定申告書に必要事項を記入します。 - 確定申告書の提出
税務署に提出します。e-Taxを利用する場合は、オンラインで提出できます。 - 納税
所得税を納付します。納付の方法には、税務署又は所轄税務署管内の金融機関に用意してある納付書を添えて現金で納付する方法の他、口座引き落とし、ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)などがあります。
参考:【税金の納付】(国税庁)
副業の税金の納付方法
副業で発生する税金の納付方法は、所得税と住民税で異なります。どちらも納付方法を選ぶことができるため、自分の状況や希望に合った手続きを進める準備が必要です。
所得税の納付方法
所得税の納付方法は「現金納付」と「振替納税」の2つです。
種類 | 納付方法 | 納付日 |
現金納付 | 自分で計算した納付額を記入した所得税の納付書を金融機関や税務署などの窓口に提出 | 確定申告書の提出期限(翌年3月15日) |
振替納税 | あらかじめ登録した預貯金口座から自動で引き落とし | 毎年4月中旬(20日前後) |
まず現金納付では、自分で計算した納付額を記入した所得税の納付書を金融機関や税務署などの窓口に提出し、現金で直接納付します。納付期限は、基本的に確定申告書の提出期限(翌年3月15日)です。
納付書は自分自身で作成しなければいけないため、書類の管理や期日の把握が必要です。
一方、振替納税を選ぶ場合は、あらかじめ登録した預貯金口座から毎年4月中旬(20日前後)に自動で引き落としされます。納付書の作成や、納付のために税務署や金融機関に足を運ぶ必要はありません。
口座振替依頼書を一度提出すれば翌年以降も自動で納付が継続されるため、手続きの手間は大きく減ります。
支払いのタイミングや手間、現金の用意などを考慮して選択しましょう。
住民税の納付方法
住民税の納付方法は「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があります。
種類 | 納付方法 | 注意点 |
特別徴収 | 勤務先が毎月の給与から住民税を天引きし、市区町村に納付 | 本業の給与に副業所得の分の住民税が上乗せされるため、会社に副業をしていることが知られる場合がある |
普通徴収 | 自宅に送られてくる納税通知書に記載された金額を、納税者自身が金融機関やコンビニで直接納付 | 納税の管理を自分でしなければいけない |
特別徴収は、勤務先が毎月の給与から住民税を天引きし、市区町村に納付する方法です。本業の給与に副業所得の分の住民税が上乗せされるため、会社に副業をしていることが知られる場合があります。
普通徴収の場合は、自宅に送られてくる納税通知書に記載された金額を、納税者自身が金融機関やコンビニで直接納付します。通常、一括または年4回の分割払いが選択できます。
納付方法の違いを理解し、自分のニーズや副業の事情に合わせて最適な方法を選択しましょう。
e-Taxで確定申告を楽々完了!スマホ申告のメリット
e-Tax(国税電子申告・納税システム)を利用すると、自宅からオンラインで確定申告ができます。スマホでも申告可能で、マイナンバーカードとICカードリーダライタがあれば、簡単に手続きが可能です。
e-Taxのメリット
- 24時間いつでも申告可能
時間や場所を選ばずに申告できます。 - 税務署に行く手間が省ける
自宅から申告できるので、移動時間や待ち時間を削減できます。 - 還付がスピーディー
税金の還付が早く行われる場合があります。 - 添付書類の提出が省略できる場合がある
一部の添付書類は、提出を省略できます。 - 青色申告特別控除が65万円になる
事業所得として青色申告を適用している場合、紙で提出した場合には青色申告特別控除が55万円になりますが、e-taxを利用すると65万円の控除を受けられます。
e-Taxを利用して、確定申告をスムーズに済ませましょう。
確定申告しないとどうなる?副業収入を隠すリスクとペナルティ
副業で得た収入は、原則として確定申告が必要です。しかし、「バレないだろう」と安易に考えて確定申告をしないと、さまざまなリスクを負うことになります。ここでは、副業収入を隠すことのリスクとペナルティについて詳しく解説します。
無申告は税務署にバレる?税務調査の実態
「副業の収入くらい、税務署にはバレないだろう」と思う人は多いです。しかし、税務署はさまざまな方法であなたの副業収入を把握しています。
税務署は情報収集のプロ
税務署は、銀行口座の入出金記録、クレジットカードの利用履歴、インターネット上の取引情報など、さまざまな情報源から情報を収集しています。最近では、SNSも情報源として利用されている点が特徴です。(高級車を買った・海外で豪遊したなど)また、反面調査(取引先の税務調査)からも無申告者を洗い出しています。これらの情報を照合することで、副業収入の有無を把握可能です。
同僚からの報告も
会社員の場合、会社からの給与支払報告書と、あなたが申告した確定申告の内容に食い違いがあれば、税務署は不審に思います。また、副業先からの情報提供や、場合によっては同僚からの報告などによって、無申告が発覚することもあるでしょう。
税務調査は突然に
税務調査は、予告なしに突然行われることがあります。税務署員が自宅や会社を訪問し、帳簿や書類の提出を求め、収入や経費について詳しく調査するでしょう。税務調査の結果、無申告が発覚した場合、追徴課税や延滞税などのペナルティが課せられます。
税務署は、無申告者に対して積極的に情報収集し、厳格な対応をすることを公に発表しています。確定申告は義務であり、無申告は決して許される行為ではありません。
確定申告漏れが発覚した場合の追徴課税と延滞税
確定申告を怠ったり、申告内容に誤りがあったりした場合、本来納めるべき税金に加えて、追徴課税や延滞税が課せられます。これらのペナルティは、無申告であった期間や、隠蔽の悪質さによって金額が大きく異なります。
無申告加算税
確定申告をしなかった場合、本来納めるべき税額に加えて、無申告加算税が課せられます。税務署からの調査通知後の申告の場合は10%、税務署からの税務調査後の申告の場合15%です。税務署の指摘を受ける前に自主的に申告した場合は、5%の割合を乗じた加算税がかかります。
過少申告加算税
申告した税額が少なかった場合、過少申告加算税が課せられます。過少申告加算税の税率は、原則として追加で納める税額の10%です。
重加算税
意図的に所得を隠したり、虚偽の申告をしたりした場合、最も重いペナルティとして重加算税が課せられます。重加算税の税率は、無申告の場合で40%、過少申告の場合で35%と非常に高くなっています。一度重加算税が課されると、その後も定期的に税務調査が行われる可能性が高くなるため、絶対避けたいペナルティです。
延滞税
確定申告の期限までに税金を納めなかった場合、延滞税が課せられます。延滞税の税率は、納期限の翌日から2か月を経過する日までは年7.3%、それ以降は年14.6%と、期間が長くなるほど高くなります。
これらのペナルティは、決して軽微なものではありません。無申告が発覚した場合、多額の税金とペナルティを支払うことになります。税務調査は基本、過去3年間までさかのぼりますが、悪質・意図的に申告してなかったとみなされた場合には、5〜7年さかのぼり、本税とペナルティだけで数百万円になるケースも珍しくありません。生活に大きな影響を与える可能性があるため、必ず避けましょう。
悪質な隠蔽は犯罪!脱税行為の法的責任
単なる確定申告漏れだけでなく、意図的に所得を隠蔽したり、虚偽の申告をしたりする行為は、脱税という犯罪行為に該当します。脱税は、刑事罰の対象となり、懲役や罰金が科せられる可能性があります。
所得税法第238条には、「偽りその他不正の行為により、所得税を免れた者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と規定されています。
脱税は、社会に対する裏切り行為であり、決して許されるものではありません。脱税が発覚した場合、刑事罰を受けるだけでなく、社会的信用を失い、その後の生活に大きな影響を与えることになります。
副業で得た収入は、必ず確定申告を行い、適正な納税を心がけましょう。税金に関する知識に不安がある場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
副業税金に関するQ&A:よくある質問とその回答
Q1.副業の収入が少額でも確定申告は必要ですか?
A.年間の副業の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。20万円以下の場合でも、住民税の申告は必要となる場合があります。お住まいの自治体のルールをご確認ください。
Q2.経費として認められるものは何ですか?
A.副業を行う上で直接的に必要となる費用は、経費として認められる可能性があります。たとえば、書籍代、セミナー参加費、通信費、交通費などが挙げられます。領収書や明細書を保管し、事業との関連性を説明できるようにしておくことが重要です。判断に迷う場合は税理士にご相談ください。
副業の税金対策は計画的に!安心して副業を成功させよう
副業の税金対策は、副業を始める前から計画的に行うことが重要です。税金の仕組みを理解し、確定申告の準備をしっかり行えば、安心して副業に取り組めます。もし税金に関する疑問や不安がある場合は、税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。適切なアドバイスを受けることで、税金に関する悩みを解消し、副業を成功させましょう。
(監修日:2025年5月12日)
▼関連記事
副業でもインボイス制度に登録する必要がある?これから始める人向けに分かりやすく解説
副業の始め方を4ステップで紹介|メリット・デメリットや注意点も解説
会社員の副業のリアル|副業市場が伸びている理由や成功するコツを徹底解説
なぜ今副業がおすすめなのか?副業を始める際の注意点を解説

山本聡一郎税理士事務所(https://nagoya-soutax.com/)|税理士
山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。
この記事が気に入ったら「シェア」