経理の経験を活かせる副業は?おすすめの副業や案件獲得方法・注意点を徹底解説

「経理のスキルを活かして副業したいけど、どのような案件がある?」
「本業の会社とトラブルになったり、法律的に問題になったりしないか不安…」
経理の専門性は高いものの、副業としてどう活かせばよいか悩む方も多いでしょう。経理の副業は、単なる収入増だけでなく、本業では得難い経験を積む絶好の機会です。
本記事では、経理経験を活かせる副業の種類から案件獲得方法、法的な注意点まで徹底解説します。安全に進めるためのリスク管理方を把握するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
経理の経験を活かして副業をすることは可能?

結論として、経理の経験を活かした副業は十分に可能です。リソースが限られる中小企業やスタートアップなど多くの企業で、経理の専門知識を持つ人材が注目されています。
HiProの調査によると、副業を実施している人のうち「経理・財務」の業務を担当した人は、ハイクラス層(※1)で9.5ポイント、メンバークラス層(※2)で9.1ポイントです。専門業務経理・財務も、副業として行える事実が伺えるでしょう。

※1:高度な事業課題を解決できる経験・スキルを有する人材層。「副業・フリーランス人材白書2025」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円以上」とした。
※2:日常的に発生する業務に従事する人材層。「副業・フリーランス人材白書2025」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円未満」とした。
▼関連記事
副業の始め方を4ステップで紹介|メリット・デメリットや注意点も解説
なぜ今副業がおすすめなのか?副業を始める際の注意点を解説
経理担当者が副業をすることで得られるメリット
経理の副業は、収入以外のメリットも多くもたらします。代表的なメリットは、以下の3つです。
- 本業の業界と異なる分野の資金繰り・コスト構造・利益率などに触れられる
- バックオフィス業務の最新トレンドを体感できる
- 社外の経理コミュニティができて人脈と情報を広げられる
以下、それぞれ具体的に解説します。
▼関連記事
会社員が副業をするメリット・デメリットとは|トラブルを避ける方法も解説
本業の業界と異なる分野の資金繰り・コスト構造・利益率などに触れられる
経理の副業は、本業とは異なるビジネスモデルに触れる貴重な機会となります。たとえば、本業が製造業でも、副業でITや小売業の経理をすることが可能です。業界が違えば、資金繰りのパターン、主要なコスト構造、利益率の標準も異なるでしょう。
複数の企業の財務諸表を実務で扱えれば、数字の裏側にあるビジネスの本質を見抜く力を養うことが可能です。1社に所属しているだけでは得難い、多角的な視点を持てる点が大きなメリットといえるでしょう。
バックオフィス業務の最新トレンドを体感できる
たとえばスタートアップや成長企業は、業務効率化に積極的です。クラウド会計ソフトはもちろん、請求書発行システムや経費精算SaaSツールの導入が進んでいます。
本業ではまだ紙やExcelが主流でも、案件の選び方次第では副業を通じて最新のITツールに触れることが可能です。そこで得た知見は、本業の業務フロー改善提案にも活かせるでしょう。
バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)の最前線を体感できることで、市場価値の向上につなげることが可能です。
社外の経理コミュニティができて人脈と情報を広げられる
副業を始めると、社外に新たな人脈が形成されます。クライアントである経営者はもちろん、同じように副業をしている他の経理担当者や、連携する税理士・社会保険労務士ともつながることが可能です。特に本業が一人経理の場合、社外のコミュニティは有益な情報交換の場となります。
法改正への実務対応や、ツールの使用感など、リアルな情報を共有できる仲間ができることは、学びを得る機会になったり、精神的な支えにもなるでしょう。
経理の専門性を活かせるおすすめの主な副業
経理の副業は、単純な入力作業から高度なコンサルティングまで多岐にわたります。自身のスキルレベルや確保できる時間に応じて、適切な業務を選びましょう。
ここでは、代表的な7つの副業を紹介します。
記帳代行・経理アウトソーシング
代表的な経理の副業が、記帳代行や経理業務のアウトソーシングです。主に、以下のような業務を担当します。
- 領収書の整理
- 仕訳入力
- 売掛金・買掛金の管理
- 月次試算表の作成
上記はクラウド会計ソフトを使用する場合が多いため、クラウド会計ソフトの操作スキルがあると案件を獲得しやすくなります。リモートワーク(在宅)で完結できる案件も多く、副業初心者でも始めやすい領域です。ただし、単価は低めになりがちなため、作業効率を上げることが大切です。
副業・フリーランス向け確定申告サポート
個人事業主(フリーランス)や副業実践者向けに、確定申告のサポートを行う業務です。具体的には、個人のクライアントに対して、日々の記帳のルールの一般的な指導、申告に必要な基礎資料の整備(数値の集計・照合)などを担当します。
法人の経理経験しかなくても、所得税や消費税の知識を学び直すことで対応可能です。ただ、税理士の独占業務である税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法第2条)や、申告書の作成・提出の代行は行えません。線引きを守り、適切に行いましょう。
経理に関するライター・監修業務
経理や税務の専門知識を活かし、Webメディアの記事を執筆・監修する業務です。たとえば、法改正の解説記事や経理実務のノウハウ記事、会計ソフトの比較記事などが該当します。
自身の知識をアウトプットすることで、情報が整理されて理解が深まる効果もあります。顔写真や名前を出して監修者として掲載されれば、自身の専門性をアピールする実績にもなるでしょう。専門的な内容を、一般の読者にもわかりやすく噛み砕いて説明する文章力が大切です。
経理コンサルティング(財務管理のアドバイス)
記帳代行のような「作業」ではなく、企業の財務に関する「助言」を行う副業です。具体的には、中小企業の経営者に対し資金繰りの改善策、コスト削減のポイント、銀行融資の資料作成支援(助言・書類整備に留め、交渉の代理は行わない)などを行います。
本業で財務部門や管理会計の経験があると、そのスキルを直接活かすことが可能です。実務経験に基づいた具体的なアドバイスが求められるため、単価は比較的高くなる傾向があります。単なる経理実務者ではなく、経営者のパートナーとしての視点が求められます。
予実管理・財務分析業務
企業の予算策定支援、予算と実績の差異(予実)分析、財務分析レポートの作成などを担います。FP&A(FinancialPlanning&Analysis)とも呼ばれる領域です。
経営陣が次の打ち手を考えるための、判断材料を提供する重要な役割です。Excelでの高度なデータ集計スキルや、BIツールの操作経験があると強みになります。経営企画室や管理会計の経験者が活躍しやすい分野であり、企業の経営中枢に近い部分で貢献できます。
税務対応のサポート
企業の顧問税理士と連携し、税務申告に必要な資料の準備・整理をサポートする副業です。法人税申告に添付する勘定科目内訳明細書の根拠資料整備や数値の照合・ドラフト作成の補助、税務調査に向けた資料の整理・説明資料の作成支援などが考えられます。
あくまで「税理士の補助」という立場を厳守してください。税務申告書の最終的な作成・提出、税務当局との折衝(税務代理)、具体的な税務判断は税理士の独占業務(税理士法第2条)であり副業では行えません。税務に関する深い知識と、税理士との円滑なコミュニケーション能力が求められます。
スタートアップのバックオフィス立ち上げ支援
設立間もないスタートアップ企業において、経理部門の「0→1(ゼロイチ)」を支援する業務です。業務フローの構築、会計ソフトの選定と導入、請求・支払いサイクルの確立など、バックオフィス機能の土台作り全般をサポートします。
既存のルールがない中で最適解を模索する必要があり、難易度は高いです。一方で、本業ではなかなか経験できない、仕組み作りのスキルが身につきます。CFOや経理部長を目指す人にとって、非常に価値のある経験となるでしょう。
▼関連記事
スタートアップ企業で副業をするメリットは?案件の獲得方法や注意点も解説
経理の副業でスキルアップした先のキャリアパス
経理の副業は、本業との相乗効果で大きなキャリアアップにつながります。
本業で培った安定運用のスキルと、副業(特にスタートアップ支援)で得た0→1の構築スキルやSaaS導入の知見を合わせることで、差別化を図ることが可能です。また、副業を通じて経営者と直接対話し、資金繰りや事業計画に関与した経験は、単なる実務担当者からの脱却につながります。
フリーランスとしての独立だけでなく、以下のような経営に近いポジションへの転職も現実的な選択肢となるでしょう。
- 成長企業のCFO(最高財務責任者)
- 経理部長
経理の副業をするうえで必要なスキル
経理の副業を成功させるためには、専門知識とITスキルの両方が不可欠です。クライアントの信頼を得るために、以下の3つのスキルは最低限押さえておきましょう。
- 会計基準・仕訳への理解
- 源泉徴収・消費税・確定申告などの税務理解
- 会計ソフト・クラウドツール操作スキル
以下、それぞれ詳しく解説します。
会計基準・仕訳への理解
正確な会計処理は経理の基本であり、副業においても重要なスキルです。クライアントの業種特有の勘定科目や処理ルールを、素早くキャッチアップする能力が求められます。日商簿記2級レベルの知識は最低限必要と考えておきましょう。
会計基準は改正されることもあるため、常に最新の知識をインプットし続ける姿勢も重要です。「知らなかった」では済まない可能性があるため、専門家としての正確性を意識しましょう。
源泉徴収・消費税・確定申告などの税務理解
副業では、税務に関する知識が本業以上に求められる場面が多くあります。特に個人事業主やフリーランスをクライアントにする場合、源泉徴収の扱いや消費税の基本的な仕組みを理解している必要があります。また、自分自身の副業収入に関する確定申告の知識も当然必要です。
税理士法に抵触しないよう、一般的な税制の仕組みや留意点を説明できるレベルを目指し、個別の税務判断や申告書作成は税理士に委ねましょう。
会計ソフト・クラウドツール操作スキル
現代の経理副業において、ITスキルは必須です。特に、クラウド会計ソフトは、多くのスタートアップや中小企業で導入されています。クラウド会計ソフトを不自由なく操作できることが案件獲得の前提条件となることも多いです。
Excelスキルも同様に重要で、VLOOKUP関数やピボットテーブルなどは使いこなせるようにしておきましょう。SaaSツール連携に関する知識があれば、より付加価値の高いサポートが可能です。
経理の副業案件を獲得する方法
専門スキルがあっても、案件を獲得できなければ副業は始まりません。ここでは、経理の副業案件を獲得するための代表的な3つの方法を紹介します。
- 副業マッチングプラットフォームを活用する
- スタートアップや個人事業主へ経理代行を提案する
- 士業・経営者コミュニティで信頼関係を築く
以下、それぞれ具体的に解説します。
▼関連記事
副業の応募から契約の流れを解説|失敗しないための注意点・質問リスト
副業の面談で案件を獲得するためには?事前準備や不成立の原因・回答のコツを解説
副業マッチングプラットフォームを活用する
手軽に始められる方法が、副業マッチングプラットフォームの活用です。経理や財務といった専門職向けのサービスも増えており、スキルや経験に合った案件を探しやすい点がメリットです。また、プラットフォームが仲介役となるため、契約や請求に関するトラブルを避けやすいメリットもあります。
まずはプロフィールを充実させ、どのような業務がどれくらいの単価で募集されているか、市場感をつかむことから始めるとよいでしょう。
スタートアップや個人事業主へ経理代行を提案する
経理リソースが不足しているスタートアップや、確定申告に悩む個人事業主は潜在的なクライアントに直接提案することも一つです。
Webサイトの問い合わせフォームや、SNSを通じてアプローチします。その際、自身のスキルや経験をまとめたポートフォリオ(経歴書)を作成することが大切です。どのような悩みを解決できるのかを明確に記載しておくと、依頼しやすくなるでしょう。
最初は実績作りのために低めの単価で受けることも必要になるかもしれません。信頼関係を築いた上で継続的な契約につなげることが大切です。
士業・経営者コミュニティで信頼関係を築く
経理の副業は、信頼が第一です。そのため、税理士や社会保険労務士といった士業のコミュニティに参加し、人脈を作ることも効果的です。税理士が対応しきれない記帳代行業務などを、紹介してもらえる可能性があります。
また、経営者が集まる勉強会やオンラインサロンに参加し、自身の専門性をアピールするのもよい方法です。経営者から直接仕事を依頼される可能性もあるでしょう。すぐに案件につながらなくても、長期的な信頼関係を築くことで、安定した案件獲得につながりやすくなります。
経理の副業でよくある失敗例
経理の副業には、専門職ならではのリスクも潜んでいます。「知らなかった」では済まない問題に発展する前に、よくある失敗例を学びましょう。
▼関連記事
副業でよくある失敗例を徹底紹介!リスク回避方法と副業選びのコツを解説
本業の利益相反・守秘義務違反に抵触する
本業の競合他社で副業を行うことは、就業規則等で定められた競業避止義務に反するおそれが高く、利益相反行為につながりやすい行為です。また、副業で知り得たクライアントの財務情報や、本業の機密情報(営業秘密・個人情報等)を漏らすことは、重大な守秘義務違反となります。
副業を始める前に、本業の就業規則で副業が許可されているか、競業避止義務の範囲、秘密保持の内容を必ず確認しましょう。
▼関連記事
【弁護士監修】副業は会社に報告すべき?報告の進め方・競業避止義務違反にならないための注意点を解説
【弁護士監修】副業のNDA(秘密保持契約)とは?確認すべき事項や違反のリスクを専門家が解説
本業の経理水準を基準に見積もり、作業単価を過小評価する
本業で整備された経理体制に慣れていると、副業先の業務実態に驚くことがあります。中小企業やスタートアップでは、ルールが十分に整っておらず、領収書の管理は実務が煩雑になりやすい傾向があります。
本業と同じ工数感覚で見積もりを出すと、想定以上に時間がかかり、時給換算で赤字になることがあります。「経理フローを整備するコンサル料」は、事前に見積書で明示するか、作業範囲を厳密に定義して契約に盛り込むことが重要です。
企業ごとのルールを理解せず、仕訳ミスが発生する
経理処理には、企業独自の勘定科目や会計処理ルールが存在します。本業のやり方をそのまま副業先に持ち込むと、仕訳ミスや管理会計上の混乱を招く原因となります。契約初期段階で、以下の項目をしっかり確認しましょう。
- クライアントの会計方針
- 勘定科目一覧
- 過去の仕訳データ
不明点は必ず顧問税理士や経営者に確認し、認識をすり合わせる作業を怠ってはいけません。小さな確認不足が、月次決算や年次決算の大きな手戻りにつながります。
税理士や顧問会計士の領域に踏み込み、契約トラブルに発展する
善意のアドバイスが、税理士法違反に問われるリスクもあります。以下は、税理士資格を持つ者だけの独占業務(税理士法第2条)です。
- 税務相談(例:「この取引は節税になりますか?」への回答)
- 税務書類の作成(申告書の作成を含む)
- 税務代理(税務調査対応・立会・当局との折衝等)
経理の副業では、これらの業務を行ってはいけません。仮に経理代行として請け負った範囲を超えてこれらに関与した場合、税理士法違反で「二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金」に処される可能性があります(税理士法第59条)。
クライアントから税務判断を求められた場合は、「顧問税理士にご確認ください」と明確に線引きをしましょう。
複数のクライアントを掛け持ちし、月次締めや納期が重なってパンクする
経理業務は、月末・月初など特定の時期に作業が集中する特性があります。複数のクライアントを安易に掛け持ちすると、各社の月次締めや支払業務の納期が重なり、処理しきれなくなるリスクがあるでしょう。本業の繁忙期とも重なれば、すべての品質が低下し、クライアントからの信頼を失いかねません。
自身のキャパシティを正確に把握し、無理のないスケジュール管理を行うことが大切です。
個人情報・請求書データを自宅PCで扱い、情報漏えいリスクを招く
副業では、以下のようなクライアントの機密情報を扱うことになります。
- 取引先情報
- 従業員の給与情報
- 請求データ など
これらの情報をセキュリティ対策が不十分な自宅のパソコンで管理すると、情報漏えいのリスクを招きかねません。ウイルス対策ソフトの導入はもちろん、パソコンのパスワード設定やデータの暗号化、公共Wi-Fiの不使用など、基本的なセキュリティ対策を徹底しましょう。
万が一の事態に備え、契約書で情報管理の方法を明記することも重要です。
経理の副業で注目したい2つの法改正
法改正は、経理担当者にとって新たなビジネスチャンスを生み出します。特に以下の2つの法改正を理解することで、専門知識を活かしたコンサルティングが可能です。
- インボイス制度:免税事業者との取引設計・価格交渉支援が可能
- 電子帳簿保存法:ペーパーレス化と業務フロー再構築のコンサルティングが可能
以下、それぞれの制度について詳しく解説します。
インボイス制度:免税事業者との取引設計・価格交渉支援が可能
2023年10月に開始されたインボイス制度は、課税事業者が消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が必要となる制度です。適格請求書を発行できるのは、登録された適格請求書発行事業者(課税事業者)に限られます。これにより、免税事業者との取引方法や請求書の扱いが大きく変化しました。
経理の副業としては、制度対応のサポートが可能です。具体的には、以下のような業務が挙げられます。
- 免税事業者との取引を継続するか課税事業者への切り替えを行うかなどの取引設計の助言
- 制度対応に伴う価格交渉・契約条件の見直し など
単なる経理処理の代行に留まらず、制度変更に伴う経営判断をサポートすることで、高い付加価値を提供できます。なお、税額計算や申告書作成などの具体的な税務判断は税理士の独占業務(税理士法第2条)に当たるため、これらは税理士と連携してください。
また、制度の理解を深めることで、クライアントの消費税負担やキャッシュフローへの影響を最小化する提案も可能です。法制度の理解を踏まえた戦略的な経理支援を行うことで、クライアントの信頼を得やすくなるでしょう。
電子帳簿保存法:ペーパーレス化と業務フロー再構築のコンサルティングが可能
電子帳簿保存法への対応も、多くの企業が直面する課題です。2024年1月1日以降、電子取引データの電子保存が義務化され、紙出力による保存は原則認められなくなりました。
企業は単に「データを保存する」だけでなく、保存要件(真実性・可視性・検索性など)を満たす仕組みを整える必要があります。このため、多くの企業で業務フローや文書管理ルールの見直しが進んでいます。経理の副業としては、こうした電子帳簿保存法対応において、以下のような支援が可能です。
- ペーパーレス化の推進
- 法要件を満たす業務フローの再構築支援
SaaSツールの導入支援と組み合わせることで、単なる法対応を超えた業務効率化コンサルティングが可能です。なお、保存方法の最終的な適法性判断や税務当局への対応は税理士と連携してください。
ITツールの知識と会計・税務の理解を組み合わせた高付加価値コンサルティングが可能な領域であり、専門性を活かしやすい分野といえるでしょう。
経理の副業でよくある質問
最後に、経理の副業を始めるにあたってよく寄せられる質問に回答します。
Q1.損害賠償リスクに備える方法は?
経理ミスがクライアントに損害を与えた場合、損害賠償を請求されるリスクはゼロではありません。
このリスクに備えるため、副業であっても加入可能な「フリーランス賠償責任保険」の利用を検討しましょう。業務遂行中の過誤や情報漏えいによる賠償責任を補償する商品が一般的ですが、補償範囲は保険会社により異なるため約款の確認が必須です。
また、契約書を締結する際に、業務範囲と責任の所在、損害賠償の上限額を明確に定めておくことも自身を守るために重要です。
Q2.経理の副業をするには税理士や会計士の資格は必須?
税理士や公認会計士の資格は、必須ではありません。資格がなくても、実務経験が豊富であれば可能な副業案件は多数あります。ただし、前述の通り、税理士の独占業務である税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法第2条)は行えません。
資格がない場合は、「経理実務のエキスパート」として、記帳代行、業務フロー改善、SaaS導入支援などの領域で専門性を発揮するのがよいでしょう。
Q3.経理の副業を始める際に必要な準備は?
まず、本業の就業規則をチェックし、副業が許可されているかを確認します。許可が必要な場合は、所定の手続きを踏みましょう。次に、個人事業主として活動するために、税務署に「開業届」を提出します。節税メリットが大きい「青色申告承認申請書」も同時に提出することも大切です。
あわせて、副業専用の銀行口座の開設や、自分自身の会計処理を行うための会計ソフトを契約しておくとスムーズです。
経理の専門性を活かして副業案件を獲得しよう
経理の経験を活かした副業は、多くの企業に需要があり十分に可能です。記帳代行から財務コンサルティング、法改正対応支援まで、案件の種類は多岐にわたります。
副業は単なる収入増に留まらず、本業では得られない多様な業界知識、最新SaaSの知見、経営者視点を養う絶好の機会です。副業で得たスキルは、CFOや経理部長といったキャリアアップにもつながり直結します。
ただし、税理士法違反のリスクや情報漏えい、本業との利益相反など、専門職ならではの注意点も存在します。法的な一線を守り、誠実に業務を遂行することが大切です。
この記事が気に入ったら「シェア」






