Webディレクターのフリーランスになるには?案件例や獲得方法・必要なスキルを解説

Webディレクターは、案件の幅が広く経験やスキルを活かせる場が多いため、フリーランスは現実的なはたらき方のひとつです。Web業界での実務経験がある人にとっては、自由度の高いはたらき方を目指すうえで有力な選択肢となるでしょう。
本記事では、フリーランスWebディレクターの仕事内容から案件獲得方法、年収の目安、必要なスキル、よくある質問への回答まで解説します。
- フリーランスWebディレクターに需要はある?将来性を解説
- フリーランスWebディレクターの主な案件例
- フリーランスWebディレクターの主な案件の種類
- フリーランスWebディレクターになるためのロードマップ
- フリーランスWebディレクターになるにはどんなスキルが必要?
- フリーランスWebディレクターに向いている人の特徴
- フリーランスWebディレクターの案件獲得方法
- フリーランスWebディレクターとして活躍するためのポイント
- フリーランスWebディレクターの主なキャリアパス
- フリーランスWebディレクターの年収・報酬はどれくらい?
- フリーランスWebディレクターの案件事例
- フリーランスWebディレクターを目指す人からよくある質問
- 準備を徹底して、フリーランスWebディレクターとして活躍しよう
フリーランスWebディレクターに需要はある?将来性を解説

フリーランスWebディレクターの需要は今後も伸びていくと考えられます。Webを活用した情報発信やサービス提供は、あらゆる業界で欠かせない存在になっているためです。
実際に総務省の調査によると、企業のホームページ開設率は2020年に90.1%、2021年に90.4%、そして2022年には91.8%に上昇しています。
ホームページの活用拡大にともない、WebサイトやECサイト、オウンドメディアなどの制作・運用を統括するWebディレクターの需要が高まっている状況です。
さらに、企業側も「社外の専門家に柔軟に依頼したい」とのニーズを持つようになっており、外部パートナーとしてのフリーランス人材が求められる流れも加速しています。
Web業界全体の成長とはたらき方の多様化を背景に、フリーランスWebディレクターは将来性の高い選択肢です。
フリーランスWebディレクターの主な案件例
フリーランスWebディレクターの仕事は、単にプロジェクトを管理するだけではありません。クライアントとの打ち合わせから企画設計、進行管理、納品後の品質チェックまで、全体の流れを統括する役割を担います。
ここからは、具体的な仕事内容を3つに分けて紹介します。
クライアントとの打ち合わせ・要件定義
フリーランスWebディレクターの仕事は、打ち合わせから始まります。クライアントの課題や目的を正しく理解することで、プロジェクト全体の方針が決まるためです。
具体的には、以下のようなヒアリングを行います。
- 課題や目的の明確化
- ターゲットユーザーの設定
- 必要な機能やコンテンツの確認
- 競合や参考サイトの分析
- 納期や予算の調整
たとえば、ECサイトのリニューアル案件であれば「購入率が低い」との課題に対して、商品導線やUI(ユーザーインターフェース)設計の改善を提案します。課題を的確に把握し、適切な改善策を提案するためには、現行サイトの数値分析やヒートマップの活用能力が欠かせません。
初期段階での要件定義がプロジェクト全体の精度を左右するため、クライアントとの認識を丁寧にすり合わせることが必要です。
プロジェクトの進行管理
Web制作において、プロジェクトの進行管理は中心的な業務です。納期どおりに完成させるためには、関係者全員のタスクを適切に管理する必要があります。
進行管理で担う業務の一例は以下のとおりです。
- スケジュールの作成と調整
- デザイナーやエンジニアとの連携
- 作業状況の把握とリマインド
- ミーティングの運営と議事録作成
ガントチャートや進捗管理ツールを活用して、各タスクの状況を可視化し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。進行管理の力があると、制作チームとクライアントの信頼を同時に得られるようになります。
プロジェクトの品質管理
品質管理も、フリーランスWebディレクターの欠かせない業務のひとつです。どれだけ計画通りに進めても、成果物のクオリティが低ければプロジェクトの成果として評価されづらくなります。
品質管理の具体的な内容は以下のとおりです。
- デザインやコーディングのチェック
- テスト環境での動作確認
- レスポンシブ対応の検証
- 誤字脱字やリンク切れの確認
- 納品物の最終レビュー
たとえば、コーポレートサイトの公開前には、すべてのリンクが正しく動くか、スマートフォンでもレイアウトが崩れていないかを一つずつ確認します。
成果物の完成度を上げることで、次回以降の継続依頼にもつながりやすくなるでしょう。
フリーランスWebディレクターの主な案件の種類
フリーランスWebディレクターは、オウンドメディアやSNS、広告運用、アプリ開発など、幅広い分野のディレクションを求められるケースが多いです。
ここからは、代表的な案件の種類を紹介します。
Web制作ディレクション
Web制作ディレクションは、フリーランスWebディレクターの中でも基本的な案件です。新規サイトの立ち上げや、既存サイトのリニューアルなどを統括する役割を担います。
担当範囲は以下のとおりです。
- サイト構成案の作成
- ワイヤーフレームの設計
- デザイナー・エンジニアの手配
- 進行スケジュールの管理
- 品質チェックと納品確認
クライアントの要望をすり合わせたうえで、適切なメンバーをアサインし、制作全体を監督する必要があります。Web制作ディレクションは、プロジェクト全体を俯瞰して調整力を発揮できる人に向いている仕事といえるでしょう。
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オウンドメディアディレクション
オウンドメディアディレクションは、検索順位の向上や集客力の強化を目的としたコンテンツ運用を管理する仕事です。
業務内容は以下のとおりです。
- SEOキーワードの設計
- コンテンツ構成案の作成
- ライターのディレクション
- 校正・リライト対応
- 数値の改善提案
たとえば、ITツールを紹介するオウンドメディアの場合、「◯◯ツール おすすめ」などのキーワードで上位表示を狙う記事の作成・管理を行ったり、インタビュー記事の制作を行ったりもします。ただし。SEO戦略をディレクターが主導する場合もあれば、専門コンサルと連携して運用する場合もあります。案件の体制によって関与範囲は変わります。
SEOに関する知識だけでなく、編集力やWebライターへの指示力も必要になるため、メディア運営の経験がある人に向いています。
動画制作ディレクション
動画制作ディレクションは、企業のPR動画や商品紹介動画、YouTubeチャンネルの企画制作を監督する業務です。
主な仕事内容は以下のとおりです。
- 動画の企画構成の作成
- 撮影スケジュールの調整
- 制作チームの手配と連携
- 撮影当日の立ち会い
- 編集チェックと納品
たとえば、企業の採用動画案件を作成する場合、「若手社員のインタビューを交えた紹介映像」などの作成を管理します。演出意図やトンマナを考えたり、撮影の進行などを行ったりするため、構成力と現場対応力の両方が問われる仕事です。
SNS・広告運用ディレクション
SNS・広告運用ディレクションは、企業の認知拡大や売り上げ向上を目的としたマーケティング施策を監督する業務です。デジタル広告やSNSキャンペーンに関する案件を中心に担当します。
業務の一例は以下のとおりです。
- SNS運用方針の策定
- 投稿カレンダーの設計
- クリエイティブの制作指示
- 広告運用のレポート管理
- 効果検証と改善提案
InstagramやXを活用したキャンペーンでは、「どの時間帯に、どの投稿内容がエンゲージメントされやすいか」などの分析と戦略設計が求められます。SNSに慣れているだけではなく、運用型広告やKPI(重要業績評価指標)設計の知識・スキルが必要になる案件です。
システム・アプリ開発ディレクション
システム・アプリ開発ディレクションは、業務システムやスマートフォンアプリの企画・制作を進行する案件です。開発現場における調整役として、上流工程に関わります。
具体的なタスクは以下のとおりです。
- 要件定義と仕様設計
- 開発スケジュールの管理
- 開発メンバーとの連携
- テスト項目の作成と検証
- リリース後の改善提案
たとえば、BtoB向けの営業支援ツールを開発する案件では、「営業担当がどんなフローで使うか」を想定したUI設計が必要です。また、開発者との連携では、技術的な制約や工数を理解したうえでの調整力も求められます。
Web制作より技術寄りの知識と論理的な思考が必要になる分野です。
ECサイトディレクション
ECサイトディレクションは、ネットショップの立ち上げやリニューアル、運用支援を統括する仕事です。商品購入という明確なコンバージョンがあるため、UX設計や売り上げ改善の視点が重要です。
主な業務は以下のとおりです。
- 商品カテゴリや導線設計
- 決済・配送システムの確認
- デザインとコーディングの監修
- 販促施策の企画支援
- 分析データを元にした改善提案
たとえば、アパレルブランドのECサイトでは、売り上げ向上のために「トップページで新作を打ち出す」「レビュー導線を目立たせる」などの施策を行います。売れるECを作るために、制作知識だけでなく、マーケティングやデータ分析の視点も求められる案件です。
フリーランスWebディレクターになるためのロードマップ
ここでは、Webディレクターがフリーランスとして独立するまでのプロセスを4つのステップに分けて解説します。
ステップ1|実績を整理してポートフォリオを準備する
まず、これまでのディレクションの実績を「職務経歴書」と「ポートフォリオ」にまとめましょう。
フリーランスのWebディレクターにとって、ポートフォリオは単なる成果物のリストではありません。過去のプロジェクトで「どのような課題に直面し」「どういう戦略で乗り越え」「結果としてどれだけの成果を上げられたのか」を示す、いわば提案書のようなものです。
特に高単価の案件を発注するクライアントは、ビジネス上の課題を解決できるWebディレクターの能力を重視します。そのため、これまでに担当したプロジェクトの規模やチーム体制、使用ツールなど、具体的な貢献内容を詳細に記載することが大切です。
秘密保持契約(NDA)に違反しない範囲で、可能な限り具体的な数字やデータを用いて、保有するスキルがいかに再現性があるかをアピールしましょう。
ステップ2|副業(業務委託)で実績を構築する
会社員の場合、まずは今の仕事を続けながら、副業として業務委託の案件を受けてみましょう。
会社員としての安定した収入を確保しながら、クライアントワークの感覚をつかめるうえ、自分のスキルが社外でも通用するかどうかも確認できます。また、フリーランス特有の「契約交渉」や「請求業務」の流れを経験することも可能です。
副業エージェントや知人の紹介などを活用して、最初は週1〜2日程度でできるスポットコンサルティングや小規模なWebサイト改修案件から始めるのが現実的でしょう。
副業で実績と信頼を積み重ねられれば、独立後にそのまま継続案件として契約できる可能性も高まります。「個人で稼ぐ」という手応えを感じ、数か月分の生活費を貯められた段階で、本格的な独立を検討しましょう。
ステップ3|独立に必要な開業手続きをする
独立を決意したら、個人事業主としての法的な手続きと、仕事をするための環境整備を速やかに行いましょう。
税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出することで、所得税の控除など税制面で大きなメリットを受けられます。手続きは国税庁のWebサイトからオンラインでもできるうえ、会計ソフトを使えば簡単に書類を作成可能です。
また、国民年金や国民健康保険への切り替え手続きも忘れずに行いましょう。会社員時代とは異なり、社会保険料は全額自己負担となるため、毎月どれくらいの固定費がかかるのかを事前に把握しておくことも大切です。
ステップ4|案件獲得チャネルを確保して営業活動を開始する
フリーランスとして安定した収入を得るためには、複数の案件獲得チャネルを持つことが重要です。特定の顧客に依存せず、リスクを分散できます。
ただ待っているだけで仕事が舞い込んでくることは稀です。積極的に営業活動を行い、仕事につながる仕組みを作る必要があります。
主な案件獲得チャネルは、以下のとおりです。
チャネル | 特徴 | メリット | デメリット |
フリーランスエージェント | 仲介業者が案件を紹介 | 営業不要で高単価・長期案件が多い | マージンが発生することが多い |
知人・過去の取引先 | 直接の紹介(リファラル) | 信頼関係があり受注しやすい | 案件数に限りがある |
SNS・ブログ発信 | Xやnote経由の問い合わせ | 自分の強みに合った案件を受注しやすい | 成果が出るまで時間がかかる |
クラウドソーシング | 公募型プラットフォーム | 実績作りに適している | 単価が低い傾向がある |
独立したばかりの頃は、大手のエージェントに登録し、週3〜4日の案件で安定収入を確保するのがおすすめです。その後、徐々に直接契約の案件を増やし、より収益性の高いポートフォリオを作成していきましょう。
フリーランスWebディレクターになるにはどんなスキルが必要?
フリーランスWebディレクターとして仕事を受けるには、Web制作の知識だけでは不十分です。マーケティングやマネジメント、分析や品質管理など、幅広いスキルを求められることも珍しくありません。
ここからは、フリーランスWebディレクターになるために、特に押さえておきたい5つのスキルを紹介します。
Webマーケティング分野の知識・経験
Webマーケティング分野の知識・経験は、フリーランスWebディレクターにとって欠かせないスキルです。クライアントの目的が「集客」や「売り上げアップ」である以上、マーケティング視点の提案が求められます。
具体的には、以下のようなスキルが必要になります。
- SEOや広告の基本知識
- ペルソナ設計とカスタマージャーニーの理解
- 成果を意識した導線設計の考え方
- LPやバナーの訴求ポイント設計
たとえば、BtoB向けサービスのサイト構築案件では、「資料請求の導線を目立たせる」「事例コンテンツを掲載する」など、ユーザーの意思決定を後押しするデザインが求められます。
Webマーケティングの知識があると、成果につながるWebサイトの設計に役立つでしょう。併せて、WordPressなどのCMS操作やHTML、CSSの基本知識など、制作現場との共通言語を持つことも案件獲得につながります。
マネジメントスキル
マネジメントスキルは、複数メンバーと連携して成果を出すうえで必要不可欠です。フリーランスであっても、プロジェクト全体をまとめるリーダー役を任される場面は少なくありません。
具体的なマネジメント業務の例は以下のとおりです。
- チーム全体の進行管理
- 課題やトラブルの早期把握
- メンバーとのコミュニケーション
- タスクの優先順位づけ
「デザインが遅れている」「素材がそろっていない」などの問題が発生した場合でも、焦らず調整して納期までに間に合わせる判断力が必要です。
マネジメントスキルがあると、チーム内の信頼を得やすくなり、継続的な依頼につながる可能性も高まるでしょう。
データ分析・統計の知識
データ分析・統計の知識があると、提案の説得力が大きく変わります。数値をもとに改善ポイントを導き出せる人材は、クライアントからの信頼も得やすくなるでしょう。
必要な知識の一例は以下のとおりです。
- Googleアナリティクスの操作方法
- ヒートマップの読み取り
- 数値レポートの作成・読み解き
- コンバージョン率・直帰率の分析
たとえば、アクセス数は多いのに資料請求が少ないLPがある場合、「CTAの位置が最適ではない」「ページ内の導線が散漫」などの改善仮説をデータから導き出す力が大切です。
勘ではなく根拠ある提案をするためにも、基本的な分析スキルを身につけておきましょう。
品質管理能力
品質管理能力は、納品物の完成度を保つうえで必要なスキルです。ミスのない成果物を納品することで、クライアントの信頼を得やすくなります。
具体的なチェック項目は以下のとおりです。
- レスポンシブ表示の確認
- 誤字脱字やリンク切れの確認
- ページ速度や表示崩れの検証
- SEO基本設定の有無(title、metaなど)
たとえば、スマートフォンでページを表示したときにボタンが押しにくかったり、リンクが正しく動かなかったりすると、ユーザー体験に悪影響を与えてしまいます。品質管理は、ユーザー満足度を高めるためには欠かせない項目です。
納品物の質にこだわる姿勢があれば、クライアントから信頼を獲得でき、紹介やリピートにもつながりやすくなるでしょう。
情報収集能力
情報収集能力は、変化の激しいWeb業界で長く仕事を続けるために必要なスキルです。トレンドや技術の進化に対応できる人ほど、幅広い案件に関われるようになります。
日々インプットする必要がある情報の例は、以下のとおりです。
- Web業界のニュース
- 新しいツールやサービス
- 海外の事例やトレンド
- 業界イベントやセミナー
たとえば、「Webアクセシビリティへの配慮が求められる」「生成AIを活用した制作フローが注目されている」などの変化を知っているだけでも、提案の幅は広がります。
技術とニーズが変わり続ける業界だからこそ、情報収集の習慣を持つことが成果につながります。
フリーランスWebディレクターに向いている人の特徴
フリーランスというはたらき方は、時間に縛られず自由に仕事を進められる魅力がある一方で、全ての責任を自分で負うという厳しさも持ち合わせています。
ここでは、フリーランスのWebディレクターとして安定的に活躍し続けるために、特に重要な3つの特徴について解説します。
論理的に物事を整理できる人
フリーランスとしてはたらく上で、クライアントや制作チームに対して筋の通った分かりやすい説明ができる論理的思考力は、必要不可欠なスキルです。
「なんとなく良さそう」といった曖昧な提案では、クライアントの決裁をもらえません。Webサイトの構造設計やUI/UXの改善提案をする際には、ユーザーデータや競合の状況を分析し、論理的な説明を組み立てることが重要です。
クライアントからの信頼を得るためには、感情や個人的な意見に左右されず、事実と論理に基づいてプロジェクトを進める姿勢こそが重要な要素といえるでしょう。
スケジュール管理・進行管理が得意な人
Webディレクターにとって、自分自身のタスク管理はもちろんのこと、プロジェクト全体の進捗を正確に把握して管理する能力は欠かせません。
フリーランスの場合、複数の案件を同時並行で進めることが多いため、一つの案件で遅延が発生すると、他の案件にも影響が出て、収入が減ってしまうリスクがあります。そうならないために、余裕を持った現実的なスケジュールを作成し、起こりうるリスクを事前に予測して対応策を準備しておく必要があります。
エンジニアやデザイナーの作業進捗を常に確認し、遅れそうな場合は、すぐにリカバリー策を実行することが大切です。「納期を守る」ということは当たり前のことですが、何か問題が発生した場合でも、それをやり遂げることで、お客様からの信頼を大きく向上させられます。
高いレベルでの自己管理能力と、関係者の管理能力を兼ね備えている人ほど、フリーランスとして活躍できる可能性が高いといえるでしょう。
変化が多い環境に適応できる人
Web業界は、技術の進歩やトレンドの変化が非常に速く、昨日まで通用していたものが今日から使えなくなるということも珍しくありません。検索エンジンのアルゴリズム変更や新しいAIツールの登場、法律や規制の改正など、Webディレクターは常に外部環境の変化にアンテナを張り、対応していく必要があります。
また、フリーランスは案件ごとに異なるお客様の企業文化や使用するツール、コミュニケーションの取り方などに合わせて対応しなければなりません。
「自分は今までこうやってきたから」と自分のやり方に固執するのではなく、お客様の状況に合わせてやり方を柔軟に変えられる人が求められます。
変化を「新しいことを学ぶチャンス」と捉え、常に情報収集を怠らない人は、フリーランス市場で高い価値を維持できるでしょう。
フリーランスWebディレクターの案件獲得方法
フリーランスWebディレクターとして安定的に仕事を続けるには、案件を継続的に獲得する力が欠かせません必要です。自分の強みやはたらき方に合わせた手段を選ぶことで、効率よく案件を確保できます。
ここからは、代表的な4つの獲得方法を紹介します。
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フリーランスの案件獲得方法は?高単価案件の探し方・継続して受注するコツを解説
大規模案件を目指すなら「フリーランスエージェントの活用」
大規模案件を目指すなら、フリーランスエージェントの活用が効果的です。フリーランスエージェントとは、企業とフリーランスの間に立ってマッチングを支援するサービスのことです。
一定以上のスキルや実績がある場合、エージェント経由で高単価かつ安定性のある案件に出会える可能性が高まります。要件定義や制作進行の経験がある人なら、即戦力として評価され、大規模案件を獲得しやすくなるでしょう。
また、エージェントが営業や契約などの作業を実施してくれるため、案件に集中できる点もメリットです。営業負担を減らしながら安定収入を得たい場合は、有力な選択肢となります。
実績作りや幅広い案件を経験したいなら「案件マッチングサイトの活用」
実績作りや経験の幅を広げたい場合は、案件マッチングサイトの活用が効果的です。案件マッチングサイトとは、Web上で業務を発注・受注できるサービスのことを指します。
取り扱っている案件数が多く、初めてフリーランスWebディレクターとして活動する人向けのものも数多く存在します。実務経験を積みながら、活動の幅を広げたい人におすすめです。
継続案件・信頼性重視なら「人脈・前職・知人からの紹介」
継続案件や信頼性を重視するなら、人脈・前職・知人からの紹介が効果的です。特に、過去に一緒にはたらいた経験がある相手からの依頼は、初対面の案件よりも信頼関係を築きやすくなります。
紹介による案件獲得には、以下のようなメリットがあります。
- 条件や期待値のズレが少ない
- 継続的な発注につながりやすい
- 単価交渉や相談がしやすい
- 紹介によって新しい案件が広がる
特に、前職の同僚から声がかかるようなケースは関係構築がスムーズに進みます。事前に関係性ができていることから、単価交渉や案件の相談もしやすいでしょう。
自分の専門性を活かしたいなら「直接営業・SNS・ポートフォリオサイトの活用」
自分の専門性や実績を活かしたいなら、直接営業・SNS・ポートフォリオサイトの活用が効果的です。自分の発信やブランディングを通じて「指名で仕事を依頼される状態」を目指せます。
主な手段は以下のとおりです。
- 自分の強みを紹介するポートフォリオサイトの運営
- noteやXなどでの専門的な発信
- 制作実績やノウハウをInstagramやブログで紹介
- 気になる企業に直接提案を送る営業活動。
自由度の高さを活かして自分をブランドとして育て、成果につなげたい人に適している方法といえるでしょう。
フリーランスWebディレクターとして活躍するためのポイント
フリーランスとして案件を受けるだけでは、安定したキャリアにはつながりません。クライアントに選ばれ続けるには、成果の出し方や信頼関係づくりに戦略が必要です。
ここからは、継続的に活躍するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
限られたリソースの中で最大限の成果を出して信頼を獲得する
限られたリソースの中で成果を出す意識が、フリーランスWebディレクターにとって大切です。会社員とは違い、営業・調整・納品までを一人で担う場面が多いため、効率よく価値を発揮することが求められます。
特に、外部パートナーとして参加する案件では、社内リソースや関係者との距離が限られている中で成果を出す必要があります。「先回りして課題を洗い出す」「不要なやりとりを減らす」「納期より前に初稿を出す」などの動きが、信頼獲得につながるでしょう。
コミュニケーション能力を高めてクライアントと良好な関係を作る
コミュニケーション能力は、フリーランスWebディレクターに欠かせない武器です。制作スキルだけでなく、相手との信頼関係を築けるかどうかが、案件の継続や紹介に影響を与えます。
具体的に意識したいポイントは以下のとおりです。
- 依頼の背景・意図を正確に引き出すヒアリング力
- 結論から話す説明力
- 書き言葉で伝える文章力
- こまめな報連相による安心感の提供
たとえば、スケジュールが遅れそうな場面では「今どこでスタックしているか」「どうすれば解消できるか」を整理して伝えるだけで、クライアントの不安を軽減できます。
「この人なら安心して任せられる」と感じてもらえる関係を築くことが、次の仕事につながる一歩になるでしょう。
スキルの掛け算で希少価値を上げる
スキルの掛け算によって、フリーランスWebディレクターとしての希少価値を上げる戦略も有効です。特定のスキルだけでは代替されやすくなりますが、複数の専門性を掛け合わせることで独自性を打ち出せます。
組み合わせの例は以下のとおりです。
- Webディレクション × SEO
- Webディレクション × 動画制作
- Webディレクション × マーケティング
- Webディレクション × SNSブランディング
たとえば「WebディレクションとSEOどちらも対応できる」人は、コンテンツ設計からワイヤーフレーム作成、記事監修まで一貫して対応できるため、単価も上がりやすくなります。
専門性の深さに加えて横の広がりを意識することで、案件の幅も広がりやすくなるでしょう。
フリーランスWebディレクターの主なキャリアパス
フリーランスWebディレクターとして実績を積み重ねることで、より上流のコンサルティング領域や、組織を束ねるマネジメント領域へと活動の幅を広げることが可能です。
ここでは、高収入とやりがいを両立できる、代表的な5つのキャリアパスを紹介します。
Webディレクション特化で専門性を磨く
特定の分野で誰にも負けない知識と経験を身につけ、その道のプロフェッショナルとして活躍する道です。たとえば「ECサイトの売り上げ向上に特化したディレクター」や「SEOに強いオウンドメディア構築のエキスパート」として、業界内で名を馳せることが挙げられます。
「〇〇のことならあの人」というブランドを確立できれば、指名で仕事が舞い込むようになり、より高い報酬を得ることも可能です。高度なデータ分析や、MA(マーケティングオートメーション)ツールを駆使した顧客関係管理戦略など、独自の強みを磨きましょう。
専門性を高めることで、クライアントのビジネス課題を解決するパートナーとして頼られる存在になれます。結果、戦略立案から深く関わる、より価値の高いプロジェクトに参画できるチャンスが広がるでしょう。
DXやシステム導入などの関連領域に挑戦する
Webサイト制作の経験を活かし、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)や業務システム開発といった、さらに大きなプロジェクトに挑戦する道です。多くの企業が、業務効率化やデータ活用といった課題を抱えており、Webディレクターの経験を活かせる場面はたくさんあります。
Webディレクターとして培ってきた「要件定義」や「関係者との調整」といったスキルは、システム開発の現場でも十分に通用します。エンジニアとのコミュニケーションに必要な技術的な知識や、業務フローを分かりやすく整理する能力を身につければ、よりクライアントから信頼されやすくなるでしょう。
Webサイト制作の案件に比べてプロジェクトの規模が大きく、期間も長くなる傾向があるため、収入の安定性も高まります。
PMとして企業の大規模案件を担当する
数千万から数億円規模にもなる大規模プロジェクト全体の責任者として、プロジェクトを成功に導く役割です。
Webディレクターが現場の進行管理を担当するのに対し、PMは以下のようにプロジェクト全体の責任を負います。
- 予算管理
- 人事計画
- 品質管理
- リスク管理 など
大手企業が手がける新規事業の開発や大規模なサイトリニューアルなど、多くの関係者が関わるプロジェクトでは、高いコミュニケーション能力と交渉力が求められます。
クライアント企業の担当者や外部の協力会社をまとめ、プロジェクトを成功に導く「外部PM」としてのキャリアは、非常にレベルの高い仕事です。ただ、その分やりがいも大きいでしょう。
チームを組織して制作会社化する
個人での活動に限界を感じたら、法人を設立して制作チームを組織することで、事業を大きくスケールさせる道もあります。
デザインやコーディングなどの実作業を信頼できるフリーランスや従業員に任せることで、より大きな案件や短納期案件にも対応できるようになるでしょう。
ディレクター出身の経営者は、制作現場のプロセスを熟知しているため、的確な指示が出せるという強みがあります。「信頼できる制作会社」へとブランドイメージを高めることで社会的な信用度も向上するため、クライアントとの直接取引をより増やせるでしょう。
自分でWebサービスやメディアを立ち上げる
受託業務で培った企画力やマーケティングの知識を活かして、自社でWebサービスやメディアを立ち上げる道です。以下のように、さまざまな選択肢があります。
- アフィリエイトメディアの運営
- マッチングサービスの開発
- D2Cブランドの立ち上げ など
クライアントワークとは異なり、すぐに収益に繋がるとは限りません。しかし、成功すれば、時間や場所に縛られず継続的な収入源を確立できます。
受託の仕事で安定した収入を確保しつつ、空いた時間に自社サービスを育てるという方法もおすすめです。自らリスクを負って事業を成長させた経験は、クライアントへの提案の説得力を高めることにもつながり、相乗効果を生み出すでしょう。
フリーランスWebディレクターの年収・報酬はどれくらい?
HiPro Techの調査によると、Webディレクターの平均月額単価は765,085円とされています。月単価で70万円以上の案件を安定的に受けられれば、年収900万円前後も見込める計算です。
ただし、この金額はあくまで一例です。報酬は実績や専門性によって変動するため、自分の市場価値を定期的に確認する意識が重要です。また、活動時間数や案件の内容によっても大きく変わります。さまざまな案件を確認し、希望するはたらき方や得意分野の報酬相場をつかみましょう。
出典:ITフリーランスエンジニアの平均月額単価ランキング~2024年の市場動向と2025年の展望~(HiPro Tech)
フリーランスWebディレクターの案件事例
フリーランスWebディレクターの案件には、業界や職務内容によってさまざまな種類があります。実際の案件を参考にすることで、自分のスキルに合う案件を見つけやすくなるでしょう。
フリーランスWebディレクターの主な案件事例は、以下のとおりです。
案件の内容 | 案件の特徴 |
コーポレートサイトのフルリニューアル支援 | 進行管理・構成設計が中心 |
オウンドメディア立ち上げ支援 | SEO設計・制作ディレクションが中心 |
広告プロジェクトにおけるディレクター業務 | タスク管理・開発側との調整・改善アクションの立案や推進が中心 |
クリエイティブチームでのバナー制作ディレクション | 進行管理・クオリティ管理が中心 |
案件ごとに分野や活動日数、単価などが異なるため、自分の得意分野や希望するはたらき方に合わせて選ぶことが大切です。
フリーランスWebディレクターを目指す人からよくある質問
フリーランスWebディレクターとしてはたらくことに興味はあるものの、未経験からの挑戦や年収、独立のタイミングに不安を感じている人は多いです。
ここでは、よくある質問を2つピックアップして解説します。
Q1. 未経験からでもフリーランスWebディレクターになれる?
未経験からフリーランスWebディレクターを目指す場合、いきなり独立するのはハードルが高い傾向があります。ディレクション業務には、Web全体の構造理解やチームマネジメントの経験が必要とされるためです。
まずは会社員としてWeb制作会社や広告代理店に入り、実務経験を積むのが現実的です。また、並行して、副業で案件を引き受けることで実績を積み上げるのも効果的でしょう。
実務経験を積みながら専門知識を深めていけば、未経験でもフリーランスを目指す道は十分に開けます。
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Q.2 年収や単価の交渉方法は?
年収や単価の交渉では、相場感と自分の提供価値を明確に伝える力が求められます。単に高い単価を伝えるのではなく、「何をどこまで行うか」をセットで説明することで、納得感を持ってもらえるためです。
具体的には、以下のような材料を準備しておくと効果的です。
- 類似案件での成果事例
- 担当した範囲(構成、進行、改善提案など)
- 顧客からの評価や推薦コメント
- タスク量に対する見積もり根拠
たとえば、「過去に担当したLP制作でCV率が3倍に伸びた」「チーム全体を巻き込んで納期短縮を実現した」などの具体的な成果があれば、説得力のある交渉ができます。
交渉は交渉として丁寧に進め、相手との信頼を損なわない姿勢も大切です。
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Q.3 フリーランスとして独立するまでに準備しておくべきことは?
独立前に準備すべきことは、主に以下の2点です。
- 半年程度無収入でも生活できる「生活防衛資金」の確保
- 信頼できる「人的ネットワーク」の構築
十分な資金があれば、焦って仕事を受ける必要はありません。じっくりと条件のよい案件を選んだり、自分のスキルアップにつながる仕事に挑戦したりする余裕が生まれます。
また、会社員時代に培った人脈は、独立後、仕事を得るための貴重なルートになります。人脈作りのために、日頃から社内外の人と良好な関係を築いておくことを心がけましょう。
積極的に交流会や勉強会に参加するのも、よい方法です。
準備を徹底して、フリーランスWebディレクターとして活躍しよう
本記事では、フリーランスのWebディレクターとしてはたらくために必要なスキルや案件の種類、年収の目安などを幅広く解説しました。
Web業界での経験を活かし、自由なはたらき方を実現したいと考える人にとって、フリーランスWebディレクターは有力な選択肢です。スキルの掛け算や発信力次第で、収入やはたらき方の自由度を自分の手でコントロールできるようになります。
もし「自分の強みを活かして独立したい」「Web業界で長く活躍していきたい」と考えているなら、まずは自分のスキルや実績を棚卸しし、できる範囲から準備を始めてみましょう。
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