広島
ツネイシホールディングス株式会社

時代の変化・企業風土にあった人事制度の策定。
第三者の視点と確かな知見に基づく、納得度の高い最適解へ。

Profile

企業

社名:ツネイシホールディングス株式会社
   (常石グループ)
所在地:広島県福山市
業務内容:海運、造船、商社・エネルギー、環境、ライフ&リゾート
従業員数:100~300名未満

プロ人材

名前:Mさん(フリーランス)
居住地:愛知県
経歴:自動車販売会社で営業部長職を経て、人事・総務へ異動。採用活動や社員研修、総務業務などの実務を経験。その後も複数社にて人事の経験を積み、現在は人事コンサルタントとして人事制度構築、採用、育成など幅広く支援。
〈プロ人材としての活動〉
業務内容:従業員のエンゲージメント向上および生産性向上
活動頻度:月3回以内
活動方法:リモート

  • 多様性の時代にマッチした人事制度の見直しを検討。
  • プロ人材の選定の決め手は、人事に関する多彩な実績、メンバーの想いを受け止める人柄。
  • 企業風土を尊重したプロジェクト進行、経験を活かした提案。
  • 第三者の立場と確かな知見で社内の意見を調整しながら、誰もが納得する最適解へ。

1)プロ人材活用の背景

時代の変化に合わせて、人事制度の見直しを検討。

 当グループは5年ほど前に人事制度を刷新していたのですが、当時考えていた方針と今の実情とにギャップが生じてきた、ということが見えてきました。5年前に制定した制度では全員を総合職とし、上を目指すことを促す狙いがありましたが、実際はいろいろな想いを持った人がいることがわかってきました。
 また、はたらき方についても、テレワークなどを取り入れたことによって社員の日々の行動が見えづらくなった中で、コンピテンシー(個人の行動特性)をどう評価するかといった課題も出てきています。他にも、採用を強化していくにあたって、市場感にあった給与水準にする必要性なども出てきており、こうした状況を踏まえると、人事制度を再検討する必要があるのではないか、ということになりました。

客観的な視点を求めて、プロ人材活用へ。

 情報収集については、各担当者が行なっていたのですが、そもそもの視点が、今の制度ありきでの情報収集になりがちでした。世の中を見れば、もっと根本的な大きな課題点があるはずで、そうした広い視点で検討されるべきだろうと考えました。
 社外で経験を積まれ他社の人事制度などに深く関わってきた方から、当社の人事制度に対しての意見をいただき、自分たちでは発見できない課題も発見できるようにしたい、という想いから、プロ人材を活用することにしました。

外部の人材だからこそ期待できる“まとめ役”。

 5年前の人事制度の見直しは、トップダウンからボトムアップへ発想を変えていこう、というグループ全体の取り組みがきっかけでした。当時からこの人事制度改定に関わっているメンバーからすれば、その際に自身が携わった制度に対してもさまざまな考えや想いがあるため、そこからなかなか脱却できない。新たなメンバーも加わって、異なる意見も出たりはするのですが、それぞれの想いがぶつかってなかなか前に進まない状況でした。
 そこで、私たち以上に人事制度に知見のある外部のプロ人材に入っていただけば、私たちの意見をまとめてくれるのではないかという期待もあったのです。

2)依頼業務と業務進行上の工夫

人事制度全般の見直しを依頼。経験・スキルに加えて人柄も重視。

 プロ人材に依頼したのは人事制度全般の見直しです。人事制度を運用するポリシーから、評価制度、等級制度、給与体系など、全体的に一度見直したいと伝えました。
 プロ人材を選定するにあたって重視したポイントは、それぞれのメンバーの想いを、ちゃんと受け止めた上で、過去の経験・知見から意見をいただける方でした。経歴・経歴を基に3名の候補の方を紹介していただき、希望のプロジェクトの進め方についてもお聞きした上で、Mさんに決めました。実際にお会いしたときの第一印象は、「期待していた通りの方だ」と思いました。

 月3回のリモート会議で成果を確認。

 最初は、当社に来ていただいて、私たちがどのような場所で、どんな仕事をしているのかを見ていただきました。その後は、約2時間半のリモート会議を月3回程度のペースで行っています。最初に、各制度を検討するステップの整理とスケジューリングをしていただき、それに沿って成果を確認して次のステップへ進める形で行っています。
 各制度の案づくりは、まずMさんにたたき案を作成していただき、それを基に私たちと一緒にブラッシュアップしていくようにしています。

何を求めるか、課題を明確にする。

 プロ人材に対して何を求めるのか、ということを明確にしておかないと、なかなか結果がでにくいということはあると思います。課題感がふわっとしすぎていると、一般的にはどう考えるか、他の企業はこのように考えて組み立てますよ、というアドバイスはいただけると思いますが、では自社に取り込むにはどうなのか、という具体的な検討を進めていくとなると、工数も労力もかかりすぎるということになるでしょう。今、何が課題で何を求めるのか、明確にしておくことが大切だと感じました。

3)得られた成果

企業風土を尊重しながらの提案と進行。

 たとえば、コンピテンシーの評価軸はどうするのか、5段階で判断基準が多少明確ではなくとも社員に説明しやすい方がいいのか、それとも、できている/できていないを○×ではっきり言えるほうがいいのか、私たちの企業風土としてどちらがいいのか、細かいところまで考えていろいろ案を提示していただいています。
 ご自身の経験を基に、私たちと一緒に数ヶ月やってきたからこそわかる情報も加味しながら、次々に提案をしてくれています。Mさんがいるからこそ、一歩ずつ前に進めていると思います。

“染まらない”フラットな目線。

 今回、中途採用も考えたのですが、外部の人材に加わっていただくことでどのような効果が波及するのか経験してみたかったということもあります。やはり、外部の人材だからこそ、フラットな視点で意見をもらえるということはすごく大きいのではないかと思いますね。社員の場合、社員としての立ち位置、目線というものがどうしても出てきてしまいます。やっぱり“染まってくる”部分がある。外部の人材であれば、そこは影響しづらいので、そのフラットな目線は絶対にあった方がよいと思います。

経験・スキルがあるからこその“落とし所”。

 これまで、社員だけで検討している時には、なかなか意見が割れてまとまらないことがよくありました。そこにMさんが間に入る形で、「それならこうしたらどうですか」と、他社での事例や経験を基にうまい落とし所を見つけてくれる。するとこちらも、「なるほど、Mさんがそういうのなら、それがいいかもしれませんね」と納得しながら進めることができます。第三者という立場であることの客観性だけでなく、本当に多くの経験・スキルがあるからこその信頼感と説得性だと思っています。