「はたらく」選択肢を増やし、
多様な社会を目指すメディア。

ペルソナマーケティングとは何か?ペルソナの作り方や成功事例を紹介

image_personamarketing

マーケティング活動において頻出する「ペルソナ」の意味をご存じでしょうか。当コラムでは、マーケティングにおけるペルソナの意味や作り方、成功事例が知りたい方に向け、基本的な情報をご紹介します。

ユーザーの分析を深める際や、設定における参考として、ご活用としていただければ幸いです。

マーケティングにおけるペルソナとは?

image2_personamarketing

ペルソナ(persona)とは、本来「仮面」や「人格」を意味するラテン語です。

ここから転じて、マーケティングにおけるペルソナとは、「特定の商品・サービスを利用することが想定される、架空のユーザー像」を指します。

ターゲットとの違い

ペルソナと混同されやすい言葉に「ターゲット」がありますが、両者は「対象範囲」に相違があります。

「ターゲット」は、「30代の会社員男性」など、属性でくくられる一定の集団を指します。

一方「ペルソナ」は、ターゲットの中からさらにフォーカスし、実際に存在しうるスペックなどをより微細に設定した、「ある1人の人物像」を指します。スペックは「在住場所」や「年収帯」、加えて「性格」「趣味・嗜好性」などの定性的な情報も設定される傾向にあります。

ペルソナはなぜ重要なのか

ペルソナを設定すると、マーケティングの実施において、多岐にわたるメリットを得られます。以下はその一例です。

プロジェクトメンバーと共通認識を持てる

チームメンバー内でマーケティング戦略を協議する際、ペルソナ設定は大いに役立ちます。

たとえばターゲットを対象とすると、同じターゲットでも個人ごとにライフスタイルや価値観の差が開いてしまい、結局どのようなアイデアが刺さるのか、考えがまとまりにくいという難点があります。

そこでペルソナを設定すると、訴求対象としたい人物の姿や人格など、イメージがより詳細に描けるようになります。加えてそのイメージを言語化すれば、メンバー間でも認識の齟齬がなくなり、より効率的に協議を進行させられるでしょう。

ユーザーのニーズにより踏み込んだ商品開発が可能

ペルソナ設定ではユーザーのニーズへより一歩踏み込めるため、より訴求力の高い商品を生み出せる点も、メリットといえます。

たとえば、ターゲット全般を対象とした場合、広範囲に訴求することは可能ですが、同じターゲットを対象とした類似商品との差別化を図ることが難しくなります。

対してペルソナを対象として訴求を行う場合、ターゲットよりも訴求対象は狭まりますが、その分よりイチ個人のパーソナリティに寄り沿った商品となり、必然と商品にも個性が生まれます。

ペルソナマーケティングは古いのか?

昨今ではAIの進化や、ユーザーとのタッチポイントが増えていることから、一部では「ペルソナマーケティングは古い、時代錯誤」と評する声も挙がっています。しかし当意見に対しては、結論、現在も変わらず重要であり、設定方法をアップデートすれば有用的なマーケティング手法であるといえます。以下でもう少し詳しく触れていきます。

前者の「AIの進化」は、とりわけリスティング広告などで、すでにユーザーの嗜好性などをもとに、AIが自動で表示先を最適化しているケースが増加しているために不要とする意見です。

しかし、Webサイトなどの制作段階においては、来訪者が不特定多数であり属性が見えにくい段階から設計を行わなければなりません。AIは来訪者に対する情報最適化は得意ですが、来訪者層そのものを定めるフェーズに関しては、ペルソナの効力が大きく発揮されるといえます。

後者は、情報技術の発展によってタッチポイントが増加・多様化したがために、ペルソナ設定に注力するよりも、「利用シーン」を重要視しマーケティングを行った方が賢明ではないか、という意見です。

こちらに関しては、両軸を切り離すというよりも、利用シーンを踏まえたペルソナ設計を行うことで、より精度の高いターゲティングができるという見方もあるでしょう。すなわち、ペルソナ設計の設定において「利用シーン」をいち要素として加えることで、よりパーソナライズな訴求対象者をつくりあげられるということです。

ペルソナ設定が「古い」という見方ではなく、ペルソナ設定を「変える」という視点に立つと、改めてその有用性を見出せるのではないでしょうか。

ペルソナの作り方

ペルソナの作り方について、以下、一例をご紹介します。

データを集める

既存顧客の情報や新規見込み顧客などのアンケートなどから、定量的なデータ(年齢・性別等の個人情報から、現在愛用している商品やサービス等のライフスタイルにまつわる情報など)を収集します。

集めた情報をもとに、属性が類似する対象者ごとにグループ分けを行います。

顧客へのインタビュー

仕分けしたグループの内、代表格となりそうなグループから顧客を選出し、より詳しい情報をヒアリングするためのインタビューを行います。

ヒアリングを行うとよい項目例としては、以下が挙げられます。

  • 商品(新規商品開発の場合は類似する競合商品など)に興味をもったきっかけ
  • どのようにして商品を知ったか
  • 商品を購入するに至った決め手

単にペルソナ設定だけを行うのであれば、ロイヤルユーザー(売上割合の多くを占める、継続利用層)への実施が効果的ですが、もし余裕があれば売上の低い層や潜在層にもヒアリングしてみるとよいでしょう。商品の改善点や、今後マーケティングに注力した方がよい層かを見極める判断材料にもなります。

情報をまとめて一人のペルソナを作り上げる

集めた情報を改めて精査し、ペルソナを定めていきます。情報の中に共通項や頻出ワードなどが見つかるようであれば、ペルソナ設定のヒントとなります。

ペルソナをつくるときの設定項目例は、以下が挙げられます。

  • 名前(仮名でも可)
  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 学歴
  • 家族構成
  • 居住地
  • 習慣(趣味やライフワークなど)
  • 性格(価値観や重要視していることなど)

ペルソナの人物像が、誰がみても明確に伝わるような項目を設定することが重要です。また、ビジュアルでもイメージできるよう、イメージ写真などを貼付しておくことも効果的といえます。

作成時の注意点

リアルな人物像を設定する

イメージ共有を行ううえで、とくに重要なポイントです。定量的な情報だけであれば、ターゲットだけでも事足りる形となりますし、先述の通りプロジェクトメンバー間でもイメージの剥離が出る可能性もあります。

誰にとってもイメージのしやすい人物像となるよう、とりわけ内面も細部まで作りこみましょう。

先入観などを入れない

ペルソナを設定するとき、陥りやすい注意点です。先入観や希望的観測を踏まえペルソナを設定すると、その後のマーケティング施策に大きくブレが生じます。

ペルソナ設定を行う際は、あくまでも実際のデータをもとに設定することが大前提となります。

定期的な見直しを行う

ユーザーの嗜好性や属性は、環境や市場によって変動します。ニーズに合う商品へと常にブラッシュアップするためにも、ペルソナは定期的に見直しを行う方が賢明といえるでしょう。

ペルソナ設定によるマーケティングの成功事例

ペルソナマーケティングの成功事例を、3つご紹介します。

飲料メーカーA社の事例

A社が新たなアルコール飲料の開発を手掛けた当時、同商品領域の市場自体は縮小傾向にあり、定番と呼ばれる商品は年々売上が低下していました。その中でも、同社は2000名を対象にインタビューを実施し、あえて同市場で商品を開発したのです。

同社はインタビュー結果からユーザーの真のニーズを拾うとともに、データから対象層となる年代と性別を絞り込んでいます。あわせて、インタビューでは対象者の目標やライフスタイルなどの「人生」についてもヒアリング。結果をもとにペルソナを設計し、新商品を手掛けました。

その結果、新商品は発売開始から4ヶ月で約300万箱に近い数量を販売。当時の競合他社と大きく売上数量の差をつける結果となりました。

飲料メーカーB社の事例

独創性のあるネーミングとパッケージデザイン、加えて高品質な商品を提供し続けているB社。大手飲料メーカーが市場の9割以上を占める中で、同社は新規参入ながらも、幅広く消費者認知を集め、多くのファンから熱い支持を受けています。

成功の背景には、同社のペルソナ設定に対するこだわりが、功を奏しているといえます。同社は商品開発において、市場内での「圧倒的な差別化」を目指しました。ターゲットは狭め、コンセプトや飲用シーン、情緒的なベネフィットなどを徹底して追及し、ペルソナを設定しています。

その結果、狙い通りのペルソナ層から愛飲されたり、SNSなどを通じた反響が得られているのです。

IT業界C社の事例

同社は、「子どもの理数離れ」が進んでいることを背景に、技術のすばらしさを子ども達に伝えることを目的とした、子ども向けWebサイトを作成しました。この取組の中でも、ペルソナ設定が行われています。

同社は定量調査、定性調査の両面から調査を行いました。調査をもとにペルソナを仮設定したのち、さらに詳細を詰めることで、ペルソナに関連する関係者3人のペルソナを設定しました。

ペルソナ設定では「名前」や「年齢」、「性格」や「顔写真(架空で設定)」に加えて「生活シーン」などの項目が作りこまれ、ペルソナ3名が作成したサイトをどのようにとらえるか、同社はペルソナの立場で議論を行いながら、サイトのブラッシュアップを行いました。

結果として、同社の取組は外部団体よりさまざまな賞を受賞した他、ユーザー視点でのアイデア創出や、主観に頼らない議論につながることとなりました。

まとめ

ペルソナは、データに基づいた設定ができれば、マーケティング施策の効果を大いに高めることが期待できます。その一方で、慣れていないうちは、主観を頼りに設定する方向へと陥りやすく、十分に注意したいところです。

リソースやデータの分母不足など、自社のみで情報収集や分析を行うことが難しいと感じた場合は、コンサルティング会社や外部のプロ人材など、第三者の力を借りることも視野に入れながら慎重に進めていきましょう。

POPULAR

人気記事

DAILY
WEEKLY

SERVICE

HiPro サービス

HiPro Direct

企業と副業・フリーランスをつなぐ
マッチングプラットフォーム

HiPro Biz

経営課題解決に取り組む企業向けの
経営支援サービス

HiPro Tech

フリーランスITエンジニア専門の
IT・テクノロジー特化型エージェント