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マーケティングDXとは?デジタルマーケティングとの違いや具体的な進み方を解説

マーケティングDX

さまざまな分野でDXが推進されるなか、マーケティングに焦点をあてたものがマーケティングDXです。

しかし、マーケティングDXをどのように進めるべきか悩んでいる方も多いでしょう。この記事ではマーケティングDXの概要から、メリット、進め方などをわかりやすくご紹介します。

マーケティングDXで効率的に自社のマーケティング業務を推進していきましょう。

マーケティングDXとは

マーケティングDXとは

マーケティングDXとは、データやデジタル技術の活用により、マーケティングの業務プロセスを改善し、ビジネスや組織を改革することです。単にデジタル技術を活用したマーケティングを指す言葉ではありません。

具体的には従来の市場調査や競合他社の分析、SNSやプロモーションなどのマーケティング手法に、ツールやAIなどのデジタル技術を有効活用して、高度化・効率化を図ることを指します。

業務プロセスを改革し、限られたリソースでもマーケティング業務を推進できる体制を整えることも、マーケティングDXの目的の1つと言えるでしょう。

マーケティングDXが求められる背景

マーケティングDXが求められる背景には、Webマーケティングの重要性が増していることが挙げられます。

今や生活するうえでインターネットは欠かせない存在となっています。そこで企業に求められるのが、Webマーケティングです。Webマーケティングを実践することで、ユーザーの行動履歴から潜在ニーズを把握する、アクションの最適化によって新たな顧客を獲得するなどの効果が期待できます。

例えばECでは、ユーザーが何を購入したのかがわかれば、興味を抱きやすい商品の傾向が明らかになります。その傾向に合わせて、ユーザーのおすすめの商品をレコメンドすると、購入に結び付きやすくなるでしょう。

マーケティングDXとデジタルマーケティングの違い

マーケティングDXと似た意味の言葉に、デジタルマーケティングがあります。マーケティングDXとデジタルマーケティングの違いは対象の範囲です。

マーケティングDXが、デジタル技術を活用したビジネスや組織の変革までを対象としています。一方、デジタルマーケティングは、MAやCRMなどのツール利用や、SNSやオウンドメディアなどのWebメディアを活用など、マーケティング業務のデジタル化を対象としています。

マーケティングDXのメリット

マーケティングDXには、以下のメリットがあります。

  • 人材不足を解消できる
  • データドリブンな組織づくりができる
  • 課題解決を素早くできる
  • 新規顧客の獲得や関係性の構築につながる
  • マーケティング業務を見える化できる

人材不足を解消できる

ITツールによるマーケティング業務の効率化が進むと、少人数でも業務を回せるようになります。

マーケティング業務の成果を高めようとすると、膨大なデータの収集や解析が必要なため、多くの時間と労力がかかります。データの扱いや処理をデジタル化することで、処理の自動化や高度な分析業務が可能です。

データドリブンな組織づくりができる

データドリブンとは、データにもとづいた意思決定をすることです。さまざまなデータを収集・分析し、施策の立案や実行判断に用います。

今まではそもそもデータが取得できておらず、定性的な情報のみで判断することが多いのも事実です。しかし、世の中の不確実さが増すなかで適切なマーケティング施策を打ち出し続けるには、データにもとづいた客観的な意思決定が求められます。

蓄積したさまざまなデータをもとに、業務改善やサービス改善をおこなう組織を実現するのも、マーケティングDXのメリットの1つです。

課題解決を素早くできる

マーケティングDXの推進によって定型業務の自動化が進むため、分析や課題の解決に時間を使えるようになり、PDCAを素早く回せるでしょう。

より本質的な仕事に割く時間を増やすことで、課題の解決と新たなビジネスチャンスにつながる可能性があります。マーケティングDXの推進によって日々の業務を効率化し、分析や計画の立案に使える時間を確保しましょう。

新規顧客の獲得や関係性の構築につながる

マーケティングDXの一環として販売手法をデジタル化することで、自社の存在を知らなかった顧客に知ってもらえるきっかけを作れます。

例えば、店舗だけで運営していたところからECサイトやリテールメディアを立ち上げれば、ユーザーとの接点が拡大され、認知を獲得する機会が増えます。接点が増加することで、ユーザーの興味・関心度が高まりやすいため、新規顧客の獲得につなげやすいといえるでしょう。

マーケティング業務を見える化できる

マーケティング業務は幅広く、コンテンツの発信やSNS運用、プロモーション活動などさまざまです。それぞれ担当が分かれて属人化が進んでいることが多いため、各業務の内容を適切に把握することは困難です。

マーケティングDXによりツールやデジタル技術の活用が進むと業務を可視化できるため、担当者間の情報共有をスムーズに実施でき、シナジー効果が期待できるようになるでしょう。

マーケティングDXの進め方

マーケティングDXは、以下の手順で進めるとよいでしょう。

  1. 目的の明確化
  2. ロードマップの作成
  3. 具体的な施策を洗い出す
  4. 実現するための手段を考える
  5. 施策の実行

それぞれ解説します。

目的の明確化

まずはマーケティングDXを行う目的を明確にします。業務のデジタル化などの手段を目的化してしまうと、現場に上手くなじまない可能性もあるため、注意が必要です。

目的を明確にするためには、中長期的な視点で外部環境を洗い出しましょう。

外部環境とは、自社を取り巻く外部的な要因のことです。PEST分析によって4つの要素(政治:Politics、経済:Economy、社会:Society、技術:Technology)を洗い出します。

マーケティングDXの実現が5年後や10年後に、事業に対してどのような変化を与えるのか整理します。

また、目的を決めるときは、企業のあり方や未来像から、世間に対してどのように貢献していきたいかを絡めて決めることが大切です。

ロードマップの作成

ロードマップとは、プロジェクトのゴール地点と筋道を可視化するための計画です。

マーケティングDXの範囲は広く、実現するには長い時間がかかります。そのため、段階的にマーケティングDX推進する必要があります。

まずは長期的な視点で、いつまでにどの状態となっていることをゴールとするか設定します。プロジェクトの進捗や効果を振り返るためのマイルストーンを一定間隔で設置しつつ、マーケティングDXをどのようなスケジュールで進めるかの共通認識化を図ります。

具体的な施策を洗い出す

ロードマップを作成したら、マーケティングDXの実現に向けて必要な施策を洗い出します。以下の観点に着目するとよいでしょう。

  • 既存のデータは活用できる状態か
  • 目標達成に向けて変えなければならないことはあるか

例えば、ブランディング強化に向けて顧客情報を活用しようと思ったときに、担当者が個別でデータ管理をしているため、部門間の共有や活用が難しいという課題が見つかったとします。この場合、マーティング施策を高度化・効率化するには、バラバラに管理されている顧客情報を統合的に管理する必要があります。

このようにロードマップのゴール目標を実現するにあたって、解決すべき課題を特定し、マーケティングDX実現のために必要な施策を洗い出します。

実現するための手段を考える

具体的な施策が決まったら、課題解決に必要なソリューションを検討しましょう。

例えば顧客情報の統合管理であれば、顧客管理システムのCRM(Customer Relationship Management)が効果的です。他にも、データ分析をするのであれば顧客データ基盤のCDP(Customer Data Platform)もよいでしょう。

ポイントは、ツール導入という手段から入らないことです。ツールの導入を目的とせず、課題を解決することを目的としてツールの比較・検討を進めるとよいでしょう。

施策の実行

施策は実行したら終わりではなく、定期的な振り返りが重要です。期待した効果が得られているのか、進捗に問題はないのかなどを確認し、軌道修正をしながらゴールを目指していきましょう。そのときは担当部門だけではなく、関係部門を巻き込んで全社的に進めないと、部門間の連携にズレが生じてしまう可能性があります。

マーケティングDXを進めるためのコツ

マーケティングDXは、以下のポイントに注意しながら進めるとよいでしょう。

  • 全社的に取り組む
  • 目的を明確にする
  • 扱いやすいITツールやシステムを導入する
  • 外部リソースも活用する

全社的に取り組む

マーケティングDXは、ビジネスを変革しなければならないため、組織の風土や業務プロセスに影響が及びます。こうした影響は特定の部署だけではなく、全社に影響が及ぶため、組織全体で進めることが重要です。

全社的に取り組むためには経営層から各現場へとトップダウンで指示を出し、現場の理解を得ながら進めることが重要です。

目的を明確にする

マーケティングDXは、ツールを利用する現場の人間が目的を理解する必要があります。導入の目的や業務変革の対象を明確にし、現場の人間でプロジェクトを動かしていけるような体制づくりが重要です。

扱いやすいITツールやシステムを導入する

ITツールやシステムは、現場の人間が扱いやすいものを導入するとよいでしょう。

ツールやシステムの導入により、今までと違う業務の進め方になるため、操作性だけでなく、各システムとの連携を考慮し、現場の人間にとって有益な環境に変えていくことが重要です。

もし複雑な操作を必要とするツールやシステムの場合、導入しても使われない可能性があります。社内にツールやシステムの活用を定着化させるためには、シンプルでわかりやすいシステムの導入がおすすめです。

外部リソースも活用する

マーケティングDXの成功には、IT知識を保有した専門的な人材の確保が必要不可欠です。

しかし、企業によっては専門的な人材が不足しているケースもあるため、専門的な人材を外部から確保する、あるいは外注やコンサルティングを利用するなど、効率的に進める必要があります。

もし、外部リソースの活用が難しい場合は、自社内でIT人材の育成が求められます。

まとめ

今回は、マーケティングの概要から、メリット、進め方などを解説しました。

マーケティングDXは、マーケティングに特化したツールやAIなどのデジタル技術を活用し、マーケティングプロセスや組織を改革することです。不確実性の高い時代で生き残るためには、マーケティングDXの推進は欠かせません。

しかし、マーケティングDXはただ進めればよいわけではありません。社内を巻き込みながら正しい手順に沿って推進する必要があります。マーケティングDXを推進する企業は、今回の記事を参考に全社的に取り組んでいきましょう。

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