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ポジショニングマップとは?具体的な作成手順や効果を高めるポイントも解説

ポジショニングマップ

市場が激化している昨今、競合他社に負けないためにも、業界内での自社の位置付けを明確にする必要があります。ポジショニングマップは、自社が業界内でどのような位置にいるか、ポジションを確かめるためのフレームワークです。

本記事では、ポジショニングマップの概要や具体的な作成手順をまとめています。ポジショニングマップを上手に活用して、自社の立ち位置と強みを明確にし、さらなる成長へつなげていきましょう。

ポジショニングマップとは

ポジショニングマップ

ポジショニングマップを上手に活用するために、まずはポジショニングへの理解を深めることが重要です。

ポジショニングとは、競合となる他社および商材と比較したときの自社の強みや弱みを明確にすることと、市場内で独自の立ち位置を獲得することです。ポジショニングにより、顧客ニーズに合わせた自社の強みが把握できるため、他社との差別化を図れます。

ポジショニングマップは、ポジショニングを効率的に実施するための手法で、ふたつの軸でマップを作成します。

一般的には、縦軸と横軸で構成されるマップですが、軸の項目はそのときの状況によって変わります。

ポジショニングマップで得られる効果

ポジショニングマップを活用すると、以下ふたつの効果が得られます。

  • 自社のセールスポイントを認識できる
  • ブルーオーシャンが見つかる可能性もある

自社のセールスポイントを認識できる

ポジショニングマップがあると、市場内での自社と競合他社の立ち位置をそれぞれ把握できます。そのため、自社のセールスポイントを見つけやすくなるでしょう。

自社のセールスポイントは、他社との差別化を図るなかで欠かせない要素です。セールスポイントが見つかると、自社の立ち位置を活かしたマーケティング活動を実施できるでしょう。また、ブランディングの強化にも役立ちます。

ブルーオーシャンが見つかる可能性もある

ブルーオーシャンとは、ニーズはあるものの応える企業や事業がない状態です。ポジショニングマップを作るとブルーオーシャンを見つけ出せる可能性もあり、大きなビジネスチャンスにつながるかもしれません。ブルーオーシャンが見つかりニーズを満たせれば、今後のシェアを大きく伸ばせるでしょう。

ポジショニングマップの作り方を5つの手順で解説

ポジショニングマップは、以下5つの手順で作ります。

  1. 自社サービスの特徴を洗い出す
  2. 特徴ごとに他社製品との比較をする
  3. 縦軸と横軸を決定する
  4. マップ上に自社と競合他社をマークしていく
  5. 今後狙うべきポジションを定める

自社サービスの特徴を洗い出す

まずは、顧客が自社の商材を購入する要因、つまり商品やサービスの特徴を洗い出します。

商材の特徴は、顧客の購買活動に大きな影響を与える重要な要素です。購買活動に影響を与える要素は、KBF(購買決定要因)と呼ばれており、カメラを例にすると価格、画素数、重量などが該当します。

他社との差別化を進めるためには、顧客のニーズから想定しうるKBFを掴む必要があります。具体的には顧客が商品・サービスを通じて、どのような体験価値を求めているのかを整理することで、KBFを決めやすくなるでしょう。

特徴ごとに他社製品との比較をする

続いて、洗い出したKBFを競合他社とともに比較します。以下の表のように◯や△などの記号を使うと、具体的でわかりやすいでしょう。

KBF 自社 A社 B社
操作性
機能性
軽量性
カスタマイズ性

上記の表では、他社製品と比べたときの自社の製品は操作性に優れていることがわかります。

縦軸と横軸を決定する

先ほどのKBFの比較をもとに、軸となる要素を選定します。軸は、ポジショニングマップを作るにあたり重要な要素で、軸をベースに各企業のポジションを決定できます。

軸を決める際は、他社製品と比べて優位性が高く、顧客の行動に影響すると思われる要素を選ぶと良いでしょう。

マップ上に自社と競合他社をマークしていく

縦軸と横軸のマップを作成し、自社と競合他社をマッピングします。

マップ上に自社と競合他社を記載すると、視覚的に自社の立ち位置を把握できます。

今後狙うべきポジションを定める

マップ上に自社と競合他社をマッピングすることで、自社の優位性と、競合他社との差別化を図る際に意識すべきポイントがわかります。

競合がいない場合、マップ上に空白部分ができるため、ブルーオーシャンの発見にも役立つでしょう。

ポジショニングマップをより効率的に作成するポイント

ポジショニングマップを効率的に作成するときは、以下5つのポイントが重要です。

  • 3C分析を活用する
  • 軸には5つのパターンがある
  • 相関性を持たせない
  • 顧客目線のKBFを設定する
  • ペルソナを設定する

3C分析を活用する

ポジショニングマップの作成時には、3C分析が役立ちます。3C分析とは、Company(自社)、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)の頭文字を取った分析方法で、自社の強みと弱みを発見する手法です。

Company

自社の分析を指し、さまざまな観点で自社を見て、強みと弱みを洗い出します。自社の差別化できるポイントが明らかになるでしょう。

Customer

顧客をふくむ市場全体を意味します。顧客と周辺人物のニーズを把握するだけでなく、市場全体の状況や業界構造の変化などもとらえる必要があります。

Competitor

市場内の競合他社のKBFを抽出します。競合他社と自社のKBFを比較することで、ポジショニングマップで重要となるふたつの軸を決定できるでしょう。

軸には5つのパターンがある

3C分析でKBFを抽出できても、ポジショニングマップの縦軸と横軸の決定で迷う方も多いでしょう。一般的に、軸に用いられるパターンは5つあります。

商品の特徴・仕様

商品の特徴と仕様を軸に選定する方法です。ただし、ターゲットがすでに商品に対するイメージと知識を持ち合わせている必要があります。

消費者のメリット

消費者の心理状態に訴えかける方法です。消費者が商品の活用によって、どのような感情・感覚を得たいのかを考えていきましょう。数値化しにくい価値を前面に出したいケースで効果的です。

価格・品質

商品の価格や品質で評価する方法です。購入の意思決定が短い商品が向いています。食費や日用品などの生活必需品などが該当するでしょう。

利便性

価格や品質での差別化が難しい場合に、商品やサービスの利便性で評価する方法です。特にBtoBを想定した製品やサービスにマッチしやすいです。

競合商品

競合他社や商品を明確に決めて評価する方法です。片軸だけでできるケースに向いています。ある程度料金が固定化されているサービスなどで利用され、他社よりも価格が安く、スピードが速いなどと比較されます。

相関性を持たせない

縦軸と横軸は、関連性の高い要素同士で設定しないほうが良いとされています。なぜなら、関連のある軸同士にしてしまうと、ポジショニングマップで今後狙うべきポジションが正しく見えてこないためです。

例えば、価格と品質の2軸で評価すると、低価格なら低品質、高価格は高品質になりやすいです。価格を軸にしたらもう1つの軸はスピードなど、相関性の低い要素同士を設定しましょう。

顧客目線のKBFを設定する

KBFの抽出時には、顧客目線で考える必要があります。自社が考える商品の価値と、顧客が感じている価値にギャップが生じる可能性があるためです。顧客に価値を感じてもらうためにも、顧客の視点で適切なKBFを洗い出しましょう。

ペルソナを設定する

ペルソナとは、自社サービスや商品を購入する理想的な人物像のことです。ペルソナを設定すると、商品開発やマーケティング施策の精度がより高くなります。

逆に、ペルソナを設定しないと、商品作りやマーケティング施策の方向性が不明瞭になるでしょう。また、ポジショニングマップの軸を決めるときも、何を選択すべきか見えなくなってしまうかもしれません。

ペルソナは、主に4つの要素で構成されます。

用語 対象属性
デモグラフィック変数(人口統計学的属性) 年齢、性別、職業、世帯規模など
サイコグラフィック変数(心理学的属性) 価値観、趣味嗜好、ライフスタイルなど
ジオグラフィック変数(地理学的属性) 地域、人口密度、気候など
ビヘイヴィア変数(行動学的属性) 使用頻度、ロイヤリティなど

ペルソナを具体的に設定するとより詳細なターゲット像が明らかになり、ペルソナが求める商品や興味・関心を仮定しやすく、選定すべき軸も決めやすいです。

ポジショニングマップの注意点

ポジショニングマップを作るときには、以下の点に注意が必要です

  • 顧客のニーズを無視したKBFの洗い出しをしない
  • 相関性の高い軸を選ばない

KBFは購買に結びつく要因です。顧客のニーズは正しく理解しなければなりません。顧客のニーズを無視したKBFでは、顧客ニーズに合わせたポジショニングマップではなくなってしまいます。

軸を決めるときに相関性の高い組み合わせを避けることも大切です。軸同士の相関性が高いと、市場内での自社の立ち位置を正しく把握できません。ブルーオーシャンとなる空白の部分も見つけにくく、ビジネスチャンスを逃す可能性もあるでしょう。

まとめ

ポジショニングマップの概要や具体的な作成手順をまとめました。

ポジショニングマップは、競合と比較した際、自社の強みや弱みを明確にし、独自の立ち位置を明らかにできる手法です。競合他社との市場の争いが激化している昨今、自社の立ち位置を理解したマーケティングの重要性は高まり、ポジショニングマップもより重要なものになっています。

今回の記事を参考に、自社のポジショニングマップを作成してください。

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