なぜ今副業がおすすめなのか?副業を始める際の注意点を解説

近年、物価上昇や将来への不安、スキルアップの必要性を感じるなど、さまざまな理由から副業に興味を持つ人が増えています。 本記事では、なぜ今副業がおすすめなのか、確定申告の基礎知識、本業に活かせるスキルの身につけ方など、副業をするために知っておきたいノウハウを解説します!
なぜ今副業がおすすめ?変化する時代における副業の重要性

人材不足が深刻化する中、求める人材を確保するため、また、複雑化する経営課題に対応するため、外部人材の活用に積極的な企業が徐々に増加しています。実際、副業・フリーランス向けマッチングプラットフォーム「HiPro Direct」における2025年2月の総登録案件数は前年同月比で299%にまで増加しました。
出典:「副業」における、2024年度の振り返りと2025年度の市場予測(HiPro Direct)
また、かつては当たり前だった終身雇用制度は低下傾向にあると見られており、一つの会社に依存するはたらき方はリスクを伴う時代であることも、副業に注目が集まる理由の一つです。
このように副業への注目が集まる中、ここからは副業が今おすすめな理由について具体的に解説します。
終身雇用制度の低下と収入の多角化の必要性
終身雇用制度は低下傾向にあると見られ、収入の多角化は現代社会を生き抜くための重要な戦略です。副業は、本業以外の収入源を確保し、経済的な安定性を高める有効な手段です。予想外の出費や経済状況の変化にも対応できるよう、複数の収入源を持つことが、リスクヘッジとして重要視されています。
以下の表は、収入源を多角化することの重要性を示しています。
収入源 | メリット | リスク |
本業のみ | 安定した収入が得られる | 会社の業績に左右される、スキルアップの機会が少ないことがある |
副業 | 案件の選び方などによって収入アップ、スキルアップ、キャリアの選択肢が広がる | 時間管理が必要、本業に支障が出る可能性 |
投資 | 資産形成、不労所得 | 元本割れのリスク、知識が必要 |
個人のスキルアップとキャリア形成につながる副業の可能性
副業は収入を増やすだけでなく、スキルアップやキャリア形成にも大きく貢献します。たとえば、本業とは異なる分野に挑戦することで、新たなスキルを獲得し、自分の可能性をさらに自分の可能性をさらに広げることが期待できます。また、副業で得たスキルを、本業にも活かすことができれば、キャリアアップにもつながるでしょう。
副業でスキルアップを目指すことは、自己成長を促し、市場価値を高めることにもつながります。
本業だけでは得られない経験と人脈の獲得
副業は、本業では得られない貴重な経験や人脈を得るチャンスです。異なる業界や職種の人々と関わることで、視野が広がり、新たなビジネスチャンスにつながる可能性もあります。また、副業を通じて得た経験は、本業の課題解決や新しいアイデアの創出にも役立つでしょう。
副業解禁の動きと企業側のメリット
近年、副業を解禁する企業は増加傾向にあります。パーソル総合研究所の調査によると、2023年における企業の副業容認率は60.9%と、2021年調査の55.0%から5.9pt上昇しています。
企業側も、社員のモチベーション向上や、優秀な人材の確保・定着といったメリットを認識し始めています。副業を推奨する企業では、社員が積極的に新しいことに挑戦し、その経験を本業に活かすことで、組織全体の成長につながることを期待していると考えられます。
企業が副業を解禁するメリットは以下の通りです。
- 社員のスキルアップ
- 社員のモチベーション向上
- 優秀な人材の確保
- 組織全体の活性化
副業解禁は、企業と社員双方にとってメリットのあるWin-Winの関係を築く可能性を秘めています。
出典:第三回 副業の実態・意識に関する定量調査(パーソル総合研究所)
専門スキルを活かせるおすすめの副業5選
本業の経験を活かして収入を増やしたいなら、専門スキルを使った副業に注目しましょう。実務経験や知見を提供する副業は、報酬が高く、クライアントからも信頼を得やすいメリットがあります。
以下のような副業は、専門性を生かしやすく、特にビジネス経験者に人気があります。
- スポットコンサル
- 経営課題解決アドバイザー
- IT、DX推進コンサルタント
- スタートアップのCxO支援
- ビジネス研修の講師
それぞれの副業について、具体的に見ていきましょう。
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スポットコンサル
スポットコンサルは、特定のテーマについて短時間でアドバイスを行う仕事です。
たとえば、海外進出を検討しているメーカーが、商社ではたらき海外市場に詳しい人材に短期間で相談を依頼するなどが挙げられます。年単位のコンサル契約を結ぶほどではないものの、情報収集をしたいといったニーズがあります。
単発案件も多く、スケジュールを圧迫しにくい点が魅力です。忙しい人でも始めやすく、かつ比較的報酬単価が高いことから、副業初心者にも適しています。
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経営課題解決アドバイザー
経営課題解決アドバイザーは、企業が抱える経営上の悩みに対し専門的な視点で助言を行う仕事です。特に中小企業では、戦略立案や組織改革や資金繰りの改善などについて外部の知見を求めるニーズがあります。
元経営者や経営企画部門の出身者の方は、実体験を活かしやすい分野といえるでしょう。
IT、DX推進コンサルタント
ITやDX推進コンサルタントは、業務のデジタル化やIT導入を支援する仕事です。テクノロジーの進化に伴い、多くの企業がIT人材を求めている一方で、社内に専門人材を確保できない中小企業が多いことから注目されています。
SE・SIer出身者や、過去に社内DXを担当していた方におすすめです。技術と業務を橋渡しする役割として、継続案件につながるケースも多くあります。
スタートアップのCxO支援
スタートアップのCxO(最高〇〇責任者)支援は、経営陣に近い立場で成長フェーズの事業をサポートする仕事です。特に、各分野の専門家をピンポイントで起用したいと考える、成長スピードが速いスタートアップ企業から注目されています。
リモート業務や週一日の活動でも受け入れられやすいのが特徴です。事業全体に関われる副業として、やりがいと影響力を両立したい人に適しています。
ビジネス研修の講師
ビジネス研修の講師は、企業や団体向けにスキルや知識を伝える仕事です。
近年、現場で培ったノウハウを次世代に伝えるニーズが高まっており、特に管理職や営業職向けの研修が人気を集めています。
自分で研修資料を作る必要はありますが、実績を重ねれば継続的な依頼にもつながりやすい点が魅力です。自分の経験を言語化して伝えたい人には、やりがいのある副業といえるでしょう。
自分に合った副業を選ぶ際のポイント
副業を始める上で、自分に合った内容を選ぶことは非常に重要です。方向性を間違えると、必要以上に時間と労力がかかる恐れがあります。
以下のポイントを押さえておくと、自分に合った副業を見つけやすくなります。
- 達成したい報酬の目標に合わせて選ぶ
- 無理なく始められる副業を選ぶ
- 自分の強みを活かせるものを選ぶ
それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
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達成したい報酬の目標に合わせて選ぶ
副業を選ぶときは、どれくらいの収入を目指すのかを最初に明確にする必要があります。報酬目標によって選ぶべき仕事の種類や、確保するべき活動時間が変わるからです。
月に数万円程度を目指すなら、週一回の活動が可能な仕事や単発案件の仕事でも問題ありません。一方で、月に数十万円を狙うなら、継続案件を前提とした業務委託契約やプロジェクト型の仕事を検討する必要があります。
目標金額を決めずに副業を始めると、収入が不安定になりやすく、モチベーションも維持しにくくなります。まずは報酬の目安を決めた上で、それに見合う副業を選ぶようにしましょう。
無理なく始められる副業を選ぶ
無理なく始められる副業を選ぶことは、長期間継続するために大切なことです。初期費用が高かったり、時間や場所に制約があったりすると、継続のハードルが上がってしまいます。
特に、開業費用が数十万円かかる店舗型ビジネスや、頻繁な対面対応が求められる仕事は、時間とコストの負担が大きくなりかねません。一方で、リモートで対応できる仕事や、隙間時間で取り組める仕事なら、負担なく始められます。
本業と両立させることを前提にするなら、初期投資が少なく、自由度の高い副業から始めるのが現実的です。
自分の強みを活かせるものを選ぶ
自分の強みを活かせる副業を選ぶと、成果が出やすく仕事の満足度も高くなります。すでに持っているスキルや経験が土台になるため習得コストがかからず、最初からクライアントに価値を提供できるためです。
たとえば、人事としての経験があるなら、採用支援や研修設計などの副業に活かせます。元営業職なら法人営業の代行や営業戦略のアドバイスといった選択肢があるでしょう。
自分の得意分野を活かした副業は信頼を獲得しやすく、報酬単価も高くなりやすいのが特徴です。高単価の案件を狙う上でも、自分の強みを軸にした副業を選ぶことが大切です。
副業収入の確定申告:知っておくべき基礎知識と注意点
副業を始めたら、必ず知っておきたいのが確定申告です。会社員の場合、年末調整で税金の計算を会社が行ってくれますが、副業収入がある場合は、自身で確定申告を行う必要があります。
確定申告の基礎知識と注意点について解説します。
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【税理士監修】会社員の副業には確定申告が必要?20万円以下でも申告する必要があるケースとは
確定申告が必要なケースと不要なケース
副業収入がある場合でも、必ず確定申告が必要になるわけではありません。確定申告が必要となるのは、以下のケースです。
- 給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円を超える場合
- 2か所以上から給与をもらっている場合※
※2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人が確定申告の対象
つまり、副業での収入から必要経費を差し引いた「所得」が20万円以下であれば、確定申告は不要です。たとえば、副業での収入が50万円で、必要経費が35万円の場合、所得は15万円となり、確定申告は不要です。ただし、住民税は課税される可能性があるため、別途申告が必要な場合があります。
ただし、確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は必要となる場合がありますので注意が必要です。
出典:No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人(国税庁)
副業収入の計算方法と経費の計上
確定申告を行う上で、副業収入の計算方法と経費の計上は非常に重要です。副業収入は、売上から必要経費を差し引いた金額となります。
必要経費として計上できるものには、たとえば以下のようなものがあります。
- 業務に必要な書籍代
- セミナー参加費
- 通信費(業務で使用した分)
- 交通費(業務で使用した分)
- 家賃(業務で使用した分)
- 消耗品費
これらの経費を漏れなく計上することで、課税対象となる所得を抑えることが可能です。ただし、プライベートで使用したものと業務で使用したものを明確に区別する必要があります。たとえば、自宅で副業を行っている場合、家賃や光熱費は、業務で使用した割合に応じて経費として計上できます。
確定申告の手順と必要書類
確定申告は、以下の手順で行います。
- 確定申告書を入手する
- 必要事項を記入する
- 必要書類を添付する
- 税務署に提出する
確定申告書は、税務署の窓口で入手できるほか、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。また、e-Taxを利用すれば、オンラインで確定申告を行うことができます。
確定申告の際には、たとえば以下のような書類が必要になります。
- 確定申告書
- 源泉徴収票(本業のもの)
- 副業収入がわかる書類(請求書、領収書など)
- 経費を証明する書類(領収書、レシートなど)
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人確認書類
ケース別で必要な書類には違いがあるため、どのような書類が必要になるか事前に確認し、準備しておくと、スムーズに確定申告を行えます。
確定申告を怠った場合のペナルティ
確定申告を期限内に正しく行わない場合、ペナルティが課せられる可能性があります。
具体的には、以下のようなペナルティがあります。
- 無申告加算税:本来納めるべき税額に加えて、50万円までは15%、50万円から300万円までは20%の加算税が課せられます。
- 延滞税:納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が課せられます。
- 重加算税:意図的に所得を隠したり、経費を偽ったりした場合に課せられる、ペナルティです。
これらのペナルティを避けるためにも、確定申告は期限内に正しく行いましょう。もし、確定申告について不安な点がある場合は、税務署や税理士への相談がおすすめです。
副業で本業に活かせるスキルを磨こう
副業は、収入を増やすだけでなく本業に活かせるスキルを磨く絶好の機会です。副業を通じて得た経験や知識は、本業におけるパフォーマンス向上、キャリアアップ、そして収入アップにつながる可能性を秘めています。副業で磨ける代表的なスキルと、その活用方法をご紹介します。
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コミュニケーション能力:顧客対応やチームワークで活躍
副業で顧客と直接やり取りする機会があれば、コミュニケーション能力は自然と向上しやすくなります。相手のニーズを的確に把握し分かりやすく説明する力、そして信頼関係を築く力は、本業における顧客対応やチームワークにおいて非常に役立つはずです。
たとえば、営業や接客の副業を通じて得た「相手の気持ちを考えながら話す力」は、会議や打ち合わせでの発言をより的確なものにし、周囲との円滑なコミュニケーションを促進します。
問題解決能力:課題発見と解決策を見出す力が向上
副業では、予期せぬトラブルや課題に直面することがあります。これらの問題を自力で解決しようと試みる過程で、問題解決能力が磨かれます。課題の本質を見抜き、さまざまな選択肢の中から最適な解決策を見つけ出す力は、本業における業務改善や新規プロジェクトの推進において非常に重要なスキルです。
時間管理能力:効率的なタスク管理で生産性アップ
本業と副業の両立には、効率的な時間管理が不可欠です。限られた時間を有効活用するために、タスクの優先順位をつけ、集中して作業に取り組む習慣を身につける必要があります。この時間管理能力は、本業における生産性向上に大きく貢献します。
マーケティングスキル:顧客ニーズを理解し、戦略を立てる
副業で商品やサービスを販売する場合、顧客ニーズを理解し、効果的なマーケティング戦略を立てることが必要です。市場調査、ターゲット設定、プロモーション戦略など、マーケティングに関する知識や経験は、本業における商品開発や販売促進、広報活動において非常に役立ちます。
副業で得たスキルは、本業での活躍の幅を広げるだけでなく、キャリアアップや収入アップにもつながる可能性を秘めています。積極的に副業に挑戦し、自身のスキルを磨き、可能性を広げていきましょう。
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本業と両立するための時間管理術
よりよく副業活動をするためには、時間管理が非常に重要です。本業との両立、家族との時間、そして自分の休息時間、これらすべてをバランス良く保つためには、計画的な時間管理が欠かせません。時間管理術を4つのポイントに分けて解説します。
タイムスケジュールの作成とタスクの優先順位付け
まず、一週間単位でのタイムスケジュールを作成しましょう。本業の時間、通勤時間、睡眠時間、家族との時間など、固定の予定を書き出し、残りの時間を副業に充てる時間として確保します。次に、副業で行うべきタスクをリストアップし、重要度と緊急度に応じて優先順位をつけましょう。タスク管理ツールなどを活用すると、より効率的に管理できます。
優先順位 | タスク | 重要度 | 緊急度 | 備考 |
1 | クライアントへの提案書作成 | 高 | 高 | 納期まであと3日 |
2 | ブログ記事の執筆 | 高 | 中 | 週末に公開予定 |
3 | オンラインセミナーの受講 | 中 | 低 | スキルアップのため |
タイムマネジメントは、思考、準備、行動の3つの時間で考えることが重要です。思考、準備、行動にそれぞれどれくらいの時間が必要なのかを把握し、スケジュールに落とし込みましょう。
集中できる環境づくりと誘惑の排除
副業に集中できる環境を整えることも大切です。静かな場所で作業したり、情報セキュリティ上問題ない範囲で場所を変えて気分転換をしたりするのも良いでしょう。また、SNSや動画サイトなど、誘惑となるものをシャットアウトすることも重要です。タイマーを使って作業時間を区切り、集中的に取り組むことで、効率を高められます。
休息時間の確保とオンオフの切り替え
どんなに忙しくても、休息時間をしっかりと確保しましょう。睡眠不足や疲労は、集中力や生産性を低下させるだけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。一日に数回、短い休憩を挟んだり、週末は完全にオフにしたりするなど、オンオフの切り替えの意識が大切です。 短い休憩時間には、軽いストレッチや瞑想を取り入れるのも効果的です。
家族や周囲の理解と協力
副業を始めるにあたっては、家族や周囲の理解と協力が不可欠です。事前に副業を行う目的や時間配分について話し合い、理解を得ておくことで、スムーズに副業を進められます。また、家事や育児などを分担してもらうなど、協力を得ることも重要です。
副業に集中しすぎると、本業に影響が出る可能性があります。本業とのバランスを意識しましょう。効率的なスケジュール管理で、精神的な負担を減らし、成果を最大化することが重要です。
副業から起業へ。ステップアップの可能性を解説
副業で得たスキルや経験を活かして、将来的に起業したいと考えている方もいるでしょう。副業は、起業のリスクを抑えながら自分のビジネスアイデアを試せる絶好の機会です。副業から起業へステップアップするための可能性について解説します。
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副業で得た経験と知識を活かした起業
副業を通じて得た経験や知識は、起業の際に大きなアドバンテージとなります。たとえば、Webライティングの副業でSEOの知識や文章構成スキルを磨いた結果、Webコンテンツ制作会社を起業したり、自社サイトのコンテンツマーケティングを内製化したりするといった可能性が広がるかもしれません。
また、プログラミングの副業で培った技術は、システム開発会社やアプリ開発会社を設立する際に役立ちます。副業で得た経験は、事業の方向性を定めるだけでなく、具体的なサービスや製品を開発する上でも貴重な財産となるでしょう。
副業で培った人脈と資金を有効活用
副業を通じて築いた人脈は、起業後のビジネス展開を大きく左右します。顧客、取引先、協力会社など、副業で出会った人々は、起業後のビジネスを支える重要なパートナーとなる可能性があります。
また、副業で得た収入は、起業資金での活用が可能です。自己資金が豊富であれば、融資を受ける必要性が低くなり、資金繰りのプレッシャーを軽減できます。副業で培った人脈と資金は、起業の成功確率を高めるための強力な武器となるでしょう。
起業前に知っておくべきリスクと注意点
副業から起業する場合でも、リスクと注意点を十分に理解しておく必要があります。まず、会社によっては副業が禁止されている場合があるため、事前に就業規則を確認しましょう。
また、副業に時間を費やしすぎると、本業に支障をきたす可能性があります。時間管理を徹底し、本業と副業のバランスを保つことが重要です。
さらに、副業で得た情報や顧客を不正に利用することは、法的責任を問われる可能性があります。コンプライアンスを遵守し、公正なビジネス活動を心がけましょう。加えて、副業から起業へシフトする際には、事業計画をしっかりと立て、資金調達や税務対策など、必要な準備を怠らないようにしましょう。
スモールスタートで成功を掴む!
副業から起業する場合、最初から大規模な投資を行うのではなく、スモールスタートで始めるのがおすすめです。まずは、副業で培ったスキルや経験を活かせる範囲で、小規模なビジネスを立ち上げ、徐々に事業を拡大していくのが良いでしょう。たとえば、Webライティングの副業からスタートし、徐々にWebサイト制作やコンテンツマーケティングのサービスを提供するように事業を拡大していく、といった方法が考えられます。
スモールスタートであれば、初期投資を抑えられ、リスクを最小限に抑えられます。また、ビジネスの状況に合わせて柔軟に方向転換できるため、変化の激しい現代社会において、より成功しやすいといえるでしょう。
スモールスタートのメリット | 詳細 |
初期投資を抑えられる | 大規模な設備投資や人員採用を避けることで、資金的なリスクを軽減できます。 |
リスクを最小限に抑えられる | 事業規模が小さいため、万が一失敗した場合でも、損失を最小限に抑えられます。 |
柔軟な方向転換が可能 | ビジネスの状況に合わせて、サービス内容やターゲット顧客を柔軟に変更できます。 |
副業から起業へのステップは、決して簡単な道のりではありませんが、副業で得た経験や知識、人脈を活かし、リスクを管理しながら着実に進んでいくことで、起業という夢を実現できる可能性は大いにあります。
副業を始める前に必ず確認すべきこと
副業を始めるにあたっては、事前の確認が非常に重要です。知らずに始めてしまうと、会社とのトラブルや、最悪の場合、詐欺に遭ってしまう可能性もあります。 副業を始める前に必ず確認すべき3つのポイントを解説します。
会社の就業規則の確認
最初に確認すべきことは、会社の就業規則です。多くの企業では、就業規則で副業に関する規定を設けています。副業が許可されているか、許可されている場合でも条件があるかなどを確認しましょう。
就業規則は、社内ポータルサイトや人事部で確認できることが多いです。 もし就業規則に副業に関する記載がない場合は、人事担当者に確認することをおすすめします。 口頭での確認だけでなく、記録に残るようにメールなどで問い合わせると、より確実です。
就業規則で副業が禁止されている場合でも、諦める必要はありません。 副業が禁止されている理由を確認し、その理由をクリアできるのであれば、会社に相談してみるのも一つの方法です。 たとえば、本業に支障が出ないことや、会社の情報漏洩のリスクがないことを説明することで、許可を得られる可能性もあります。
本業に支障が出ない範囲で副業を行う
副業を行う上で最も重要なことは、本業に支障をきたさないことです。副業に時間を使いすぎて、本業の業務がおろそかになってしまったり、疲労が蓄積して体調を崩してしまったりすると、本末転倒です。
副業を始める前に、一日のスケジュールを見直し、副業に充てられる時間を明確にしましょう。 また、睡眠時間を削って副業を行うのは避け、十分な休息時間を確保するように心がけましょう。 副業を行う時間帯も重要です。 本業の始業前や終業後だけでなく、通勤時間や休憩時間などを有効活用することも検討しましょう。
副業の内容も、本業に影響が出ないものを選ぶようにしましょう。 たとえば、本業がクリエイティブな仕事の場合、副業も同じような内容だと脳が疲れてしまい、本業のパフォーマンスが低下する可能性も考えられます。 そのような場合は、全く異なる分野の副業を選ぶことで気分転換になり、本業にも良い影響を与えることがあるでしょう。
副業詐欺に注意!安全な副業の選び方
副業に関心が高まるにつれて、副業詐欺に注意が必要です。
副業詐欺とは、副業を始めたい人をターゲットに、不正な手口で金銭をだまし取る行為のことです。実際、無料と謳われた後で高額な教材費や補填金、違約金などの名目で支払いを求められ、連絡が取れなくなるケースは多く報告されています。「簡単に高収入が得られる」「未経験でも大丈夫」といった甘い言葉には注意が必要です。
安全な副業を選ぶためにも、以下のポイントに注意しましょう。
初期費用や登録料を要求されない
副業を始めるにあたって、高額な初期費用や登録料を要求するものは、詐欺の可能性が高いです。
仕事内容が明確である
仕事内容が曖昧で、具体的な説明がないものは、注意が必要です。どのような作業を行うのか、報酬はどのように支払われるのかなど、詳細を確認しましょう。
実績や評判を確認する
副業を提供する企業や個人の実績や評判を、インターネットなどで確認しましょう。 口コミサイトやSNSなどで、実際に副業を行った人の意見を参考にすることも有効です。
個人情報を安易に提供しない
副業を始めるにあたって、必要以上に個人情報を要求される場合は、注意が必要です。 特に、銀行口座番号やクレジットカード情報などの重要な情報は、慎重に扱いましょう。
少しでも怪しいと感じたら、副業を始めるのは避けましょう。 家族や友人に相談したり、消費生活センターなどの専門機関に相談したりすることも有効です。
出典:副業を名目とした詐欺(警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ)
まとめ|副業で新しい可能性を広げよう!
終身雇用制度の低下や人材不足などの背景から、副業への注目度が高まっている現代において、副業は単なる収入源としてだけでなく、自己成長やキャリア形成の機会としても注目されています。
副業を通じて、コミュニケーション能力、問題解決能力、時間管理能力、マーケティングスキルといった、本業にも役立つスキルを磨くことができるでしょう。
副業を始める際には、会社の就業規則を確認し、本業に支障が出ない範囲で行うことが重要です。また、副業詐欺に注意し、安全な副業を選ぶように心がけましょう。この記事が、あなたが副業で新しい可能性を広げるための一助となれば幸いです。
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