フリーランスコンサルタントになるには?平均年収、案件獲得方法を徹底解説

自分のスキルを活かして自由にはたらきたいと考え、「フリーランスコンサルタント」に興味を持った方もいるのではないでしょうか。
本記事では、フリーランスコンサルタントの種類や仕事内容、会社員との違いなどを解説します。案件獲得方法、副業から始める際の注意点も紹介するので、これからフリーランスコンサルタントを目指している人はぜひ参考にしてみてください。
フリーランスコンサルタントとは?仕事内容と会社員との違い

フリーランスコンサルタントとは、特定の企業に所属せず、独立して活動するコンサルタントを指します。企業・個人のビジネスの成長、問題解決を支援するプロフェッショナルとして、さまざまな業界や企業に対し柔軟にサービスを提供します。
フリーランスコンサルタントの主な種類と業務内容
フリーランスコンサルタントの専門分野は多岐に渡ります。ここでは、代表的な種類とその業務内容について解説します。
経営・戦略コンサルタント
企業の経営戦略策定、新規事業立案、業務改善などを支援するコンサルタントです。市場分析や競合分析を行い、企業の成長戦略を描き、実行をサポートします。
ITコンサルタント
企業のIT戦略策定、システム導入、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進などを支援するコンサルタントです。ERPシステムの導入や、クラウドサービスの活用、セキュリティ対策など、ITに関する幅広い知識と経験が求められます。
Webマーケティングコンサルタント
企業のWebマーケティング戦略策定、コンテンツマーケティング、SEO対策、SNS運用などを支援するコンサルタントです。Webサイトのアクセス数向上、コンバージョン率改善、ブランド認知度向上など、Webを活用したマーケティング全般をサポートします。
人事・組織コンサルタント
企業の人事制度設計、組織開発、人材育成などを支援するコンサルタントです。採用戦略、評価制度、研修プログラムなど、組織と人材に関する課題解決をサポートします。
その他専門コンサルタント
上記以外にも、財務コンサルタント、法務コンサルタント、環境コンサルタントなど、さまざまな専門分野のコンサルタントが存在します。
会社員のコンサルタントとのはたらき方・責任範囲の違い
会社員のコンサルタントは、組織の一員としてプロジェクトに参画します。プロジェクトマネージャーの指示のもと、組織が長年培ってきた方法論や品質基準に沿って業務を進め、チーム全体の成果に貢献することが求められます。
一方、フリーランスのコンサルタントは、特定の課題を解決するための「即戦力の専門家」として呼ばれることが大半です。「〇〇業界の新規事業戦略を立案してほしい」「特定のSaaS導入をPMOとして支援してほしい」といったように、明確なミッションと専門性を期待されて参画します。クライアント企業の社員とチームを組み、自律的にプロジェクトを推進するのが一般的です。
プロジェクトに問題が発生した際、会社員であればプロジェクトマネージャーやパートナーが矢面に立ち、会社組織としてクライアントに対応します。
一方でフリーランスは、業務遂行上の全責任を個人で負います。納期遅延や成果物の品質不備は、クライアントからの信頼を失うだけでなく、契約違反として損害賠償を請求されるケースも想定されます。そのため、契約時に業務範囲(スコープ)を緻密に定義し、リスクを自己管理する能力が不可欠です。
フリーランスコンサルタントに求められる役割とマインドセット
フリーランスコンサルタントとして成功するためには、会社員とは異なる、独自の役割の認識とマインドセットの確立が不可欠です。クライアントから直接選ばれ契約を結ぶ立場として、より高い専門性と自律性が求められます。
具体的に、以下のようなマインドセットが重要です。
- 具体的かつ実行可能な解決策を提示する意識
- プロジェクトを完遂まで導く責任感
- 組織に変革のきっかけを与える存在である意識
クライアントは、社内リソースだけでは解決が難しい特定の課題に対し、高度な専門知識とスキルを持つ「即戦力」を求めています。客観的な第三者の視点から、的確に現状を分析・評価し、具体的かつ実行可能な解決策を提示する能力が不可欠です。
また、戦略や計画を立てるだけでなく、その実行を支援し、プロジェクトを完遂まで導く推進力も重要です。関係各所との調整やタスク管理、進捗管理など、プロジェクトマネジメントスキルを発揮し、現場を巻き込みながら改革を進めていくことが求められます。
さらに、クライアント企業の既存の常識ややり方にとらわれず、外部からの新しい視点や知識をもたらす変革の「触媒」としての役割も期待されます。組織に変革のきっかけを与え、新たな成長を促す存在となることが大切です。
フリーランスコンサルタントになるには?独立までの具体的なステップ
フリーランスコンサルタントとして独立するには、計画的な準備が不可欠です。以下に、独立までの具体的なステップを5段階に分けて解説します。
【ステップ1】自己分析と専門分野の確立
まず、自身のスキル、経験、強みを客観的に分析しましょう。「戦略」「IT」「人事」「業務改善」など、どのような分野でコンサルタントとして価値を提供できるのか、得意な業界や業務内容を明確にすることが重要です。
その際、「○○業界×××領域」のように、専門性のポジショニングを明確にすることで、案件獲得の方向性が見えやすくなり、競争優位性を築けます。
【ステップ2】スキル習得と実績作り
自己分析で明確になった専門分野において、必要なスキルを習得しましょう。
コンサルには、課題抽出や仮説構築、提案書作成、プレゼンなどさまざまなスキルが求められます。ステップ1で明確にした業界・領域ならではの課題抽出や提案ができるようになることが大切です。
また、会社員時代にできる範囲で実績作りも並行して行いましょう。業界・領域に合った業務改善の提案やプロジェクトリードなどの経験を積めば、フリーランスとして活動しやすくなる可能性が高まります。成功事例や、業務改善の実績などを具体的に示せるように準備しておくことが大切です。
【ステップ3】事業計画と資金準備
フリーランスとして活動するための事業計画を立てましょう。目標とする年収、案件獲得の戦略、経費の見積もりなどを具体的に計画します。
特に、フリーランスのコンサル案件には、月額固定や成功報酬型、スポット型などさまざまな収益モデルが存在しています。事業計画の段階で、どの収益モデルで案件を獲得するかを明確にすることも大切です。
また、当面の生活費や事業に必要な資金を準備することも重要です。提案から契約・入金までに数か月を要することもあります。独立当初は収入が不安定になる可能性も考慮し、少なくとも3か月分の生活費を確保しておくとよいでしょう。
【ステップ4】案件獲得チャネルの確保
独立後の案件獲得のために、さまざまなチャネルを確保しましょう。フリーランスマッチングサービスへの登録、人脈作り、SNSでの情報発信、自身のウェブサイトの開設など、複数のチャネルを持つことで、安定した案件獲得に繋がります。積極的に行動し、自身のスキルや経験をアピールすることが大切です。
【ステップ5】独立後のセルフマネジメント
独立後は、自己責任で全てを管理する必要があります。時間管理、タスク管理、財務管理などを徹底し、計画的に業務を進めることが重要です。また、常にスキルアップを心がけ、最新の情報や技術をキャッチアップすることも欠かせません。
日々の業務の記録や提案の定型化、業務で得たノウハウのストックなどを徹底し、自身の業務改善につなげましょう。これらのステップを一つずつ実行することで、フリーランスコンサルタントとしての独立に近づける可能性が高まります。
フリーランスコンサルタントの案件獲得方法
フリーランスコンサルタントとしてはたらき続けるためには、安定した案件獲得が不可欠です。ここでは、案件を獲得するための主要な方法を解説します。
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フリーランスマッチングサービス・エージェント
フリーランスマッチングサービスやエージェントは、案件探しの強い味方です。これらのサービスは、コンサルタントのスキルや経験に合った案件を豊富に抱えており、効率的な案件獲得をサポートしてくれます。高単価案件や、戦略、IT系など領域ごとに特化したサービスも存在します。
マッチングサービスとは、企業が案件をサイト上に公開し、フリーランスが自ら応募する形態のサービスです。企業とコンサルタントが直接コミュニケーションを取るため、登録から案件獲得までスピーディーに進められます。多種多様な案件が掲載されているため、企業の信頼性や案件内容が自身のスキルに見合うかを慎重に見極める「目利き」が重要です。
一方でエージェントサービスとは、担当のエージェントがコンサルタントと企業の間に立ち、手厚いサポートを提供する形態のサービスです。案件探しから契約、参画後のフォローまでを一貫して支援してくれるため、営業活動から解放されます。企業から支払われる報酬の中から、10%~30%程度の手数料が差し引かれるのが一般的です。
以下、それぞれの特徴を表にまとめました。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったサービスを利用しましょう。
サービスの種類 | 特徴 | メリット | 向いている人の特徴 |
マッチングサービス | 公開されている多数の案件の中から、自分の興味や条件に合うものを自由に選んで応募する | ・自分の興味や条件に合う案件を自由に選べる ・登録から案件獲得までスピーディーに進められる | ・案件選びの自由度を最優先したい人 ・クライアントと直接交渉したい人 |
エージェントサービス | 担当のエージェントがコンサルタントと企業の間に立ち、手厚いサポートを提供する | ・営業活動の手間を大幅に削減できる ・手厚い交渉・事務サポートが受けられる | ・営業活動の時間を削減し、案件獲得効率を上げたい人 ・単価交渉や契約手続きをプロに任せたい人 |
人脈・リファラル(紹介)
これまでの仕事で培ってきた人脈は、フリーランスコンサルタントにとって貴重な財産です。過去のクライアントや同僚に独立したことを伝え、案件を紹介してもらうのも有効な手段です。信頼関係に基づいた紹介は、比較的成約につながりやすいメリットがあります。
人脈を活かすためには、日頃から関係性を構築しておくことが重要です。SNS等で積極的に情報発信を行い、自分の専門性や実績をアピールすることも効果的です。
直接営業
自ら企業に直接アプローチするのも、案件獲得の手段の一つです。ターゲットとする企業をリストアップし、提案資料を作成して積極的に営業活動を行いましょう。直接営業は、自分の強みや提案内容を直接伝えられるため、より効果的なアプローチが可能です。
ただし、直接営業は時間と労力がかかるため、効率的に行うためには、ターゲット企業の選定や提案資料の作成に十分な準備が必要です。
SNS・自身のウェブサイト
SNSや自身のウェブサイトは、自己ブランディングの重要なツールです。ブログ記事や事例紹介などを通じて、自分の専門性や実績をアピールしましょう。SNSでの発信は、潜在的な顧客との接点を増やし、案件獲得につながる可能性があります。
ウェブサイトやSNSを効果的に活用するためには、以下の点を意識しましょう。
- ターゲットとする顧客層を明確にする
- 一貫性のある情報を発信する
- 定期的に更新する
- SEO対策を行う
クラウドソーシングサイト
クラウドソーシングサイトは、比較的低単価な案件が多い傾向がありますが、実績作りの第一歩として活用できます。まずは実績を積み重ね、徐々に高単価な案件に挑戦していくのがおすすめです。
クラウドソーシングサイトを利用する際には、以下の点に注意しましょう。
- 報酬額だけでなく、業務内容や契約条件をしっかり確認する
- 実績を積み重ねることを意識する
- クライアントとのコミュニケーションを丁寧に行う
フリーランスコンサルタントを副業から始めるメリットと注意点
フリーランスコンサルタントとして独立を考えているなら、まずは副業からスタートするのがおすすめです。副業から始めることで収入の安定を保ちつつ、実務経験や人脈を築くことができるため、リスクを抑えて着実に準備を進められます。ここでは、副業から始めるメリットと注意点についてご紹介します。
副業でフリーランスコンサルを始める魅力とは?
まずは、副業でフリーランスコンサルを始める魅力について解説します。
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リスクを抑えて独立準備ができる
副業として始めるメリットは、経済的なリスクを抑えながら、独立に向けた準備ができる点です。会社員としての安定した収入を確保しつつ、フリーランスとしての実務経験を積めます。これにより、収入が不安定になることへの不安を軽減し、精神的な余裕を持って独立に備えることが可能です。
具体的には、以下の準備ができます。
- 案件獲得の実績を積める:実際に案件を獲得し、納品までの一連の流れを経験することで、フリーランスとして仕事を始める前に実績を積むことが可能です。
- スキルアップ:実務を通して、自分のスキルが通用するか、また、どのようなスキルが不足しているかを把握し、改善できます。
- 人脈作り:クライアントや他のフリーランスとの繋がりを作ることで、将来的な仕事の依頼や情報交換の機会を増やせます。
収入アップとスキルアップを両立
副業でフリーランスコンサルタントを始めることで、本業に加えて収入を増やせる可能性があります。コンサルタントのスキルを活かして、企業の課題解決に貢献することで、実績と収入を同時に得ることが可能です。また、副業で得た収入を自己投資に回すことで、スキルアップの機会を広げることも可能です。
さらに、副業での経験は、本業にも良い影響を与える可能性があります。たとえば、以下のような効果が期待できます。
- 問題解決能力の向上:異なる業界や企業の課題に取り組むことで、問題解決能力が向上し、本業での業務にも活かせます。
- 視野の拡大:さまざまな人と関わることで、視野が広がり、新たなアイデアや発想が生まれるきっかけになります。
- 自己成長:新しいことに挑戦することで、自己肯定感が高まり、仕事へのモチベーションアップにつなげることが可能です。
副業する際の注意点(就業規則、確定申告など)
副業でフリーランスコンサルタントを始める際には、いくつかの注意点があります。ここでは、特に重要な就業規則と確定申告について解説します。
就業規則の確認
まず、必ず本業の会社の就業規則を確認しましょう。副業が禁止されている場合や、許可が必要な場合があります。無許可で副業を行った場合、懲戒などの処分を受ける可能性もあります。副業が認められている場合でも、競業避止義務や情報漏洩に関する規定に違反しないように注意が必要です。
確定申告
副業で得た収入は、確定申告の対象となります。年間20万円を超える所得があった場合は、確定申告が必要です。所得税や住民税の計算方法、必要書類などを事前に確認しておきましょう。税務署の相談窓口や税理士に相談するのも有効な手段です。
確定申告の際には、以下の点に注意しましょう。
- 収入と経費の記録:副業で得た収入と、仕事に必要な経費(交通費、通信費、書籍代など)を記録しておきましょう。
- 必要書類の準備:確定申告に必要な書類(源泉徴収票、領収書、請求書など)を事前に準備しておきましょう。
- 申告期限の遵守:確定申告の期限(通常は3月15日)を必ず守りましょう。期限を過ぎると、延滞税などのペナルティが発生する場合があります。
出典:確定申告が必要な方(国税庁)/No.2024 確定申告を忘れたとき(国税庁)
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フリーランスコンサルタントとして成功し、活躍し続けるための秘訣
フリーランスコンサルタントとして独立し、成功を収めるためには、単にスキルを持っているだけでは不十分です。安定した収入を得ながら、長期的に活躍し続けるためには、戦略的な思考と日々の努力が欠かせません。ここでは、フリーランスコンサルタントとして成功するための秘訣を5つのポイントに絞って解説します。
専門分野を深掘りし、独自の強みを確立する
フリーランスとして活動する上で、「あなただからこそできること」を明確にすることが重要です。特定の業界知識、業務プロセス、技術などに特化し専門性を確立しましょう。
具体的な例は、以下のとおりです。
- 特定の業界知識:製造業のサプライチェーンに特化したコンサルタント
- 特定の業務プロセス:企業のDX推進、SAP導入支援に特化したコンサルタント
- 特定の技術:AIを活用したマーケティング戦略に特化したコンサルタント
このように、専門分野を絞り込むことで、競合との差別化を図り、高単価案件を獲得しやすくなります。
高いコミュニケーション能力と交渉力を磨く
コンサルタントの仕事は、クライアントの課題を理解し、解決策を提案することです。そのため、相手の意図を正確に理解する傾聴力や、自分の考えを分かりやすく伝える説明力、相手を納得させる交渉力は必要不可欠です。
具体的には、以下の2つは欠かせません。
- コミュニケーション能力:経営層との合意形成、利害関係者を巻き込みプロジェクトを前進させるために必要
- 課題解決能力:本質的な経営課題を引き出したり、抽象的な要望を具体的な施策に落とし込んだりする際に必要
日頃から、社内外の関係者とのコミュニケーションを意識し、論理的な思考力と分かりやすい説明力を磨きましょう。
常に最新情報をキャッチアップし、学び続ける姿勢を持つ
コンサルティング業界は、常に変化しています。新しい技術、法律、市場動向などを常にキャッチアップし、自身の知識やスキルをアップデートし続けることが重要です。
情報収集の手段 | 詳細 |
業界ニュースの購読 | ニュースから未来の変化を予測し、クライアントに先回りした価値提供ができる |
国内外のコンサルファームの公開資料を読む | 日本語だけでなく英語の資料にも目を通すことで、グローバル基準の思考やトピックもキャッチアップできる |
最新の調査データを常に取り入れる | 最新のデータを定期的に確認し、自分の知見や分析の裏付けとして活用することで、より説得力のある提案や示唆を導き出せる |
常に学び続ける姿勢を持つことで、クライアントに最新のソリューションを提供し続けられます。
信頼関係を構築し、長期的な顧客を獲得する
フリーランスのコンサルタントとして活躍し続けるためには、クライアントと信頼関係を構築することも重要です。クライアントと強固な信頼関係を築ければ、クライアント側も本音で課題や期待を話しやすくなり、より質の高い支援・提案が可能になります。
結果、リピート受注や長期契約、新規プロジェクトの優先的打診が期待できるでしょう。
クライアントと強固な信頼関係を築くためには、日々の業務やプロジェクト推進の中で「信頼される行動」を徹底することが大切です。
たとえば、事前に業界動向レポートや当該企業の決算・IR情報を読み込めば、クライアント側の「本音」や背景事情まで深掘りできます。また、現時点での課題や次フェーズでの施策案も一歩踏み込んで提案することも、信頼獲得につなげられるでしょう。
適切な価格設定と契約条件の重要性
フリーランスコンサルタントとして活動する際、適切な価格設定と契約条件の明確化はビジネスを継続的かつ安定的に発展させるうえで不可欠です。
価格を決める際には、まず自身のスキルや経験、保有資格などの棚卸しを行い、どのような価値や専門性を提供できるのかを明確にします。
その上で、市場における類似のコンサルタントや競合他社の料金相場を調査し、自分がどの位置にいるのか客観的に把握することが重要です。単に作業にかかる時間や手間から逆算して単価を設定するだけではなく、成果やプロジェクト全体の付加価値に基づいた報酬体系も検討しましょう。
再委託や再契約率を高めるためには、クライアントの課題やニーズに対して本気で向き合い、結果にコミットする姿勢が求められます。目標を達成した後でも、その後の経過を気にかけてフォローアップし、必要に応じて新たな課題や提案を提供するなど、継続的な関係づくりを意識しましょう。
フリーランスコンサルタントに関するよくある質問
Q1. 案件が途切れないか不安です。対策はありますか?
フリーランスコンサルタントとして活動する上で、案件が途切れないかとの不安はつきものです。
「案件が途切れない仕組みづくり」をするためには、日々の営業や情報発信をルーティン化し、常に次の案件獲得を意識して準備しておくことが重要です。
過去に仕事をしたクライアントと定期的に連絡を取っておくと、継続案件の獲得や紹介など、思わぬチャンスに繋がるかもしれません。また、自分の実績や新しいサービス内容を資料にまとめたりしておくと、チャンスが訪れた際に迅速に対応できます。
さらに、エージェントや人脈など、案件獲得チャネルごとのそれぞれの特徴を活かし、必要な準備をしておくことも大切です。
エージェントを活用する場合はスピード感が求められるため、自身のスキルシートやプロフィールをこまめに更新するなど、すぐに紹介が受けられるよう体制を整えておきましょう。
Q2. フリーランスコンサルタントの将来性は期待できますか?
フリーランスコンサルタントの将来性は、明るいと言えるでしょう。その理由として、以下の点が挙げられます。
- 企業の外部人材活用ニーズの高まり:企業は、専門的な知識やスキルを持つ人材を、必要な時に必要な期間だけ活用したいとのニーズが高まっています。
- コンサルティング市場の拡大:企業の経営課題が複雑化する中で、コンサルティングサービスの需要は増加傾向にあります。
- はたらき方の多様化:フリーランスが社会的に認知され、受け入れられるようになってきています。
これらの要因から、今後もフリーランスコンサルタントの需要は増加していくと考えられます。ただし、競争も激化していくことが予想されるため、常に自己研鑽を怠らず、市場価値を高めていくことが重要です。
Q3. 正社員のコンサルタントに戻りたくなった場合、再就職は難しいですか?
フリーランスから正社員への再就職は、決して不可能ではありません。しかし、正社員経験のみの場合と比較すると、いくつかの注意点があります。
フリーランスコンサルタントから正社員コンサルタントに戻る際は、特に以下のポイントを意識することで、転職成功の可能性が高まります。
提案力・課題解決力の具体的実績をアピール
クライアント企業の経営課題や業務課題に対してどのようなフレームワークや分析手法を用いてソリューションを提供し、定量的・定性的どちらの成果を上げたかを具体的に示すことが大切です。
担当したプロジェクトでどのように成果を出し、「なぜそのアプローチを選び、どのような結果を導いたのか」まで深掘りした説明ができれば、採用側の評価を高められるでしょう。
エンゲージメント管理やチームワークへの貢献を強調
正社員コンサルタントでは、社内外関係者と連携しプロジェクトを推進する力が欠かせません。
フリーランスの活動中にプロジェクトチームを組成・リードした経験や、マルチステークホルダーとの利害調整をどう行ったか、自発的にナレッジ共有や指導役を担った事例など、「組織や人を巻き込んだ」実績を強調しましょう。
プロジェクト管理力・クライアントマネジメント経験の棚卸し
年齢が上がるにつれ、プロジェクトマネジメントやクライアントとのリレーション構築の経験が求められます。
限られたリソースで複数プロジェクトを同時に牽引した実例や、CxOレベルと直接対話・提案した経験など、中堅~シニア人材らしいマネジメント力を言語化して示すことが重要です。
再就職を成功させるためには、上記のような具体的な実績や経験をしっかり整理し、自分の市場価値と即戦力ぶりを伝えることが重要です。
自分に合ったスタイルでフリーランスコンサルタントを目指そう
本記事では、フリーランスコンサルタントについて、その仕事内容から年収、独立までのステップ、案件獲得方法、成功の秘訣まで幅広く解説しました。
フリーランスコンサルタントとして成功するためには、専門分野を深掘りし、独自の強みを確立して交渉力を磨き、常に最新情報をキャッチアップし学び続ける姿勢を持つことが重要です。また、信頼関係を構築し、長期的な顧客を獲得することも、安定した収入を得るための鍵となります。
自分に合ったスタイルで、フリーランスコンサルタントへの道を切り拓いていきましょう。
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