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フリーランスの始め方を5ステップで解説|会社員時代から必要な準備とは
現在は会社員としてはたらいているものの、フリーランスに憧れを持っているという方は少なくないでしょう。会社のルールに縛られず、自由にはたらき方を選べるフリーランスは、魅力的に見えるものです。しかし、事前の準備をせず、 いきなりフリーランスとして独立すると、仕事の獲得や生活資金の確保に苦労することになるかもしれません 。本記事では、フリーランスの始め方を5ステップで解説するとともに、会社員がフリーランスになるメリットや デメリット、 具体的な案件の獲得方法を解説します。フリーランスとしてのキャリアに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
はたらき方の多様化とは?具体的な制度例やメリット・デメリットを紹介
リモートワークやフレックスタイムでの勤務、副業や兼業など、はたらき方の多様化が進んでいます。日本では生産年齢人口が減少するなか、企業は多様なはたらき方を受け入れ、柔軟な手法で人材を確保していく必要が生じています。うまく活用すれば組織の活性化や人材流出の防止にもつながるため、前向きに検討したいテーマだといえるでしょう。個人にとっても、多様なはたらき方から自身の理想やプライベート事情に合ったものを選ぶことができれば、仕事に対する満足度が向上すると考えられます。加えて、たとえば時間を有効活用し副業・兼業に取り組めば、スキル向上や収入アップも期待できるでしょう。本記事では、はたらき方の多様化について、現状や背景、企業に導入されている具体的な制度例、企業と個人それぞれにもたらすメリット、デメリットなどをまとめて解説します。はたらき方の多様化にどう対応すべきか検討している経営者や企業担当者の方、自身にとっての理想的なはたらき方を模索している個人の方は、ぜひ参考にしてみてください。
地方副業とは?注目されている背景、個人や企業が取り組むメリットとデメリットを解説
政府が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表したことなどを受け、近年、副業を解禁する企業が増えてきています。また、それに伴い、副業に興味を持ち、実際に取り組む個人も増えてきましたそうしたなかで、近年注目を集めているのが「地方副業」です。地方副業は、地方に所在する企業などから案件を受け、副業として業務に取り組むことです。コロナ禍を経てリモートワークが普及したことなどにより、都市部に住みながら地方副業に取り組みたいと考える個人が増えてきました。本記事では、地方副業とは何か、注目される背景や個人と企業それぞれにとってのメリットやデメリットなども含めて解説します。地方副業に興味がある個人の方、副業解禁や副業人材の活用に興味がある企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
ソフトスキルとは?ハードスキルとの違いや代表的なスキルの例、高め方を解説
業務を円滑に進めるためには、専門的な知識をはじめとする「ハードスキル」だけでなく、業務の進め方や周囲とのコミュニケーションのとり方に関する「ソフトスキル」も不可欠です。しかし、客観的に評価しやすいハードスキルと比べ、ソフトスキルはどのように高めていけば良いのかわからないという方も多いでしょう。 本記事では、ソフトスキルの定義や特徴、ハードスキルとの違い、代表的なスキルの例などをまとめて解説します。ソフトスキルを高めたいと考えている個人の方、ソフトスキルを人事評価に取り入れたいと考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。 ソフトスキルとは まず、ソフトスキルとは何かを以下3つのポイントで解説します。 ソフトスキルの定義 ソフトスキルの特徴 ハードスキルとの違い 順番に見ていきましょう。 ソフトスキルの定義 ソフトスキルとは、仕事を進行するうえで土台となる個人の行動や思考の特性を指す言葉です。具体的には、コミュニケーション力やリーダーシップ、適応力などを指します。 例えば、同じレベルの専門知識を有する人材であっても、周囲や取引先と適切なコミュニケーションをとりながら円滑に業務を進められる人もいれば、コミュニケーション不足によってトラブルを招きやすい人もいるでしょう。また、同じ指示を受けた場合に、自ら率先して道筋を示して周囲を引っ張る人もいれば、周囲のメンバーが動き出すのを待つ傾向にいる人もいるはずです。 このようなビジネスにおける行動・思考の特性をソフトスキルと呼びます。 ソフトスキルの特徴 ソフトスキルの特徴としては、以下の3点が挙げられます。 汎用性が高い 経験によって培われる 客観的な評価が難しい まず、コミュニケーション力やリーダーシップ、適応力などはほとんどすべてのビジネスパーソンに必要なスキルであると考えられ、後述する専門知識などの「ハードスキル」と比べて汎用性が高い傾向にあります。転職などの際には幅広い業界・職種で重宝されるスキルだといえるでしょう。 また、ソフトスキルは基本的に過去の人生経験によって培われます。書籍などで学んだとしても、自身の思考・行動の習慣として落とし込むのは簡単ではありません。 加えて、専門性の高さなどは資格の有無や実務経験などから測れますが、ソフトスキルは客観的な評価が難しい点も特徴です。数値化しにくい定性的なスキルであるため、採用面接などでソフトスキルを評価する際は、評価される側は伝え方、評価する側は質問の仕方を工夫する必要があります。 ハードスキルとの違い ハードスキルとは、教育や訓練によって獲得した技術や専門知識を指す言葉です。例えば、エンジニアのプログラミング能力や経理担当者の会計知識、法務担当者の法律知識などが挙げられます。 ハードスキルは実務を行ううえで必要な具体的な知識や技術であり、自主学習や社内研修、実務経験など、習得の方法はさまざまです。しかし、いずれも教育や訓練によって身につけている点が、経験のなかで培われていくソフトスキルとの大きな違いでしょう。 ソフトスキルとハードスキルはどちらか一方が重要というわけではなく、双方のスキルをバランスよく備えている人材が多くの職場で重宝されます。ソフトスキルだけでは実務の進行に困難が生じるでしょう。ハードスキルだけでも、周囲とのコミュニケーションなどに支障が生じるはずです。ソフトスキルとハードスキルをどちらも備えることで、周囲との信頼関係を構築しながら円滑に業務を遂行できるのです。 ソフトスキルがますます重要視される理由 時代を問わずビジネスに必要なソフトスキルですが、近年ますます重要度が増しているといわれています。ここでは、ソフトスキルの重要度が増している理由を解説します。 急激な時代の変化に左右されない 現代のビジネス環境は、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の高い「VUCAの時代」と言われています。 VUCAの時代では技術の変化が早いため、ハードスキルは常にアップデートし続ける必要があります。 対して、コミュニケーション力やリーダーシップ といったソフトスキルは、急激な時代の変化に左右されづらく、長期に渡って活用できます。そのため、変化の激しい時代において、ソフトスキルの重要性が高まっています。 AIに代替されづらい AI技術の進化により、多くのハードスキルがAIに代替され始めています。一方で、柔軟な思考や創造力、共感力といった人間ならではのソフトスキルは、AIには代替しづらいスキルです。例えば、顧客対応では、顧客の感情や微妙なニュアンスを読み取り、適切な対応をすることが求められます。 AIの技術革新が目覚ましい現代において、人間ならではのソフトスキルを磨く重要性が増していると言えます。 多様なはたらき方の普及 働き方改革により、リモートワークやフレックスタイム制度が普及し、多様なはたらき方が広まりました。この変化に適応するためには、自己管理能力や非対面でのコミュニケーション能力が重要です。例えば、リモートワークでは、オンライン会議やチャットツールを活用した情報収集や情報共有をする能力が求められます。 さまざまなはたらき方をする人たちと共に業務を進めるにあたり、ソフトスキルは重要度を増しています。 ソフトスキルの代表例10選 ここでは、代表的なソフトスキルとして以下の10項目をご紹介します。 コミュニケーション力 リーダーシップ 問題解決力 時間管理力 創造力 主体性 協調性 適応力 学習意欲の高さ 心の知能指数(EQ) 各ソフトスキルの内容や発揮される場面を見ていきましょう。 コミュニケーション力 コミュニケーション力とは、ビジネスの現場で業務を進めるにあたり、上司や同僚、関連部署、取引先と必要な意思疎通をしながら円滑に業務を進行する能力です。高度な専門性を有していても、周囲の意見や動きを無視して業務を進めてしまう人材では、企業として大きな役割を任せることは難しいでしょう。関係者との信頼関係を構築したうえで意見をすり合わせられるコミュニケーション力は、あらゆる職場で求められるものです。 リーダーシップ リーダーシップは、所属する組織の目標達成に向け、周囲のメンバーに方向性を示し、行動を促す能力です。リーダーシップには、全体像を正確に把握する能力や目標達成に向けて適切なビジョンを描く能力、意思決定の能力、関係者と友好な関係を築く能力、周囲のメンバーを励ます能力など、さまざまな要素が組み合わさっています。たとえ管理職でなくても、リーダーシップを発揮できる人材は、企業が成果を出すために欠かせない存在です。 問題解決力 問題解決力は、ビジネスの現状を分析することで目標達成に向けた課題や障害を特定し、その解決策を立案・実行する能力です。抽象的な課題を、いかに現場レベルの具体的なアクションに落とし込めるかが重要だといえるでしょう。問題の本質をとらえ、解決に導ける人材は高く評価されます。 時間管理力 時間管理力は、限られた業務時間のなかで業務の優先順位を整理し、期日を守りながら効率的に業務を進める能力です。どれだけ専門性が優れていても、全体で決められたスケジュールに遅延していては周囲のメンバーに迷惑がかかってしまいます。適切な時間管理力を備えていることは、組織の一員としてはたらくうえで重要な要素です。 創造力 創造力は、これまでにないアイデアやアプローチによって課題の解決やビジネスの成長につなげる能力です。すでに構築されたビジネスを運用・改善するだけでなく、新たな視点でイノベーションを生み出せる人材がいれば、企業の持続的な成長につながります。 主体性 主体性は、上司や同僚からの指示や確認を待つのではなく、自ら進んで行動を起こす能力です。組織の方向性と自身の担当業務を踏まえ、やるべきことを整理して実行できる人材であれば、安心して業務を任せられます。いわゆる「指示待ち」の人材ばかりの職場では、上司による管理コストが大きくなり、効率的な組織運営ができないでしょう。 協調性 協調性は、上司や同僚の行動や意見を尊重しながら、組織のために行動する能力を指します。自身の成果ばかりを追い求めたり、周囲の意見を無視してアクションを決定してしまったりするような人材がばかりでは、組織として継続的に成果を出すのは難しいでしょう。自身が所属する組織のメンバーと信頼関係を構築し、協力しながら業務を進められる人材が求められています。 適応力 適応力は、ビジネスを取り巻く環境が激しく変化する現代において、過去にとらわれることなく柔軟に解決策を模索し、対応する能力です。過去に構築されたビジネスのスキームが、現在の環境にも合っているとは限りません。企業として「時代遅れ」にならないためには、業界やマーケットの最新動向に興味を持ち、必要な改革を提案・実行できるような人材が必要です。 学習意欲の高さ 変化するビジネス環境のなかで企業として生き残っていくためには、常に新たな情報や知識、技術を取り入れる必要があります。所属する社員に対しても、過去に培った知見に満足することなく最新のテクノロジーやマーケットトレンドなどを常に把握しようとする「学習意欲」を求める企業は多いでしょう。自主的に最新の動向を把握し、業務に活かそうとする姿勢は、多くの企業で高く評価されます。 心の知能指数(EQ) 心の知能指数(EQ: Emotional Intelligence Quotient)は、他人や自身の感情を的確に把握し、業務に活かす能力です。具体的には、共感力や傾聴力、ストレス耐性、我慢強さなどが挙げられます。周囲のメンバーが抱えている不満を察知したり、自身の感情をコントロールしたりできれば、組織の業務が円滑に進むようコミュニケーションを図れます。特にリーダー的ポジションに就く場合に重視される能力だといえるでしょう。 ソフトスキルを高めるメリット ソフトスキルを高めることで個人だけでなく、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。 ここでは、ソフトスキルを高める具体的なメリットについて詳しく解説します。 生産性の向上が期待できる ソフトスキルを高めることで、職場のコミュニケーションが改善し、業務を効率的に進めることができます。例えば、明確な指示やフィードバックを行う能力が向上することで、誤解やミスの減少につながり生産性が向上します。 副業先や転職先など新たな環境でも活用できる ソフトスキルは、業界や職種を問わず活用できるスキルです。転職や副業といった新しい環境においても、ソフトスキルを活用することで環境に適応しやすくなります。 例えば、新しい職場での人間関係の構築や組織の風土への適応などを迅速に行うには、コミュニケーション能力や適応力が欠かせません。ソフトスキルは、自身のキャリアを広げることにも役立つスキルです。 プロジェクトマネジメントの質が向上する ソフトスキルは、プロジェクトマネジメントにも重要です。ソフトスキルが高いプロジェクトマネージャーは、チームの意見を尊重し、適切なフィードバックを行うことで、プロジェクトの成功率を高めることができます。 例えば、プロジェクトの進行状況を把握し、必要なサポートを提供することで、メンバーのモチベーションを維持するなど、プロジェクトを円滑に進めるためにソフトスキルが必要になります。 ソフトスキルを高める方法 経験によって培われることの多いソフトスキルですが、高めるためにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、以下4つのステップをご紹介します。 自身が持つソフトスキルを理解する 上司や同僚にフィードバックをもらう ロールモデルを設定する 自己啓発と実践を繰り返す 順番に詳しく見ていきましょう。 自身が持つソフトスキルを理解する まず、自身がどのようなソフトスキルを持っているのか理解しましょう。自身が過去に実績を挙げた際やうまく成果が出せなかった際の行動を振り返り、本記事で紹介した代表的なソフトスキルの有無を確認してみてください。自信を持って強みだといえるものもあれば、十分に発揮できていなかったソフトスキルもあるはずです。 すでに備わっているものとそうでないものを理解したうえで、今後どのソフトスキルを高めていくべきか検討しましょう。 上司や同僚にフィードバックをもらう 自身での振り返りが済んだら、普段から業務で関わっている上司・同僚にフィードバックをもらいましょう。自分の行動が第三者にどのように見えているか確認できるはずです。自身の強みだと思っていたポイントがあまり評価されていなかったり、自身では見逃していた意外なソフトスキルが見えてきたりと、新たな発見があるはずです。 ロールモデルを設定する 現状を整理できたら、目標となるロールモデルを設定しましょう。職場などで成果を出している人物をロールモデルに設定し、行動や思考の特性を観察します。自身と同じような状況に置かれたとき、ロールモデルの人物がどのような行動をとっているのか、どのように周囲とコミュニケーションをとっているのかを観察し、発揮されているソフトスキルを洗い出します。 自己啓発と実践を繰り返す ロールモデルを観察し、自身が高めるべきソフトスキルが定まったら、読書やセミナー参加などの自己啓発を通して学び、実践します。ただし、前述の通りソフトスキルは知識として獲得しただけで身につくものではありません。学習した内容やロールモデルの行動を参考に、日々の自身の行動・思考を見直してみましょう。時間はかかるかもしれませんが、着実にソフトスキルが磨かれていくはずです。 まとめ 本記事では、ソフトスキルの定義や特徴、ハードスキルとの違い、代表的なスキルの例などをまとめて解説しました。 客観的に評価をしやすいハードスキルと異なり、定性的な能力であるソフトスキルは人材評価において軽視される場合もあります。しかし、組織が継続的に成果を出すためにはソフトスキル・ハードスキルの双方をバランスよく備えた人材が必要です。ソフトスキルは、企業・個人の双方にとってきわめて重要な要素だといえるでしょう。 近年、はたらき方の一つとして「副業」に注目が集まっていますが、副業を行う際も、今回紹介したソフトスキルはさまざまな場面で活かされます。必要に応じてソフトスキルを高めながら、より自分に合ったはたらき方を検討してみてはいかがでしょうか。 ▼関連記事 働き方改革とは?目的や具体的な変更点、生じる変化をわかりやすく解説 ビジネスアジリティとは?変化の早いVUCA時代に求められる背景 ITの特異点「シンギュラリティ」とは?意味やいつ起こるのか解説 メタ認知能力とは?重要性と高める方法、注意点について解説
複業とは?副業との違いや増加する背景、メリット・デメリットを解説
政府による働き方改革の推進によって副業に取り組む方が増えるなか、近年注目されているのが「複業」というはたらき方です。本業以外の仕事を行う「副業」とは異なり、本業を同時に複数持つ「複業」は、よりよいキャリアの形成や自分に合ったはたらき方の実現につながりやすくなります。 本記事では、複業の定義や副業との違いに加え、複業人口が増加する背景、複業に取り組むメリット・デメリットを解説します。本業以外の仕事を通じてスキルアップや収入アップを実現したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。 複業と副業の違い まずは複業と副業について、それぞれの定義やはたらき方を見ていきましょう。 複業とは 複業とは、端的にいえば「複数の本業を持つはたらき方」です。自身の経験や専門性を活かしながら、複数の業務を引き受け遂行します。特定の企業に在籍しながら他社の仕事を引き受けたり、特定の企業には所属することなく、フリーランスとして複数の取引先から仕事を引き受けたりといったさまざまなはたらき方が可能です。 引き受ける仕事はすべて本業であるため、専門性やプロ意識、コミットメントが求められます。もちろん従来の「副業」なら手を抜いてよいというわけではありません。それでも、複業として引き受ける仕事は、一つひとつを「本業」として扱い、成果を出すことが求められるといえるでしょう。また、複数の仕事を同時にスケジュール管理しながら進めていく必要があるため、より高い自己管理能力が必要になります。 副業とは 一方、従来の「副業」はあくまで本業に対するプラスアルファとして引き受ける仕事を指します。本業の活動時間を最優先に確保したうえで、空いた時間を活用して取り組むものだといえるでしょう。業務内容は、簡単な作業から一定の専門知識やスキルが求められるものまで業務内容はさまざまです。 前述の通り、副業だからといって手を抜いてよいわけではなく、取引先が求める基準を満たす必要があります。ただし、「複業」として取り組む業務に比べると求められる成果、時間や労力の基準は一般的に低い傾向にあるといえます。 その他の“複業”と似た言葉 “複業”に似た言葉は、副業以外にもいくつかあります。ここでは、代表的な例を3つご紹介します。 兼業:本業として2種類以上の仕事行うはたらき方 パラレルワーク:報酬の有無に関わらず、仕事と並行して活動(研究、社会貢献、ボランティアなどの非営利活動を含む)を行うはたらき方 リスクヘッジになる 雇用契約を結ばず、単発や短時間で業務を行うはたらき方 複業に似た言葉にはそれぞれ異なる意味があります。上記で紹介した以外にもさまざまな表現があるため、自分に合ったはたらき方に当てはまるものを、ぜひ探してみてください。 ▼関連記事兼業とは?副業との違いやできる条件・やるべきことを解説 パラレルワークと副業の違いは?急増の理由とメリット・デメリットを解説 複業人口が増加する背景 現代社会では、雇用形態やはたらき方の多様化が進んでいます。業務委託契約を結び複数の企業から案件を受注したり、正社員として企業に勤めながら別の企業の依頼を引き受けたりといったはたらき方が、今後も増えていくでしょう。 ここでは、近年複業人口が増加している背景として、以下の3点を解説します。 政府による働き方改革の推進 リモートワークの普及 企業による人材活用の多様化 順番に見ていきましょう。 政府による働き方改革の推進 まず挙げられるのが、政府による働き方改革の推進です。 少子高齢化によって生産年齢人口が減少するなか、日本経済や日本企業が成長を続けるためには、個人が今以上に能力を発揮できる社会にしていく必要があります。そのため、政府は働き方改革を通じて「多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」を目指しています。 出典:「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省) 企業による副業解禁が進むなど、個人がスキルや経験を存分に発揮できる環境が整ってきたことで、複業というはたらき方も広がりつつあるといえます。 リモートワークの普及 株式会社パーソル総合研究所の調査によると、2020年3月時点では13.2%だった正社員のテレワーク実施率は、2024年7月時点では22.6%に増加しています。 出典:「第九回・テレワークに関する定量調査」(株式会社パーソル総合研究所) 新型コロナ感染症の拡大により、リモートワークが普及したことは、複業人口の増加につながっていると考えられます。 複数の本業を持つ場合、それぞれのオフィスに出社しながら業務を行うのは簡単ではありません。勤務日程をうまく調整できればよいですが、同じ日に複数のオフィスに出社する必要がある場合、移動にかかる時間が長くなってしまいます。 リモートワークが普及したことで、遠隔でも電話やメール、チャットツール、Web会議ツールなどを活用してはたらくことが可能になりました。リモートワークの場合、移動時間を気にすることなくスケジュールを組めるため、これまでに比べ複業を実現しやすい環境になったといえるでしょう。 近年では、政府が推進する「地方創生」の一環として、地方企業が首都圏に居住する人材に業務を委託するといった動きも加速しています。人材が不足する地方企業にとって、リモートワークを活用した人材活用は重要な選択肢の一つとなっています。 企業による人材活用の多様化 複業や副業に取り組む個人が増えるなか、企業の人材活用方法を多様化しています。仕事の機会が増えることで、複業人口の増加がますます加速しているといえるでしょう。 パーソルキャリア株式会社が運営する、プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」が実施した調査によると、2022年度(2022年4月〜2023年3月)に副業人材の活用を開始した企業は、前年度比123%と大きく増加していたことがわかりました。また、すでに副業人材を活用している企業のなかでも、活用人数が増えている割合は62.8%にのぼっています。 出典:副業人材の活用が企業に与える影響を調査(パーソルキャリア株式会社) 副業と複業は異なるものの、各業界で人手不足が深刻化するなか、正社員採用にこだわらず柔軟に人材を確保する企業は今後も増えていくでしょう。企業による人材活用の多様化は、複業人口の増加をさらに加速させるはずです。 複業に取り組む4つのメリット 個人が複業に取り組めば、以下のようなメリットが得られます。 スキルアップにつながる 収入が増える リスクヘッジになる はたらき方の自由度が増す 順番に見ていきましょう。 スキルアップにつながる 複数の本業に取り組むことでより多くの経験が積めるため、スキルアップにつながりやすいでしょう。 一つの企業に長く勤め続けることで、仕事での視野が狭まることがあります。また、同じような業務を長く担当している場合、新たな学びを得られる経験も減ってしまいます。しかし、複業によって新たな仕事先を見つけることで、自身の視野や経験の幅が必然的に広がっていくでしょう。 また、プロフェッショナル人材としての活躍が期待される案件なら、従来の業務と比べてより大きな役割を任せてもらえる可能性があります。たとえば、経営者に近い視点で業務に取り組む経験ができれば、従来の業務にもポジティブな影響をもたらしてくれるはずです。 収入が増える 現在の仕事に加え、本業として新たな仕事に取り組むことで、収入を増やせる可能性が高まります。 「複業」として求められる水準の高い仕事にチャレンジすれば、ある程度まとまった収入を得ることができるでしょう。「副業」として募集されている仕事のなかには、専門的な知識や経験が必要ないため、報酬が低く設定されたものもあります。「複業」では、本業として業務に取り組むため、ハードルは低くないものの、報酬水準は一般的に高い傾向にあると考えられます。 また、複業を続けるなかで「別の業務で培った経験や知識が高く評価される」といった機会も増えるでしょう。本業を複数持つことで、それぞれの業務が相乗効果を生み出し、収入アップにつながることも期待できます。 リスクヘッジになる 複数の本業を持つ「複業」というはたらき方を選べば、一つの勤務先に依存することがなくなります。終身雇用に対する企業の姿勢が変化しつつあるなか、自身のキャリアを安定させるうえで重要な意味を持つでしょう。一社の経営環境が悪化し、仕事の継続が難しくなった場合でも、その他の仕事先の業務を増やすといった調整が可能です。また、複数の本業を持つことで人脈形成の機会が広がり、新たな仕事を紹介してもらえる可能性も高まります。 はたらき方の自由度が増す 複業に取り組むことで、結果的にはたらき方の自由度が増す傾向にある点もメリットといえるでしょう。複数の企業ではたらくためには、ワークライフバランスを考える必要があります。業務に費やせる時間や労力が限られているなか、複数の案件を行いながら最適なバランスを追求する必要があるからです。その結果、固定観念にとらわれることなく自由なはたらき方を選択できる可能性が高まります。 複業に取り組む3つのデメリット 一方、複業に取り組むうえでは以下のようなデメリットも理解しておく必要があります。 自己管理能力が求められる プロフェッショナルとしての活躍が期待される 確定申告などの対応が必要になる こちらも順番に見ていきましょう。 自己管理能力が求められる 複数の本業を同時並行で進める必要があるため、高い自己管理能力が求められます。多少のトラブルがあっても進行に支障が出ないよう、それぞれ余裕を持って進める必要があります。特にリモートで案件に取り組む場合は、上司や同僚のように同じ空間で業務に取り組む仲間がいません。進捗やスケジュールの管理は自分次第であるため、効率や優先順位を常に意識して業務に取り組む必要があります。 プロフェッショナルとしての活躍が期待される 複業に取り組む場合、すべての仕事が本業として扱われるため、高い専門性やコミットメントが必要となります。副業のなかには専門知識がなくても行える業務もありますが、複業では基本的にプロフェッショナルとして成果を出すことが求められます。 片手間のような感覚で臨むと、依頼元からの要求にうまく応えられないケースも出てくるでしょう。過去に培った知識や経験が活かせる案件を選び、適切にコミットメントしていくことが大切です。 確定申告などの対応が必要になる 収入源も複数になることが多い複業では、確定申告などの対応が必要になることがあります。複数の業務を行いながら、収入や・支出の管理や納税のための手続きを行う必要があるため、業務が煩雑になる可能性があります。 複数の業務を遂行しながら、さらにさまざまな対応が必要になる点には注意が必要です。 ▼関連記事【税理士監修】会社員の副業には確定申告が必要?20万円以下でも申告する必要があるケースとは 複業を始めるには? 初めて複業に挑戦する際、どのように始めれば良いのか迷うことも多いでしょう。以下では、複業を始めるための方法をご紹介します。 複業をする目的や目標を設定する まずは、複業をする目的や目標を明確にすることが重要です。たとえば、収入を増やしたい、スキルを磨きたい、新しい人脈を広げたいなど、複業を通じて得たいものを具体的に考えましょう。目的が明確になることで、仕事選びやスケジュール管理がしやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。 スキルを棚卸し、複業する仕事を決める 自分の持っているスキルや経験を棚卸しして、複業として取り組む仕事を決めましょう。これまでの職務経験や保有スキル、資格など自分の強みを活かせる分野の仕事を選ぶことが大切です。また、需要のあるスキルや今後の成長が期待される分野に目を向けることも有効です。 さらに、興味のある分野の仕事を選ぶとモチベーションを保ちやすく、複業を継続しやすくなるでしょう。 “副業”から始める選択肢もある いきなり複数の本業を持つことが難しい場合、まずは“副業”から始めるのも良い選択肢です。副業は本業の合間に取り組めるため、時間管理や体力の調整もしやすく、複業へ向けた準備として役立ちます。 副業を通じて得た経験や収入をもとに、次のステップとして複業に挑戦することも可能です。 ▼関連記事副業の始め方を4ステップで紹介|メリット・デメリットや注意点も解説 まとめ 本記事では、複業の定義や副業との違いに加え、複業人口が増加する背景、複業に取り組むメリット・デメリットを解説しました。 政府による働き方改革の推進やリモートワークの普及、企業による人材活用の多様化などにより、複業に取り組む人は今後も増えていくでしょう。スキルアップや収入アップ、キャリアの安定性向上など、さまざまなメリットがある複業ですが、自身の経験や知識を活かせる案件選びが重要になります。 パーソルキャリア株式会社が運営する、プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」では、副業・兼業案件から経営領域の高度な案件まで、自分のスキルにあったプロジェクトを探せます。自身の専門性を活かし、新たなはたらき方を検討したいという人はぜひチェックしてみてください。