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複業とは?副業との違いや増加する背景、メリット・デメリットを解説
政府による働き方改革の推進によって副業に取り組む方が増えるなか、近年注目されているのが「複業」というはたらき方です。本業以外の仕事を行う「副業」とは異なり、本業を同時に複数持つ「複業」は、よりよいキャリアの形成や自分に合ったはたらき方の実現につながりやすくなります。 本記事では、複業の定義や副業との違いに加え、複業人口が増加する背景、複業に取り組むメリット・デメリットを解説します。本業以外の仕事を通じてスキルアップや収入アップを実現したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。 複業と副業の違い まずは複業と副業について、それぞれの定義やはたらき方を見ていきましょう。 複業とは 複業とは、端的にいえば「複数の本業を持つはたらき方」です。自身の経験や専門性を活かしながら、複数の業務を引き受け遂行します。特定の企業に在籍しながら他社の仕事を引き受けたり、特定の企業には所属することなく、フリーランスとして複数の取引先から仕事を引き受けたりといったさまざまなはたらき方が可能です。 引き受ける仕事はすべて本業であるため、専門性やプロ意識、コミットメントが求められます。もちろん従来の「副業」なら手を抜いてよいというわけではありません。それでも、複業として引き受ける仕事は、一つひとつを「本業」として扱い、成果を出すことが求められるといえるでしょう。また、複数の仕事を同時にスケジュール管理しながら進めていく必要があるため、より高い自己管理能力が必要になります。 副業とは 一方、従来の「副業」はあくまで本業に対するプラスアルファとして引き受ける仕事を指します。本業の活動時間を最優先に確保したうえで、空いた時間を活用して取り組むものだといえるでしょう。業務内容は、簡単な作業から一定の専門知識やスキルが求められるものまで業務内容はさまざまです。 前述の通り、副業だからといって手を抜いてよいわけではなく、取引先が求める基準を満たす必要があります。ただし、「複業」として取り組む業務に比べると求められる成果、時間や労力の基準は一般的に低い傾向にあるといえます。 その他の“複業”と似た言葉 “複業”に似た言葉は、副業以外にもいくつかあります。ここでは、代表的な例を3つご紹介します。 兼業:本業として2種類以上の仕事行うはたらき方 パラレルワーク:報酬の有無に関わらず、仕事と並行して活動(研究、社会貢献、ボランティアなどの非営利活動を含む)を行うはたらき方 リスクヘッジになる 雇用契約を結ばず、単発や短時間で業務を行うはたらき方 複業に似た言葉にはそれぞれ異なる意味があります。上記で紹介した以外にもさまざまな表現があるため、自分に合ったはたらき方に当てはまるものを、ぜひ探してみてください。 ▼関連記事兼業とは?副業との違いやできる条件・やるべきことを解説 パラレルワークと副業の違いは?急増の理由とメリット・デメリットを解説 複業人口が増加する背景 現代社会では、雇用形態やはたらき方の多様化が進んでいます。業務委託契約を結び複数の企業から案件を受注したり、正社員として企業に勤めながら別の企業の依頼を引き受けたりといったはたらき方が、今後も増えていくでしょう。 ここでは、近年複業人口が増加している背景として、以下の3点を解説します。 政府による働き方改革の推進 リモートワークの普及 企業による人材活用の多様化 順番に見ていきましょう。 政府による働き方改革の推進 まず挙げられるのが、政府による働き方改革の推進です。 少子高齢化によって生産年齢人口が減少するなか、日本経済や日本企業が成長を続けるためには、個人が今以上に能力を発揮できる社会にしていく必要があります。そのため、政府は働き方改革を通じて「多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」を目指しています。 出典:「働き方改革」の実現に向けて(厚生労働省) 企業による副業解禁が進むなど、個人がスキルや経験を存分に発揮できる環境が整ってきたことで、複業というはたらき方も広がりつつあるといえます。 リモートワークの普及 株式会社パーソル総合研究所の調査によると、2020年3月時点では13.2%だった正社員のテレワーク実施率は、2024年7月時点では22.6%に増加しています。 出典:「第九回・テレワークに関する定量調査」(株式会社パーソル総合研究所) 新型コロナ感染症の拡大により、リモートワークが普及したことは、複業人口の増加につながっていると考えられます。 複数の本業を持つ場合、それぞれのオフィスに出社しながら業務を行うのは簡単ではありません。勤務日程をうまく調整できればよいですが、同じ日に複数のオフィスに出社する必要がある場合、移動にかかる時間が長くなってしまいます。 リモートワークが普及したことで、遠隔でも電話やメール、チャットツール、Web会議ツールなどを活用してはたらくことが可能になりました。リモートワークの場合、移動時間を気にすることなくスケジュールを組めるため、これまでに比べ複業を実現しやすい環境になったといえるでしょう。 近年では、政府が推進する「地方創生」の一環として、地方企業が首都圏に居住する人材に業務を委託するといった動きも加速しています。人材が不足する地方企業にとって、リモートワークを活用した人材活用は重要な選択肢の一つとなっています。 企業による人材活用の多様化 複業や副業に取り組む個人が増えるなか、企業の人材活用方法を多様化しています。仕事の機会が増えることで、複業人口の増加がますます加速しているといえるでしょう。 パーソルキャリア株式会社が運営する、プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」が実施した調査によると、2022年度(2022年4月〜2023年3月)に副業人材の活用を開始した企業は、前年度比123%と大きく増加していたことがわかりました。また、すでに副業人材を活用している企業のなかでも、活用人数が増えている割合は62.8%にのぼっています。 出典:副業人材の活用が企業に与える影響を調査(パーソルキャリア株式会社) 副業と複業は異なるものの、各業界で人手不足が深刻化するなか、正社員採用にこだわらず柔軟に人材を確保する企業は今後も増えていくでしょう。企業による人材活用の多様化は、複業人口の増加をさらに加速させるはずです。 複業に取り組む4つのメリット 個人が複業に取り組めば、以下のようなメリットが得られます。 スキルアップにつながる 収入が増える リスクヘッジになる はたらき方の自由度が増す 順番に見ていきましょう。 スキルアップにつながる 複数の本業に取り組むことでより多くの経験が積めるため、スキルアップにつながりやすいでしょう。 一つの企業に長く勤め続けることで、仕事での視野が狭まることがあります。また、同じような業務を長く担当している場合、新たな学びを得られる経験も減ってしまいます。しかし、複業によって新たな仕事先を見つけることで、自身の視野や経験の幅が必然的に広がっていくでしょう。 また、プロフェッショナル人材としての活躍が期待される案件なら、従来の業務と比べてより大きな役割を任せてもらえる可能性があります。たとえば、経営者に近い視点で業務に取り組む経験ができれば、従来の業務にもポジティブな影響をもたらしてくれるはずです。 収入が増える 現在の仕事に加え、本業として新たな仕事に取り組むことで、収入を増やせる可能性が高まります。 「複業」として求められる水準の高い仕事にチャレンジすれば、ある程度まとまった収入を得ることができるでしょう。「副業」として募集されている仕事のなかには、専門的な知識や経験が必要ないため、報酬が低く設定されたものもあります。「複業」では、本業として業務に取り組むため、ハードルは低くないものの、報酬水準は一般的に高い傾向にあると考えられます。 また、複業を続けるなかで「別の業務で培った経験や知識が高く評価される」といった機会も増えるでしょう。本業を複数持つことで、それぞれの業務が相乗効果を生み出し、収入アップにつながることも期待できます。 リスクヘッジになる 複数の本業を持つ「複業」というはたらき方を選べば、一つの勤務先に依存することがなくなります。終身雇用に対する企業の姿勢が変化しつつあるなか、自身のキャリアを安定させるうえで重要な意味を持つでしょう。一社の経営環境が悪化し、仕事の継続が難しくなった場合でも、その他の仕事先の業務を増やすといった調整が可能です。また、複数の本業を持つことで人脈形成の機会が広がり、新たな仕事を紹介してもらえる可能性も高まります。 はたらき方の自由度が増す 複業に取り組むことで、結果的にはたらき方の自由度が増す傾向にある点もメリットといえるでしょう。複数の企業ではたらくためには、ワークライフバランスを考える必要があります。業務に費やせる時間や労力が限られているなか、複数の案件を行いながら最適なバランスを追求する必要があるからです。その結果、固定観念にとらわれることなく自由なはたらき方を選択できる可能性が高まります。 複業に取り組む3つのデメリット 一方、複業に取り組むうえでは以下のようなデメリットも理解しておく必要があります。 自己管理能力が求められる プロフェッショナルとしての活躍が期待される 確定申告などの対応が必要になる こちらも順番に見ていきましょう。 自己管理能力が求められる 複数の本業を同時並行で進める必要があるため、高い自己管理能力が求められます。多少のトラブルがあっても進行に支障が出ないよう、それぞれ余裕を持って進める必要があります。特にリモートで案件に取り組む場合は、上司や同僚のように同じ空間で業務に取り組む仲間がいません。進捗やスケジュールの管理は自分次第であるため、効率や優先順位を常に意識して業務に取り組む必要があります。 プロフェッショナルとしての活躍が期待される 複業に取り組む場合、すべての仕事が本業として扱われるため、高い専門性やコミットメントが必要となります。副業のなかには専門知識がなくても行える業務もありますが、複業では基本的にプロフェッショナルとして成果を出すことが求められます。 片手間のような感覚で臨むと、依頼元からの要求にうまく応えられないケースも出てくるでしょう。過去に培った知識や経験が活かせる案件を選び、適切にコミットメントしていくことが大切です。 確定申告などの対応が必要になる 収入源も複数になることが多い複業では、確定申告などの対応が必要になることがあります。複数の業務を行いながら、収入や・支出の管理や納税のための手続きを行う必要があるため、業務が煩雑になる可能性があります。 複数の業務を遂行しながら、さらにさまざまな対応が必要になる点には注意が必要です。 ▼関連記事【税理士監修】会社員の副業には確定申告が必要?20万円以下でも申告する必要があるケースとは 複業を始めるには? 初めて複業に挑戦する際、どのように始めれば良いのか迷うことも多いでしょう。以下では、複業を始めるための方法をご紹介します。 複業をする目的や目標を設定する まずは、複業をする目的や目標を明確にすることが重要です。たとえば、収入を増やしたい、スキルを磨きたい、新しい人脈を広げたいなど、複業を通じて得たいものを具体的に考えましょう。目的が明確になることで、仕事選びやスケジュール管理がしやすくなり、モチベーションも維持しやすくなります。 スキルを棚卸し、複業する仕事を決める 自分の持っているスキルや経験を棚卸しして、複業として取り組む仕事を決めましょう。これまでの職務経験や保有スキル、資格など自分の強みを活かせる分野の仕事を選ぶことが大切です。また、需要のあるスキルや今後の成長が期待される分野に目を向けることも有効です。 さらに、興味のある分野の仕事を選ぶとモチベーションを保ちやすく、複業を継続しやすくなるでしょう。 “副業”から始める選択肢もある いきなり複数の本業を持つことが難しい場合、まずは“副業”から始めるのも良い選択肢です。副業は本業の合間に取り組めるため、時間管理や体力の調整もしやすく、複業へ向けた準備として役立ちます。 副業を通じて得た経験や収入をもとに、次のステップとして複業に挑戦することも可能です。 ▼関連記事副業の始め方を4ステップで紹介|メリット・デメリットや注意点も解説 まとめ 本記事では、複業の定義や副業との違いに加え、複業人口が増加する背景、複業に取り組むメリット・デメリットを解説しました。 政府による働き方改革の推進やリモートワークの普及、企業による人材活用の多様化などにより、複業に取り組む人は今後も増えていくでしょう。スキルアップや収入アップ、キャリアの安定性向上など、さまざまなメリットがある複業ですが、自身の経験や知識を活かせる案件選びが重要になります。 パーソルキャリア株式会社が運営する、プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」では、副業・兼業案件から経営領域の高度な案件まで、自分のスキルにあったプロジェクトを探せます。自身の専門性を活かし、新たなはたらき方を検討したいという人はぜひチェックしてみてください。
パラレルキャリアと副業の違いとは?メリット、注目を集めている理由を紹介
近年、パラレルキャリアというはたらき方が注目を集めています。パラレルキャリアとは、キャリアの開拓を目的に複数の仕事を行うことです。 本記事では、パラレルキャリアと副業の違いや注目されている背景、メリット、パラレルキャリアの始め方などを解説しています。本記事を通して、多様なはたらき方について考えてみましょう。 パラレルキャリアの意味とは?副業と何が違うのか? パラレルキャリアと副業はどちらも複数の仕事を持ちますが、目的が異なります。 パラレルキャリアは経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱した概念で、スキルアップやキャリアアップなどが主な目的です。ボランティア活動をして社会貢献する、趣味の活動をするなど、収入を目的としない活動も含みます。個人の成長や多面的なキャリアの展開を重視し、仕事だけでなく個人の価値観や生き方にも影響を与えます。 一方の副業は、本業以外で収入を得ることをおもな目的としたはたらき方です。多くの場合、本業に対するサイドビジネスとして位置づけられます。副業はパラレルキャリアと比較すると、経済的な安定を求める手段としての側面が強いといえるでしょう。 ▼関連記事パラレルワークと副業の違いは?急増の理由とメリット・デメリットを解説 パラレルキャリアが注目を浴びている理由 パラレルキャリアが注目される背景には、はたらき方の多様化と企業寿命の変化があります。 現代では、転職の一般化、リモートワークやフレックスタイム制度の導入など、はたらき方が多様化しています。これにより、企業に勤めながらもさまざまな職業に関わり、キャリアアップやスキルアップを目指すことが可能になりました。 また、企業寿命の短命化が進むなか、収入源が本業だけでは、本業の企業に寿命が訪れた際に困ってしまいます。その際に、パラレルキャリアなどで複数のキャリアを持っておくと、突然の転職や再就職にも柔軟に対応できる可能性が高まります。 パラレルキャリアは個々の成長や目標達成に寄与するだけでなく、新たな発想やマネジメントスキルの強化など、企業側にもプラスの効果をもたらします。そのため、パラレルキャリアの導入は、働き方改革の一環として今後さらに広がっていくと考えられるでしょう。 ▼関連記事はたらき方の多様化とは?具体的な制度例やメリット・デメリットを紹介 パラレルキャリア3つのタイプ別の違いと具体例 パラレルキャリアは、ベーススキルアップ型、自己実現追求型、新たなキャリア開発型の3種類に大きく分けられます。 ベーススキルアップ型: 現在のスキルを活用して、業種や職種の幅を広げるタイプです。本業に近い仕事で、キャリアを発展させたい人に適しています。 たとえば、本業で営業職に就いている方が、副業で異なる商材の営業代行をしたり、営業に課題を抱える企業にアドバイスを行ったりするケースです。すでに保有するスキルを活かしながら、新たな知識やスキルの獲得が期待できます。 自己実現追求型: 趣味やボランティアなども含む幅広い活動を行い、本業とは異なるはたらき方をするタイプです。やりたいことが明確な人に向いています。 スポーツや音楽などのサークル活動、地域のイベントの手伝いなどのボランティアに参加することも、パラレルキャリアの一つです。 自身が保有する専門的な知識やスキルを社会貢献に役立てたいという方は「プロボノ」への参加もおすすめです。 ▼関連記事「プロボノ」とは?副業以外にキャリアの幅を広げられる社外活動を解説 新たなキャリア開発型: 本業とは異なる活動を通して、新たな分野に取り組むタイプです。たとえば、キャリアチェンジを目的にプログラミングスクールに通ったり、専門知識を活かしてメディアに寄稿をしたりと、本業では経験できないことに挑戦したい人に適しています。 実際には、上記3種類のいずれかに明確に分けられるわけではなく、多くの場合はこれらのタイプが重なり合う複合型になっています。政府や企業も多様なキャリア形成を奨励しているため、自分の目標や興味に応じてキャリアを築いていくことをおすすめします。 パラレルキャリアの5つのメリット パラレルキャリアによって得られるメリットを5つ紹介します。 新たな人脈を築ける パラレルキャリアは、新たな人脈を築く絶好の機会です。本業だけでは限られた範囲の人としか接しませんが、さまざまな環境で活動することによって人脈が大幅に広がります。 新しい場所でのつながりは、新しい知識や視点を得られるだけでなく、人生を豊かにしてくれるでしょう。新たなビジネスチャンスや、利益をもたらす可能性もあります。 スキルや経験をたくさん積める 複数の場所ではたらくと、さまざまな経験を積めます。パラレルキャリアを通じて得た知識やスキルは、本業にもプラスの影響を与えるでしょう。 また、パラレルキャリアの導入によって、売上が発生したり人を雇用したりした場合には、経理やマネジメントなどの専門的なスキルを身につけることも可能です。これらのスキルは、あらゆる職種やはたらき方に応用できるため、大きな価値があります。 収入がアップする可能性がある パラレルキャリアを追求すると、収入がアップする可能性があります。本業を続けながら、さまざまな知識やスキルを積み重ねられるため、転職や起業に伴う経済的なリスクを抑えることも可能です。 また、パラレルキャリアを通じて得た新しいスキルや知識を本業で活用すると、業績向上や昇進の機会が生じることも考えられます。 視野が広がる パラレルキャリアで新たな経験を積み、異なる背景や価値観を持つ人々と交流する過程で、自然と視野が広がる可能性があります。特に、異なる価値観を持つ人々と接すると、新たな視点を得る機会が増え、柔軟な発想力を養うことが可能です。 金銭面を気にせずキャリアを見直したりステップアップしたりするきっかけを作れる パラレルキャリアでは、本業により金銭的な不安を軽減しつつ、新たな分野への挑戦やスキルアップに集中することが可能です。 また、パラレルキャリアを通じて経験を積んだあとに、転職や起業を考えることもできます。安定した収入源があるため、自己実現や新たなキャリアへの転換をスムーズに実現できるでしょう。さらに、収入の分散によりリスクヘッジも可能です。 パラレルキャリアに関する4つの注意点 パラレルキャリアにはメリットが多くありますが、いくつか注意点もあります。トラブルや失敗を避けるためにも、よく確認しておきましょう。 勤務先企業の就業規則を事前に確認する パラレルキャリアを始める前には、企業の就業規則を確認しましょう。企業によっては、副業を禁止しています。 副業を許可している企業であっても、情報漏洩のリスクやセキュリティを考慮して、同業他社の仕事は禁止としている場合があります。企業の就業規則をよく確認し、迷った際には上司や人事部に相談しましょう。 また、パラレルキャリアでの報酬は基本的に副業として扱われますが、無報酬の活動でも副業と誤解されることがあります。パラレルキャリアに対する認識は企業と社員間でずれが生じやすいため、認識のずれを避けるためにも就業規則を遵守することが重要です。 本業に支障が出ないよう気をつける パラレルキャリアを実践する際は、本業に支障をきたさないように注意しましょう。パラレルキャリアは本業と並行して行うものであり、スケジュール管理やタイムマネジメントが欠かせません。 また、パラレルキャリアによって得られる新しい経験やスキルは、本業にも良い影響を与えます。負担が大きくなって本業のパフォーマンスが低下しないよう、自分の体調管理やメンタルヘルスにも注意を払いましょう。 休息も含めしっかりとした時間管理が必要 パラレルキャリアを成功させるためには、ワークライフバランスを考慮することが重要です。 パラレルキャリアを始めるために休息を削ってしまう人もいるかもしれませんが、ワークライフバランスを保つためには、仕事以外の自由時間も大切にする必要があります。休息時間を削ってしまうと、将来的に健康や生活の質へと悪影響をおよぼすことになりかねません。最初は短時間からスタートし、徐々に自分に合ったペースを見つけていきましょう。 健康的なライフスタイルを維持することが、充実したキャリアを築くポイントです。 パラレルキャリアは続けることが大切 パラレルキャリアの成功の鍵は、継続にあります。好きなことややりたいことを単なる趣味の範囲に留めず、他者に価値を提供できるレベルまで高めるためには継続が必要です。 ただし、無理に続ける必要はありません。自分に合っていないと感じたら、その経験を本業の転職やキャリアの再考に活かすなどで、方向転換も可能です。 パラレルキャリアの始め方 ここでは、パラレルキャリアを始めるための具体的なステップを紹介します。 目標やゴールを明確にする パラレルキャリアを成功させるためには、明確な目標やゴールを設定することが大切です。単に「知人がやっているから」「収入を増やしたいから」などの漠然とした理由では、成功は難しいでしょう。特にパラレルキャリアは本業と異なり、自分自身の力だけで成果を出さなければならず、本業以上の努力が必要となる場合もあります。 途中で挫折しないためには、「本業ではできないことを実現する」「キャリアアップするためのスキルを磨く」などの明確な目標設定が必要です。 目標を立てたらゴールから逆算し、すべきことを明確にしましょう。徐々に成功体験を積みながらキャリアを築くことで、目標を達成しやすくなります。急いで高みを目指すのではなく、着実なステップアップが成功のポイントです。 自分の強みや弱み、伸ばしたいスキルなどを知る 自己分析を通じて、自分の強みや弱み、伸ばしたいスキルなどを明確にしましょう。自己分析は仕事だけでなく、趣味やプライベートの経験も含めて行うのがポイントです。日常的にこなしていることが、ほかの環境では貴重なスキルとして評価される可能性があります。 自己分析を行うと、自分がどのような環境や仕事に適しているか、どのような分野に挑戦できるかの見極めが可能です。将来のキャリアパスを描きやすくなり、パラレルキャリアでの成功への道がより明確になるでしょう。 なお、自己分析は一人で行うのは難しい場合もあるため、キャリアアドバイザーなどの専門家に相談することもおすすめです。 パラレルキャリアを実現できる環境を準備する パラレルキャリアを実現するには、適切な環境を整えることが大切です。現在の職場でパラレルキャリアの実現が難しい場合は、副業や兼業に理解のある企業への転職を検討するのも一つの手段です。 転職エージェントに希望のはたらき方やキャリアプランを伝えれば、それに適した職場を紹介してもらうことも可能です。具体的なキャリア目標を明確にしておくと、より自分に合った提案を受けられます。 まとめ パラレルキャリアは、はたらき方の多様化を実現し、新しい視野と人脈の構築などのメリットをもたらします。複数の仕事を通してさまざまな経験を積み、自分の可能性を広げることが可能です。 パラレルキャリアを始める際には、明確な目標とゴール設定が重要で、適切な環境作りも欠かせません。パラレルキャリアを継続できるよう、本業とのバランスを保ちながら、慎重に計画を進めていきましょう。 andHiProでは、パラレルキャリア実践者のインタビュー記事を掲載しています。自分に合ったはたらき方を選ぶ際の参考に、ぜひご覧ください。 ▼関連記事「世界は広かった」——。正社員を卒業しめぐり合った、パラレルキャリアという新たな選択肢





