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新規事業の助成金・補助金とは?企業が国から得られる制度を紹介

助成金

新規事業を立ち上げる際には、設備投資など大きな資金が必要になります。「新規事業を立ち上げたいけれど、資金調達が悩みの種」という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、初期費用の経済的負担を軽減する、新規事業に活用できる助成金・補助金についてご紹介します。

  • 新規事業の助成金、補助金とは?
  • 助成金、補助金を実施している機関
  • 新規事業の立ち上げ時に助成金、補助金を利用するメリットとは?
  • どのようなデメリットがあるか?
  • 新規事業に申請できるおすすめの助成金、補助金
  • 申請する前の注意点
  • 申請から支給までの手順

上記に沿って解説していきます。
助成金・補助金の申請をお考えの方はぜひご覧ください。

新規事業の助成金・補助金とは?

補助金助成金

助成金・補助金とは、国・地方自治体などが公的資金を財源に提供する、資金面での支援制度のことです。銀行で受ける融資とは異なり、原則返済の必要がなく、経済的負担・返済リスクを軽減できるメリットがあります。

助成金と補助金の違いは大きく二つです。一つは、支給の条件です。助成金は定められた要件を満たしていれば高い確率で支給されます。一方、補助金は予算や最大件数が決まっているため、たとえ要件を満たしていても抽選・早い者勝ち・審査などによって支給が左右されます。二つ目は申請期間です。助成金は通年応募ができるなど比較的長期間なのに対し、補助金は短期間です。

補助金と助成金の違い

助成金・補助金が新規事業立ち上げに役立つ理由

ではどうして助成金・補助金が新規事業立ち上げに役立つのでしょうか?理由は大きく3つです。

返済不要の資金が手に入る

資金調達の方法の一つに、銀行からの借り入れがあります。企業にとって銀行は身近な存在ですが、借り入れの場合は返済の義務が発生するほか、利子も支払わなければいけません。新規事業が軌道に乗ったとしても返済コストは企業の大きな負担ですし、立ち上げが失敗すればなおさらでしょう。一方、助成金・補助金は返済不要のお金です。リスクを抑えながら、新規事業立ち上げに挑戦できます。

時代の流れが見える

国や地方自治体は、国や地域をより良くするために政策目標・課題を掲げ実行しています。しかし国と自治体だけでは目標達成・課題解決するのは困難です。そこで政策目標・課題に沿った事業を展開・拡大する企業をサポートすることで、目標達成や課題解決を実現しやすくしようと助成金や補助金が交付されています。そのためどのような助成金・補助金があるかを知ることで、国の課題や時代の流れが見えるということです。

事業計画を明確にできる

補助金の申請時には、多くの場合で事業計画書の提出が求められます。事業計画書には「誰に」「何を」「どのように提供する」といった事業の骨格となる内容や、「なぜこの事業を行うのか」「どのような結果が期待できるのか」といった事業計画全体のストーリー、損益計画などを具体的に記載する必要があります。そのため申請の準備を通して見直したり整理したりすることで、事業計画を明確にできます。

助成金・助成金を主催する機関

数多くの助成金・補助金制度がありますが、主催している機関は主に4つです。

経済産業省(補助金のみ)

経済産業省は中小企業庁を管轄しているため、主催する補助金は中小企業の新興や、地方の活性化を目的としたものが中心です。創業期の企業・小規模事業者の成長をサポートする補助金や、新事業創出をサポートする補助金などがあります。

厚生労働省

雇用促進を目的とした助成金を主催しており、高齢者・障害者・第二新卒などを雇った際に利用できるものなどがあります。そのほか職業能力向上に関する補助金も扱っています。新規事業立ち上げ時には、新たな人材を雇用することもあるため、目を通しておくと良いでしょう。

地方自治体

地域の活性化を目的にしているため、地域ごとの特色ある助成金・補助金を主催しています。しかし自治体によっては、産業系の助成金・補助金が乏しかったり、そもそも主催していなかったりというケースも。また方針転換によって、制度や交付額が大きく変わることもあります。まずは法人登記している市町村のサイトを確認すると良いでしょう。

民間団体・企業

公益団体・民間企業が社会公益を目的に主催しており、種類や条件は団体・企業ごとにさまざまです。三菱東京UFJ育成財団では、新技術・新製品の開発への助成金があるので、新規事業立ち上げでは有効的でしょう。またJFC公益財団法人・助成財団センターの公式サイトでは、助成金を主催している団体を条件別に検索できます。

新規事業の立ち上げ時に助成金・補助金を利用するメリットは?

助成金・補助金を利用するメリットは大きく3つです。

返済の必要がない

先述の通り、助成金・補助金には原則返済義務がありません。銀行からの借り入れなど返済が必要な融資では、たとえ立ち上げが失敗しても返済が求められます。助成金・補助金であれば返済の必要がないため、リスクが抑えられます。

会社の評価が上がり、ほかの審査に通りやすくなる

助成金・補助金をもらえたということは、国や地方自治体からその事業に対しお墨付きをもらったようなもの。そのため銀行などからの評価が上がることが期待できるでしょう。新規事業立ち上げで銀行から融資を受ける際の審査は厳しく、実績が求められると言われています。しかし助成金・補助金の受給実績があれば、銀行からの融資も受けやすくなります。

資金繰りが考えやすくなる(補助金)

補助金の採択が決定すると、事業内容の変更や交付申請にミスがない限りは、ある程度支給時期と支給額がイメージできるようになります。「これくらいの時期までに、○○万円程度支給される」と検討がつくため、資金繰りを考えやすくなるでしょう。

原則通年で申請可能(助成金)

助成金は原則通年で申請が可能です。とはいえ人気の助成金ではすぐに募集が終了してしまうこともあるので、注意が必要です。

どのようなデメリットがあるか?

申請期間がある

補助金は申請期間が数週間から1か月程度と短い傾向にあります。補助金は原則通年で申請が可能ですが「3月末の年度末いっぱい」を申請期限としているケースもあるため、油断は禁物です。

資格要件や審査がある

申請には定められた資格要件を満たしている必要があります。もちろん一つでも欠けている要件があれば申請できません。また書類審査・面接審査が設けられているケースもあります。

申請準備には時間と労力がかかる

申請には、申請書・事業計画書・損益計画など複数の書類を準備するケースが大半です。準備には時間と労力がかかることを事前に理解しておきましょう。なかには司法書士に書類の一部を作成してもらったり、相談する必要が生じたりと、コストがかかるケースもあります。また申請したからといって採択が約束されているわけではありません。時間と労力をかけて準備しても、不採択になる可能性もあります。

複数受給できないケースがある

税金を財源とした政府系の助成金・補助金は、複数受給が難しいケースがあります。特に同一の経費に対し複数の助成・補助を受けた場合、実際にかかった経費よりも受給金額の方が上回る可能性があるため、ルールが厳格化されています。複数応募すること自体はできるため、採択後に選ぶという形でも問題ありません。

基本的には後払いのため、まずは自社資金が必要

助成金や補助金は基本的に後払いの形で支給されます。実際に支出が発生する前にお金を受け取ることはできません。まずは自社資金で設備投資などの費用を支出し、あとから助成金・補助金が充当される形です。

使った経費の全額が支給されるわけではない

使った経費の全額ではなく、定められた助成率・補助率に沿った額が支給されます。通常は使った経費の2/3や1/3までで、また支給額の上限も定められています。

新規事業に申請できるおすすめの助成金・補助金

では実際にどのような助成金・補助金があるのでしょうか。具体例をご紹介します。

(2021年8月25日時点の情報です。最新情報は公式サイトをご確認ください)

ものづくり補助金

中小企業庁による、生産性向上を目的とした革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。新規事業立ち上げにとても適した補助金です。

参考:「ものづくり補助金総合サイト」(全国中小企業団体中央会)

小規模事業者持続化補助金

日本商工会議所による、小規模事業者が行う販路開拓・生産性向上の取り組みでかかった経費の一部を支援する補助金です。小規模事業者持続化補助金を使うことで、商工会議所から販路開拓や事業計画の作成に関する助言を受けることもできるため、資金面だけではない幅広いサポートを受けられるのが特長です。

参考:小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所)

創業助成金

東京都中小企業振興公社による、東京都内で5年以内に創業した中小企業が対象の助成金です。設備費、人件費、広告費と使用用途が広いため、創業したてで資金不足にある企業にはおすすめです。

参考:「創業助成金」(東京都中小企業振興公社)

参考:「東京都創業NET」(東京都産業労働局)

キャリアアップ助成金

厚生労働省による、非正規雇用の労働者のキャリアアップを目的とした助成金です。キャリアアップを促すことで労働者の意欲を高め、事業の生産性アップ・優秀な人材の確保につながります。キャリアアップ助成金には7つのコースがあるため、事業を進めるうえで適切なものを選択できます。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 諸手当制度等共通化コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

参考:「キャリアアップ助成金」(厚生労働省)

トライアル雇用助成金

厚生労働省による、ハローワークなどから紹介された職業経験の不足などで就職が困難な求職者を一定期間試用雇用した場合に支給される助成金です。労働者の適性を確認したうえで常用雇用に移れるため、ミスマッチを防ぐことができます。

参考:「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」(厚生労働省)

事業承継・引継ぎ補助金

中小企業庁による、事業承継によって会社を引き継いだ後継者が経営革新などを行う際に支給される補助金です。2021年8月25日現在、募集は終了していますが、今後も実施される可能性があるため小まめに情報をチェックすると良いでしょう。

参考:「事業承継・引継ぎ補助金」(事業承継・引継ぎ補助金事務局)

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ型)

中小機構と各都道府県の公共団体・金融機関などが共同出資し組成された地域独自の官民ファンドで、地域貢献性が高い事業に取り組む事業者に向けた助成金です。ファンドとありますが、無利子で資金の交付を受け取れるため、助成金と同じ扱いと考えて良いでしょう。

参考:「地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)」(中小機構)

コロナ禍で苦しむ企業を救う“事業再構築補助金”

中小企業庁による、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため思い切った事業再構築をする企業を支援する補助金です。新たな市場に進出、主な事業・業種の転換、事業再編などを行う中小企業・中堅企業・個人事業主・企業組合などが対象となっています。また主要申請要件のなかには、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことが含まれています。

参照:「事業再構築補助金」(経済産業省)

申請する際の注意点

申請する際には、下記に注意しておきましょう。

人気の補助金は倍率が高い

メリットの大きいもの、また要件が満たしやすいといった補助金は倍率が高くなることがあります。受給するためには「採択する価値がある」と受け取ってもらえるよう、事業をアピールすることが大切です。

助成金・補助金だけに頼るのはNG

助成金・補助金の活用は新規事業立ち上げにおいて有効的ですが、だからといってそれだけに頼るのはNGです。助成金・補助金は不採択になる可能性がありますし、後払いのものが多いので、自己資金を用意しておくことが欠かせません。あくまで、助成金・補助金はサポートとして存在することを理解しておきましょう。

申請から支給までの手順

助成金・補助金を申請し受給するまでの一般的な流れを解説します。

(申請する助成金・補助金によってステップが追加されたり、なかったりすることがあります)

ステップ1:自身の事業に合った助成金・補助金を見つける

まずは自社で進めている新規事業に合った助成金・補助金を見つけます。中小企業庁の「補助金等公募案内」のページ、厚生労働省の「各種助成金・奨励金等の制度」のページなどから探せます。そのほかにも「ミラサポPlus」といった、補助金・助成金の情報を自社の条件に合わせて検索できるサイトも多数ありますので、活用してみると良いでしょう。

ステップ2:助成金・補助金を申請する

申し込みたい助成金・補助金が見つかったら、各種サイトから募集要項・申請書をダウンロードします。必要事項を記入し、事務局に提出すれば申請は完了です。

ステップ3:交付申請書を提出する

選定の結果、採択が決定された場合は事務局から通知があります。その後は受給するための手続き(交付申請)を行います。

ステップ4:交付決定通知を受け取る

交付申請が認められると、交付決定通知が届きます。

ステップ5:事業開始

交付決定された内容で事業を開始します。事業開始後、実施状況について事務局からチェックを受けることがあります。もし事業内容を変更せざるを得ない場合は、事前に所定の手続きが必要です。

ステップ6:助成金・補助金が交付される

実施した事業の内容および経費を報告します。正しく実施されたことが確認されると、受給する金額が確定し助成金・補助金を受け取れます。領収書や証拠書類といった関係書類は補助事業終了後も5年間の保管義務がありますので、きちんと保存しておきましょう。

まとめ

新規事業を立ち上げる際には、設備費・開発費・人件費・広告費など、大きな資金が必要となります。その経済的負担の軽減に役立つのが、国や地方自治体が主催する助成金・補助金制度です。資格要件がある、必ず採択されるわけではない、人気のものは倍率が高いといった考慮すべき点はありますが、返済不要という大きなメリットがあります。まずは自社で行う新規事業に合ったものはないか調べてみることが大事です。

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