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フリーランスの営業職とは?仕事内容やメリットを解説

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営業職はフリーランスというはたらき方ができる職種の一つです。フリーランスの営業職は、営業代行や販売代理店として仕事を受け、自身の専門知識やスキルを活かして適切な仕事を選びながらはたらくことができます。

フリーランスの営業職には、会社員では得られないメリットがあります。ただし、フリーランスの営業職になるためには手続きや準備が必要です。

本記事では営業職のフリーランスの種類や仕事内容、報酬体系について解説します。また、フリーランスの営業職ではたらくメリットや必要な手続き・準備についても取り上げるので、現在は会社員の営業職で新しいキャリアを考えている場合は、参考にしてください。

フリーランスの営業職は2種類ある

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フリーランスの営業職のはたらき方は、主に営業代行と販売代理店の2種類です。それぞれの仕事内容や特徴を以下で解説します。

1.営業代行

営業代行は、企業の代わりに商品やサービスの営業活動を行ないます。営業代行を利用するのは、営業に必要な人員リソースが不足している企業や、営業ノウハウが不足していて即戦力となる営業職を求める企業が多い傾向にあります。

会社員で営業職をする場合、企業と雇用契約を結んで自社の商品・サービスを売り込みます。一方、営業代行では企業と業務委託契約を結び、営業活動を代行します。

営業代行を依頼する企業ごとに、求める営業活動の範囲はさまざまです。「商談のアポ取りのみ依頼したい」「アポ取りから商談実施・契約締結までを引き受けてほしい」といったケースもあります。自社に合った営業体制の構築を求められたり、営業コンサルをお願いされたりするケースもあるでしょう。

報酬体系は、企業や依頼される仕事の範囲によって異なる場合があります。固定報酬や成果報酬のほか、それらを組み合せた複合報酬を採用している場合もあります。

なお、フリーランス人材のマッチングサイトやエージェントサービス経由で、営業スキルを持つ人材として案件を受注するという手段もあります。

2.販売代理店

販売代理店は、企業から商品やサービスの販売権を得て、企業に代わって商品やサービスの営業や販売を行います。 販売代理店の場合、以下の種類に分類され、それぞれ営業・販売活動の範囲が異なります。

  • 紹介代理店(取次代理店)
  • 再販代理店(リセラー)
  • OEM

紹介代理店(取次代理店)の仕事は、商品やサービスを提供する企業に顧客を紹介する役割を果たすことです。商談や契約は企業が直接担当します。再販代理店は商品やサービスを仕入れ、営業活動から契約、アフターサービスまでを担当します。OEMでは、企業が製造した商材を他のブランド名で販売します。

報酬体系は成果報酬が一般的です。販売代理店が扱う商品やサービスが売上につながらない場合、報酬を得ることはできません。ただし、成果を上げた分だけ収入が増加するため、努力次第で収入を増やすことも可能です。 ただし、フリーランスの個人とは販売代理店の契約を結ばない企業もあるため注意しましょう。

営業代行の主な仕事内容

営業代行の仕事には、テレフォンアポインターやメール営業、インサイドセールス、フィールドセールス、新規顧客開拓、既存顧客対応などがあります。業務の手段は電話やメール、直接訪問など、仕事内容ごとにさまざまです。ここからは、それぞれのおもな仕事内容を紹介します。

テレフォンアポインター

テレフォンアポインターは、顧客となり得る相手へ電話をかけて営業活動し、商談アポイントを獲得する仕事です。通称「テレアポ」と呼ばれています。

報酬体系では、電話をかけるごとにあるいはアポイントを獲得するごとに、所定の報酬を支払われる傾向があります。1件あたりの報酬単価は、企業や扱う商品・サービスによって異なります。

メール営業

メール営業は、アポイント獲得するためにメール文面を作成・送信する仕事です。文章で営業活動するため、顧客が開封したくなるタイトルや、読みたくなる文章を作るテクニックが求められます。

クライアントが用意した営業先へメール営業するほか、営業先のリストアップの段階から依頼される場合もあります。

報酬体系は、固定報酬または成果報酬のどちらかが一般的です。

インサイドセールス

インサイドセールスは、顧客先を直接訪問せず、電話やオンライン会議ツールを使った非対面の営業活動です。

対応する仕事内容の範囲が広く、商談のアポイントを取るだけでなく、顧客へのプレゼンやヒアリング、契約締結までを含む場合もあります。

営業トークスキルが必須ですが、近年はオンライン会議ツールを使った営業活動も増えているため、新しいツールを使いこなすスキルも重要です。

1日あたりの固定報酬、または売上から所定割合を支払う成果報酬の報酬体系が多い仕事です。

フィールドセールス(対面営業)

フィールドセールスは、顧客先を訪問し、対面で営業活動を行う仕事です。商材の提案や取引、契約の最終確認(クロージング)に必要な説明をし、成約につなげます。

営業活動のなかでも成約に直接つながる部分であり、報酬も高く、高収入を目指すことのできる仕事内容です。

報酬はアポイント1件ごとや成約1件ごとに、売上から所定の割合が支払われることが多く、成果報酬を採用しているところが多いでしょう。

新規顧客開拓

新規顧客開拓は、見込み客へアプローチして新たな顧客を開拓する仕事です。テレアポと似ている点は主に電話を使うことですが、重点は成約の確度が高い顧客を獲得することに置かれています。

新規顧客開拓の成約率を上げるには、商材の特徴や強みを理解し、その商材を必要としている見込み客への営業を行うことが重要です。

既存顧客対応

既存顧客対応は、既存顧客の課題を把握し、必要に応じたフォローアップや顧客満足度を高める仕事です。さらに、リピート率を上げるための営業活動も行ないます。

また、既存顧客からのヒアリングによって、商材の改善や新規開発に必要な情報を集めることもあります。

長く付き合ってもらうため、既存顧客との関係作りやサポートをメイン業務とする場合は、固定報酬となるケースが多い傾向です。

フリーランスの営業職の報酬体系

フリーランスの営業職の報酬体系は、固定報酬と成果報酬、両者の特徴を併せ持つ複合報酬の3種類が存在します。

各報酬体系の特徴やメリット・デメリットを解説します。

固定報酬

固定報酬は、営業の成果に関係なく一定の金額が支払われる報酬体系です。月額制の場合が多く、会社員に近い感覚で報酬を得られます。

契約内容によっては決められた日数を指定場所ではたらき、会社員と似たはたらき方をするケースもあります。

固定報酬のメリットは、収入が安定する点です。フリーランスになった直後は受注量や得られる報酬が不安定になる場合もあります。毎月の収入が減少しても、固定で受け取れる報酬があれば安心でしょう。

しかし、営業活動に費やす時間や労力に対して報酬が少ないと、高収入を目指すことはできません。適切な金額設定がなされていない場合、時間や労力に見合った報酬を得ることは難しいと言えます。この点が固定報酬のデメリットとなります。

成果報酬

成果報酬は、営業活動の成果に応じた報酬が支払われる報酬体系です。成果1件ごとに固定金額を支払う場合や、売上金額から所定割合を支払う場合などが存在します。

単価の高い商品やサービスを営業する場合、努力次第で高収入を得ることも可能です。効率的に営業成果を上げれば、会社員より稼ぎやすい点が魅力です。

ただし、報酬は成果によって変動するため、収入が不安定になりやすいというデメリットもあります。

複合報酬

複合報酬は、固定報酬と成果報酬を組み合せた報酬体系です。一定の固定報酬に加え、成果に応じた報酬が上乗せされます。

複合報酬では、毎月一定金額を受け取りながら、成果によって収入を大幅に増やすことができるメリットがあります。ただし、固定報酬の金額が少ない場合は、成果報酬による収入の増減が大きく、不安定になりやすい報酬体系とも言えます。

フリーランスの営業職になるメリット

フリーランスの営業職になる代表的なメリットは以下のとおりです。

  • プライベートと両立させやすい
  • はたらき方の自由度が高い
  • 自分の努力で収入が上がる

各メリットの詳細と注意点を、以下で詳しく解説します。

プライベートと両立させやすい

フリーランスの営業職は、はたらく時間や日数を自身でコントロールしやすいため、プライベートと仕事の両立がしやすいはたらき方です。

ライフスタイルに合わせて業務の時間や日数を決めることで、たとえば、子どもの送迎や家族の介護、家事などの両立がしやすくなるでしょう。また平日の通院や役所で手続きが必要な際も比較的対処しやすく、会社員のように都度休暇を取得する必要もありません。

しかし、プライベートの時間を確保しながら営業の成果を出し続けるには、スケジュール管理が重要です。プライベートに時間を取られすぎて、仕事がおろそかにならないよう注意しましょう。

はたらき方の自由度が高い

フリーランスの営業職は、時間や・場所、商材にとらわれずに自由にはたらきやすいという特徴があります。一方、会社員の場合は、会社が営業手法や商材を指定するため、自分に適さない手法や商材ではモチベーションを保ちにくく、営業成果が上がりにくいケースもあるでしょう。

しかし、フリーランスの営業職の場合、営業手法や扱う商材を選びやすいというメリットがあります。また、定年がなく、依頼があれば何歳になってもはたらくことのできるはたらき方です。

はたらき方の自由度が高い点はメリットですが、自身で管理を行い不規則な生活にならないように注意しましょう。また、いつまでも仕事を受けられるフリーランスの営業職であるためには、スキルアップし続ける努力も必要です。

自分の努力で収入が上がる

会社員の場合、昇給は会社規定にもとづくため自身の努力がすべて収入に反映されるとは限りません。営業成果に応じたインセンティブが与えられる会社でも、金額は限定的な場合も少なくありません。

一方、フリーランスの営業職ならば、実績や単価交渉の結果次第で収入増を見込むことができます。営業成果に応じて収入が増えるため、やりがいを感じられる点がメリットです。

ただし、フリーランスの営業職は営業成果が思わしくなければ収入は下がる可能性があります。常に結果を出すための努力が必要なはたらき方です。

フリーランスの営業職になるために必要な手続き・準備

フリーランスの営業職になる場合、健康保険や年金の切り替えや、開業届・青色申告承認申請の手続きが必要です。また、仕事が安定するまでの備えとして、一定の貯蓄もあらかじめ準備しましょう。

健康保険・年金の切り替え

会社を退職してフリーランスになる場合、原則、勤めていた会社で加入していた健康保険・雇用保険・厚生年金保険は脱退し、国民健康保険に加入します。

国民健康保険への加入は、原則として会社を退職後14日以内に、住んでいる地域の役所で手続きを行う必要があります。年間収入が一定未満の場合、家族が勤める会社の健康保険に扶養で入ることもできます。また、退職後も期限はあるものの会社の健康保険を継続する「任意継続」という選択肢もあります。任意継続をする場合、会社負担分の保険料も支払うことになります。国民健康保険への切り替えとどちらが良いか、あらかじめ検討しておきましょう。

フリーランスになると、国民年金保険料を自分で払う必要があります。こちらも、会社を退職後14日以内に、住んでいる地域の役所で手続きを行う必要があります。

日本の公的年金は、20歳以上60歳未満の全員が加入する国民年金と、会社員が加入する厚生年金の2階建ての仕組みになっています。フリーランスになると会社員時代に加入していた厚生年金がありません。会社員からフリーランスになると、将来受け取れる年金の金額に影響する点にも留意しましょう。

開業届・青色申告承認申請

事業開始から1ヶ月以内に、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出が必要です。納税地を管轄する税務署に持参、または郵送して提出するほか、e-Taxでの電子申請も可能です。

フリーランスは確定申告して納税するため、青色申告承認申請もしておきましょう。確定申告には、白色申告と青色申告が存在します。青色申告は白色申告と比べて控除額が大きく、損失の繰越・繰り戻しできるなどメリットがあります。

青色申告をするには、申告する年の3月15日まで(その年の1月16日以降に事業をスタートする場合は開始日から2ヶ月以内)に、青色申告承認申請書の提出が必要です。開業届と合わせて青色申告承認申請の手続きも忘れずに行ないましょう。

一定の貯蓄

会社員なら毎月所定の賃金が支払われますが、フリーランスは収入が一定ではありません。大幅な収入増が可能な反面、仕事を受けられないと収入のない月も発生します。

そのため、事前にある程度の貯蓄を用意しておくと安心です。 必要な貯蓄額は、家族構成やライフスタイルにより変化します。月々の生活費やフリーランスの営業職として仕事をする際にかかる費用を試算し、必要な金額を貯蓄しましょう。

まとめ

フリーランスの営業職は、営業代行や販売代理店として企業と契約し、自身の営業スキルによって報酬を得るはたらき方です。努力次第で収入を大きく伸ばせてプライベートと両立させやすく、自由度の高いはたらき方ができます。

会社員からフリーランスになる場合、必要な手続きを知り、事前準備もしておきましょう。健康保険や年金の切り替え、開業届と青色申告承認申請の手続きが必要となり、一定の貯蓄があると安心です。

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