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周囲と自らの成長を持続するために多くの人とのつながりを大事にしたい

江本 匠弥
江本 匠弥
新卒で人材サービス企業 パーソルキャリア株式会社へ入社。プロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro」で新規事業立上・DX推進・人事制度再構築など、様々な領域でのプロジェクトマネジメントを実施。その傍ら、副業ではD2Cフードテックベンチャー企業でCOOを務めた後、現在はオフィス家具メーカーの新規事業の事業開発に従事。
江本 匠弥

※FUTURE GATEWAY公式サイトに掲載された記事です。許可を得て転載しています。

「FUTURE GATEWAY」は、先進的なライフスタイルを実践する人々を中心に、多様なパートナーとこれからのスタンダードをつくる共創イニシアチブです。この連載では、FUTURE GATEWAYに関わる人々の価値観に迫り、一緒に未来を考えていきたいと思います。

今回登場するのは、人材サービス企業 パーソルキャリア株式会社で「副業やフリーランスといった人材活用が当たり前となる社会」の実現を目指すタレントシェアリング事業に携わる傍ら、オフィス家具メーカーにて「モノと場所のシェアリング」の新規事業にも挑戦する働き方を実践している江本匠弥さん。周囲と自らが成長し続けるために、多くの人とつながり続けながら、先進的な事業やプロジェクトに関わる幅広い活動をされています。江本さんの具体的な活動内容、その活動に至った経緯や思い、これからの目標などについてお話を伺いました。

新たな働き方としての副業・兼業

江本 匠弥

FG:江本さんご自身の先進的な活動や事業について教えていただけますか?

江本:私は現在、人材サービス企業のパーソルキャリア株式会社に社員として勤めており、専門知見を有するプロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro(ハイプロ)」に携わっています。この事業は、日本の労働市場における問題を解決するための方法として注目されています。近年、副業や兼業、フリーランス人口は特にコロナ禍以降、急激に増加していることが統計データで明らかになっています。来るべき2030年、その先の日本が直面する労働課題の解決に向けて、副業・兼業・フリーランスの活用推進を目的とした事業が多く立ち上がることが予想されます。

私自身は2017年からこの事業に関わっており、顧問や個人事業主として独立されている人々や、自分のキャリアを活かしたいという人々をサポートしながら、私自身が多様なキャリアの在り方を学んできました。当社の提供するサービスでは、単なるプロ人材の紹介にとどまらず、新規事業の立ち上げや人事制度の再構築、DX(デジタルトランスフォーメーション)のためのシステム開発など、さまざまなプロジェクトで企業と協働しています。

一昔前は、独立か転職かという選択肢がキャリアの分岐点でしたが、それに加えて、副業や兼業の選択肢が広がり始めています。私たちは、こうした新しい動きを推進し、日本の労働問題を解決するための事業に取り組んでいます。

初めての副業はフードテック事業の立ち上げ

江本 匠弥

FG:コオロギ食のビジネスにも携わっていたとお聞きしていますが、それはどのような取り組みだったのでしょうか?

江本:個人としての先進的な活動になりますが、フードテック事業の立ち上げと商品開発に携わりました。このプロジェクトでは、私は事業開発の役割を担っていました。取り組みを始めた背景には、現職の副業や兼業を広める事業に携わる中で、私自身はこれまで会社員としての経験しか持っていなかったため、顧客やパートナーに対して十分な説得力がないと感じていたことがあります。

そこで、個人としてどのようなビジネスや関わり方であれば取り組むことができるのか、またどのようにして社会課題や将来ニーズに応える商品やサービスを開発できるのかを考えていました。この考えを巡らせていたのが、2020年の春ごろで、新型コロナウイルスの影響で生じた余剰時間が活用できるタイミングでした。

ちょうどその時、学生時代の知人と再会し、彼がコオロギ食品のビジネスを立ち上げようとしていることを知りました。友人が起業するタイミングで、私も事業に参加することになり、日本ではまだ一般的でなかったジャンルのブランドをゼロから立ち上げることにしました。その時点で、特に欧州を中心にコオロギ食品の認知が広がりつつありました。私たちは日本でも、サステナビリティの文脈においてトレンドが来ると信じ、まだ市場が存在しない時期から自社ブランドを立ち上げ、ECサイトをゼロから構築し、バラエティーショップなどへの卸売りを含む販売網の構築と商品開発を進めました。

この取り組みの先進性は、日本においてまだコオロギ食品が普及していない段階で、コオロギ食品の一般化を推進するという点にあります。

FG:フードテック事業の立ち上げに関しては、人材サービス企業での本業とは別の副業という位置付けになるのですか?

江本:当社では2019年度に「複業制度」が始まり、積極的に推進されています。私自身も実際に自分で副業、兼業を経験することで、新しい価値観や働き方、またそれが人や社会にどんな影響を与えるかを学びたかったのです。

FG:こちらが初めての副業、兼業体験だったのですか?

江本:プロジェクト単位で受けた仕事としては初めての経験でした。まだ一般的ではない新しい商品や価値を届けられている瞬間が、先進的な事業や働き方を続ける上で最大のモチベーションになっています。

父の働く姿が今の仕事観をつくった

江本 匠弥

FG:今はどのように仕事の配分をしていますか?

江本:フードテック事業での活動は終了しており、今はオフィス家具メーカーの新規事業であるシェアリングスペースのプラットフォーム事業に注力しています。これは、商業施設やホテル、駅などの遊休スペースを活用した事業です。日本ではコワーキングスペースの都心一極集中や、オフィスビルや商業施設を中心に不動産の遊休施設の利活用が課題となっており、その解決策となるコワーキングスペースプラットフォームの構築に取り組んでいます。

具体的には、スマホ専用アプリを使うと、私たちが提携しているコワーキングスペースがマップ上に表示されます。このアプリではスペースの予約ができるほか、ドロップインによる時間単位や月額会員としての利用も可能です。また、コワーキングスペースのオーナー企業様には自社のリユースオフィス什器もレンタルしています。

リモートワークやハイブリッド勤務が普及する中で、会社員やフリーランスを問わず、家や会社以外の第三の場所で、コミュニケーションを取りながら作業をして生産性を高めたいと考えている人々によって、コワーキングスペースの需要が拡大しています。こうしたニーズに応える先進的なビジネスが、コワーキングスペースのプラットフォーム事業だと考えています。

FG:現職と副業のワークスタイルはどのようにされていますか??

江本:会社員としての仕事は平日日中に集中しており、副業は平日の早朝と夜、週末に取り組んでいます。必要に応じて休暇は取りますが、土日はクライアントとのコミュニケーションや作業のために就業することが多いです。基礎体力には自信があります(笑)。

FG:現在の活動に至った経緯や思い、また大切にしていることについて教えてください。

江本:私は、幅広く深い知識を持つ人になりたいと思っています。AIや先進テクノロジーの進展は、働き方や生き方に大きな影響を与えています。その中で、人間にしかできない仕事や働き方があると信じています。私自身は「この人だから」と言われるようなユニークなアイデアや成果を出したいと考えています。現職を通して、個人を尊重する環境にいることでこれらの考え方に至りました。多様な人とビジネスに関わり続けることが、自分らしさや人間らしさを育てると思っています。

FG:人間性を重視し、人とのつながりを大切にしようという考え方や価値観を持つようになったきっかけは何ですか?

江本:やはり原体験が大きく影響していると思います。実家は自営業を営んでおり、父が三代目です。幼いころから父が働いている様子や、社員やお客様とのコミュニケーションを見て育ちました。父は仕事に熱心でしたが、同時に楽しみながら働いていました。それが私の人との関わり方や、仕事の楽しみ方に影響を与えています。成人してからは、資本主義のシステムを理解したうえで、どう自分自身が楽しく働けるかを常に考えています。私の価値観は、オーナーシップを発揮することの重要性から育まれたものです。

周囲と自らが成長し続けるために

江本 匠弥

FG:今後の目標や展望について教えてください。

江本:私の目標は、多くの人とのつながりを保ちながら、自身が成長し周囲に還元し続けることです。具体的なモノやコトももちろん大事にしながら、自分のありたい姿に近づきたいと思っています。特に、人との関係性を維持することは生活を送る上で重要だと考えています。また、私の経験やスキル、提供できる価値を高め続けたいと思っています。今後も先進的な事業やプロジェクトに関わることで、新たな課題に取り組んでいきたいです。

FG:現状感じられている課題や、取り組まれていることはありますか? あれば教えてください。

江本:目標を達成するための課題は、自分自身の価値観を根本から変えることが年々難しくなっていることです。これは自分の固定観念のもとで意思決定をしているからです。その壁を壊し続けるためには、さまざまなバックグラウンドを持つ人々との接点を増やし、そこから得られる刺激や気づき、学びを自分の行動や考え方に取り入れることが課題解決のための取り組みだと考えていますし、毎日意識しながら過ごしています。

FG:副業や兼業にも力を入れているのは、周囲のために自己の成長を望んでいるからですね。

江本:一つの会社で働き続けることは素晴らしいですし、そこで築く人間関係や成果も重要です。その上で、私は個人としてのアイデンティティや価値観を大切にし、自分が成長するための学びを深めたいと思っています。副業や兼業、その他さまざまな機会を通じて、多様な人たちとの接点を増やしていくことが大事だと考えています。

FG:最後に、FUTURE GATEWAYへの期待や、今後、こんな形で関っていきたいなどありましたら教えてください。

江本:FUTURE GATEWAYでは、初期からさまざまなワークショップやイベントに参加しています。今後期待することとしては、社会実装力の高いプロジェクトや仕組みをつくり、そのようなモチベーションを持つ人々が集まるコミュニティを期待しています。そうすることで、FUTURE GATEWAYが2030年以降の未来に価値を提供できるコミュニティになると思います。

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