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正社員とフリーランスの違いを比較|年収・手取り・社会保険・向いている人を解説

正社員とフリーランスの違いを表す画像

「正社員とフリーランスはどちらが稼げる?」「将来的に独立すべきか迷っている」という方も多いのではないでしょうか。

正社員とフリーランスでは、収入の仕組みや社会保険、福利厚生、はたらき方の自由度などが大きく異なります。また、近年は副業からフリーランスとして活動し、独立する人も増えています。

本記事では、正社員とフリーランスの違いを比較しながら、それぞれのメリット・デメリットや向いている人の特徴を解説します。

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正社員とフリーランスはどう違う?

正社員またはフリーランスがパソコンで仕事をするイメージ

正社員とフリーランスは、契約形態や収入の仕組み、社会保険、はたらき方などにさまざまな違いがあります。

正社員は企業と雇用契約を結び、組織の一員としてはたらくのに対し、フリーランスは企業や個人と業務委託契約などを結び、独立した立場で仕事を引き受けるのが一般的です。

まずは全体像を把握するために、正社員とフリーランスの主な違いを一覧で見てみましょう。

正社員とフリーランスの違い一覧

項目

正社員

フリーランス

契約形態

雇用契約

業務委託契約など

収入

給与

報酬

収入の安定性

比較的高い

案件状況によって変動

社会保険

健康保険・厚生年金

国民健康保険・国民年金

雇用保険

加入あり

原則なし

働く場所

会社の規定による

比較的自由

働く時間

会社の規定による

比較的自由

福利厚生

あり

原則なし

確定申告

原則不要(会社が年末調整を実施)

原則必要

このように、正社員は収入や社会保障の安定性に強みがあり、フリーランスははたらく場所や時間、仕事内容を選びやすい点が特徴です。ただし、どちらにもメリットとデメリットがあるため、一概にどちらが優れているとはいえません。違いを理解したうえで、自分の価値観やライフプランに合ったはたらき方を選ぶことが重要です。

ここからは、以下6つのポイントに分けて、正社員とフリーランスの違いを詳しく解説します。

  • はたらき方の違い
  • 収入・報酬形態の違い
  • はたらく場所や時間の違い
  • 社会保障・福利厚生の違い
  • 社会的信用とローンの組みやすさの違い

税金と社会保険の負担の違い

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フリーランスとは?意味や定義、自営業・フリーターとの違いをわかりやすく解説

はたらき方の違い

正社員は会社と雇用契約を結び、会社の指揮命令のもとではたらきます。勤務時間や勤務地、業務内容は会社の規定、人事部や上司の判断によって決まり、原則として毎月固定の給与が支払われます。

一方、フリーランスは案件ごとに企業と契約を結ぶことが多く、企業に所属するわけではありません。業務内容や納期など、契約で定められた範囲の仕事を自分の裁量で進めるのが一般的です。仕事の選択肢が増える一方で、仕事を獲得するための営業活動やスケジュール調整なども自身で行わなければなりません。

また、正社員は組織の一員として評価されるため、基本的にキャリアパスや昇進の仕組みが整えられています。フリーランスの場合は、キャリアの自由度が高い反面、キャリアアップやスキルアップには自主的に取り組む必要があります。

▼関連記事
はたらき方にはどんな種類がある?雇用形態や勤務時間による違いを解説

収入・報酬形態の違い

正社員の場合、基本的には毎月決まった日に「固定給」が振り込まれます。会社によっては業績や個人のパフォーマンスに応じた賞与(ボーナス)やインセンティブが支給されることもありますが、収入のベースが大きく変動することは多くありません。安定性が高い一方、「成果を上げても大幅な収入アップにはつながらない」と感じることもあるでしょう。

一方、フリーランスは契約内容に応じて「報酬」が支払われます。契約内容によって、報酬形態は時給制や固定報酬制、成果報酬制などさまざまです。プロジェクトごとに報酬が決まっている場合もあれば、月額固定で契約する場合もあります。自分で金額設定や交渉ができるため、高い専門性や実績があれば収入を大きく伸ばすことも可能です。ただし、案件がなければ収入が途絶えるリスクがあり、安定性の面では注意が必要です。

なお、正社員でも一部の職種や会社によってはインセンティブを重視した成果主義を導入している場合があり、フリーランスでも月額固定の報酬で契約する場合がありします。自身の給与や報酬形態を確認し、比較や検討をすることが大切です。

はたらく場所や時間の違い

正社員は基本的にオフィスや指定された勤務地に出社し、定められた勤務時間ではたらくことが一般的です。最近ではリモートワークやフレックスタイム制を導入する企業も増えていますが、会社の方針に従うことが求められます。休日や有給休暇の取得も、会社の就業規則や状況により調整が必要になることがあります。

一方、フリーランスの場合、クライアントに常駐する形態を除けば、基本的にはたらく場所や時間は自由なことが多いです。自宅やカフェ、コワーキングスペースなど、自分の好きな環境で仕事ができるほか、活動時間も深夜や早朝などライフスタイルに合わせて選ぶことも可能です。ただし、納期やミーティングなどクライアントの都合に合わせる必要がある場面もあるため、すべてが自由というわけではありません。

自由度が高い点はフリーランスの大きな魅力ですが、同時に自己管理能力が求められます。管理を怠ると納期に間に合わなくなる可能性があるため、スケジュール管理能力やモチベーション維持の工夫が重要です。

社会保障・福利厚生の違い

社会保障や福利厚生については、正社員とフリーランスで大きな違いがあります。正社員は会社の社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険など)に加入でき、保険料の一部を会社が負担してくれることが一般的です。また、会社によっては住宅手当や育児休暇制度、研修制度など、さまざまな福利厚生が用意されていることもあります。

一方、フリーランスは原則として国民健康保険や国民年金に加入することになり、保険料や年金保険料は全額自己負担です。

さらに、福利厚生面でも企業が提供するような社宅制度や資格取得支援制度、健康診断などのサポートはありません。すべて自分で管理し、必要であれば外部のサービスや保険を契約する必要があります。こうした面に不安を感じる方は、フリーランスとして活動する前に情報収集を行い、備えることが大切です。

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フリーランスに福利厚生はある?会社員との違いや備え方を解説

社会的信用とローンの組みやすさの違い

社会的信用の評価においては、日本では一般的に正社員のほうが有利に扱われる傾向があります。これは、銀行などの金融機関が、毎月一定の給与が継続的に支払われる正社員のはたらき方を、収入の安定性が高いと捉えることが多いためです。

一方、フリーランスの場合は、契約内容や案件状況によって収入が変動することがあるため、金融機関からは収入の継続性を慎重に確認されるケースが見られます。

そのため、年収水準が高い場合であっても、独立後間もない場合には、一定期間分(2〜3年程度)の確定申告実績の提出を求められることが多く、融資審査のハードルがやや高くなる場合があります。

正社員とフリーランスの違いは、一般的に以下のように整理されます。

比較項目

正社員

フリーランス

住宅ローン審査

勤続年数や雇用形態が評価され、比較的審査が進みやすい傾向がある

複数年分の収入実績が確認され、審査に時間や条件を要することがある

クレジットカード

入社直後でも申し込みやすい場合が多い

独立直後は審査結果が分かれることがある

賃貸契約

勤務先や年収をもとにスムーズに進むケースが多い

預貯金額や確定申告書類の提出を求められる場合がある

 このように、将来的に住宅購入やまとまった資金を必要とする融資を検討している場合には、はたらき方の変更が与信評価にどのような影響を与えうるかを、事前に把握しておくことが参考になります。

正社員という雇用形態が持つ「収入の安定性に基づく評価」を理解したうえで、自身のキャリアやライフプランに応じた選択を検討していくことが重要といえるでしょう。

税金と社会保険の負担の違い

税金や社会保険の仕組みは、正社員とフリーランスで取り扱いが異なる重要なポイントの一つです。

正社員の場合、所得税は毎月の給与から源泉徴収され、住民税も会社を通じて納付されるケースが一般的です。また、年末調整により税額が精算されるため、多くのケースでは個人で確定申告を行う必要がありません。このように、税務に関する手続きの一部を会社が担ってくれる点は、正社員の特徴といえます。

一方、フリーランスとして活動する場合は、売り上げから必要経費を差し引いた所得を自ら計算し、原則として毎年確定申告を行う必要があります。収入や経費の管理、申告書の作成などを個人で行うため、事務作業の比重は比較的高くなる傾向があります。

社会保険についても、加入制度や負担の仕組みに違いがあります。

正社員は、健康保険や厚生年金に加入し、保険料を会社と折半で負担する「労使折半」の仕組みが採られています。これにより、保険料負担が個人だけに集中しにくい点が特徴です。

これに対してフリーランスは、国民健康保険や国民年金に加入し、保険料を本人が全額負担する形となるのが一般的です。保険料額は前年の所得や自治体の基準によって異なるため、収入状況によっては負担感が大きく感じられることもあります。

このように、税金や社会保険の負担構造ははたらき方によって異なるため、独立を検討する際には、額面上の収入だけでなく、手取りや将来的な負担も含めて整理しておくことが望ましいでしょう。

正社員のメリット・デメリット

次に、正社員としてはたらく場合のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

正社員のメリット

正社員は、毎月の給与に加えて賞与や昇給などの制度が整っており、社会保険や福利厚生の充実により安定した生活基盤を築きやすいのが特徴です。

また、勤続年数や実績に応じた昇進の機会があることが多く、上司や先輩の指導を受けながらスキルを身に付けられる傾向にあります。さらに、人事や経理などのサポート体制が整っているため、自分の業務に専念するための環境が用意されているといえるでしょう。

毎月の安定した給与があることによって住宅ローン審査などの際に信用を得やすいのもメリットだといえます。

正社員のデメリット

一方、正社員のデメリットとしては、会社の就業規則や部署の方針に従うことを求められるため、勤務地や勤務時間の自由が限られ、所属する会社の制度によっては転勤や異動の可能性もある点が挙げられます。また、給与体系が固定されていることが多く、成果を上げても収入が大きく変わらない場合があります。さらに、副業を禁止している会社では収入源を増やす方法が限られることもあるでしょう。

加えて、組織によっても差異はありますが、重要な意思決定には上司や役員の承認が必要になることが多く、新しい取り組みを始めるのに時間がかかる場合があります。そのため、やりがいや自身の成長を感じにくいと思う人もいるかもしれません。

フリーランスのメリット・デメリット

続いて、フリーランスのメリットとデメリットを見ていきましょう。

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フリーランスのメリットとデメリット|会社員との違いや向き不向き、必要な準備も解説

フリーランスのメリット

フリーランスは、はたらく時間や場所を自由に選べることが多いため、ライフスタイルに合わせた柔軟なはたらき方が可能です。育児や介護、趣味との両立もしやすく、自分のペースで仕事を進めやすい傾向にあります。

HiProの調査によると、フリーランスのうち「はたらき方、就業環境」に満足している割合は、ハイクラス層(※1)では73.7%、メンバークラス層(※2)では69.8%となりました。

出典:副業・フリーランス人材白書2026(HiPro)

※1:高度な事業課題を解決できる経験・スキルを有する人材層。「副業・フリーランス人材白書2026」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円以上」とした。
※2:日常的に発生する業務に従事する人材層。「副業・フリーランス人材白書2026」における基準として「年収総額(一時的な収入や不労所得除く)が800万円未満」とした。

また、スキルや実績に応じて企業と報酬を交渉できるため、専門性を高めれば高単価の案件を獲得しやすくなり、収入を大きく伸ばすことも可能です。さらに、案件の選び方によっては自分の得意分野や好きな仕事に集中できるため、モチベーションを維持しやすく、やりがいを持ってはたらけるでしょう。キャリアの方向性を自ら決め、新しい分野への挑戦やスキルアップを自分の意思でスピーディに進められるのも大きな魅力です。

フリーランスのデメリット

一方、フリーランスのデメリットとしては、案件の受注状況によって収入が変動するなど、安定性に欠ける点が挙げられます。また、社会保障の面では自己管理が求められ、病気やケガによる収入減に備える必要があります。

契約の締結や請求書の発行、確定申告、営業や経理といったビジネス全般のスキルも求められ、それらの業務にかかる時間やコストも考慮しなければなりません。さらに、組織に所属しないため相談相手が少なく、孤独を感じやすいため、場合によってはコミュニティへの参加や情報共有の場を持つなど工夫が必要です。

同じ年収ならどちらを選ぶ?税金と手取りのリアルを解説

一見すると同じ年収・同じ水準の売り上げであれば、正社員でもフリーランスでも生活に大きな違いはないように感じられるかもしれません。しかし、手元に残る金額、いわゆる「手取り額」には差が生じるケースが多く見られます。

特にフリーランスとして独立を検討する場合、会社員時代と同じ年収水準の売り上げで、必ずしも同等の可処分所得や生活水準が確保できるとは限らない点には注意が必要です。

ここでは、なぜ手取りに差が出るのか、そしてフリーランスが目指すべき収益の目安について具体的に解説します。

額面が同じでも手取りが違う理由

額面年収が同じでも手取り額が異なる要因は、社会保険料の負担額と必要経費の扱いにあります。

正社員の場合、健康保険や厚生年金に加入し、保険料は会社と本人で折半して負担する仕組みが一般的です。また、厚生年金には国民年金に上乗せされる「2階部分」があるため、将来受け取る年金額も相対的に多くなる傾向があります。

一方、フリーランスは国民健康保険・国民年金に加入し、保険料を本人が全額負担する形となるのが一般的です。また、仕事で使用するパソコンや通信費、交通費などの必要経費についても、税務上は所得計算の際に差し引けるものの、実際の支出はすべて自身の売り上げから賄う必要があります。

このような違いから、フリーランスとして活動する際は、売り上げの金額だけでなく、最終的にどの程度の金額が手元に残るのかを事前に把握しておくことが重要になります。

会社員時代の「1.5倍」の売り上げが必要?損益分岐点の目安

一般的に、フリーランスが正社員時代と同程度の生活水準や将来の備えを意識する場合、会社員時代の年収の1.5〜2倍程度の売り上げを目安に考えられることがあります。

これは、正社員としてはたらいていた場合に会社が負担してくれていた、次のような要素を自分自身で補う必要が出てくるためです。

  1. 健康保険・年金など、社会保険料の自己負担分
  2. 退職金に相当する将来資金の自己積立
  3. 営業・経理・事務作業といった非稼働時間分のカバー
  4. 病気や怪我などではたらけなくなった際のリスク対策

たとえば、年収500万円の会社員がフリーランスに転身する場合、売り上げ750万円程度を一つの目安として考えるケースもあります。ただし、これはあくまで一般的なモデル例であり、業種や生活環境、家族構成などによって必要な売り上げ水準は大きく異なります。

独立を検討する際は「今の年収と同じ金額を稼げるか」ではなく、どの程度の手取りを確保したいのか、必要な保障をどう設計するかといった観点で整理することが現実的です。

税金・社会保険料の負担構造の違いをシミュレーション

正社員とフリーランスの負担構造を簡易的に比較してみましょう。

主な違いは以下のとおりです。

項目

正社員

フリーランス

加入保険

健康保険・厚生年金

国民健康保険・国民年金

保険料負担

会社と折半

全額自己負担

経費の扱い

給与所得控除(定額)

実費を計上可能

失業給付

対象

原則なし※

将来の年金

基礎年金+厚生年金

基礎年金のみ

※会社員からフリーランスへの転身する場合、一定の条件下では雇用保険の受給期間延長などの特例を利用できるケースがあります。

フリーランスの場合、青色申告特別控除や経費計上を活用できる点は特徴の一つですが、厚生年金に相当する「2階部分」がないため、将来の年金額は相対的に少なくなりやすい傾向があります。

そのため、iDeCoや小規模企業共済などの制度を活用し、不足しがちな保障や資産形成を自ら補う設計を行うことが一つの選択肢といえるでしょう。

出典:No.2072 青色申告特別控除(国税庁)
出典:第2 公的年金制度の体系(厚生労働省)
出典:国民健康保険制度の概要(厚生労働省)
出典:離職後に事業を開始等した場合の雇用保険受給期間の特例について(厚生労働省)

正社員というはたらき方が合いやすい人の特徴

はたらき方の選択肢が多様化するなかでも、正社員という雇用形態には多くのメリットがあります。特に、次のような考え方や価値観を持つ人にとっては、正社員としてのはたらき方が安心感につながりやすいといえるでしょう。

  • 組織の中ではたらくことで力を発揮しやすい人
  • 業務範囲が比較的明確な環境のほうが取り組みやすい人
  • 福利厚生や社会保険制度を重視したい人
  • 収入の変動が大きい状況に不安を感じやすい人

以下、それぞれ具体的に解説します。

組織の中ではたらくほうが力を発揮しやすい人

複数の人と役割分担をしながら進めるプロジェクトや、個人では実現が難しい規模の仕事に関わりたいと考える人にとっては、正社員というはたらき方が合いやすい場合があります。

企業という組織に属することで、予算・設備・ノウハウ・専門性の異なるメンバーなど、個人では得にくいリソースを活用しながら仕事に取り組める点は、大きな特徴です。また、会社のブランドや信用力を背景に、社会的影響力のある案件に関われる機会が広がることもあります。

「誰かと協力しながら目標を達成する過程にやりがいを感じる」「チームの一員として成果を積み上げていきたい」といったタイプの人は、組織環境の中で力を発揮しやすいでしょう。

加えて、研修制度やOJT、異動を通じたキャリア形成など、会社が用意している成長支援の仕組みを活用できる点も、正社員ならではの要素といえます。

業務範囲がある程度決まっているほうが取り組みやすい人

自分の役割や責任の範囲が明確に定義されている状況で、着実に仕事を進めることに適性がある人も正社員向きと考えられます。

フリーランスの場合、実務だけでなく、案件獲得のための営業、契約条件の調整、請求・経理など、さまざまな業務を自ら担う必要があります。

一方、正社員であれば、業務に集中しやすいようバックオフィス部門が分業・サポートしているケースが一般的です。

  • 「専門スキルの向上により多くの時間を使いたい」
  • 「事務作業や価格交渉にストレスを感じたくない」

上記のように考える人は、役割分担が整った会社組織のほうが、安定して成果を出しやすい可能性があります。

福利厚生や社会保険制度を重視したい人

手厚い福利厚生や、将来の安定した年金制度を重視するなら、正社員という選択が適していると感じる人も少なくありません。

正社員としてはたらく場合、企業によっては次のような福利厚生や制度を利用できます。

重視するポイント

正社員に見られる制度例

住居

家賃補助や社宅制度が利用できる場合がある

子育て

育児休業制度や時短勤務が制度化されている

健康

健康診断・人間ドック費用の補助、産業医への相談

将来

厚生年金への加入による年金給付水準の上乗せ

これらの制度は、特に家族がいる人や、健康リスクに備えたい人にとって安心材料の一つになり得るでしょう。

「将来の不確実性をできるだけ抑えながら、現在の生活基盤を安定させたい」という価値観を持つ場合、正社員としての雇用形態は合理的な選択肢の一つと考えられます。

収入の変動があると不安を感じやすい人

毎月決まったタイミングで、一定額の給与を受け取れる仕組みに安心感を覚える人にとっては、正社員のはたらき方が向いていることがあります。

フリーランスの場合、契約終了や案件調整、入金タイミングのズレなどにより、収入が月ごとに変動することも珍しくありません。

こうした不確実性が強いストレスにつながると、結果として仕事のパフォーマンスや生活全体に影響を及ぼす可能性があります。

安定した収入を前提に、計画的な貯蓄や余暇の過ごし方を考えたい人にとっては、固定給という仕組みが精神的な余裕につながるケースも多いでしょう。

フリーランスというはたらき方が合いやすい人の特徴

一方で、既存の枠組みに縛られず、自らの判断と責任で仕事を進めたいと考える人にとっては、フリーランスという選択肢が魅力的に映ることもあります。

「自由」には相応の「責任」が伴いますが、それらを乗り越えるプロセス自体にやりがいを感じる人にとっては、大きなやりがいにつながりやすいでしょう。

一般的に、フリーランスに適性がある人は、次のような傾向を持つことが多いとされています。

  • 自己裁量ではたらくことに魅力を感じる人
  • 臨機応変に対応できる柔軟性がある人
  • 年齢や在籍年数よりも成果で評価されたい人
  • 学び続けることを前向きに捉えられる人

以下、それぞれ具体的に解説します。

自己裁量ではたらくことに魅力を感じる人

仕事の内容や進め方、はたらく時間や場所を自分で調整したいという意識が強い人は、フリーランスとの相性がよい場合があります。

フリーランスであれば、ライフスタイルに合わせた稼働時間の設計や、リモートワークを前提とした働き方を選びやすくなります。形式的なルールに縛られず、自分なりの価値観を軸に仕事を進められる点に魅力を感じる人もいるでしょう。

一方で、自由度が高い分、納期管理や体調管理、モチベーション維持などを自分自身で行う必要があります。自己管理を前向きに捉えられるかどうかは、適性を見極める一つのポイントになります。

臨機応変に対応できる柔軟性がある人

予測不能な事態や環境の変化を楽しめる「変化への強さ」を持つ人も、フリーランスに向いています。

フリーランスの環境では、取引先の方針変更や業界トレンドの変化など、予想外の出来事が起こることも少なくありません。そうした変化に応じてスキルを見直したり、営業先を切り替えたりできる柔軟さは、仕事を継続するうえで重要な要素です。

また、トラブルが発生した際も柔軟に対応しなければなりません。トラブルを「ピンチ」ではなく「スキルの幅を広げるチャンス」と捉えられる前向きな姿勢が求められます。

年齢や在籍年数よりも成果で評価されたい人

「成果に見合った報酬を得たい」と、強い成長意欲を持つ人にとって、フリーランスは魅力的なはたらき方です。

正社員との一般的な違いを整理すると、以下のように考えられます。

評価の軸

正社員(一般的)

フリーランス

報酬の決まり方

職能・役職・年齢などを加味

市場価値・成果物の品質に基づく

昇給のスピード

定期的な査定が中心

随時(交渉や実績次第)

評価者

上司・人事部門

クライアント(市場)

自分の市場価値をダイレクトに感じたい人や、年齢に関係なく収入を伸ばしていきたい人にとって、フリーランスの環境は魅力的に映ることがあります。

学び続けることを前向きに捉えられる人

フリーランスとして仕事を続けていくうえでは、スキルや知識を定期的にアップデートしていく姿勢が重要になります。

環境の変化を負担と感じるよりも、新しい分野や技術に触れることを前向きに楽しめる人は、有利にはたらく場面が多いでしょう。

業務時間外でも情報収集や学習を行うことに抵抗がなく、知的好奇心を持ち続けられる人にとって、フリーランスは成長機会の多いはたらき方といえます。

正社員からフリーランスになるには?

正社員からフリーランスへの転向を考える場合、まずは自分が提供できる価値やスキルを明確にすることが重要です。エンジニアやデザイナー、ライターなど、専門性のあるスキルを持っている場合は案件を獲得しやすくなるでしょう。ただし、最近では営業やマーケティング、人事など、会社で培ったスキルや経験をそのまま活かせる案件も増えています。マッチングサービスなどで自身が得意な領域の案件を探してみるとよいでしょう。

会社を退職する際は、保険や年金の切り替え、確定申告などに関する知識も必要です。また、フリーランスとして継続的に成果を出すためにも、営業スキルや顧客とのコミュニケーション能力、自己管理能力などを磨いておきましょう。退職前に副業などで実績を作り、軌道に乗ってから独立する方法もおすすめです。

▼関連記事
フリーランスになるには?フリーランスの始め方を5ステップで解説

フリーランスから正社員に戻るには?

一方、フリーランス経験者が正社員に戻ることも可能です。現在の転職市場では即戦力としてのスキルや実績が評価される傾向にあり、年齢を問わず採用ニーズがあります。前職がフリーランスだったかどうかよりも、培ってきたスキルや経験が重視されています。

転職サービスdodaの調査では、「2025年2月の転職マーケット」において、求人数は前年同月比106.5%。転職希望者数は同108.8%でした。(2025年4月時点情報)

dodaの転職求人倍率・求人数・転職希望者数を示したグラフ

出典:転職求人倍率レポート(2025年2月)(転職・求人doda(デューダ))

また、dodaの「転職成功者の平均年齢調査」によると、転職成功者の平均年齢は2022年が32.2歳、2023年が32.4歳、2024年が32.7歳と年々上昇しており、転職成功者に占める40代以上の割合も2022年が13.9%、2023年が14.9%、2024年が16.6%と大きく上昇していることがわかります。(2025年3月時点情報)

転職市場そのものの盛り上がりに加え、40代以上といった経験豊富なミドル層の転職においては成果を上げる能力があることを示せれば、前職がフリーランスであっても正社員であってもあまり問題にならないと考えられるでしょう。

まずは「正社員×副業」から始めるのがおすすめ

フリーランスへの転向に興味があっても、いきなり会社を辞めるのはリスクが大きいと感じる方も多いでしょう。まず正社員としてはたらきながら副業でフリーランス活動をスタートするのがおすすめです。副業が解禁されている企業であれば、平日の朝や夜などの空き時間や休日などに少しずつクライアントを開拓し、実績作りを行えます。

副業で安定的な収益が出るようになれば、フリーランスとしての独立を検討してもよいでしょう。すでに取引実績のあるクライアントを抱えていれば、独立後の収入に対する不安も軽減できます。ただし、勤務先の規定で副業が認められているかを事前に確認し、確定申告など税務処理にも注意することが大切です。

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独立したいなら副業から始めるのがおすすめの5つの理由|注意点や必要なステップも解説

正社員とフリーランスに関するよくある質問

はたらき方の転換点は、人生における大きな決断です。ここからは、多くの人が抱く共通の疑問に対し、専門的な知見から回答します。

Q1.正社員のまま副業でフリーランスとしてはたらくことは可能?

正社員のまま副業でフリーランスとしてはたらくことは可能です。

副業から始めることで、自分のスキルが市場で通用するかを確認でき、独立後の「手取り感」を事前に把握できるという大きなメリットがあります。

会社の就業規則を確認し、本業に支障が出ない範囲で副業を行うことが大切です。

Q2.30代・40代からフリーランスとして独立は可能?

30代・40代からでもフリーランスとして独立は可能です。むしろ、30代・40代が持つ「専門スキル」と「人脈」は、フリーランスとして成功するための大きな武器になり得ます。

会社員として培った専門スキルや職務経験を活かせる領域であれば、即戦力として高単価案件を獲得できる可能性があるでしょう。

Q3.フリーランスと正社員はどちらが稼げますか?

一概にはいえません。正社員は収入が安定しやすい一方、フリーランスはスキルや実績によって高収入を目指せます。ただし、収入は案件獲得状況によって変動します。

正社員とフリーランスの違いを理解し、納得のいく選択をしよう

正社員とフリーランスには、はたらき方や収入形態、社会保障、キャリアの選択肢など、多くの違いがあります。正社員は安定性や社会的信用を得やすい反面、自由度は低くなる傾向があります。

一方、フリーランスは収入やはたらき方の面で自分の希望にあった環境を作りやすいものの、自分自身ですべてを管理する負担やリスクが存在します。どちらが合っているかはライフスタイルや価値観などによって異なるため、自分の目指すキャリア像や現在の状況を踏まえ、最適な選択ができるよう検討してみてください。

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