AIの活用事例12選!日常生活とビジネスシーンに分けてそれぞれ解説

AI(Artificial Intelligence:人工知能)は近年大きな進化が見られ、日常生活やビジネスシーンにおいてその活用を目にする機会が増えてきました。しかし、具体的にどうAIを活用すればよいのかイメージが湧かないという方も多いのではないでしょうか。AIをうまく活用できれば、個人としてのよりよい暮らしやビジネスパーソンとしてのさらなる活躍が期待できます。
本記事では、AIの活用事例を日常生活とビジネスシーンの2つに分けてご紹介します。AIの活用事例を踏まえて自身の生活やビジネスにAIを取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
AIとは

ここではAIについて以下3つのポイントで解説します。
- AIの定義
- AIの仕組み
- 機械学習やディープラーニングとの違い
順番に見ていきましょう。
AIの定義
AI(Artificial Intelligence:人工知能)とは、人間の思考プロセスに近い形で動作するコンピュータープログラムやシステムを指します。音声や画像、データなどを取り込み、それらを分析し問題を解決したり、意思決定を行ったりすることが可能です。そのため、AIを活用することによって、これまで人が行っていた作業の自動化や精度の向上が期待できます。
AIの仕組み
AIにはさまざまな種類がありますが、大量のデータをもとに学習を行い、そこから導き出された特徴や法則に基づいて適切な判断を下すという仕組みが一般的です。回答を出力するだけでなく、その後に必要なアクションまで担うケースも少なくありません。正確かつ迅速な判断やアクションが可能になるため、業務の効率化や精度の向上が期待されています。
機械学習やディープラーニングとの違い
AIに類似する言葉に機械学習やディープラーニングがあります。一般的には、AIが最も広義の概念であり、その中に機械学習が位置し、さらにその機械学習の中にディープラーニングが位置するという階層構造になっています。つまり、一般的にAIは機械学習やディープラーニングを含む概念です。
機械学習は近年のAIブームを支えるものであり、人間の「学習」に相当するものをコンピューター上で実現します。例えば、特定の物体が映った画像を大量に取り込み、特徴を抽出することでその物体を認識できるようにするといったものです。
ディープラーニングは、機械学習の中でも情報を処理する階層が複数あるニューラルネットワークを使用して学習するのが特徴です。情報を処理する階層が多いことで、細かな処理や複雑な判断が可能です。一般的な機械学習では、データの中で注目すべきポイントを人間が指示する必要がありますが、ディープラーニングではそのポイント自体の発見もAIが行います。
AIにできること
ここでは、AIにできることとして以下4つの代表的な機能をご紹介します。
- 画像認識
- 音声認識
- 自然言語処理
- 分析・予測・最適化
それぞれの活用方法も含めて見ていきましょう。
画像認識
画像認識は、視覚的な情報を捉え、分析する技術です。画像や動画に映っている物体や文字を認識できるため、スマートフォンやパソコンなどデバイス上での顔認証や、工場での良品選別などに活用されています。大量のパターンを学習させることで、あらかじめ設定された基準に合致するかどうかを正確に判断できるようになります。
音声認識
音声認識は、人間が話している音声をテキストデータに変換する技術です。会議の内容を文字起こししたり、後述する自然言語処理の機能と組み合わせることで音声アシスタントとして口頭での指示に対応したりすることが可能です。
自然言語処理
自然言語処理とは、人間が話している言葉をコンピューターが認識できる形式に変換する技術です。コンピューターは0と1の羅列によって情報を認識するため、人間が話す言葉をそのまま把握できるわけではありません。近年、スマートフォンなどに搭載されるようになった音声アシスタントは人間による口頭の指示に沿ってアクションを行いますが、その過程では人間の言葉を理解するための自然言語処理がなされているのです。
分析・予測・最適化
取り込んだ大量のデータをもとにした分析や予測、最適化もAIの得意分野です。大量のデータを瞬間的に処理し、将来を予測します。店舗の来店客数や商品の需要などが例として挙げられるでしょう。人間では扱いきれない膨大なデータを瞬時に処理できるのは、AI活用の大きなメリットです。
AIの活用事例|日常生活とビジネスシーンに分けて解説
ここでは、AIの活用事例として、日常生活とビジネスシーンで見られる技術をそれぞれ見ていきましょう。
身近で見られるAIの活用事例5選
身近で見られるAIの活用事例として、ここでは以下の5つをご紹介します。
- スマホや家電の音声アシスタント
- 自動車の自動運転やアシスト機能
- 掃除ロボット
- チャットボット
- 電話の自動応答
スマホや家電の音声アシスタント
スマホや家電などに搭載されている音声アシスタントは、人間が話す言葉を理解し、質問や依頼に応えるシステムです。音声認識や自然言語処理の技術が発達したことで、口頭で伝えた言葉を正確に理解できるようになりました。例えば、「今日の天気を教えて」「ティッシュを注文して」といった指示を聞き取り、要望に応えます。
自動車の自動運転やアシスト機能
自動車の自動運転や運転アシストの機能にもAI技術が活用されています。カメラ映像やセンサーなどによって周囲の状況を把握し、走行スピードや位置を調整します。また、障害物を検知したり車線からはみ出した際に警告したりすることで、安全な運転をサポートすることも可能です。
掃除ロボット
掃除ロボットは、スイッチをオンにするだけで室内を移動しながら自動で掃除をしてくれるものが一般的です。多少の障害物であれば、センサーによって衝突を回避しながら可能な範囲で掃除を行います。掃除ロボットを使うことで労力を抑えられるほか、外出中に掃除を行うといったことも可能になります。
チャットボット
チャットボットは近年、さまざまなサービスで活用されており、自動で案内を流したり、簡単な問い合わせに回答したりしています。自然言語処理によって人間の言葉を理解し、あらかじめ規定されたプログラムに沿って適切な回答を返します。カスタマーサポートなど、従来は多くの人手を要していた業務をAIチャットボットによって効率化しているケースは少なくありません。休日や祝日でもスピーディーに対応できる点は、AI活用のメリットだといえます。
電話の自動応答
チャットボットとも類似していますが、電話の自動応答にもAI技術が活用されています。番号による入力だけでなく、口頭で伝えた内容を自然言語処理によって理解し、適切な回答を提供します。
ビジネスシーンで見られるAIの活用事例7選
続いて、ビジネスシーンで見られるAIの活用事例として以下の7つを見ていきましょう。
- 製造業の需要予測や良品選別
- 農業の生産量予測や収穫物選別
- 医療現場の画像診断
- 物流業の配送効率化
- 小売業の需要予測やニーズ把握
- 教育現場のカリキュラム作成
- 商業施設などの混雑状況把握
製造業の需要予測や良品選別
製造業においては、製品の需要予測や製造時の良品選別にAI技術が活用されています。
過去の販売データや天候、カレンダーなどを組み合わせて高度な分析を行い、需要を正確に予測します。人間によるデータの処理や分析が不要になることで効率化につながるほか、データの学習によって予測精度の向上も期待できるでしょう。
また、製造現場においては画像認識の技術を使って良品の基準をAIに理解させ、選別を自動化することが可能です。人件費の削減はもちろん、目視による見落としのリスクも抑えられるため、今後もさらなる活用が期待されます。
農業の生産量予測や収穫物選別
農業の分野では、生産量の予測や収穫物の選別にAI技術が活用されています。土壌の状態や収穫物の生育状況を把握し、過去のデータをもとに数週間後の生産量を予測するといった使い方が可能です。また、製造業の良品選別と同様に、収穫物の基準を設定することで規格に合わないものを自動で排除でき、品質を安定させられます。
医療現場の画像診断
医療現場における画像診断も、AI技術によって効率化が進んでいる分野です。過去のデータをAIに学習させたうえでレントゲンやMRIの画像を認識させ、がんなどの早期発見に役立てられています。また介護の現場では、AIを搭載したカメラを使用することで、介護者の見守りなどにも役立てられています。
物流業の配送効率化
物流業界においては、過去の走行データや現在の混雑状況などをもとに、AIが効率的な配送ルートを算出しています。ドライバーの待ち時間や走行時間を短縮することで効率的な配送が可能となり、人手不足が深刻化する中で注目度が高まっています。
小売業の需要予測やニーズ把握
小売業においては、商品の需要予測や顧客ニーズの把握にAI技術が活用されています。過去の販売データなどをもとに需要の増減を正確に予測することで、仕入量や人員配置の調整が可能となります。また、広告やプロモーションなどの成果をデータとして取り込み、顧客ニーズを分析し把握することも可能です。
教育現場のカリキュラム作成
教育現場では、学習カリキュラムの作成をAI技術によって自動化する例が見られます。生徒ごとに理解度が異なる中、教師がそれぞれに合ったカリキュラムを作成するのは現実的ではありません。しかし、AI技術を活用すればテストの採点結果などをもとに生徒ごとの適切なプランを作成することが可能です。これにより、教師の負担軽減や学習効率の向上が期待できます。
商業施設などの混雑状況把握
商業施設などでは、混雑状況の把握にAI技術が活用されています。カメラ映像からエリアごとの混雑状況が可視化されるため、適切な接客の準備や対応が可能になります。人間による目視でも状況の確認は可能ですが、AIに活用することで、より客観的かつ正確な状況の把握が可能です。
まとめ
本記事では、AIの活用事例を日常生活とビジネスシーンの2つに分けてご紹介しました。
日常生活において、音声アシスタントや自動運転、チャットボットなどで目にする機会の増えたAI技術ですが、ビジネスシーンにおいてもさまざまな形で活用が進んでいます。正確な需要予測や良品選別の自動化など、AI技術の活用によって効率性や正確性が高まり、より付加価値を提供できるサービスへと進化させる例が増えています。
しかし、専門的な知見がない中でAI技術を導入するのは簡単ではありません。HiPro Bizは、経営課題解決に取り組む企業向けの経営支援サービスとして、企業が抱える課題の解決に資するプロ人材をご紹介します。ビジネスシーンにおけるAIの導入にあたり、一度専門家に相談してみたいという方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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