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イントレプレナーとは?注目の背景と向いている人材、育成方法を解説
時代の流れとともに技術は進歩し、求められるサービスは変化し続けています。変化が多い時代だからこそ、企業が生き残り続けるためには新しい戦略が欠かせません。そこで活躍するのが、社内で新しい事業を生み出すイントレプレナーです。 社員をイントレプレナーとして育てたいものの「何をすればよいのかわからない」「どのような特徴がある人を選べばよいのだろう」という方もいるのではないでしょうか。 本コラムでは、イントレプレナーの基本情報や、イントレプレナーに向いている人のポイント、企業の成功事例などを解説・紹介します。 イントレプレナーについて詳しく知りたい方、ビジネスや大規模プロジェクトの立ち上げに興味がある方、幹部候補育成の一環としてイントレプレナーを取り入れたい企業担当者の方の参考になれば幸いです。 イントレプレナーとは まずはイントレプレナーとはどういったものかを踏まえ、アントレプレナーとの違いを解説します。 イントレプレナーとは社内起業家のこと イントレプレナーとは社内起業家を意味し、社内で新規事業の立ち上げに取り組む人材のことです。イントレプレナーは、新規参入や新規事業の立ち上げなど、起業に匹敵する規模の案件の責任者になります。 イントレプレナーが携わるのは、企画やマーケティングなど起業にかかわる業務全般で、製品やサービスの開発、営業活動、さらには人事や予算まで統括するため、一社員でありながら実際には経営者のような役割を果たします。イントレプレナーはあらゆる場面での活躍が求められることから、全体を見渡して判断する能力が必要とされます。 アントレプレナーとの違い アントレプレナーとは、独立して「自ら起業する人」のことを指します。イントレプレナーとアントレプレナーの違いは、企業に所属しているか否かです。 アントレプレナーは、イントレプレナーとは違い企業の後ろ盾がありません。そのためアントレプレナーが背負うリスクは大きいものの、イントレプレナーよりも自分の意思を優先できるというメリットがあります。 一方イントレプレナーのメリットは、資金や設備、人材など企業のリソースを利用できる点です。社内調整はもちろん必要ですが、まったくのゼロから事業の立ち上げを始めるわけではありません。また、企業に所属しているため、イントレプレナーやメンバーの給与も最低限保証されることがほとんどです。 イントレプレナーの必要性 グローバル化やIT化により変化の激しい時代を迎えました。消費者ニーズも刻一刻と変化するため、柔軟に対応できなければ企業の生き残りは難しいでしょう。 そこで重要になるのが、時代の変化に合わせた新規事業の開発です。従来の売れ筋商品や既存顧客に固執するのではなく、新規事業を立ち上げ、新しい商品やサービスを開発し世に送り出します。そして、顧客獲得と売上拡大により企業を持続的に成長させていくことが必要とされています。 イントレプレナーがもたらすメリット イントレプレナーの活用は、事業拡大や人材育成に役立ちます。多くの企業が注目する理由を見てみましょう。 優秀な人材を確保できる 意欲的な人が社内で活躍できる場を設けると、優秀な人材の流出を防ぎやすいです。優秀な人は挑戦意欲や向上心が高い傾向にあり、より活躍できる場を求めて独立や転職を選択することもあるためです。 ただし独立にはリスクがあるため、優秀な人のなかにはリスクを考えて独立に踏み切れない人もいるでしょう。イントレプレナーは会社員としての安定性を手放すことなく、新たな挑戦ができるチャンスです。独立に踏み切れない人にとってもメリットとなるでしょう。 事業展開の幅が広がる ITの急速な発展や目まぐるしい情勢の変化などにより、企業の生き残りには独自の強みがよりいっそう求められる時代になりました。 イントレプレナーを育てることは、未開拓の分野への新規参入や新たな切り口での事業展開を推進し、企業全体の業績にもつながるでしょう。 幹部候補が育つ イントレプレナーは、新規事業を生み出す過程でビジネスの構築から展開まで幅広く経験します。そのため、イントレプレナーを育てることは幹部候補の育成にもつながると考えられます。 新規事業のリーダーとして行動するためには、全体を見通す経営者のような視点や社内外を対象にした調整力なども必要です。イントレプレナーとして活躍することで、そうしたスキルが培われていき、将来の幹部候補にもなるでしょう。 イントレプレナーに向いている人材 イントレプレナーは、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。では、イントレプレナーに向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。 視野が広い人 一社員でありながら実際には経営者のような役割を果たします。そのため「マーケティングだけ」「営業だけ」という限られた部分だけを見るのではなく、視野を広く持ち、事業全体を広く見渡す必要があります。 また、課題などが見つかった際には、事業全体のバランスを踏まえ、適切に対処するスキルも求められるでしょう。 知的好奇心が高い人 世の中の流行や話題、社会問題など、身の回りのできごとに関心を寄せると、「こうしたサービスが必要とされているかも」「問題解決に貢献できるかも」などのアイデアにつながりやすくなります。 知的好奇心を絶やさず、世の中の新たな動きをキャッチしようとする姿勢は、新たなビジネスチャンスを引き寄せていくといえるでしょう。 構想力が豊かな人 イントレプレナーには、新しいサービスを生み出すための構想力が必要です。アイデアが求められる機会も多いため、構想力は欠かせない能力です。 行動力がある人 アイデアを形にするためには、率先して行動するフットワークの軽さが求められます。事業の計画立案はもちろん、資金計画、マーケティング、営業活動、事務処理など、幅広い方面の実務に対応しなければいけないため、行動力は欠かせない要素だといえるでしょう。 忍耐力がある人 新規事業への挑戦には困難がつきものです。せっかく新規事業をスタートさせたものの、最初はなかなか成果が得られないことも珍しくありません。 新しいビジネスを切り開く立場だからこそ、忍耐力を持ち、皆を引っ張り、仕事をやり通す意思を持ち続けられることが重要となるでしょう。 柔軟性がある人 世の中がスピーディに変化していることもあり、事業が当初の計画どおりに進まないこともあるかもしれません。 そのため、社会問題をはじめ状況の変化に関心を持つと同時に、必要に応じて事業を軌道修正するだけの柔軟さが必要になるでしょう。 イントレプレナーの育成方法 イントレプレナーを育成するために大事なことは、アイデアを発信する機会や学び、刺激を得る機会などを整えることです。以下のような方法を企業で取り入れてはいかがでしょうか。 社内制度の見直し 新しいアイデアを発表できる場を設ける、新規事業のアイデアを公募するなど社内制度を見直して、イントレプレナーを育成しやすい環境を整えましょう。 よく見られる社内制度は、企業が新事業のアイデアを社員から募集する形式です。提出された案を審査し、見込みがあれば発案者をプロジェクトリーダーに据えて事業をスタートさせるという仕組みです。アイデアを集めるために、定期的に企画の社内コンテストを開催しても良いでしょう。 セミナー・研修への参加 イントレプレナーへの関心が高まるにつれ、イントレプレナーの育成を目的としたセミナーや研修が増えています。 イントレプレナーを育成する制度やノウハウが社内にない場合には、外部主催のものをうまく活用するのも良いでしょう。こうしたセミナーや研修は、休日や就業後の時間帯に開催されているものが多く、扱うテーマも多岐にわたります。 イントレプレナーを生み出す成功事例 イントレプレナーが活躍している2つの事例を紹介します。 菓子製造事業/A社 菓子製造事業を展開するA社に勤務するある社員は、商品開発マーケティングに携わっていました。その後、新規事業の開発担当を経験後に異動した新設部門で起業家と交流する機会があり、そのときの経験からイントレプレナーとしてコーポレートベンチャーの立ち上げに参画しました。 普通の会社員とは仕事の仕方が異なるため、最初は不安があったものの、徐々にゼロから企画することの楽しさに目覚め、他の起業家との交流も経験して学びを得ていったそうです。今では、新しいテーマをもとにした製品の販売や食に関する研修・サポート、マーケティング事業など、幅広く展開されています。 通信事業/B社 通信事業を展開するB社では、イントレプレナーの育成に力を入れています。社会課題が複雑化するなか、新しい事業をつくり課題に向き合う「起業家精神」を持った人材が必要だと考えたためです。 そのなかで生まれたのが、眠りを科学的に分析することや、睡眠を改善するための製品やサービスなどを開発する「スリープテック」事業です。これまで培った顧客基盤やデータ収集技術など、自社の強みに着目し、睡眠事業参入のサポートや従業員の睡眠改善支援など、新しいサービスをスタートさせました。 まとめ イントレプレナーを育成することは、事業の発展だけでなく優秀な人材の確保や幹部候補育成の面でもメリットがあります。イントレプレナーの育成には社内制度の見直しという手段がありますが、難しければ外部セミナーや研修を受講してもらうこともおすすめです。 イントレプレナーの育成で大切なのは、社員がアイデアを発信できる環境づくりと、社員が学びや刺激を得られる機会やバックアップ体制などを整えることです。 イントレプレナーに向いている人が、はじめから新規事業に積極的とは限りません。適宜、外部の力も活用しながら、イントレプレナーに興味がわくような環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。
社会により大きなインパクトを与えるために、独立の道へ。新規事業のプロフェッショナルが感じた、イノベーションの矛盾
近年はさまざまなデータを活用し、顧客の行動を細かく分析し、一人ひとりに合わせた体験価値を提供するビジネスモデルが増えています。それに伴い、データを活用する新規事業の立ち上げ・開発を担う人材の注目も高まっている状態です。しかし、新規事業の案件を担当するにあたって、どのような知識・スキルが必要となるのか、詳しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、データサイエンス領域を強みとし、ビッグデータ×新規事業で幅広い企業を支援した実績を持つ久米村氏に、新規事業の考え方や外部人材としての関わり方についてお伺いしました。
マーケット構造が複雑化する現代において、新規事業開発をリードする人材とは
昨今では、社会構造や消費者行動の変化、テクノロジーの急激な進歩、SDGsの浸透などによって、ビジネスモデル改革のニーズが高まっています。しかし、成長戦略として新規事業開発に取り組む企業が多い反面、課題も山積みになっている状態です。「新規事業アイデアの発案方法や絞り方が分からない」「現状から新規事業開発の方向性をどのように考えるべきか分からない」「仮説検証方法や事業評価基準を含めて、新規事業の妥当性が判断できない」「曖昧な上流の構想を、どのように新規事業として具現化すれば良いか分からない」「サービスのKGI・KPI設計が正しくできておらず、事業計画が絵に描いた餅になってしまう」そもそも新規事業に取り組むこと自体が初めてで、「何から取り組むべきか分からない」という状態に陥っている企業も、少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、幅広い業界の新規事業開発を支援する百瀬氏に、新規事業開発に重要な考え方を伺いました。
デジタルディスラプションとは?意味や事例をわかりやすく解説
昨今、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)はなくてはならないものとなっています。 その過程で発生するのが、デジタルによる破壊、つまりデジタルディスラプションです。デジタルに強みを持つ企業の参入により、既存のルールや実務内容が一新され、既存参入企業は撤退を余儀なくされる場合もあります。 本コラムでは、日本で起きているデジタルディスラプションの事例や、既存市場から追い出されないための方法などを解説します。 デジタルディスラプションとは? 「ディスラプション」とは、もともと「破裂」や「崩壊」を意味する言葉です。 またビジネスシーンにおけるディスラプションはデジタル技術によって発生することも多く、「デジタルディスラプション」と言われています。 デジタルディスラプションについて、総務省は令和3年版の情報通信白書にて以下のように定義しています。 デジタル・トランスフォーメーションは、自社にとどまらず、業界や社会全体を巻き込んだ破壊的変化を伴うことがある。このため、デジタル企業が市場に参入した結果、既存企業が市場からの退出を余儀なくされる事例が出ている。これをデジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊)という。 ※引用:令和3年版 情報通信白書(総務省) つまり、デジタルディスラプションは、革命的な変化によって業界や社会の常識を破壊し、業界全体が扱う製品・サービスにも変化を与えるほどの影響力を持った事象であるといえるでしょう。 ディスラプションとイノベーションの関係 イノベーションには、破壊的イノベーションと持続的イノベーションの2種類が存在します。 破壊的イノベーションとは、技術革新や新しいアイデアによって、既存事業の業界構造を一気に変化させることを指します。市場の常識が塗り替わることで、これまでの商品やサービスの価値を相対的に下げ、新しい市場を作り出すのです。 例えば、ある企業は掃除機にAIを搭載することで、掃除をロボットに任せるという新たな選択肢を提示し、掃除機の価値基準を一新しました。このように既存の常識をイノベーションによって破壊する流れをディスラプションと呼びます。 一方、持続的イノベーションとはすでにある製品・サービスの価値を顧客のニーズに合わせて向上させていくことを指します。 例えば、自動車はモデルチェンジによって高性能化や低燃費化を実現しています。これは持続的イノベーションの代表例と言えるでしょう。技術改革により、エンジンやインストルメントパネル(計器盤)などを改良し、顧客満足度を高めています。 業界別デジタルディスラプション事例 デジタルディスラプションは、いつ起きても不思議ではない現象です。デジタルディスラプションでユーザーの潜在的なニーズを実現することで、市場のリーダーシップを獲得することもあります。 今まで、どのようなデジタルディスラプションが発生してきたのでしょうか。各業界別の事例を詳しく解説します。 自動車業界のデジタルディスラプション事例 自動車業界で発生したデジタルディスラプションの事例で注目されるのは、近年の技術改革とデジタルテクノロジーの導入によって登場した、カーシェアリングやライドシェアなどのサービスです。 これらのシェアリングサービスの促進によって、自動車を所有する必要性が薄れていき、カーシェア事業者にビジネスモデルを転換する販売店も増えてきています。 音楽業界のデジタルディスラプション 音楽業界のデジタルディスラプションの代表的な事例といえば、音楽のストリーミング配信です。これまでアーティストの音楽を聴くには、ショップでCDを購入するか、レンタルするという選択肢が一般的でした。 しかし、デジタル技術の発展から、インターネット上で音楽を配信できるサービスが生まれ、爆発的に広がっていきます。このサービスにより、ユーザーはわざわざ店舗に足を運ばなくてもインターネット上で音楽を購入できるようになりました。 さらに、ストリーミングサービスが生まれ、特定の音楽を都度購入するモデルから、サブスクリプション(定額課金型)で音楽を制限なく聴けるサービスが登場しました。 その結果、CDを含めた物理メディアの売上は減少し、音楽市場のあり方と勢力図が大きく変わったのです。 小売業界のデジタルディスラプション 小売業界のデジタルディスラプションは、ECショップの台頭です。本来のショッピングは、顧客が販売店まで足を運んで商品を選ぶという方法でした。 しかし、ECショップは店舗に足を運ばなくともインターネット上で商品を購入することが可能です。また、品切れによる機会損失が発生した際、足を運ぶ実店舗よりも労力が少ない分、顧客離れにつながる確率を下げることが期待できます。 現在では店舗で実際に商品を手に取って確認し、購入する商品を決めてから、より安価で販売されるECサイトで購入するというケースも増えています。テック企業が小売業界に参入し、デジタルディスラプションによる破壊的イノベーションを起こすことで大きな成長を遂げた例だといえます。 デジタルディスラプションが発生する理由 なぜ、デジタルディスラプションは発生するのでしょうか。その理由を把握することで、今後、企業がどのような対策をおこなうべきかが見えてきます。 人材不足 日本でデジタルディスラプションが発生する主な理由の1つとして、人材不足が挙げられます。新興国で労働力人口が伸びているのに対して、日本は少子高齢化が進行し、超高齢化社会に突入しています。これにより、日本企業は破壊的イノベーションにリソースを割くほどの余裕がないと考えられるのです。 それを裏付けるように、日本企業はDX化が遅れています。この課題を理由に、日本企業ではイノベーションが起こりにくい状態となっており、デジタルディスラプションに巻き込まれやすくなっているのです。 総務省の調査によると、DX化の課題の一番の理由が人材不足であるという調査がでています。 出典:令和3年版 情報通信白書(総務省) デジタルディスラプションによる影響をなくすためにも、DX人材の育成が急務といえるでしょう。 既存システムの壁 既存システムは今までのビジネスプロセスに合わせて構築されているため、それがDX推進の柔軟性を奪い、ビジネスプロセスを変えられないケースがあります。 また、長期利用で既存システムが老朽化・複雑化・ブラックボックス化している企業も多く、DX推進の障害となっています。DX化の遅れにより、競合他社の変革スピードについていけず、デジタルディスラプションの発生に巻き込まれることもあります。 DX化の目的が業務効率化に留まっている これまで破壊的イノベーションをおこしてきた企業の多くは、DXで新たな価値創造に取り組んでいました。 しかし日本企業では、DX化の目的を社内の業務効率化にのみ留めるケースが数多く見受けられます。DXの本来の目的は、組織や事業の変革であり、業務効率化のためだけではありません。持続的な競争優位性を手に入れるためにも、ビジネスプロセスを抜本的に見直し、変化の激しい時代に適応することが求められるのです。 DX推進が遅れていると、企業は激しい変化に迅速かつ柔軟に適応する準備が整っていません。だからこそ、デジタルディスラプションが発生した際、結果的に日本へのインパクトが大きくなってしまうといえるでしょう。 イノベーションのジレンマ 破壊的イノベーションを起こす企業は、既存の概念を破壊し、市場のあり方を一変させます。 一方で、既存事業で安定したシェアを誇る企業は、既存の事業を捨てて、新しい事業に変革することに躊躇します。その間に技術改革を起こした企業は成長し、追いつけない企業は衰退していきます。 デジタルディスラプションを乗り越えるために必要なこと デジタルディスラプションには、業界を再編させるほどの大きな力があります。多くの企業がDX化を実現していくなかで、次なるデジタルディスラプションはいつ発生してもおかしくありません。 では、デジタルディスラプションを乗り越えるためには、何が必要なのでしょうか。 新規市場を開拓する デジタルディスラプションを乗り越えるためには、今いる市場やその顧客に依存するのではなく、新しい顧客に目を向け、市場の新規開拓をおこなうことが有効です。 現在の市場をすぐに捨てるのではなく、既存の市場で収益をあげつつ、すでに企業が持ち得ているノウハウを活かし、別の市場に参入するのもひとつの選択肢といえるでしょう。 レガシーシステムから脱却する デジタルディスラプションを乗り越えるためには、レガシーシステムからの脱却も必要です。レガシーシステムとは、古くなったシステムを指す言葉です。 自社のサービスに合わせて使い込んできた既存のシステムは、非常に使いやすいはずです。しかし、使い込むうちにシステムにコードが継ぎ足されて複雑化し、処理速度などに影響が出ることに加え、運用・保守に負担がかかる場合もあります。この技術的負債は、ビジネスの競争力にも大きな影響を与えるでしょう。 既存システムを使い続けることで、自社の競争優位性が失われては意味がありません。だからこそ、レガシーシステムから脱却することが必要です。 客観的に現状を把握する ビッグデータをもとに、常に自社の客観的な現状把握をしておくことも、デジタルディスラプションを乗り越えるために必要です。 市場のトレンドや競合他社の動向などをデータとして収集し、自社を客観的に評価しましょう。 自社の現状評価や業界内の変化に目を向ければ、デジタルディスラプションが起こる前に、最低限の対処が可能になります。 まとめ 本記事では、デジタルディスラプションの意味や発生事例について解説してきました。 DX推進により破壊的なイノベーションが起こり、ユーザーの利便性は飛躍的に高まっていくでしょう。その一方で、イノベーションを起こしている多くが、デジタルに強い新興企業です。現在シェアが取れている企業であっても、DX化に対応できなければいずれデジタルディスラプションに巻き込まれます。重要なのは、デジタルディスラプションが発生した際、その変化に自社が対応できるよう、事前に対応策を準備しておくことです。 本コラムを参考にして、デジタルディスラプションに向けた対策に取り組みましょう。
ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは?具体的な活用方法やポイントも解説
ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの現状を把握し、課題を明確にするためのフレームワークです。 しかし、ビジネスモデルキャンバスを活用したくても、「そもそもの意味がわからない」「進め方を知りたい」と考える方もいるのではないでしょうか。 本記事では、ビジネスモデルキャンバスの概要や具体的な活用方法を解説します。ビジネスモデルを考えていきたい方はぜひ参考にしてください。 ビジネスモデルキャンバス(BMC)とは ビジネスモデルキャンバス(Business Model Canvas)とは、ビジネスモデルを考える際に、要素ごとに構造を整理して可視化するためのフレームワークです。主に、以下9つの要素で構成されています。 Customer segments(顧客層) Channels(チャネル) Value proposition(提供価値) Key resources(リソース) Key activities(主要活動) Customer relationships(顧客との関係性) Key partners(パートナー) Revenue streams(収益の流れ) Cost structure(コスト構造) Customer segments(顧客層) 自社製品やサービスを介して価値を提供したい人、つまりプロジェクトにおけるターゲットとなりうる見込み顧客と顧客層の明確化です。 顧客層を分析する際のポイントは、なるべく具体的にイメージすることです。年齢、性別、生活様式、どのような課題を抱えていて何に困っているのか考えましょう。 Channels(チャネル) チャネルとは、自社の価値を見込み顧客へ届けるために必要なコミュニケーションの起点となるポイントです。顧客は、さまざまな方法で情報を入手した結果、自社の商品やサービスの存在を知ります。 情報収集元の具体例は、SNSの企業アカウント、検索エンジン、ECサイトなどがあります。 また、チャネルを考えるときは、以下5つのフェーズに分けて検討すると効率的です。 フェーズ 概要 施策例 認識 見込み顧客との接点を作るためのフェーズ サービスサイト、SNS、オウンドメディア、各種広告など 評価 見込み顧客が商品やサービスと触れる機会を作るフェーズ トライアルの実施、サンプル品の提供など 購入 自社の商品やサービスを見込み顧客がどのような手段で購入するかを考えるフェーズ 購入は、対面かオンラインなどの手段が考えられます。近年はオンライン化が進んでいるものの、商品やサービスの性質上、どうしても対面で実施しなければ魅力を伝えられないケースもあるため、使い分けることを重視してください。 流通 自社の商品やサービスの成約後に、顧客がどのような手段で受け取るのかを明確にするフェーズ 無形商材であれば、オンライン上で完結する場合が多いでしょう。有形商材の場合には配送する場合が多いですが、顧客が来店して直接受け取る場合もあります。 アフターセールス 商品やサービスの成約後に、アフターサポートを検討するフェーズ 商品・サービスの使用方法などの疑問点を解消するだけでなく、悩みごとの効果的な活用例の共有など、より本質的な顧客の課題解決につながるサポートを心がけましょう。 Value proposition(提供価値) 提供価値とは、自社の商品やサービスを通じて顧客が得られる価値です。 顧客は、自分にとってどのような価値が得られるのかを考えてから、商品やサービスを選定し、購入します。そのため、提供価値の確認は、自社商品が顧客にもたらす価値を洗い出すことでもあります。 また、提供価値を分析するときにはバリュープロポジションキャンバスの利用が効果的です。バリュープロポジションキャンバスとは、自社の商品やサービスと顧客のニーズに生じるズレを解消するためのフレームワークです。 具体的には顧客への提供価値と顧客セグメントの要素を書き出し、両者の関係性を可視化します。結果、顧客のセグメントに価値のある提供ができているかを見極められます。 Key resources(リソース) リソースとは、価値提供の継続に不可欠な経営資源です。具体的には以下4つの要素があげられます。 人:企業でビジネスに関与する従業員 財務:企業で保有する資金など 有形資産:店舗、設備、在庫など 無形資産:特許、著作権、ブランドなど Key activities(主要活動) 主要活動とは、顧客への価値提供をするために実施が求められるアクションのことです。主要活動は、主に以下3つの分類で考えます。 生産:顧客のニーズを満たす商品の開発や生産計画 問題解決:製品やサービスに潜む問題を解決するための仕組み プラットフォーム:ビジネスモデルのなかで新たなビジネスが誕生する仕組み これらの活動を通じて、自社が価値ある商材を創出・提供するための基盤を整えていきます。 Customer relationships(顧客との関係性) 自社の商品やサービスを利用する顧客が、確立や維持を期待するつながりです。 カスタマーサポート:電話やメールなどを通じて顧客と直接やりとりする方法です。自社の仕様を満たした独自のシステム開発やサービスでの契約で多く見られます。 セルフサービス:SaaSサービスやECサイトなどを通じて、顧客自身が解決できる仕組みです。 専用コミュニティ:同じ目的を持った人同士が集まる空間です。コミュニティ内で情報共有を実施することで、自社の介在なしで疑問の解消ができるだけでなく、新規商品の開発にも役立つでしょう。 Key partners(パートナー) パートナーとは、自社の活動を支援してくれる主要な外部リソースとサプライヤーです。パートナーは、自社内のリソースだけでは不足するときに助けとなってくれます。パートナーには、以下3つの種類があります。 業務提携:技術・生産・販売の強化を目的に、複数の企業が協力関係を築く形態 合弁事業:複数の企業が出資し、お互いの弱点を補いながら新規プロジェクトを推進する形態 サプライヤー:自社製品の材料やサービス開発で必要となる人的リソースを提供する業者 Revenue streams(収益の流れ) 顧客に価値を提供した結果、得られた対価そのものと、対価が企業のもとに届くまでの流れのことです。顧客に価値を提供するときには、どのような流れで収益に結びつくのかを考えなければなりません。 Cost structure(コスト構造) コスト構造とは、ビジネスの運用に際して発生するすべてのコストです。 コスト構造は、これまで紹介してきたValue proposition(提供価値)、Key resources(リソース)、Key activities(主要活動)、Key partners(パートナー)を考慮して算出すると効率的に進められます。 ビジネスモデルキャンバスの作成手順 ビジネスモデルキャンバスは、以下の手順で作成します。 顧客層と提供価値を明確にする コスト構造は最後に設定する それぞれの作り方を理解し、ビジネスモデルキャンバスを効果的に進めましょう。 1.顧客層と提供価値を明確にする 9つの要素のなかでも、Customer segments(顧客層)とValue proposition(提供価値)を明確にしましょう。 上記を明確にすることで、企業にとって最適なChannels(チャネル)、Customer relationships(顧客との関係性)、Key partners(パートナー)、Key resources(リソース)、Key activities(主要活動)、Revenue streams(収益の流れ)を導き出せるためです。 2.コスト構造は最後に設定する コスト構造は最後に設定します。なぜなら、コスト構造はすべての要素が確立してから俯瞰的に考え、設定する必要があるからです。 ビジネスモデルキャンバスのポイント ビジネスモデルキャンバスには、以下3つのポイントがあります。 全体像の把握を目的に実施する 要素を書き込みすぎない 新規事業ばかりに目を向けない 全体像の把握を目的に実施する ビジネスモデルキャンバスは、全体像の把握が目的のひとつです。そのため、要素を洗い出すときにはある要素に時間をかけるよりも、全体を埋めるためにスピーディーに進めることがポイントです。 一度作成したら終わるわけではないため、すべてを埋めてから全体像を把握し、少しずつブラッシュアップして内容の精度を上げていきましょう。 要素を書き込みすぎない ビジネスモデルキャンバスは、1つひとつの要素に書き込みすぎないよう注意してください。内容が難渋になり全体像を把握しにくくなると、ビジネスモデルキャンバスが本来の機能を発揮できない可能性があります。 できるだけシンプルにすると、全体像を把握しやすくなるでしょう。 新規事業ばかりに目を向けない ビジネスモデルキャンバスは、新規事業ばかりに目を向けず、既存事業にも着目することが大切です。なぜなら、実際に書き出してみると既存事業の課題が見えてくるため、新規事業に取り組むよりも課題解決をするほうが即効性の高い効果が見込めるケースもあるためです。もちろん、既存事業でもキャンバス内の要素同士を比べながら、効率化を図る必要があります。 リーンキャンバスとの違い ビジネスモデルキャンバスと似たフレームワークに、リーンキャンバスと呼ばれるものがあります。リーンキャンバスとは、以下9つの要素を可視化するためのフレームワークです。 Customer Segments(顧客層) Problem(課題) Unique Value Proposition(独自の価値提案) Solution(ソリューション) Channel(チャネル) Revenue Streams(収益の流れ) Key Metrics(主要指標) Cost Structure(コスト構造) Unfair Advantage(圧倒的な優位性) リーンキャンバスは、新規事業の企画立案時に効果的なフレームワークです。リーンキャンバスは独自の価値提案や圧倒的な優位性などの要素が追加されており、新規ビジネスやサービスの本質や強みを把握しやすいです。 まとめ 本記事では、ビジネスモデルキャンバスの概要や具体的な活用方法を解説しました。 ビジネスモデルキャンバスは、9つの要素によりビジネスモデルの全体像を可視化できるため、現状の把握や課題の認識につながります。新規ビジネスの立案時に活用したいときには、ビジネスモデルキャンバスよりもリーンキャンバスを活用してみましょう。 それぞれの使い方や欠点を理解し、自社の価値や強みの可視化をしてください。
アップサイクルとは?リサイクルやリメイクとの違いや企業事例について解説
廃棄物に新たな価値を与えることで、製品として再生させるアップサイクルは、 SDGsとの関連性の高さから注目が集まり、現在はアップサイクルに取り組む企業が増えています。 本記事では、アップサイクルが注目されている背景や、企業がアップサイクルに取り組むメリット、企業事例を紹介します。アップサイクルの取り組みを検討している方は、ぜひ参考にしてください。 アップサイクル(UP CYCLE)とは? アップサイクルとは、本来捨てられるはずだった廃棄物に機能性やデザイン性などの付加価値を加え、別の製品としてアップグレードさせることです。 産業革命以降、世の中は大量生産、大量消費が一般的でした。その影響で現在は資源の枯渇が叫ばれ、持続可能な社会が求められるようになったことから、アップサイクルに注目が集まりはじめています。 特に、古くから「もったいない」の精神が根付いている日本では、江戸時代に稲作をベースとした循環型社会が実現されていました。 アップサイクルという言葉はなかったものの、古くから再利用の文化が盛んだった日本では、持続可能な社会の実現に向けたアップサイクルへの取り組みが見直されています。 アップサイクルの類似語のリサイクルやリメイクとの違い アップサイクルには、いくつか混同されやすい類似語があります。それぞれの言葉とアップサイクルとの違いを見ていきましょう。 リサイクル リサイクルとは再利用のことです。本来捨てられるはずの廃棄物を再利用する点ではアップサイクルと同じですが、リサイクルの場合は、一度廃棄物を資源に変えてから新たな製品を作ります。 古紙を例にすると、一度資源に戻してトイレットペーパーや新聞紙を作るのがリサイクル、古紙の素材をそのまま活かしてアクセサリーを作るのがアップサイクルです。 アップサイクルの場合は製品の素材をそのまま活かします。製品を原料に戻す際のエネルギーが必要なリサイクルよりも、効率的かつ持続可能だといえるでしょう。 リメイク リメイクとは日本語で「作り直す」を意味し、廃棄物にアレンジを加えて別のものにすることです。 アップサイクルと同様、資源をそのまま活かして製品が作られます。アップサイクルと異なる点は、価値向上に重きを置いていないことです。そのため、リメイクの場合は、加工後に必ずしも価値が高まるわけではないといえます。 リユース リユースとは、使用しなくなったものをアレンジなどせずに、そのまま繰り返し使うことです。例えば、使わない家具や洋服などをフリマアプリで譲る、古い家電を修理して再度使用するなどがリユースにあたります。 新たな機能性やデザイン性を加えることで廃棄物をアップグレードするアップサイクルとは、考え方自体が異なるものです。 ダウンサイクル ダウンサイクルは、アップサイクルの対義語となる概念です。アップサイクルでは価値を上げることを重視しますが、ダウンサイクルでは、元の製品の価値よりも下げたものを作ります。 着られなくなったTシャツを例にすると、ダウンサイクルの場合は雑巾に、アップサイクルの場合は、バッグなど価値のある製品に作り直すことを指します。 ダウンサイクルだと、アレンジしたあとの製品はリサイクル不能になりやすいため、持続性の観点からみるとアップサイクルのほうが勝るといえるでしょう。 リデュース リデュースとは、資源の量などを改善することでゴミの排出量を減らそうという考え方です。廃棄物にアレンジを加えて再利用するアップサイクルとは、考え方自体が異なります。 具体的には、エコバッグを使用する、マイボトルを持ち歩くなどが該当します。企業が製品を作る際に、資源を削減することもリデュースの1つです。 リデュースはゴミを出さないことに意識を向けた取り組みのため、アップサイクルやリサイクル、リユース、リメイクよりも優先して取り組むべき事柄だといえるでしょう。 アップサイクルが注目されている背景 アップサイクルが注目されている背景には、資源の枯渇があります。大量の資源やエネルギーを使って生産と消費を繰り返すような現在の経済システムでは、未来が保証されない時代に突入しているのです。 SDGsのなかにも、資源の有効活用に関する目標が掲げられています。持続可能な社会を実現するためには、企業と消費者が未来に向けて行動を変える必要があるでしょう。 特に企業は自社の利益を求めるだけでなく、地球や社会のことを念頭においた企業活動が重要になります。 アップサイクルは素材を活かして作り直すため、一度原料に戻すエネルギーやコストがかかりません。企業が資源の有効活用を目指すうえでも、アップサイクルは効果的な手段であるといえるでしょう。 アップサイクルとSDGsの関係 SDGsの17項目のうち、アップサイクルに関連性が高いのは、目標12「つくる責任 つかう責任」です。企業には、資源を有効活用した製品づくりや、食品ロス・衣服ロスを削減する取り組みなどが求められています。 また、SDGsの考え方が普及した昨今では、消費者の意識も向上している状況です。アメリカでは、消費者が一目でアップサイクル食品や製品を見分けられる「アップサイクル認証」の制度がスタートしています。 企業に求められるのは、今までのような利益追求だけではなく、社会課題の解決へ向けた活動です。企業として持続的な経営を実現するためには、アップサイクルをはじめ、SDGsへの取り組みを消費者や投資家にアピールすることが求められています。 企業がアップサイクルに取り組むメリット ここでは企業としてアップサイクルに取り組むメリットを解説します。 新規事業の創出 アップサイクルに取り組むことで、他業界への進出や連携、新ビジネスへの発展などが期待できます。例えば、ファッション業界の企業が異業種の企業と協力して、廃棄服のアップサイクルに取り組む事業を展開している事例があります。 また、IT技術を使い、「廃棄物を出す企業」と「廃棄物を素材として活用したい企業」を結び付けるプラットフォームを開発する企業も登場しています。今後も、業界を超えたアップサイクルへの取り組みに期待が高まります。 省エネルギー アップサイクルは、廃棄物を素材に活かして製品を作り出すものです。素材を資源に戻さないため、アップサイクルは企業にとっても好都合といえます。製造工程で地球への負荷を減らせる点も、大きなメリットです。 コスト削減 アップサイクルは、廃棄物を代替素材として活用するため、素材の仕入れや製造のコストを削減できる点がメリットです。さらに、素材をそのまま再利用するため、ものとしての寿命を長く保つことにもなります。 企業PR SDGsの普及によるサステナブルな商品への意識の高まりは、投資家の動向にも影響を与えています。近年、投資家たちは投資先の企業を見極める際に重視しているのは、持続可能な経済成長ができる企業かどうかです。環境問題や社会問題への貢献度も意識する必要があります。 資源の有効活用に大きく貢献するアップサイクル製品の開発や製造は、環境問題への貢献ととらえられるため、投資家に向けたよいPR材料となるでしょう。 アップサイクルが注目されている業界 アップサイクルの取り組みが注目されている、衣料(アパレル)業界と食品業界について解説します。 衣料(アパレル)業界 衣料(アパレル)業界は、製品の製造工程にかかるエネルギーや、製品自体のライフサイクルの短さから、環境負荷が大きい産業といわれています。実際、衣服製作では原材料の調達、染色、裁断や裁縫など製造工程が複雑で、その際にかかる環境負荷は決して少なくありません。 また、環境省の発表では、衣料品は年間50万トンを超える量がごみとして出され、9割以上が焼却や埋め立て処分されています。再資源化されている割合がごくわずかなことから、アップサイクルへの取り組みが注目されています。 ※出典:SUSTAINABLE FASHION これからのファッションを持続可能に(環境省) 食品業界 農林水産省が発表した2020年度の推計では、日本国内だけで年間522万トンの食品ロスが発生していると触れられています。 出典:食品ロスとは(農林水産省) このような食品ロスの多さを改善するため、SDGsの目標12を構成するターゲットのなかに、食品ロスの削減が重要な課題として設定されています。 アップサイクルの企業事例 アップサイクル事業に取り組む企業の例を、3社紹介します。 衣料業界/A社 衣料ブランドA社は、衣料廃棄ロスを解決するため、経年劣化によって提供不可となった衣料品のアップサイクルプロジェクトを開始しました。このプロジェクトを通じて、同社はブルゾンの中綿を活かしたパソコンケースや、パンツのポケットを活かしたバッグなどを生み出しています。 アイテムの色や柄は、素材の特徴をそのまま活かして作られているため、完全一点ものです。このアップサイクルプロジェクトを通じて、同社は経年劣化した多種多様な衣料品を、消費者が楽しめる新たな製品へと生まれ変わらせることに成功しています。 食品業界/B社 食品メーカーB社は、10年後の人と地球のことを考え、アップサイクルへの取り組みにつながる新たなプロジェクトをスタートさせました。それはB社がこれまで蓄積してきた加工技術を駆使し、食材をまるごと使うことに重きを置いた、新たな商品ブランドの開発です。 食材の皮や芯、種などを可能な限りすべて使いながらも、おいしさを引き出したペーストや麺の商品を開発しています。このプロジェクトを通じて、同社は資源の有効活用だけでなく、栄養満点な製品づくりで人々の健康増進にも寄与する取り組みへとつなげています。 インフラ業界/C社 高速道路の建設や管理などのインフラ事業をメインとするC社では、企業の環境配慮に取り組む姿勢を、人々にわかりやすく伝えるプロジェクトを立ち上げました。 新規プロジェクトでは、おもに工事現場で使用され、廃棄処分されていた横断幕をアップサイクルしています。具体的には軽量で撥水性に優れ、丈夫に作られている横断幕の素材を活かし、アウトドアや日常使いにもぴったりなトートバッグの制作です。このトートバッグは横断幕から作られているため、他に同じものは存在しない一点ものであると人気を集めました。 同社では、その他にも工事案内看板からスケートボードや、廃タイヤと横断幕を組み合わせたサンダルが作られるなどと、アップサイクルへの取り組みが活発になっています。 まとめ 本記事では、注目を集めるアップサイクルについて、リサイクルやリユースなどの類似語との違いを説明し、注目されている背景やSDGsとの関連性を解説しました。 近年は社会的にも、資源の有効活用が求められています。企業としてアップサイクルに取り組むことで、製造時のエネルギーやコスト削減が実現されるだけでなく、消費者や投資家へのアピールポイントにもなるでしょう。 今回紹介した実際の企業事例をもとに、ぜひアップサイクルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
インキュベーションとは?事業支援の内容と施設利用時の注意点を解説
多くの場合、スタートを切ったばかりの企業は、資金をはじめ人も設備も不足しています。どれほど素晴らしいアイデアでも、事業として形にできなければ成功するのは困難です。 そこで注目されているのが、新たなビジネスの成長をサポートする「インキュベーション」という取り組みです。アメリカで生まれたとされる考え方で、日本でも全国にインキュベーション施設が存在しています。 インキュベーションの支援プログラムを利用すれば、経営に必要な能力を鍛え、よりスムーズな事業展開が目指せます。この記事では、インキュベーションの意味や施設の特徴などを解説するので、ぜひ参考にしてください。 インキュベーションの意味とは インキュベーション(incubation)とは、もともと英語で「卵をかえす」「孵化」という意味です。1950年代にアメリカでの取り組みがきっかけとなり、日本では1999年頃から広まったといわれています。 インキュベーションとは起業をサポートする活動 インキュベーションとは、起業をはじめ、事業創出などをサポートする活動のことです。インキュベーション施設のことを、そのままインキュベーションと呼ぶ場合もあります。 また、インキュベーションを提供する組織は「インキュベーター」と呼ばれ、自治体をはじめ、大学、ベンチャーキャピタルなどが該当します。支援内容は、組織によって異なるため、インキュベーションを利用する場合は、利用できる設備やサポート内容を事前に把握しておきましょう。 インキュベーションを受ける主な対象者 インキュベーションを利用するのは、主に以下のような人です。 スタートアップ企業の創業者:新しいビジネスのアイデアを持ち、会社を立ち上げようとしている、もしくは立ち上げ後の経営のサポートを受けたい起業家。 企業に所属する新規事業立ち上げ担当者:既存の企業が新規事業を立ち上げる際に、人的リソースや新規事業の専門家によるサポートを受けるなどの目的でインキュベーションを利用する。 研究シーズを事業化したい研究者:大学や研究機関で開発された技術を事業化するために、事業立ち上げや経営の支援を受けるためにインキュベーションを利用する。 インキュベーションでは、ビジネスモデルの構築や市場分析、資金調達のアドバイスなど、包括的なサポートを受けられるため、起業や新規事業立ち上げを目指すさまざまな属性の方が入居しています。 インキュベーションの必要性 事業を始めて間もない企業は人員が少ないだけでなく、資金・設備・情報など、多くの面で課題を抱えていることがほとんどです。そのため、起業後に課題に直面しても、リソース不足で対応できないこともあるでしょう。 すでに基盤を整えた企業であれば、これまでの経営ノウハウがあるため、新しい事業も比較的取り組みやすいです。しかし、個人でゼロからスタートする場合は、事業の多くの部分を手さぐりの状態で進めなければなりません。 「なかなか売上につながらない」「事業は構築できたが、資金繰りに失敗した」「人が足りない」など、手さぐりの状態では事業が上手く進まないこともあります。 しかし、インキュベーションを通じて起業・事業に関する支援を受けられると、ビジネスの成功率が高まり、長期的な経営が現実味を帯びます。新しい企業が成長すれば、雇用が創出されて経済活発化につながるため、インキュベーションは経済発展への重要な役割を担っているといえるでしょう。 ベンチャーキャピタル・投資家との違い 起業家を支援するという点で似た意味をもつ言葉に、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などがあります。 ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ企業やベンチャー企業などの未上場企業に株式投資を行う投資会社です。企業が成長して株価が上昇した際に、株式を売却して利益を得ることが目的です。 エンジェル投資家とは、起業して間もない企業に投資する個人投資家を指します。インキュベーションとの違いは、主にサポート内容です。 経営コンサルティングを行うベンチャーキャピタルや、人脈を広げてくれるエンジェル投資家などもいますが、両者のサポートは出資がメインです。一方、インキュベーションは資金調達の相談から、企業に必要な場所・設備・人・ノウハウまで全面的にサポートします。 インキュベーションの支援内容 幅広い面で具体的な支援を提供するのが、インキュベーションの特徴です。リソースが不足しがちなスタートアップ企業やベンチャー企業を、ソフト・ハード面ともにサポートします。 資金援助 まずは、事業運営に必要な資金の援助です。企業は開発費や人件費をはじめ、事務費用から広告費まで、幅広い用途に活用できます。また、起業家ができる資金調達のコツや金融機関と交渉する際のポイントなど、必要なアドバイスを受けることも可能です。他にも自治体の補助金や助成金など、役立つ情報を共有してもらえます。 具体的には、「技術があるものの、製品化には資金が足りない」「今の資金繰りが本当に正しいのか意見を聞きたい」など、お金に関わる相談がしやすいといえるでしょう。 オフィス施設の提供 インキュベーション施設では、拠点としてオフィスを安く貸してもらえます。オフィスを構えるメリットは、社会的な信頼性の向上や、セキュリティ面の安心につながる点です。 しかし、オフィスの賃料は固定費のなかでも多くの割合を占める部分のため、売上が不安定な創業時は、なるべく出費を抑えたいでしょう。 インキュベーション施設なら、安価な賃料でオフィスに適したスペースの確保が可能です。なかには会議室や商談ルームなどを備える施設もあります。 設備・システムの提供 オフィスなどの場所だけでなく、設備や備品などを借りられる場合もあります。インターネット回線や複合機など業務に必要なものから、ウォーターサーバーや冷蔵庫、電子レンジなど、快適に過ごすためのものまで、施設によってさまざまです。 また、研究開発や製造に関わる事業であれば、工場やラボなど専用設備も必要となるでしょう。インキュベーション施設のなかには、事務所のほかに設備やシステムを提供している場合もあります。試作品の開発がスムーズに進められる工場や、薬品を用いての物理・化学実験を想定した実験室(ウェットラボ)など、専門的な設備を借りることも可能です。 コネクションの紹介 新しい企業を育てるには、幅広い人脈が欠かせません。 例えば事業を運営するためには、法律の順守が必要です。インキュベーションでは弁護士や税理士、弁理士、社労士など、各方面の専門家の紹介や相談サービスなどを受けることもできます。 また、事業と関連する研究施設や企業を紹介することで、より有益な開発ができるようにサポートするのもインキュベーションの役割です。 その他、起業家向けのセミナーや交流会などのイベントの主催や、直接起業家を紹介してくれるケースもあります。業界の枠を越えた起業家たちと交流できる機会は、ネットワークを広げられるチャンスです。 さまざまな業種の人たちと触れ合うことで刺激を受け、新しいアイデアを得られるだけでなく、起業への思いを共有できる仲間を見つけることもできるでしょう。 経営のサポート インキュベーションを利用すると、インキュベーションマネージャー(IM)を配置してもらえます。インキュベーションマネージャーは、各分野の豊富な知識や経験、事業運営などのノウハウを持つ頼れる存在です。 駆け出しの企業は「課題の解決方法がわからない」「どのように進めればよいのかわからない」など、多くの壁に直面します。インキュベーションマネージャーは、起業家のパートナーとして相談に乗り、経営をサポートしてくれるでしょう。 人的リソースのサポート 新規事業を立ち上げる際、多くの企業が「人材不足」という課題を抱えるものです。一方で、人材の採用や育成は、事業の安定的な運営や成長に欠かせません。 そこでインキュベーションは人的リソースの確保に向け、事業に対して実行・推進可能な人物像を明確化し、採用や早期の人材育成をしてくれます。また、人材の採用や育成に関してのアドバイスなどもインキュベーションの役割です。 インキュベーション施設の種類 インキュベーション施設は、運営する組織によって特徴があります。それぞれの特徴をおさえ、事業との相性を考えてみましょう。 大学 国公立・私立を問わず、インキュベーション施設を設けて産学連携を図る大学が増えています。大学によるインキュベーション運営の目的は、大学での研究成果を活かして新しい事業を創出することです。 学生や研究者をはじめ、大学の研究成果を活用したい外部起業家などを支援しています。 最新の研究成果を事業に活かせることが、大学におけるインキュベーションの特徴といえるでしょう。他にも、外部の研究機関などと連携している場合もあります。 行政・中小企業支援機関 全国の市区町村や商工会議所などで、新しいビジネスの創出を支援するインキュベーション施設が運営されています。シェアオフィスやコワーキングスペースのような施設に、インキュベーションマネージャーを配置しているケースが一般的です。地元企業とのつながりを作りやすいなど、地域に密着した強みが期待できます。 大手企業 大手企業によるインキュベーション施設の目的は、自社で培った技術やノウハウを活かして新しいビジネスを生み出すことです。起業家としての能力が認められれば、出資や創業支援プログラムを受けられます。起業家に提供されるオフィスは、コワーキングスペースのようなかたちが一般的です。 特に大手企業の運営するインキュベーションは、IT分野が活発です。多くのビジネスが交差する都心では他社をはじめ、官公庁や大学まで広く巻き込み、共同でイノベーションに取り組んでいる場合もあります。 民間企業 民間企業のインキュベーションは、レンタルオフィスやコワーキングスペースに起業家を支援する機能をもたせたかたちが多く見られます。 ファッションなどの専門領域に特化したインキュベーション施設、起業家の託児スペースを配し、子育てサポートを重視したインキュベーション施設などもあります。 インキュベーションを受ける方法 インキュベーションを受ける方法は、おもに2種類あります。インキュベーションプログラムの募集に応募するか、もしくはインキュベーション施設に入居する方法です。 インキュベーションプログラムを利用する インキュベーターの得意分野や専門領域などにより、さまざまなインキュベーションプログラムが展開されています。 例えば、大手グループ企業のインキュベーションプログラムでは、指定した期間で資金調達できる段階までの事業成長をゴールに設定したうえで、定期的な勉強会やメンターの指導などを受けることができます。 また、大学が主催するインキュベーションプログラムでは、研究結果の事業化を目的に起業家と大学が協力し、ベンチャーキャピタルからの資金調達を目指します。 その他、民間企業では専用施設に数ヵ月居住することで起業家同士の交流を深め、イノベーション創出を目指すプログラムなど、豊富な種類が用意されています。 プログラム内容と事業内容を照らし合わせた選択が大切です。 インキュベーション施設を利用する インキュベーション施設を選ぶ際は、運営団体によって特徴が異なるため、事業との相性を考慮する必要があります。 例えば、大学が運営するインキュベーション施設は、大学の研究成果の活用が前提となる場合が一般的です。また、行政や中小企業支援機構が運営する場合は、地域に密着したビジネスや地域産業の活性化になるような事業などが求められます。 インキュベーション施設を利用するメリット 起業や新規事業立ち上げ時にインキュベーション施設を利用することで、さまざまな恩恵を受けられます。ここでは、4つのメリットをご紹介します。 起業や新規事業立ち上げのサポートを受けられる インキュベーション施設では、専門的なビジネスコンサルティングやメンターシップなど、事業のステージに応じた支援プログラムを提供することが一般的です。こうしたプログラムを利用することで、起業や事業の立ち上げ、事業成長に必要な知識やスキルを学ぶことができます。 例えば、マーケティング戦略の立案や資金調達の方法、法務や会計のアドバイスなど、多岐にわたるサポートを受けることが可能です。 低価格でオフィスを借りられる 低価格でオフィススペースを提供しているインキュベーション施設が多くあります。特に創業初期のスタートアップは資金が限られていることが多いため、オフィスに掛かるコストを削減できる点はおおきなメリットとなり得るでしょう。 起業や新規事業立ち上げに必要な設備を利用できる インキュベーション施設によっては、高速インターネットやコピー機、プリンターなど、日常の業務に必要な設備だけでなく、最新のIT設備や研究開発用の機器がそろっています。 一から設備を整える手間やコストを掛けず、起業や新規事業立ち上げに取り組めるというメリットがインキュベーション施設にはあります。 ビジネスパートナーに出会える可能性が高まる インキュベーション施設では、多くの起業家や新規事業を立ち上げる企業が集まります。また、ネットワーキングイベントやセミナー、ワークショップなども頻繁に開催されるため、交流を通して新たな人脈の構築が期待できます。 起業、新規事業立ち上げという同じ志を持つ人との交流が増えることで、知見を増やせるだけでなく、将来的なビジネスパートナーと出会える可能性も高まります。 インキュベーション施設を利用する際の注意点 費用を抑えてオフィスや設備を利用できるのは、創業時には大きなメリットとなります。注意点を確認しておきましょう。 審査がある インキュベーション施設への入居時には、審査があるのが一般的です。入居要件には事業内容だけでなく、創業前もしくは創業から○年以内という条件も定められています。 審査に必要な書類は、おもに事業計画書や身分証明書類、事業をすでに始めている場合は財務諸表などです。書類形式が指定に沿っているか、内容が適切に記述されているかなど、基本的な部分も審査されているため、細部までチェックして提出しましょう。 実験室などの専門的な設備を利用する場合は、入居審査とは別で手続きや審査が必要なケースもあります。 利用できる期間が決まっている インキュベーションを利用できる期間は、1〜5年程度です。 また、インキュベーションは、あくまで事業のスタートを支援する取り組みです。インキュベーション施設で事業を運営できるまで成長したら、経営者として巣立つことが求められます。 まとめ 新しいビジネスを育てるためには、さまざまなリソースが必要です。しかし、資金やオフィス、設備、ノウハウなどの不足に困る起業家は少なくありません。そこで力を発揮するのが、新しい事業をソフト・ハード面からサポートするインキュベーションです。 運営団体によってインキュベーションの内容は異なり、利用するには基本的に審査が行われます。限られた時間を有効活用するためにも、事業と相性が良いインキュベーション選びが大切です。 新しい事業は雇用創出につながり、ひいては経済活性化につながります。インキュベーションを利用して、ぜひあなたのアイデアを形にしてください。 ▼関連記事 イントレプレナーとは?注目の背景と向いている人材、育成方法を解説 新規事業の立ち上げに活用したいフレームワーク22選 新規事業の立ち上げプロセスと成功させるためのポイントを解説 新規事業の助成金・補助金とは?企業が国から得られる制度を紹介
リーンキャンバスとは?構成要素や作り方、記載例を紹介
事業プランの作成にあたり、現在多くの企業で「リーンキャンバス」と呼ばれるフレームワークが活用されています。 本コラムでは、リーンキャンバスの構成要素をはじめ、作り方や記載例、活用メリットにつき詳しくご紹介します。 リーンキャンバスとは リーンキャンバス(Lean Canvas)とは、9つの構成要素から事業プランを効果的に整理するフレームワークです。 リーンキャンバスの手法は、シリコンバレーの起業家であるアッシュ・マウリャ氏の著作『Runnnig Lean』の中で提唱されました。 事業プランをA4用紙1枚程度のサイズ内に整理することができ、ビジネスモデルの検証・改善に役立つこともあり、現在リーンキャンバスは多くの企業で活用されています。 リーンキャンバスの構成要素、作り方(書き方)の例 リーンキャンバスの特徴は、1枚の用紙上に、1つのアイデアを9つの要素に分けて記載する点です。以下に、9つの要素の内容と併せ、それぞれの作り方や記載例をご紹介します。 顧客セグメント 顧客セグメントとは、顧客を年齢や性別、地域、行動の傾向などで分けたグループを指します。顧客を特徴や傾向ごとに分類することで、的確なマーケティングを実施できるようになります。 リーンキャンバスにて顧客セグメントを記載するポイントは、対象を「アーリーアダプター」と呼ばれる層に絞ることです。アーリーアダプターは、新たに登場した製品・サービスなどを比較的早期に受け入れ購買活動に移す特徴を持つ、他の消費層への影響力が大きい顧客を指します。 ターゲットの顧客層を絞ることで、その他リーンキャンバスにおける8つの要素の精度も高まり、記載にかかる工数の削減も期待できます。 顧客セグメントの記載例:某動画サイトでの動画投稿に力を入れている20代男性 顧客の課題 顧客の課題とは、顧客セグメントの顧客が抱えている(と予想される)課題を指します。 その後の分析を進めやすくなるよう、優先度が高い順に3つ程度、課題を書き出すのが効果的です。 その際、課題を解決する代替の製品・サービス(競合がすでにリリースしている製品・サービスなど)がある場合は、併せて記載しましょう。自社の代替え製品・サービスを明確にしておくことで、競合との差別化につながる事業プランを構築しやすくなります。 顧客の課題の記載例:「手ぶれ補正に関し高い機能性があるか(優先度1)」「フルHD以上の画質に対応しているか(優先度2)」「カメラ本体はストレスなく長時間持ち歩ける重量か(優先度3)」 独自の価値提案(UVP) 顧客の課題を明確にした後には、独自の価値提案を検討します。 独自の価値提案とは、自社の製品・サービスだけが持つ、独自の強みや価値のことであり、UVP(ユニーク・バリュー・プロポジション)とも呼ばれています。 9つの要素の中で最も記載が難しいとされているのが、独自の価値提案(UVP)です。価格や性能、サービスのクオリティ面などにおいて、他の製品・サービスには無い独自の強みや価値がないか、充分に検討してみましょう。 UVPの記載例:安価ながら360度全方位での撮影が可能 ソリューション ソリューションとは、UVPを踏まえた上で、顧客の課題に対する解決方法を記載することです。自社の製品・サービスが本当に顧客の課題解決策になるかにつき吟味することが、ソリューションの質の向上をもたします。 その際、UVPをソリューションに落とし込むことで、自社の市場価値が高まり、事業プランの方向性を固めやすくなります。 ソリューションの記載例:顧客の課題をすべて満たす360度カメラを、業界最低水準価格でリリース チャネル チャネルとは、顧客と自社が接点を持つための経路を指します。顧客に自社の製品・サービスの魅力や価値を届けるための経路や、拡散手段を定めていきます。 ただしスタートアップ段階では、チャネルの選択肢が少ないのが一般的です。そのため事業創業期や成長期の段階では、「今後如何にして顧客との接点を増やせるか」に視点を置き、チャネルを記載すると良いでしょう。 チャネルの記載例:インバウンドチャネル(自社サイト、SEO、LP)、アウトバウンドチャネル(セミナー、リスティング広告、動画広告) 収益の流れ 収益の流れでは、事業プランの収益化に向け、具体的な収益モデルと製品・サービスの価格を書き出します。ここでは、1度の取引で見込まれる収益を記載しておくことが大切です。儲けるための仕組み(収益モデル)を構築することで、後の安定経営につながる事業プランを作成できます。 収益の流れの記載例:1取引あたり4,000円の収益(製品価格:50,000円、利益率8%) コスト構造 コスト構造とは、製品・サービスを開発し、実際に市場に出すまでに要するコスト(外注費や人件費など)を指します。コスト構造は、とりわけ初期投資が高額になる事業プランを検討する際に重要です。 コスト構造の記載例:開発時の初期投資費用9,000万円(外注費、自社の人件費含む) 主要指標 主要指標とは、将来的な事業成功に向け、その中間過程において目標となる重要な指標を指します。達成度合いが可視化できるよう、主要指標は定量的に定める必要があります。 主要指標の記載例:四半期売上10億円の達成 圧倒的な優位性 圧倒的な優位性とは、競合他社が真似のできない自社製品・サービスの強みや、事業実績、人脈などを指します。 仮に競合他社に対する圧倒的な優位性がない場合、如何にして優位性を獲得できるのか考えてみる必要があります。 圧倒的な優位性の記載例:業界No.1シェアと専門家の支持 企画書や事業計画書にリーンキャンバスをおススメする理由 企画書や事業計画書にリーンキャンバスが用いられる理由には、なにがあるのでしょうか。リーンキャンバスを用いる主なメリットを、以下にご紹介します。 理解しやすい リーンキャンバスはA4サイズ1枚程度に事業プランが効果的に整理されているため、 社内外の関係者に対して、自社製品・サービスの本質的価値を簡潔に伝えることができます。第三者が見て理解しやすいフレームワークである点は、リーンキャンバスのメリットの一つです。 短時間で作成できる リーンキャンバスの要素は9つと非常にシンプルであり、短時間で作成できることも大きなメリットです。数十ページにわたる事業計画書を作成する際には膨大な時間を要しますが、リーンキャンバスであれば短時間での作成が可能です。 共有しやすい リーンキャンバスの内容はA4サイズ1枚程度に収まるため、デジタルデータの容量はごくわずかです。データ送付も容易で、印刷した際も持ち運びやすいため、第三者に共有しやすい利点を有しています。このメリットにより、リーンキャンバスは効率的に第三者から多くのフィードバックを得るための資料としても活用されています。 ブラッシュアップしやすい 初期段階の事業プランは、仮説検証を通して、高確率で修正される傾向にあります。リーンキャンバスを用いた場合、9つの要素に分類されているため、要素ごとのスムーズな仮説検証が可能です。その結果に応じて、事業の成功確率向上に寄与する、事業プランのプラッシュアップを図りやすい点も、リーンキャンバスを用いるメリットだといえるでしょう。 リーンキャンバスのまとめ 事業プランを効果的に整理し、短期間での事業成功を目指す際にリーンキャンバスの活用は効果的です。 本コラムで解説したリーンキャンバスの作成方法や記載例などを参考の上、ぜひ貴社事業の発展にお役立てください。
【2022年最新】新規事業助成金・補助金のまとめ
新規事業を立ち上げる際、元手となる資金が必要となるケースは少なくありません。そこで、ぜひ活用を検討したいのが新規事業に利用できる助成金と補助金です。 本コラムでは、助成金・補助金の概要、活用するメリット、助成金・補助金の一覧などを解説します。 「新規事業立ち上げを検討している」「助成金・補助金について学びたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。 新規事業助成金とは 新規事業助成金は、その名の通り、新しく事業を始める際に受給できる助成金の名称です。助成金の利用には、書類提出や使用目的を明確にすることが求められますが、銀行などの融資と比べ、受給の難易度が低いといわれています。 新規事業の立ち上げには資金が必要となるケースが少なくありません。事業立ち上げに伴って働き手が必要になりますが、たとえ立上げ直後で金銭的余裕がなくても、働き手には賃金を支払わなければなりません。そうした場面でも、助成金は利用可能です。 また、助成金のほか、新規事業立ち上げ時に利用可能な補助金も存在します。 助成金と補助金の違い 助成金は一定の需給条件を満たせば利用可能である一方、補助金は予算が決まっているため利用人数が限られています。そのため、補助金の場合は公募方法によっては先着順や抽選など、申請してももらえない可能性があります。受給のハードルの高さという点で違いがあるといえるでしょう。 新規事業助成金の活用メリットと注意点 助成金にはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、注意点についても解説します。 メリット 返済不要の資金が手に入る 新規事業における資金調達には、銀行からの借り入れという方法もありますが、その場合はいずれ返済する義務があります。また、利子も支払わなければなりません。事業が成功しても返済は企業にとってコストになり、また事業成功に至らなかった際はより大きな負担になるでしょう。一方、助成金や補助金は返済する必要のないお金である点において、リスクを抑えられるメリットがあります。 時代の流れが把握しやすくなる 助成金や補助金は国の機関や地方自治体が交付しています。国の機関や地方自治体は、国や地方をより良くするために政策目標を立てて実行していますが、国や地方自治体の活動だけでは、政策目標を達成することは容易ではありません。そこで登場するのが、助成金と補助金です。 国や地方自治体が補助金・助成金を交付する理由は、立てた政策・方針に沿った企業の事業立ち上げや事業拡大を資金面からサポートすることによって、政策目標を達成しやすくするためです。逆説的に考えれば、助成金や補助金を見れば、国や地方自治体が政策目標に掲げている国内外の課題が見えるということ。時代の流れが把握しやすくなります。 計画を明確にできる 助成金を申請する際、ほとんどの場合、経営計画書や事業計画書の提出が求められます。計画書には、事業内容や製品・サービスのターゲット、市場動向、将来性や得られる利益などを具体的に書かなければなりません。申請時点では、事業の将来について考えられていても、それが言葉や書類にまで落とし込めていない場合もあるはずです。申請時における計画書の作成は、計画の整理や見直しをする機会となり、計画を明確にできます。 注意点 助成金・補助金の利用はメリットだけではありません。注意点も確認していきましょう。 採択されない場合もある 先ほどもお伝えした通り、補助金の場合は申請したからといって、必ず採択されるわけではありません。ものづくり補助金など、比較的メジャーの補助金であっても、採択率は半数程度です。補助金の額が大きい場合や申請の間口が広い場合、より多くの応募が集まるため、競争が激しくなると考えられます。 応募期間が決まっている 助成金や補助金は応募できる期間が決まっています。ものによりますが、応募期間は1〜2か月程度が多く、年に一度しか募集しないというケースも少なくありません。また今年募集があったからといって、来年も必ず募集されるとも限りません。応募期間には十分注意し、応募期間に必ず申請できるよう準備をしておきましょう。 支払いは後払いが基本 助成金や補助金は基本的に後払いのため、採択されてもすぐに支払われるわけではありません。そのため採択された場合であっても、まずは自費で費用を支出し、後から助成金や補助金で充当されます。なかでも補助金は、事業を実際に実施してから補助金の金額が確定する場合も少なくありません。ある程度資金に余裕をもっておく必要があります。 【2022年】助成金・補助金一覧 ここからは、主な助成金・補助金制度を解説していきます(2022年8月末現在の情報です)。 キャリアアップ助成金 いわゆる非正規雇用の労働者の企業内におけるキャリアアップ促進を目的としており、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成しています。キャリアアップ助成金には正社員化支援と処遇改善支援と合わせて計7つのコースに分かれています。 <正社員化支援> 正社員化コース:有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換又は直接雇用 障害者正社員化コース:障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換 <処遇改善支援> 賃金規定等改定コース:有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を改定し2%以上増額 賃金規定等共通化コース:有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用 賞与・退職金制度導入コース:有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し支給又は積立てを実施 選択的適用拡大導入時処遇改善コース:選択的適用拡大の導入に伴い、短時間労働者の意向を大切に把握し、被用者保険の適用と働き方の見直しに反映させるための取組の実施 短時間労働者労働時間延長コース:有期雇用労働者等の週所定労働時間を3時間以上延長し、社会保険を適用 対象者 全コースに共通するキャリアアップ助成金の支給対象となる事業主は、下記の通りです。 雇用保険適用事業所の事業主 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主 ※キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任は不可 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主であって、以下に該当しない事業主であること 「キャリアアップ計画書」の内容(実施するコース)に講じる措置として記載していないにもかかわらず、取組実施日の前日までに「キャリアアップ計画書(変更届)」を提出していない事業主 該当するコースの措置に係る対象労働者に対する労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主 キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主 申請期間 支給申請は6か月にわたる賃金支払いを終えた後、2か月以内での支給申請が必要です。申請期間は、非正規雇用労働者から正社員へ転換したのち、「6か月分の賃金を支給した日の翌日」から起算します。 小規模事業者持続化補助金 小規模事業者持続化補助金とは、小規規模事業者の業務効率化の向上や、販路開拓に関する取り組みを支援するため費用の一部を支援する補助金を指します。 対象者 常時雇用の従業員20人以下の法人・個人事業主が対象になります。 ※宿泊業・娯楽業を除く商業・サービス業では5人以下の法人・個人事業主が対象 申請期間 最新の申請期限は、「2022年9月20日」までとなります(2022年8月末時点)。以降の申請期間は、現状未定です。 創業助成金(東京都中小企業振興公社) 創業助成金とは、創業時に必要な経費の一部を、国や地方公共団体が補助してくれる制度を指します。なかでも「公益財団法人東京都中小企業振興公社」が東京都内の事業者に向けて行っている助成金制度が有名なため、以下に創業助成金(東京都中小企業振興公社)における対象者と支給申請期間をご紹介します。 対象者 都内で創業を予定されている方または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件(※)を満たす方が対象になります。 ※「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援修了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」など 申請期間 最新の申請期間は、「2022年10月3日〜10月12日」までとなります(2022年8月末時点)。今後の申請期間の詳細は未定ですが、過去の公募内容などについては以下の出典リンク(※1)をご参照ください。 ※1 出典:「TOKYO創業ステーションホームページ」 事業承継・引継ぎ補助金 事業承継・引継ぎ補助金とは、事業承継をきっかけに新しい取り組みをスタートする中小企業・小規模事業者や、事業再編・事業統合に伴い経営資源の引継ぎを進める中小企業・小規模事業者を支援する補助金制度です。 対象者 以下の「11の要件」および「事業承継の要件」を満たす中小企業等または特定非営利活動法人が対象となります。 <11の要件> 日本国内に拠点又は居住地を置き、日本国内で事業を営む者であること 地域経済に貢献している(創業支援型においては貢献する予定の)中小企業者等であること 暴力団等の反社会的勢力でないこと。また、反社会的勢力との関係を有しないこと 法令遵守上の問題を抱えていないこと 事務局から質問及び追加資料等の依頼があった場合は適切に対応すること 事務局が必要と認めるときは、事務局が補助金の交付申請ほか各種事務局による承認及び結果通知に係る事項につき修正を加えて通知することに同意すること 補助金の返還等の事由が発生した際、各種費用について、いかなる事由においても事務局が負担しないことについて同意すること 経済産業省及び独立行政法人中小企業基盤整備機構から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていないこと 補助対象事業に係る全ての情報について、匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意すること 事務局が求める補助対象事業に係る調査やアンケート等に協力できること 次のいずれかに該当すること(「中小企業基本法等の小規模企業者」「直近決算期の営業利益または経常利益が赤字の者」「新型コロナウイルス感染症拡大以前と比べて売上高が減少している者※」「再生事業者(再生計画等を「策定中」または「策定済、かつ、公募終了日から遡って3年以内に再生計画等が成立等した」のいずれかに該当することを証明する書類を提出する者)」) ※「新型コロナウイルス感染症拡大以前と比べて売上高が減少している者」に関して、具体的には2020年4月以降の連続する6か月のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ拡大期以前(2019年1月〜2020年3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること <事業承継の要件> 定められた一定の事業承継形態で、事業承継対象期間(2017年4月1日〜2023年1月31日)に被承継者と承継者の間でM&A 等を含む事業の引き継ぎを行った、または行うこと。 承継者と被承継者による実質的な事業承継が行われていない場合、たとえばグループ内の事業再編、物品・不動産等のみを保有する事業の承継等と事務局が判断した場合は対象外となります。また、M&A 型で親族内承継であると事務局が判断した場合等も対象になりません。 定められた事業承継の形態とは、たとえば創業支援型で「承継者が法人」で「被承継者も法人」の場合、事業承継の形態は、吸収合併、吸収分割、事業譲渡、株式交換、株式譲渡、株式移転、新設合併の7種類あります。 申請期間 今後の申請期間の詳細は未定です。過去の公募内容などについては、以下の出典リンク(※2)をご参照ください。 ※2 出典:「事業承継・引継ぎ補助金Webサイト」 地方創生推進交付金 地方創生推進交付金とは、地方創生への取り組みを支援するために国から交付される交付金です。 交付対象事業 以下の5つの事業が交付対象になります。 結婚、出産又は育児についての希望を持つことができる社会環境の整備に資する事業 移住及び定住の促進に資する事業 地域社会を担う人材の育成及び確保に資する事業 観光の振興、農林水産業の振興その他の産業の振興に資する事業 上記1〜4までに掲げるもののほか、地方公共団体が地域再生を図るために取り組むことが必要な政策課題の解決に資する事業 申請期間 今後の申請期間の詳細は未定です。過去の公募内容などについては、以下の出典リンク(※3)をご参照ください。 ※3 出典:「地方創生サイト」 事業再構築補助金 中小企業等が変化する経済社会に対応するために、事業再構築を支援する補助金制度です。 対象者 中小企業者はもちろんのこと、一般社団法人や資本金10億円未満の中堅企業も該当します。 <中小企業者> 資本金又は従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人であること。 <中小企業者等に含まれる中小企業者等以外の法人> 中小企業等経営強化法第2条第1項第6号〜第8号に定める法人(企業組合等)又は法人税法別表第二に該当する法人(一般財団法人及び一般社団法人については、非営利型法人に該当しないものも対象となる)であること。若しくは法人税法以外の法律により公益法人等とみなされる法人(従業員数が300人以下である者に限る)であること(※)。 ※法人格のない任意団体、収益事業を行っていない法人、運営費の大半を公的機関から得ている法人は補助対象とならない。また、政治団体や宗教法人などの団体も補助対象となりません <中堅企業等> 中小企業等の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社または資本金又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下である会社を指します。 申請期間 最新の申請期間は、「2022年8月30日〜9月30日」までとなります(2022年8月末時点)。以降の申請期間は、現状未定です。 ふるさと名物応援事業補助金(JAPANブランド育成支援事業) ふるさと名物応援事業補助金とは、「海外展開を目指す中小企業等」を支援する補助金制度です。 対象者 以下2つの要件を満たした場合、対象者になります。 海外での販路開拓を目指す事業計画を策定すること ※ただし、海外展開を見据え、その前段階として国内での販路開拓に取り組む事業計画は、1〜2年目の事業計画に限り、補助事業として認められます 支援パートナーが提供する支援サービスを受けること 申請期間 今後の申請期間の詳細は未定です。過去の公募内容などについては、以下の出典リンク(※4)をご参照ください。 ※4 出典:「中小企業庁ウェブサイト」 海外ビジネス戦略推進支援事業 海外ビジネス戦略推進支援事業とは、海外市場に活路を見出そうとする中小企業者・小規模事業者に対し、事業計画の策定支援、 海外市場獲得に向けた市場可能性調査(F/S調査)やWebサイト作成(ホームページ の外国語化)等による取引体制の整備を支援するものです。 対象者 海外販路開拓を目指す中小企業者、小規模事業者 申請期間 今後の申請期間の詳細は未定です。過去の公募内容などについては、以下の出典リンク(※5)をご参照ください。 ※5 出典:「中小企業庁ウェブサイト」 まとめ 新規事業立ち上げ時には資金不足に陥るケースが多いですが、助成金・補助金の活用により事態の好転を図れます。 今後助成金・補助金を上手に活用するためにも、自社が制度対象に含まれているかの確認をはじめ、今後の申請スケジュールに見落としがないよう、普段から情報収集に努めるようにしましょう。