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フリーランスの実務経験はどれくらい必要?独立に必要な年数とアピール方法を解説

フリーランスの実務経験のイメージ

フリーランスとしての独立を考えたとき、自身の「実務経験」が市場でどの程度評価されるのかは気になるところです。必要な実務経験が明確でないために、最初の一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、フリーランスに求められる実務経験の定義から、クライアントが経験を重視する理由を解説します。独立に必要な実務経験の目安や自身の価値を最大化するための効果的なアピール方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも実務経験とは

フリーランスの文脈における「実務経験」とは、単に企業に在籍した期間を指すのではありません。職務を通じて培った専門的なスキルや課題解決能力、具体的な実績の総称を意味します。重要なのは、その経験が正社員として得たものか、派遣社員やアルバイトとして得たものかといった雇用形態は問われない点です。

クライアントが知りたいのは、あくまで「あなたが過去に何をしてきて、自社のプロジェクトで何ができるのか」という点です。

したがって、フリーランスを目指す上では、これまでのキャリアでどのような業務に携わり、どのような成果を出してきたのかを具体的かつ客観的に語れることが重要になります。

クライアントがフリーランスの実務経験を重視する理由

クライアントがフリーランスの選定において、スキルや人柄と並んで「実務経験」を重要な判断基準とするのには、明確な理由があります。企業の視点を理解することで、自身の経験をどのようにアピールすべきかが見えてきます。

複雑化する課題解決のために高度な専門スキルを持つ人材を求めているため

現代のビジネス環境は変化が激しく、企業が抱える課題は複雑化しています。また、社内リソースだけでは専門領域の課題を解決できないという悩みを抱えている企業も多いです。そこで、外部のプロフェッショナルとしてフリーランスに協力を仰ぐ傾向があります。

実際に、HiProの「副業・フリーランス人材白書2025」によると、企業が副業・フリーランス人材を活用する目的として、約19%が「即戦力となる人材・スキルを確保するため」と回答しました。

出典:副業・フリーランス人材白書2025(HiPro)

このデータが示すように、クライアントはフリーランスに対して、「即戦力」としての活躍を期待していることがわかります。

特定の分野で深い知見と成功体験を持つ人材に、課題解決へ貢献してもらうことが、フリーランスに実務経験が求められる大きな理由です。

短期の人材活用によってプロジェクトの成功確率を高めるため

企業にとって、正社員の新規採用は多大な時間とコストがかかります。一方、フリーランスとの業務委託契約は、必要なスキルを持つ人材を、必要な期間だけ活用できる柔軟な選択肢です。

実務経験が豊富なフリーランスは、過去の多様なプロジェクトで培ったノウハウを活かし、プロジェクトを円滑に推進してくれる可能性が高いと期待されます。

クライアントからすれば、実績のあるフリーランスに業務を委託することは、プロジェクトの成功確率を高めるための合理的な経営判断といえるでしょう。

フリーランスとして活動するのに必要な実務経験の目安

フリーランスとして独立するために必要な実務経験の年数は、職種や業界によって大きく異なりますが、一般的には一定の目安が存在します。自身のキャリアステージを客観的に把握するための参考にしてください。

実務経験3〜4年|多くの案件で求められる標準ライン

実務経験3〜4年は、多くのフリーランス向け案件で応募資格として設定されることが多い、一つの標準的なラインです。このレベルに達すると、特定の専門分野において、自律的に業務を遂行できるスキルが身についていると見なされます。

たとえば、マーケティング職であれば、Web広告の運用設計から効果測定、改善提案までを一通り一人で担当できるレベルが想定されます。コンサルタントであれば、特定の領域における課題分析や資料作成を責任もって完遂できる様になっている人材を想定できます。

この段階では、安定的に案件を獲得することは十分に狙えますが、高単価な案件や上流工程の案件を獲得するには、もう一段階上の経験や実績のアピールが必要になる場合があります。

実務経験5年以上|高単価・上流工程の案件も狙えるレベル

実務経験が5年を超えると、その分野の専門家(スペシャリスト)として評価される場面も増え始めます。高単価な案件や、より上流の戦略立案などに関わる案件も獲得しやすくなるでしょう。豊富な経験に裏打ちされた課題解決能力や、過去の成功事例を提示できるため、クライアントからの信頼も獲得しやすくなります。

たとえば、事業会社のマーケティングマネージャーとして数億円規模の予算を管理し、事業成長に貢献した経験があったとします。この場合、企業のマーケティング戦略全体を統括するアドバイザーといった、より裁量権の大きい役割を担うことも可能です。

クライアントのビジネスパートナーとして、事業の成長に深くコミットする姿勢が求められるでしょう。

フリーランスとして活躍しやすくなる実務経験

フリーランスとしての市場価値は、経験年数だけで決まるわけではありません。「どのような経験を積んできたか」という経験の質が、他の人材との差別化を図る上で決定的な要因となります。

特に、以下のような経験は高く評価される傾向にあります。

  • 上流工程に関わった経験や成果
  • チームのマネジメント経験
  • 経営層の意思決定に関わる業務の経験

以下、それぞれ具体的に解説します。

上流工程に関わった経験や成果

プロジェクトの企画や戦略立案といった上流工程に携わった経験は、自身の価値を大きく高めます。「なぜこのプロジェクトが必要なのか」「目的達成のために最適な手段は何か」を考える視点を持っていることの証明になるためです。

たとえば「市場調査から事業計画の策定、KPI設定までを担当し、初年度での黒字化を達成した」などの経験は、ビジネス全体を俯瞰できる人材であることを強く印象付けられます。

自身の課題に対してより根本的な解決策を提示してくれるパートナーを求めているクライアントにとっては、魅力的な人材に映るでしょう。

チームのマネジメント経験

プロジェクトリーダーやマネージャーとして、チームを率いて目標達成に導いたマネジメント経験も、フリーランスとして大きな強みになります。複数のメンバーや他部署のステークホルダーと円滑に連携し、プロジェクトを推進した経験は、コミュニケーション能力や調整能力の高さを証明できるためです。

特に大規模で複雑なプロジェクトの案件において、安心してチームを任せられるリーダーシップを持った人材として重宝されやすくなるでしょう。

経営層の意思決定に関わる業務の経験

企業の経営層に対して直接レポーティングや提案を行い、意思決定を支援した経験は、価値のあるキャリアです。経営視点を持ってビジネスの課題を捉え、説得力のある提案ができる能力は、高単価なアドバイザリー案件やコンサルティング案件の獲得に直結します。

経営者の視点に立って物事を考えられるビジネスパートナーであることを示せるため、他者との明確な差別化要因となるでしょう。

実務経験を効果的にアピールする3つの方法

どれほど優れた実務経験があっても、その価値がクライアントに伝わらなければ意味がありません。自身の経験を整理し、相手の心に響く形で提示するための具体的な方法を3つ紹介します。

職務経歴書で過去の担当業務と役割・規模を具体的に記述する

職務経歴書は、自身のキャリアを客観的に示すための基本ツールです。職務経歴書を作成する際は、抽象的な表現を避け、具体的な事実を記述しましょう。「何を」「どのような役割で」「どれくらいの規模で」を意識して書くことが大切です。

具体的には、以下のように記述します。

「マーケティング戦略の立案を担当」とだけ書くのではなく、「食品メーカーの主力商品(年間売り上げ50億円)において、マーケティング責任者としてデジタル戦略を策定し、前年比120%の売り上げ向上に貢献」

具体的な数字や固有名詞を入れることで、実績に説得力とリアリティが生まれるでしょう。

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ポートフォリオで成果を「数値」と「再現性」で示す

ポートフォリオは、自身のスキルと実績を視覚的に証明するための重要なツールです。

そのため、ポートフォリオを作成する際は、成果を具体的な「数値」で示すことが欠かせません。「顧客満足度が向上した」ではなく、「NPS(ネットプロモータースコア)が10ポイント改善した」など、誰が見ても評価できる客観的な指標を用いましょう。

さらに、「なぜその成果を出せたのか」というプロセスを簡潔に説明することで、「再現性」をアピールできます。どのような課題があり、そのような施策を実行したのかを示すことで「自社のプロジェクトでも同様の成果を期待できる」と好印象を抱いてもらいやすくなるでしょう。

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面談でクライアントの課題解決につながる提案をする

フリーランスの面談は、単なる質疑応答の場ではありません。クライアントが抱える課題を深く理解し、あなたの経験を活かしてどのように貢献できるかを具体的に提案する絶好の機会です。

事前にクライアントの事業内容やプレスリリースなどをリサーチし、仮説を立てておきましょう。そして面談の場で、以下のように踏み込んだ提案をすることが大切です。

「御社の現在の課題は〇〇だと拝察します。私の過去の△△という経験を活かせば、□□というアプローチで解決に貢献できると考えております」

企業の課題を「自分ごと」として捉え、即座に解決策を提示する姿勢を示すことで、頼れるビジネスパートナーという印象を抱いてもらいやすくなるでしょう。

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実務経験が浅い・足りないと感じる場合の対処法

「フリーランスになりたいけれど、アピールできるほどの経験がない」と感じている方もいるかもしれません。しかし、経験が浅いからといって諦める必要はありません。戦略的に行動することで、着実に市場価値を高めていくことは可能です。

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まずは副業として希望職種の実績を積む

会社員としての安定した収入基盤を維持しながら、リスクを抑えて実務経験を積むなら、副業から始めるのが現実的な選択肢です。本業で得たスキルを活かせる分野で、まずは小さな案件から挑戦してみましょう。最初は単価が低くても、クライアントからの評価を着実に積み重ねていくことが重要です。

副業で得た実績は、将来独立する際のポートフォリオとなり、あなたの信頼性を証明する貴重な資産になります。本業との両立は大変ですが、未来への投資と捉えて取り組む価値は十分にあるでしょう。

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スキルと実績を証明するポートフォリオを作り込む

経験が浅い段階では、一つひとつの実績を丁寧に、そして戦略的に見せることが求められます。クライアントから受けた案件だけでなく、自主制作のプロジェクトでも問題ありません。自身のスキルレベルや思考のプロセスが伝わるようなアウトプットをポートフォリオにまとめましょう。

実績が浅くても、企業のマーケティング戦略を立案してみたり、特定の業界に関する詳細な分析レポートを作成したりと、主体的に動くことで実務能力をアピールできます

完成物だけでなく、そこに至るまでの課題設定や思考の過程を言語化して添えることで、ポテンシャルを高く評価してもらえる可能性が高まるでしょう。

専門性を補強する高難易度の資格を取得する

実務経験の不足を補ううえで、客観的なスキルの証明となる資格は有効な手段の一つです。

ただし、取得難易度が低い資格では、十分なアピールにはなりません。特定の専門分野における高度な知識やスキルを証明する、高難易度のものを記載しましょう。

難易度の高い資格は、専門知識の証明になるだけでなく、目標達成に向けた学習意欲や継続力のアピールにもつながり、クライアントに安心感を与える材料となるでしょう。

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小規模な案件から着実に実績を積み上げる

独立当初から高単価な大型案件を獲得するのは、容易なことではありません。まずはクラウドソーシングサイトなどを活用し、比較的規模の小さな案件から着実にこなしていくことが大切です。この際、一つひとつの仕事に真摯に向き合い、クライアントの期待を超える成果を出すことを意識しましょう。

小さな成功体験と、クライアントからの感謝の言葉、ポジティブな評価を積み重ねることで、自信と信頼を育めます。

フリーランスの実務経験に関するよくある質問

ここでは、フリーランスの実務経験に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

Q1.募集要項の実務経験を満たしていなくても応募していい?

募集要項の実務経験を満たしていなくても応募すること自体に問題はありません。募集要項に記載されている経験年数は、あくまでクライアントが設定した一つの目安です。

年数がわずかに足りない場合でも、それを補って余りあるスキルや実績、プロジェクトに対する強い熱意があれば、案件獲得に至る可能性は十分にあります。以下のように、経験年数の不足という事実を正直に認めた上で、年数以上の価値を提供できることを具体的にアピールしましょう。

「年数は満たしていませんが、〇〇という実績があり、貴社の課題解決にこのように貢献できます」

Q2.案件に応募する際、実務経験を証明する書類は必要?

フリーランスであっても、職務経歴書やポートフォリオなど、実務経験を証明する書類の提出が求められる場面は存在します。口頭で「〇〇ができます」と伝えるだけでは、クライアントはあなたの実力を正確に判断できないためです。

いつ、どのようなチャンスが訪れても対応できるよう、職務経歴書やポートフォリオは常に最新の状態にアップデートし、いつでも提出できる準備を整えておくことが不可欠です。

実務経験を積み、市場価値の高いフリーランスを目指そう

本記事では、フリーランスとして活動するために不可欠な「実務経験」について、定義から必要な年数の目安、効果的なアピール方法までを多角的に解説しました。

フリーランスにとって実務経験は、在籍年数の長さだけでなく、どのような課題を解決し、どのような成果を出してきたかという「経験の質」によって大きく左右されます。ただ年数を重ねるのではなく、自身のキャリアを戦略的に設計し、経験を「クライアントの課題を解決する価値」として言語化、可視化していくことが大切です。

まずは自身の職務経歴書やポートフォリオを改めて見直し、価値が十分に伝わる内容になっているかを確認することから始めてみてください。

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