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プロダクトライフサイクル(PLC)とは?概要や4つの注意点を解説

プロダクトライフサイクル

近年、多くの業界で競争が激化しています。そのため、競合他社に負けないためにも戦略的にマーケティングを実施していくことが必要です。 そして、マーケティング戦略を立てる際には、商品やサービスの投入から消失までの流れを意識しなければなりません。このときに求められる考え方がプロダクトライフサイクル(Product Life Cycle:PLC)です。 本記事では、プロダクトライフサイクルの概要や注意点、活用方法をまとめています。

プロダクトライフサイクル(PLC)は5つのフェーズに分かれるマーケティング戦略

プロダクトライフサイクル

プロダクトライフサイクル(PLC)とは、自社の商品やサービスにおいて、市場への投入から衰退するまでの変化を区分したモデルです。主にマーケティングの領域で活用されており、以下5つのフェーズに分けられます。

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 飽和期
  5. 衰退期

1.導入期

1つ目のフェーズは導入期です。導入期は、商品やサービスを市場へ投入した状態を指します。

導入期の特徴は認知度が低い状態ということです。消費者の目に留まりにくく、購入に結びつく可能性が低いため、導入期の段階では大幅な利益を見込めません。だからこそ、購入してくれるユーザーの特徴を見極め、適切なアプローチを仕掛けていくことが重要です。

導入期におけるユーザーの特徴は、最新のものや流行に敏感で、常にアンテナを張って情報を収集している人と考えられます。自身で新商品やサービスの存在に気付き、購入するまでの行動を起こすユーザーは少ないといえるでしょう。

導入期は、爆発的にヒットする可能性が低いため、まず確実に認知度を高めるようなマーケティング計画を立ててください。

2.成長期

2つ目のフェーズは成長期です。成長期は、認知度が広まったことにより利益の改善が見込めます。最も利益を拡大していけるフェーズのため、商品やサービスの命運を分ける分岐点になります。

認知度を高め、ユーザーのニーズを満たした商品やサービスであれば、口コミなどを通じてさらに売上が拡大されていくでしょう。一方、認知度だけが広まったとしても、ユーザーのニーズを満たしていなければ、商品やサービスの消失につながってしまいます。 そのため、成長期では認知度を高めるだけでなく、商品やサービスの品質改善を優先的に実施していく必要があります。

品質改善で重要なポイントは、使用しているユーザーの生の声を聞くことです。最近は、SNSやインターネットを通じてユーザーの口コミを閲覧できる時代のため、こうしたユーザーの声はマーケティング時に活用が期待されます。しかし、ユーザーの声をすべて信じるのではなく、自社として譲れないものを決めておきましょう。

3.成熟期

3つ目のフェーズは成熟期です。成熟期は、成長期を抜けて市場への拡大が収まり、競合他社が似たような商品やサービスを市場へ投入してくる状態を指します。

また、ユーザーが商品やサービスに対して既視感を覚え、真新しさが薄れてしまうフェーズでもあります。ユーザーにインパクトを与えるためにも、成熟期では新しい機能を搭載するなどのブランディング戦略が欠かせません。あらかじめ成熟期が来ることを見込み、競合他社との差別化を図っておくことも重要です。

4.飽和期

4つ目のフェーズは飽和期です。成熟期を経て、対象商品やサービスの需要が頭打ちになった状態を指します。飽和期に突入すると、市場全体で売上が減少し、新規ユーザーも減っていきます。 その半面、これまでのフェーズで購買を体験したユーザーがリピーターに変化する段階でもあります。ユーザーが離れないためにも、リピーターを増やすことが大切です。

リピーターを増やすためには、ユーザーに飽きられないアプローチが求められます。昨今では、どこでもすぐにインターネットで欲しい情報を入手できるため、ユーザーが競合他社の商品・サービスに目移りすることも珍しくありません。 だからこそ、飽和期では自社の魅力をさらに伸ばす 、あるいは欠点をなくすことへの企業努力が重要です。

5.衰退期

5つ目のフェーズは衰退期です。衰退期は、市場の衰退により、商品やサービスの需要が減り、売上も減少していきます。衰退期で売上を増やしていくのは困難であるため、競合他社も続々と市場から撤退していきます。

競合他社の撤退により、その分のユーザーが自社に集まってくるのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、実際には市場全体が縮小しているため、既存のユーザーも離れていき、シェアも落ちはじめます。

もし同じ市場に残り続けているのであれば、新たな商品の打ち出しやマーケティング戦略が必要です。ただし、前述したとおり衰退期を迎える頃には市場全体が縮小しているため、新たな商品を投入したとしても、今までのユーザーが見てくれるとは限りません。 衰退期では、このまま市場に残り続けるかどうかの判断が重要となるため、現在の売上やコストを天秤にかけて見極めましょう。

プロダクトライフサイクルが活用できない商品

プロダクトライフサイクルには、活用できない商品も存在します。プロダクト ライフサイクルが活用できない商品としては、生活必需品や唯一無二な商品です。

生活必需品は、日頃から多くのユーザーが利用するため、流行に関係なく必要とされます。そのため、プロダクトライフサイクルの5つのフェーズのなかでも、成熟期が最も長いです。

例えば、冷蔵庫や洗濯機という 家電製品は、新たな機能を追加した新商品が打ち出されているものの、衰退せずに市場へ残り続けています。つまり、必要性が高い生活必需品等は、イノベーションによって商品そのものの形状や内容が変わらない限り、衰退する可能性が低いといえるでしょう。

さらに唯一無二なものも、生活必需品と同様に流行が関係なく、プロダクトライフサイクルのなかでも成熟期が長く続いていきます。

プロダクトライフスタイルは、生活必需品や独自性の高い商品への活用が難しいのです。

プロダクトライフサイクルの注意点

プロダクトライフサイクルには、主に4つの注意点があります。

  • イレギュラーな動きをする
  • 今どのフェーズにいるのか把握しづらい
  • 顧客層の変化を意識する

イレギュラーな動きをする

プロダクトライフサイクルは、市場や環境の変化によってイレギュラーな動きをするケースがあります。イレギュラーな動きとは、プロダクトライフサイクルが想定よりも早い 、あるいは想定よりも遅い状況を指します。

例えば、若者を中心に人気を集めていたタピオカで考えてみましょう。タピオカは、新規参入後にSNSや口コミから広まっていき、多くのお店が出店されました。しかし、最近ではタピオカの需要がピークアウトし、鈍化傾向にあることから、事業撤退を選ぶお店も出てきています。このように、流行性の強い商品ほど、急成長による反動を受けやすく、イレギュラーな動きをする傾向が強いです。

今どのフェーズにいるのか把握しづらい

プロダクトライフサイクルは、現在どのフェーズに置かれているかを判断することが難しいです。なぜなら、現在進行形で進んでいる市場の状況を正しく把握することが困難であり、ある程度明らかになるのは、市場に投入した数年後のためです。 さらに、判断する人の基準によっても変わるため、正しい根拠を持ちながら状況を把握してください。

顧客層の変化を意識する

プロダクトライフサイクルは、市場の動向ばかりに目を向けるのではなく、顧客の変化も意識することが大切です。なぜなら、5つのフェーズを支えているのは顧客だからです。

導入期で考えてみると、顧客の特徴は流行に敏感な層となります。しかし、その後の成長期を迎えるためには、流行に敏感な層ばかりにアプローチするのではなく、多くの利用者にアプローチする戦略も必要となります。

したがって、それぞれのフェーズで必要となる顧客の特徴を見抜き、適切なアプローチを進めていきましょう。

まとめ

プロダクトライフサイクルは、5つのフェーズに分かれており、事前に考えておくことで適切なマーケティング戦略を打ち出していけます。ただし、生活必需品や独自性の高い商品は、プロダクトライフサイクルがうまく機能しないため注意が必要です。

これからプロダクトライフサイクルを活用したい方は、今回の記事を参考に流行性の強い商品を5つのフェーズに分けて考えてみましょう。

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