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【年収・月収別】フリーランスの手取り額を早見表で解説!手取り額を増やすコツも紹介|税理士監修

フリーランス 手取り 早見表のおすすめのイメージ画像

フリーランスとして独立したものの、「結局、手取り額はいくらになるんだろう…」と不安に感じている人は多いのではないでしょうか。会社員時代と違い、税金や社会保険料を自分で納める必要があるフリーランスにとって、手取り額を把握することは非常に重要です。

本記事では、年収・月収別の手取り額を早見表で分かりやすく解説します。さらに、手取り額を増やすための具体的なコツや、フリーランスならではの税金・社会保険料についても詳しく紹介します。ぜひ最後まで読んで、理想のフリーランス生活を実現しましょう。(2025年7月時点の情報です。)

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フリーランスの手取り額早見表

フリーランスの手取り計算のイメージ

ここでは、年収別にフリーランスの大まかな手取り額を示した早見表をご用意しました。あくまで目安として参考にしてください。

【計算の条件】

  • 青色申告65万円控除を適用
  • 年齢:20~39歳
  • 配偶者:なし
  • 扶養家族:0人
  • 国民年金:あり
  • 介護保険:なし
  • 経費計上:なし
  • 個人事業税:なし
  • 消費税:なし

年収

月収

手取り額(年間)

手取り額(月額)

120万円

10万円

約90万円

約7.5万円

240万円

20万円

約184万円

約15.3万円

300万円

25万円

約229万円

約19.1万円

360万円

30万円

約275万円

約22.9万円

400万円

約33.3万円

約303万円

約25.3万円

500万円

約41.6万円

約374万円

約31.2万円

600万円

50万円

約437万円

約36.4万円

700万円

約58.3万円

約498万円

約41.5万円

800万円

約66.6万円

約560万円

約46.7万円

900万円

75万円

約628万円

約52.3万円

1,000万円

約83.3万円

約694万円

約57.8万円

※上記はあくまで概算です。

  • 実際の金額は、所得控除の額や扶養家族の有無、お住まいの地域などによって異なります。
  • 社会保険料は、国民健康保険料と国民年金保険料を合わせた金額で計算しています。
  • 税金は、所得税と住民税を考慮しています。

より正確な手取り額を知りたい場合は、後述する「フリーランスの手取り額を計算する方法」を参考にしてください。

フリーランスの手取り額を計算する方法

フリーランスの手取り額は、会社員のように単純に給与から税金や社会保険料が天引きされるわけではないため、自分で計算する必要があります。大まかな流れは以下の通りです。

1.年間の収入(売上)を計算する

1年間の総売上を計算します。

2.必要経費を計算する

事業に必要な経費を計算します。経費として認められるものには、以下のようなものがあります。

  • 事業で使用するPCやソフトウェアの購入費用
  • 事務所の家賃
  • 通信費(電話代、インターネット代など)
  • 交通費
  • 接待交際費
  • 書籍代
  • セミナー参加費

など

3.所得を計算する

収入から経費を差し引いたものが所得となります。

  • 所得 = 収入 - 必要経費

4.所得控除を計算する

所得控除とは、所得金額から差し引けるもので、税負担を軽減する効果があります。主な所得控除には以下のようなものがあります。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 扶養控除
  • 社会保険料控除
  • 生命保険料控除
  • 医療費控除
  • 小規模企業共済掛金控除(iDeCoに加入している場合)
  • 寄付金控除(赤十字社への寄付やふるさと納税を行った場合)
  • 青色申告特別控除(青色申告承認申請書を提出した方)

5.課税所得を計算する

所得から所得控除を差し引いたものが課税所得となります。

  • 課税所得 = 所得 - 所得控除

6.所得税を計算する

課税所得に所得税率を掛けて所得税額を計算します。さらに所得税額に2.1%をかけて復興特別所得税が計算されます。所得税率は、課税所得に応じて変動します。

出典:個人の方に係る復興特別所得税のあらまし(国税庁)

7.住民税を計算する

住民税は、所得に応じて課税される税金で、所得割と均等割があります。

8.国民健康保険料を計算する

国民健康保険料は、所得に応じて計算されます。なお、国民健康保険料は、お住まいの市町村から納付書が送られてくるため、自ら計算することはありません。また、各市町村で計算方法が異なります。

9.国民年金保険料を計算する

国民年金保険料は、定額です。(令和7年度は月額17,510円)

出典:国民年金保険料(日本年金機構)

10.手取り額を計算する

収入から、所得税、住民税、国民健康保険料、国民年金保険料を差し引いた金額が手取り額となります。

  • 手取り額 = 所得(売上ー必要経費) - 所得税 - 住民税 - 国民健康保険料 - 国民年金保険料

これらの計算は複雑で手間がかかるため、会計ソフトや税理士を活用することも検討しましょう。会計ソフトを利用すれば、日々の経費を記録するだけで、確定申告に必要な書類を自動で作成できます。

次項からは、フリーランスが支払う税金と社会保険料について、それぞれ詳しく解説していきます。

フリーランスが支払う税金

フリーランスは会社員と異なり、税金を自分で計算して納める必要があります。どのような税金を、いつ、どのように納めるのかを把握しておくことが重要です。ここでは、フリーランスが支払う主な税金について解説します。

所得税及び復興特別所得税
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税される税金です。フリーランスの場合、事業所得が所得税の対象となります。所得税は、以下の計算式で算出します。

  • 所得税額 = (所得金額 - 所得控除額)× 税率 - 税額控除額
  • 復興特別所得税=所得税額 × 2.1%

所得金額は、売上から必要経費を差し引いた金額です。所得控除額には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などがあります。税率は、所得金額に応じて5%から45%の7段階です。税額控除額は、住宅ローン控除、外国税額控除などがあります。

所得税は、原則として確定申告によって納めます。確定申告の期間は、通常、翌年の2月16日から3月15日までです。確定申告書を税務署に提出し、申告した金額に基づいて所得税を納付します。所得税の納付方法は、現金納付、振替納税、クレジットカード納付、電子納税などがあります。

出典:No.2260 所得税の税率個人の方に係る復興特別所得税のあらまし(国税庁)

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住民税

住民税は、都道府県民税と市町村民税を合わせた税金で、1月1日現在の住所地で課税されます。住民税は、所得割と均等割で構成されています。

  • 所得割:前年の所得に応じて課税されるもので、税率は原則として一律10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)です。
  • 均等割:所得に関わらず定額で課税されるもので、金額は自治体によって異なりますが、おおむね5,000円程度です。

住民税は、確定申告に基づいて計算され、通常6月頃に納付書が送られてきます。納付方法には、現金納付、口座振替、クレジットカード納付、スマホ決済アプリでの納付などがあります。

出典:個人住民税(総務省)

消費税

消費税は、商品やサービスの販売・提供に対して課税される税金です。フリーランスの場合、課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が生じます。ただし、基準期間(原則として前々年)の課税売上高が1,000万円以下の場合には、納税義務は免除されます。

ただし、フリーランス自ら「消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合や、2023年10月から始まったインボイス制度によって課税事業者になった人も納税義務が生じます。他の判定方法により、納税が必要となる場合もあるので、詳しくは税務署や税理士に確認しましょう。

消費税の計算方法は、原則として以下の式で算出されます。

  • 消費税額 = 課税売上高 × 消費税率 - 仕入控除税額

消費税率は、軽減税率が適用される一部の商品を除き、原則として10%(軽減税率8%)です。仕入控除税額は、仕入れや必要経費にかかった消費税額を差し引ける制度です。ただ、すべての仕入れや必要経費に消費税が課されるわけではなく、収入印紙、給与などは消費税の対象になりません。より専門的な知識が必要のため、税務署または税理士に確認しましょう。

消費税は、原則として確定申告で納めます。フリーランスの場合、消費税及び地方消費税の確定申告(および納付)の期限は、通常、翌年の3月31日までです。確定申告書を税務署に提出し、消費税を納付します。消費税の納付方法は、現金納付、振替納税、電子納税などがあります。

出典:消費税のしくみ(国税庁)

個人事業税

個人事業税は、特定の事業を営む個人事業主に対して課税される税金です。全ての事業が対象となるわけではなく、法律で定められた70種類の事業が対象となります。

個人事業税の計算式は、以下のとおりです。

  • 個人事業税額 = (所得金額 - 各種控除額)× 税率

ここでの所得金額は、事業所得の金額です。各種控除額には、繰越控除や事業主控除(一律290万円)などがあります。税率は、事業の種類によって3%から5%の範囲で異なります。

個人事業税は、確定申告に基づいて計算され、通常8月と11月の年2回に分けて納付します。納付方法は、現金納付、口座振替などがあります。

以下は、ここで紹介したフリーランスが支払う税金についてまとめた表です。

税金の種類

概要

計算方法

納付時期

所得税及び復興特別所得税

1年間の所得に対して課税

(所得金額 - 所得控除額)× 税率 - 税額控除額

確定申告期間(通常2月16日~3月15日)

住民税

住所地で課税される税金

所得割:所得 × 10% (原則)

均等割:定額 (自治体による)

通常6月頃に納付書が送付

消費税

商品やサービスの販売・提供に課税

課税売上高 × 消費税率 - 仕入控除税額

確定申告期間(通常3月31日まで)

個人事業税

特定の事業を営む個人事業主に課税

(所得金額 - 各種控除額)× 税率

通常8月と11月の年2回

フリーランスが支払う社会保険料

フリーランスは会社員と異なり、社会保険料を全額自己負担する必要があります。国民健康保険と国民年金は必ず加入する必要があり、40歳以上になると介護保険料も上乗せされます。

国民健康保険

国民健康保険は、病気やケガをした際に医療費の自己負担を軽減してくれる制度です。フリーランスは、原則として会社の健康保険から脱退し、国民健康保険に加入する必要があります。保険料は、前年の所得や住んでいる地域によって異なります。具体的な計算方法や保険料率は、各自治体の国民健康保険窓口で確認しましょう。

国民健康保険料は、以下の4つの要素で決まります。

要素

詳細

所得割

前年の所得に応じて計算される

均等割

世帯の加入者数に応じて計算される

平等割

世帯ごとに一律で課される

資産割

固定資産税に応じて計算される(一部自治体のみ)

これらの要素を合計したものが、年間の国民健康保険料となります。所得が高いほど、また加入者数が多いほど、保険料は高くなります。

国民年金

国民年金は、老後の生活や障害を負ったとき、加入者が亡くなった場合に残された家族の生活を支えるための公的年金制度です。日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する必要があります。保険料は定額で、毎月支払わなければなりません。納付方法は、口座振替やクレジットカード払い、スマートフォンアプリなどから選択できます。未納があると将来受け取れる年金額が減額されたり、受給資格を失ったりする可能性もあるため、必ず納付しましょう。

国民年金保険料は、毎年度見直されます。令和7年度の国民年金保険料は、月額17,510円です。

老齢基礎年金を受け取るには、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上必要です。未納期間があると、受給資格が得られない場合があるので注意しましょう。

出典:国民年金保険料(日本年金機構)

介護保険

介護保険は、介護が必要になった際に介護サービスを利用するための制度です。40歳以上になると加入が義務付けられ、保険料は国民健康保険料に上乗せして徴収されます。介護保険料は、所得や住んでいる地域によって異なります。介護保険サービスを利用することで、介護が必要になった場合でも安心して生活を送ることが可能です。

介護保険料は、以下の要素で決まります。

  • 所得段階
  • 市区町村の介護保険事業計画

所得が高いほど、また市区町村の介護保険事業計画によって、保険料は高くなります。具体的な保険料額は、各自治体の介護保険窓口で確認しましょう。

介護保険サービスを利用できるのは、原則として65歳以上の方ですが、40歳から64歳までの方でも、特定疾病により介護が必要と認定された場合は利用できます。

出典:介護保険制度の概要(厚生労働省)

【年収・月収別】フリーランスの手取り額シミュレーション

フリーランスの手取り額は、収入から税金や社会保険料を差し引いた金額です。収入が増えるほど税金や社会保険料も増えるため、手取り額の割合は年収によって異なります。ここでは、年収別に手取り額の目安をシミュレーション形式でご紹介します。

【計算の条件】

  • 青色申告65万円控除を適用
  • 年齢:20~39歳
  • 配偶者:なし
  • 扶養家族:0人
  • 国民年金:あり
  • 介護保険:なし
  • 経費計上:なし
  • 個人事業税:なし
  • 消費税:なし

年収120万円(月収10万円)|手取り額は約90万円

年収120万円の場合、所得税や住民税、国民健康保険料、国民年金保険料などを差し引くと、手取り額は約90万円となります。月収に換算すると約7.5万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険:79,300円
国民年金:203,760円
所得税:0円
住民税:5,000円

【計算式】
1,200,000円 − 79,300円 − 203,760円 − 0円 − 5,000円 = 911,940円 

年収240万円(月収20万円)|手取り額は約184万円

年収240万円の場合、手取り額は約184万円となります。月収に換算すると約15.3万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:217,200円
国民年金保険料:203,760円
所得税:43,300円
住民税:92,400円

【計算式】
2,400,000円 − 217,200円 − 203,760円 − 43,300円 − 92,400円 = 1,843,340円 

年収300万円(月収25万円)|手取り額は約229万円

年収300万円の場合、手取り額は約229万円となります。月収に換算すると約19.1万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:286,100円
国民年金保険料:203,760円
所得税:70,400円
住民税:145,500円

【計算式】
3,000,000円 − 286,100円 − 203,760円 − 70,400円 −145,500円 = 2,294,240円 

年収360万円(月収30万円)|手取り額は約275万円

年収360万円の場合、手取り額は約275万円となります。月収に換算すると約22.9万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:355,000円
国民年金保険料:203,760円
所得税:97,500円
住民税:198,600円

【計算式】
3,600,000円 − 355,000円 − 203,760円 − 97,500円 − 198,600円 = 2,745,140円 

年収400万円(月収35万円)|手取り額は約303万円

年収400万円の場合、手取り額は約303万円となります。月収に換算すると約25.3万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:401,000円
国民年金保険料:203,760円
所得税:131,700円
住民税:234,000円

【計算式】
4,000,000円 − 401,000円 − 203,760円 − 131,700円 − 234,000円 = 3,029,540円 

年収500万円(月収40万円)|手取り額は約374万円

年収500万円の場合、手取り額は約374万円となります。月収に換算すると約31.2万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:515,900円
国民年金保険料:203,760円
所得税:222,000円
住民税:322,500円

【計算式】
5,000,000円 − 515,900円 − 203,760円 − 222,000円 − 322,500円 = 3,735,840円 

年収600万円(月収50万円)|手取り額は約436万円

年収600万円の場合、手取り額は約437万円となります。月収に換算すると約36.4万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:638,000円
国民年金保険料:203,760円
所得税:387,400円
住民税:411,000円

【計算式】
6,000,000円 − 638,000円 − 203,760円 − 387,400円 − 411,000円 = 4,359,840円 

年収700万円(月収60万円)|手取り額は約498万円

年収700万円の場合、手取り額は約498万円となります。月収に換算すると約41.5万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:745,700円
国民年金保険料:203,760円
所得税:568,100円
住民税:499,500円

【計算式】
7,000,000円 − 745,700円 − 203,760円 − 568,100円 − 499,500円 = 4,983,940円 

年収800万円(月収65万円)|手取り額は約560万円

年収800万円の場合、手取り額は約560万円となります。月収に換算すると約46.7万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:862,000円
国民年金保険料:203,760円
所得税:749,100円
住民税:588,100円

【計算式】
8,000,000円 − 862,000円 − 203,760円 − 749,100円 − 588,100円 = 5,597,040円 

年収900万円(月収75万円)|手取り額は約628万円

年収900万円の場合、手取り額は約628万円となります。月収に換算すると約52.3万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:888,200円
国民年金保険料:203,760円
所得税:947,500円
住民税:685,300円

【計算式】
9,000,000円 − 888,200円 − 203,760円 − 947,500円 − 685,300円 = 6,275,240円 

年収1,000万円(月収約85万円)|手取り額は約694万円

年収1,000万円の場合、手取り額は約694万円となります。月収に換算すると約57.8万円です。主な差し引かれる金額と計算式は以下のとおりです。

【差し引かれる金額】
国民健康保険料:890,000円
国民年金保険料:203,760円
所得税:1176,600円
住民税:785,100円

【計算式】
10,000,000円 − 890,000円 − 203,760円 − 1,176,600円 − 785,100円 = 6,944,540円 

上記の金額はあくまで目安であり、実際の手取り額は個人の状況(扶養家族の有無、所得控除の金額など)によって異なります。

また、上記計算には必要経費を含めていない点にも注意が必要です。実際には、上記に必要経費も含めて計算します。下記は、計算するうえでの注意点です。

  • 社会保険料は、お住まいの地域や加入している健康保険組合によって金額が異なります。
  • 消費税は、課税事業者である場合にのみ支払う必要があります。
  • 個人事業税は、法定業種に該当する場合で、所得が290万円を超えた場合にのみ課税されます。

より正確な手取り額を知りたい場合は、税理士などの専門家にご相談いただくことをおすすめします。

フリーランスが手取り額を増やすためのコツ

フリーランスとしてはたらく上で、手取り額を増やすことは非常に重要です。手取り額を増やすためには、節税対策や売上アップなど、さまざまな工夫が必要です。ここでは、フリーランスが手取り額を増やすための具体的なコツを5つご紹介します。

案件を獲得し売上・利益を増やす

手取り額を増やすためには、節税対策だけでなく、売上を増やすことも重要です。案件を積極的に獲得し、売上を増やすことで、利益を増やせます。

案件を獲得するためには、自分のスキルや経験をアピールすることが重要です。ポートフォリオを作成したり、SNSで積極的に情報発信したりすることで、自分の存在をアピールしましょう。また、クラウドソーシングサイトやエージェントサービスを利用することも有効です。これらのサービスを利用することで、自分に合った案件を見つけやすくなります。

さらに、単価交渉を行うことも重要です。自分のスキルや経験に見合った単価を提示し、納得できる金額で契約するようにしましょう。

青色確定申告を行う

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告は、白色申告に比べて帳簿付けが複雑ですが、その分、税制上の優遇措置を受けることが可能です。例えば、青色申告特別控除を利用すれば、最大65万円の所得控除を受けられます。また、赤字を3年間繰り越せる制度や、家族への給与を経費として計上できる制度などもあります。これらの優遇措置を活用することで、大幅な節税効果が期待できるでしょう。

所得控除と税額控除をフル活用する

所得控除とは、所得金額から差し引けるもので、課税対象となる所得を減らす効果があります。主な所得控除には、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除などがあります。これらの控除を漏れなく申告することで、所得税や住民税を節税可能です。また、税額控除とは、計算された税額から直接差し引けるもので、住宅ローン控除や外国税額控除などがあります。税額控除は、所得控除よりも節税効果が高いため、利用できるものがあれば積極的に活用しましょう。

必要経費をもれなく計上する

フリーランスは、事業に必要な費用を必要経費として計上できます。必要経費を計上することで、所得金額を減らし、税金を節約可能です。必要経費として認められるものには、交通費、通信費、光熱費、家賃、交際費、書籍代、セミナー参加費などがあります。

ただし、プライベートで使用した費用は必要経費として計上できません。必要経費を計上する際には、領収書やレシートを保管し、何に使用した費用なのかを明確にしておくことが重要です。

また、自宅を仕事場として使用している場合には、家賃や光熱費の一部を必要経費として計上できます。家事按分という考え方に基づいて、事業で使用している割合を算出し、必要経費として計上できます。

法人化を検討する

所得が一定額を超えると、法人化を検討することで節税効果が期待できます。法人化することで、個人事業主とは異なる税制上のメリットを享受できるためです。例えば、法人税率は所得税率よりも低く設定されているため、所得が増えるほど節税効果が高まります。

また、役員報酬として給与を支払うことで、給与所得控除を受けられます。さらに、退職金の積み立てや、生命保険への加入も一定の条件下で節税に活用できます。ただし、法人設立には費用がかかることや、事務手続きが煩雑になるなどのデメリットもあります。特に、従業員を雇用している場合は社会保険への加入が必須のため、社会保険の負担が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。

法人化を検討する際には、税理士などの専門家に相談し、メリットとデメリットを比較検討することが重要です。

手取り額が気になるフリーランスによくある質問

Q.フリーランスに必要な年収は?

一概に「このくらいの年収が必要」という基準はありません。フリーランスのはたらき方は人それぞれであり、重視するポイントも異なるためです。しかし、一般的に会社員と比較して、福利厚生の面で不利になることや、収入が不安定になりやすいことを考慮すると、ある程度の年収を確保する必要があると言えるでしょう。

もし、収入が不安定で生活が苦しい、あるいは会社員時代よりもワークライフバランスが悪化しているなどの状況であれば、会社員に戻ることも選択肢の一つです。

Q.フリーランスでも源泉徴収はされる?

フリーランスでも源泉徴収される場合があります。源泉徴収とは、報酬を支払う側が所得税をあらかじめ差し引いて国に納める制度です。主に、企業から仕事を受注している場合に、源泉徴収されることが多いです。

源泉徴収の対象となる報酬は、主に以下のものが挙げられます。

  • 原稿料や講演料
  • 弁護士、税理士などの士業への報酬
  • デザイン料やイラストレーション料
  • プログラミング料
  • 芸能人やモデルへの報酬

ただし、すべてのフリーランスが源泉徴収されるわけではありません。個人事業主として直接顧客から報酬を受け取る場合や、源泉徴収の対象とならない報酬の場合は、源泉徴収はされません。

Q.フリーランスの手取り額で一番得する年収はどれくらい?

「一番得する年収」という概念は、何を基準にするかによって異なります。所得税率や社会保険料の負担などを考慮すると、年収が上がるにつれて手取り額の増加率は鈍化します。ただし、年収が高くなるほど実際の手取り額も高くなるのが特徴です。

より具体的に考えるために、以下の2つの視点から見てみましょう。

税金・社会保険料の負担が少ない年収

所得税率が上がるタイミングや、社会保険料の負担が増えるタイミングを考慮すると、年収300万円程度が、税金や社会保険料の負担が比較的少ないと言えるかもしれません。

手取り額が最大になる年収

単純に手取り額を最大化したいのであれば、年収は高ければ高いほど良いということになります。ただし、年収が上がるにつれて、税金や社会保険料の負担も増えるため、効率的な節税対策を行うことが重要になります。

いずれにしても、ご自身のライフスタイルや価値観、将来設計などを考慮し、総合的に判断することが大切です。税理士などの専門家に相談し、自分に合った収入プランを立てることをおすすめします。

まとめ|フリーランスの手取り額を理解して理想の収入を目指そう

本記事では、フリーランスの手取り額に関して、早見表やシミュレーションを通して詳しく解説しました。フリーランスとしてはたらく上で、収入から税金や社会保険料が差し引かれるため、手取り額を把握することは非常に重要です。

手取り額を増やすための様々なコツもご紹介しました。青色申告の活用、所得控除・税額控除のフル活用、経費の適切な計上、そして法人化の検討など、さまざまな選択肢があります。手取り額アップを目指したい方は、ぜひこれらの情報を参考してみてください。

フリーランスとして理想の収入を実現するためには、手取り額を正しく理解し、計画的な行動が不可欠です。この記事が、皆様のフリーランスとしての成功の一助となれば幸いです。

(監修日:2025年5月12日)

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山本 聡一郎氏

山本聡一郎税理士事務所(https://nagoya-soutax.com/)|税理士

山本聡一郎税理士事務所 代表税理士。1982年7月生まれ。名古屋市中区錦(伏見駅から徒歩3分)にてMBA経営学修士の知識を活かして、創業支援に特化した税理士事務所を運営。クラウド会計 Freeeに特化し、税務以外にも資金調達、小規模事業化持続化補助金などの補助金支援に力を入れている。

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