「はたらく」選択肢を増やし、
多様な社会を目指すメディア。

プロ人材の存在が、低迷する日本社会を変えるための突破口になる

main-photo_souta-yoshioka

VUCAと呼ばれる先が読めない時代になり、終身雇用が形骸化する中、雇用以外の新たな選択肢として、専門スキルを活かして働く「プロ人材」が注目を集めています。

しかし、プロ人材の活用はまだ一般的とは言い切れず、具体的な働き方をイメージできない企業や個人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、HiPro Bizサービス責任者として、プロ人材の活用を推進する吉岡氏に、企業や個人が抱える悩みや、プロ人材の可能性について伺いました。

激しい変化によって、企業や個人の足取りが重くなっている

――インパクトの大きい出来事が増えている現代において、企業の抱える悩みや課題の共通点はありますか?

予測不能な時代に突入したことで、従来の先を読む経営から、先が読めないことを前提とした経営にシフトすることが難しい点です。これは社会の変化・課題という2つの要素が関係してきます。

社会の変化に関して、近年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、新たな生活様式が根付くという大きな変化がありましたが、他にも沢山の変化が起きています。例えば、働くという領域だけで見ても、労働人口の減少という大きなテーマに対して、求人倍率の高騰、働き方改革の推進、副業・兼業の促進、女性活躍の後押し、ジョブ型雇用の台頭、DXの流行によるデジタルシフトなど、変化の内容は多種多様です。

社会の課題に関しては、SDGsを起点に、脱炭素社会を目指すカーボンニュートラル、人権を尊重するダイバーシティ&インクルージョン、健康・幸福を追求するウェルビーイングなどのテーマがあり、これらに付随するかたちで細かいテーマが紐づいています。

この社会の変化と課題について、今までは一定対処できていました。しかし、グローバル化が進むにつれて、社会にまつわる変化・課題の発生ペースが高まり、処理が追い付かなくなっています。

結果として、山積みになった課題を前に、何から取り組むべきか分からなくなっているというのが、共通して言えるポイントです。

――社会の変化や課題について、個人の視点にフォーカスした内容もお聞かせいただけますか?

大きな変化としては、テレワークの普及によって、今までより多様な働き方を実現しやすくなった点です。

そもそも日本では、永らく終身雇用という考え方がスタンダードでした。しかし、経済の低迷や価値観の多様化によって、日本独自の雇用システムを維持するのが難しくなっています。

一方、海外では雇用以外の働き方も広まっており、副業(サイドワーク)や複業(パラレルワーク)に加えて、近年では独立労働者(インディペンデント・ワーカー)の人口も増えています。この働く選択肢が日本でも広まるきっかけとなったのが、テレワークの普及です。

ただ、働く選択肢は増えたものの、いきなり雇用以外の道を選ぶのは、ハードルが高いのも事実です。

  • 「自分のスキルの活かし方が分からない」
  • 「企業がどのようなスキルを求めているか分からない」
  • 「今のスキルレベルで、要求に応えられる自信がない」
  • 「複数の職場でのタイムマネジメントを維持できる気がしない」

このような不安から、沢山の人材が埋もれてしまっています。働き方の選択肢が増えても、個人の得意分野に対する気づきや、最初の一歩を踏み出す機会が、日本にはまだ足りていません。

――働き方の多様化に対して、企業はどのような反応を示しているのでしょうか?

コロナショック以降は、容認する割合が増えています。グループ会社のパーソル総合研究所が2021年に発表した調査資料では、副業を全面・条件付きで容認する企業の割合は55.0%で、全面容認する企業が増加傾向にあるという結果が出ました。

persol_side-business_report
※出典:第二回 副業の実態・意識に関する定量調査(株式会社パーソル総合研究所)​​​

この要因の1つとして、複雑化する課題に対して、今のリソースだけでは解決が難しいという背景があります。

例えばカーボンニュートラルは温室効果ガスの排出量ゼロを目標としていますが、実現には関連会社を含めたサプライチェーン全体での取り組みが欠かせません。

しかし、温室効果ガスを削減するとはいっても、現状でどれだけの量を排出しているのか、何を変えれば削減につながるのかなど、具体的な手法や設備がなければ話は進みませんよね。ただ、これらの解決策を持っている人材は転職市場にほとんどいないため、企業は非常に難易度の高い目標を課せられているといえます。

――だからこそ、プロ人材の重要性が高まっているということでしょうか?

その通りです。特にDXやカーボンニュートラルなどは、そもそも成功体験を持つ人材が多くありません。加えて、企業に課せられている課題には期限が設けられており、可及的速やかに対応する必要があります。

だからこそ、企業が社会の変化や課題に対応できる状態をつくるため、私たちはHiPro Bizを通じて、課題に対して企業が何から取り組むべきかを整理し、それをジョブとして切り出して、最適なプロ人材をアサインするというサービスを提供しています。

何から始めるべきか分からない企業様が、安心してプロ人材を活用できるように

sub-photo_souta-yoshioka_1

――お話に出たHiPro Bizサービスについて、特徴を教えていただけますか?

HiPro Bizはプロ人材の活用を通じて、企業が抱える課題を解決するための経営支援サービスです。

企業成長の阻害要因となる課題に対して、解決すべき優先順位を立てながらプロジェクトを設計し、課題解決の実行力を持ったプロ人材を、パーソルキャリアの人材データベースから選定します。

――サービスを利用されている企業・個人には、どのような属性が多いのでしょうか?

ありがたいことに事業規模に関わらず、3000社を超える企業様にご利用いただいています。IT、メーカー、不動産・建設、人材、広告、卸小売、物流、医療、金融、教育、官公庁など、業種も多種多様です。

支援プロジェクトは、新規事業開発、デジタルマーケティング、人事制度改革、システム導入、営業支援、DX推進、サプライチェーン・マネジメントなどがあり、2022年3月末時点で1万1914件を超えるプロジェクト支援実績があります。

個人の登録者層としては、副業・複業のワーカーよりも、雇用という選択肢に依存しない独立労働者(インディペンデント・ワーカー)が多いです。いわゆる自由業・自営業のワーカーで、ビジネスの根幹に近い領域で活躍されていた方が中心となっています。

大手企業の元役員・本部長クラス、新規事業プロジェクトの立ち上げ責任者、新進気鋭の若手実業家など、豊富な人材が登録しています。

――HiPro Bizサービスについて、吉岡さんの一押しポイントを教えてください。

前提として、課題が複雑化していく現代において、信頼できるプロ人材を探し出し、何をしてもらいたいのかを決め、一緒に伴走していくことは、簡単なことではありません。そのため、企業様がプロ人材の活用に、なかなか踏み出せない状況であることも、想像に難くないでしょう。

だからこそ、私たちは人材業界をリードする存在として、企業様の課題を一緒に紐解いていき、プロ人材の活用を手厚くサポートすることを大事にしています。

そのうえでマッチングの精度については、自信をもっておすすめできます。理由としては、私たちが課題解決に適したプロ人材を提案する基準として、スキルフィットだけでなく、カルチャーフィットも大切にしているからです。

企業の規模や業種が同じであっても、文化や価値観には個別性があるため、スキルだけで人材を選定してしまうと、プロジェクト推進が上手くいかない可能性もあります。そのため、私たちは企業の文化や価値観に合わせて、プロ人材がどのようにプロジェクトに関与するかまで設計し、企業様にご提案しています。

このスキルフィットとカルチャーフィットの2軸でプロ人材を提案できる点と、優先順位を整理したプロジェクト設計によって、何から始めて良いか分からないという企業様にも、安心してサービスをご利用いただけています。

ポジティブな社会を築くためにも、プロ人材の活用は大きな原動力になる

sub-photo_souta-yoshioka_2

――プロ人材の活用が一般化すると、今の日本社会はどのように変化すると考えていますか?

今までできなかったことが実現できることで、未来をポジティブに考えられるようになると思います。

これまでは社会の変化によって課題が乱立し、企業は多くの変革を求められたことで身動きが取りづらくなってしまい、結果的に新しいチャレンジを諦めてしまうことも少なくありませんでした。

これは個人も同様で、企業に諦めムードが漂っている状態では、仕事は面白くないでしょうし、やらされている感が出てしまい、やりがいを感じづらくなっていたと思います。

しかし、プロ人材の活用を通じて、成功・失敗のノウハウが蓄積され、次の挑戦の連鎖が生まれるようになれば、日本社会に漂うネガティブな雰囲気は好転するのではないでしょうか。

そのため、私はHiProブランド全体を通じて、企業が挑戦できる体制を整えることで、個人の働きがいを醸成し、日本の未来をポジティブに考えていけるような社会を目指していきたいと考えています。

プロ人材の活用は、社会を変えるきっかけであり、大きな可能性を秘めていると信じています。

取材後記
今回の取材を通じて感じたことは、今の時代において変化を避けて通ることが難しいという点です。テクノロジーの急激な進歩や製品ライフサイクルの短期化などもあり、私たちは社会に適応するという意味でも、定期的なバージョンアップが欠かせません。そのうえでプロ人材の活用が一般化することは、個人が活躍できるフィールドの拡張と、企業が抱える課題のスピーディな解決を両立し、低迷する日本経済が好転するチャンスとなり得るかもしれません。
and HiPro編集部
パーソルキャリア株式会社
and HiPro(アンドハイプロ)は、「『はたらく』選択肢を増やし、多様な社会を目指す」メディアです。雇用によらないはたらき方、外部人材活用を実践している個人・企業のインタビューや、対談コンテンツなどを通じて、個人・企業が一歩踏み出すきっかけとなる情報を発信してまいります。

この記事が気に入ったら「シェア」

POPULAR

人気記事

DAILY
WEEKLY

SERVICE

HiPro サービス

HiPro Direct

企業と副業・フリーランスをつなぐ
マッチングプラットフォーム

HiPro Biz

経営課題解決に取り組む企業向けの
経営支援サービス

HiPro Tech

フリーランスITエンジニア専門の
IT・テクノロジー特化型エージェント