長野県内企業におけるプロ人材活用~株式会社オーセンアライアンスにおける活用とは~

株式会社オーセンアライアンス 

代表取締役

佐藤 匡也

パーソルキャリア株式会社 

執行役員 エージェントサービス事業部 事業部長 兼 タレントシェアリング事業部 事業部長

鏑木 陽二朗

日本全体で人材不足が進んでいます。特に地域に根差す企業では、求めるスキルや経験を有する人材の確保が難しい場面は少なくありません。経営に深刻な影響を与える人材不足を解決する新たな方策として、外部のプロ人材を活用する動きが生まれています。

「HiPro」では、個人が持つスキルがさまざまな企業で柔軟に活かされ、個人も企業も成長し続ける「スキル循環社会」の実現を目指しています。2023年に始動した「スキルリターン」プロジェクトは、都市部で専門的な経験を積んだプロ人材と地域企業をつなぎ、事業課題の解決を図るとともに、地域企業と経済の発展に貢献する取り組みです。これまで全国10府県で「スキルリターン」プロジェクトを展開し、今回、新たに長野県でプロジェクトがスタートします。

2025年12月15日には、長野県でスキルリターン発表会を開催。本記事では、当日行われたトークセッションの様子をお伝えします。プロ人材活用の実績がある県内企業、株式会社オーセンアライアンス 代表取締役の佐藤 匡也氏をゲストに迎え、プロ人材活用の経緯や得られた成果などについてお話しいただきました。

「人がいない」という一番の課題を解決に導く、プロ人材活用。

鏑木:本トークセッションでは、実際にプロ人材をご活用いただいた企業の活用内容や、得られた成果について掘り下げてお話を伺っていきます。最初に自己紹介と企業の紹介をお願いします。

佐藤:株式会社オーセンアライアンスの代表取締役、佐藤と申します。オーセンアライアンスは長野県茅野市に本社を構え、設立20周年を迎えた機械製造の会社です。水処理装置と洗浄装置を主軸とし、医療現場や超精密工業などの分野で、さまざまなものを「きれいにする」機械を作ることが当社の事業です。当社独自の技術を持っていることを強みに、「きれい」を目指し、社員一同、常に技術力を磨いています。

鏑木:ご紹介ありがとうございました。さっそくですが、オーセンアライアンスさんはなぜプロ人材の活用を考えたのか、そのきっかけや経緯についてお伺いできますでしょうか。

佐藤:まず当社は、中小企業の中でも「小」に分類される規模の企業です。会社名も、どのような事業をしているかも知られていないため、求人サイトに募集を出しても人が集まりません。地域全体を見ても65歳以上の割合が増え、労働人口が減っていく中で、取引銀行である信用金庫さんに「今の一番の課題は、人がいないことだ」と相談する機会がありました。「何かよい仕組みはないか?」と尋ねたところ、紹介いただいたのが「HiPro」でした。過去、コンサルティング会社を活用した経験はあったのですが、それとはまた仕組みが異なることや、費用面も比較的リーズナブルであることにも惹かれ、プロ人材の活用を決めました。

鏑木:信用金庫さんから紹介されるまで、「HiPro」のようなサービスがあることはご存知なかったのでしょうか?

佐藤:はい。最初は、既存の人材斡旋サービスの延長だと思っていて、内容もだいたい想像の範囲だろうと見ていました。ところがサービスパンフレットを読んでみたら、想像とは異なる仕組みだったので「これは一度試してみようかな」という気持ちになりました。実際に活用してみても、当初の印象通り非常によい仕組みでした。

「市場は限られている」という固定観念を覆したプロ人材の経験と知見。

鏑木:プロ人材の活用にあたっては、仕事の任せ方、つまり業務の切り出しにポイントがありますが、初めての活用となると少し戸惑うこともあったかもしれません。オーセンアライアンスさんでは、どのような方にどのような業務を依頼されたのか、当時の課題感も含めてお伺いできますでしょうか。

佐藤:当社の課題は、独自の技術があるにもかかわらず、それを売る術がないことでした。広告を出せば周知できるかもしれませんが、なかなかそのような資金はありませんし、自力で売るのにもリソースが不足していました。そこで、営業支援という形で、2名のプロ人材と契約しました。大手商社出身で営業や営業企画、海外での経験も豊富な方で、私たちとしては喉から手が出るほどほしい人材と出会うことができました。

鏑木:具体的には、どのような依頼をされたのでしょうか。 一つは販路の拡大が大きかったと思いますが、どういった形で進めていったのでしょうか。

佐藤:まずは「新規の営業をしてほしい」と依頼しました。当社のような製造会社、特殊な機械を作っているメーカーは、自分たちが現在取り引きしている会社や市場しか見えていない傾向にあります。当社であれば、自動車関係、半導体関係などです。しかし、関税の影響が出ているなかで、限られた市場や取引先だけに頼っていては継続的な成長が見込めないため、今のうちに新しい市場の開拓をしたいとお願いしました。すでに展開している市場以外に、当社製品の需要はないのか、唯一無二の技術を使えるところはないのか。新規開拓営業を依頼した形です。

鏑木:現在の市場とは別に、新たに技術を活用できる余地があるかもしれないということですね。それがどこにあるのか、調べるところからスタートしたのでしょうか。

佐藤:そうです。私たちはもう頭が固まってしまっているというか、固定観念にとらわれて「当社の技術はここでしか売れない」と思い込んでしまいがちです。しかし、実際には違っていました。今回、プロ人材の方に当社の製品や技術を知ってもらい、リサーチをしてもらったところ、さまざまな業界で需要があることが3か月ほどでわかってきました。 

鏑木:契約されたプロ人材2名は、総合商社で活躍されてきた方ということですが、いわゆる大企業出身の方から提言されることについて、感情的な面はいかがでしたか。

佐藤:正直に言って、最初は違和感がありました。ただ、彼らは仕事に非常に高いプライドを持って取り組んでいます。その様子を見ていくうちに、営業ノウハウを含め、私たちも教えてもらおうという姿勢になりました。プロ人材として契約していますが、まるで当社の一員であるかのように熱心に仕事をしていただき、ありがたかったです。

鏑木:複数のプロ人材候補がいたと思いますが、契約した2名に絞った決め手はどういった点だったのでしょうか。

佐藤:12名から応募がありました。応募者の履歴書を見たり、面談をして依頼する方を決めるわけですが、重視していたのは、業界内の人脈、当社にはないネットワークを持っているかです。また、その方が今までどのような仕事をしてきたかという職歴や実務経験にも重点をおいていました。それらを満たしていたのに加え、お二人とも面談の段階で当社の状況を踏まえ、具体的な戦略をストーリー立てて話してくださったことが、最終的な決め手となりました。 

超大型の新規契約を締結。今後もプロ人材と共に取り組み、社会に貢献したい。

鏑木:結果として、今回のプロ人材の活用はいかがでしたか。また、このたびの経験を踏まえて、今後の展望について最後にお聞かせください。

佐藤:プロ人材の方たちには、営業支援以外にも経営全般に関してさまざまな相談をさせていただきました。そうした業務も適切に対応いただき、力になってくれました。営業の成果としては、既に1社の新規契約が生まれています。当社にとって超大型案件です。

新たに開拓した市場には、また新たな問題、別の課題も出てくると予想しています。今後も引き続きプロ人材の方々にサポートいただき、課題に取り組んでいきたいと思います。当社も彼らの知識を吸収し、経験を重ねていきたいですね。新しい市場で当社の製品が広まり、社会に貢献できることを願っています。

鏑木:貴重なお話をありがとうございました。プロ人材活用をまだ知らない企業にとって、今日伺った事例はとても大きな意味を持つものだと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 

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