【大手企業の部長職505名調査】AIエージェント、本番運用は約半数に―導入の現在地と次の論点

AIエージェント活用は、すでに「導入するかどうか」を議論する段階ではなくなりつつあります。単なる支援ツールではなく、業務を自律的に実行する存在として、本番運用に入り始めています。

では、実際にどこまで活用が進んでいるのでしょうか。

今回は、大手企業(売上高1,000億円以上)に所属する部長職以上505名への調査をもとに、AIエージェント活用の“現在地”を整理します。

▼調査資料ダウンロードはこちら

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—

もはや「検討」ではない──AIエージェントは本番運用フェーズへ

まず注目すべきは、導入の進展です。

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—

AIエージェント活用について、「一部部署以上で本番運用」と回答した割合は48.3%にのぼりました。さらに「全社展開・経営戦略に統合されている」とする回答も20.0%に達しています。

これは、AIエージェントが一部の先進企業だけでなく、多くで本番運用段階に入っていることを示しています。

つまり、現在は「導入するかどうか」を議論するフェーズではなく、「どう活用し、成果につなげるか」を問われる段階に移行しているといえます。

AIエージェント活用は「既存業務」から広げている

具体的にどのような業務で活用されているのでしょうか。主な活用領域は以下です。

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
  • データ分析・レポーティング(46.3%)
  • 情報収集・リサーチの自律実行(44.0%)
  • 業務オペレーションの自動化(定型業務処理)(43.4%)

一方で、新規事業や経営判断といった高度領域は相対的に限定的です。

この結果から見えるのは、AIエージェント活用は、既存業務の効率化から段階的に拡張されていく構造にあるという点です。いきなり業務変革を起こすのではなく、日常業務への組み込みから広がっていく傾向になっています。

約6割が効果を実感──活用は確実に前進している

導入・活用が進んでいる層では、成果にも一定の進展が見られます。

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—

PoC以上の層においては、「明確な成果が出ており、業務として定着している(24.0%)」と「特定の業務・領域では効果を実感している(35.0%)」を合わせ、約59%が手応えを感じている状況です。

この結果から、AIエージェント活用は単なる実験段階ではなく、業務価値に結びつき始めている段階にあるといえます。

推進の鍵は「技術」よりも「設計と役割」

活用の広がりに差が生まれる要因はどこにあるのでしょうか。

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—


調査では、主な課題として以下が挙げられています。

  • AIエージェントを設計・評価できる人材が不足している(45.9%)
  • 業務や活用目的の整理ができていない(32.1%)
  • 推進部署が設置されていない(29.3%)

これらの結果から読み取れるのは、課題の多くがAIの性能や技術そのものではなく、推進の前提となる設計や体制に関わる領域に集中しているという点です。

つまり、AIエージェント活用においては、「どう導入するか」だけでなく、「どのように業務に組み込み、組織として推進していくか」が、成果の広がりを左右する重要な要素になっています。

推進において、不足している役割の内訳を見ると、その傾向はより明確になります。

大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
大手企業におけるAIエージェント活用実態調査 —売上高1,000億以上の企業に在籍する部長職以上 505名の回答から見えた推進課題—
  • 複数部署を横断的に巻き込み、全社的な合意形成を主導する役割(36.3%)
  • AIエージェントへの委任可否判断を、現場レベルで日常的に下せる役割(35.8%)

上位に挙がっているのは、いわゆる専門的な開発スキルというよりも、組織と業務の間をつなぐ役割です。これは、AIエージェント活用が単なるIT導入ではなく、業務設計と組織横断の意思決定を伴う取り組みであることを示唆しています。

今後は「部分最適から全体最適」への移行が論点に

ここまでの結果を踏まえると、現在のフェーズはある程度明確です。

活用は進み、効果も出始めているが、社内での広がりには段階差がある状態です。その差を左右しているのは、体制や役割設計といった推進のあり方です。

こうした状況を踏まえると、今後の論点は「いかに全社レベルで展開していくか」へとシフトしていくと考えられます。

また本調査では、AIエージェント活用に対する今後の投資についても確認されており、多くの層が拡大を見込んでいる点も明らかになっています。

この結果からも、関心はすでに「導入するかどうか」ではなく、「どこまで本格的に取り組み、どのように広げていくか」という意思決定の段階へと移行しつつあるといえるでしょう。

無料資料ダウンロードのご案内

本記事では、AIエージェント活用の全体像と現在のフェーズについて整理してきましたが、
本調査ではこのほかにも、

  • 効果測定指標
  • 推進における課題の具体内訳
  • リスク管理
  • 現在・今後の投資見込み

など、AIエージェント活用に関する実態を多角的に分析しています。(全27ページ)

▼資料

AIエージェント活用の推進にお悩みなら「HiPro Biz」へ

本調査でも明らかになっている通り、AIエージェント活用を成果につなげるためには、単なる導入にとどまらず、

  • 全社合意を形成する役割
  • 業務設計・委任判断を担う役割
  • 経営に意思決定材料を翻訳する役割

といった役割の人材が重要になります。

一方で、こうした推進において「社内に適切な人材やノウハウが不足している」という課題を抱える企業も少なくありません。そのような場合には、AIエージェント領域に知見を持つプロ人材を活用できる経営支援サービス「HiPro Biz」をぜひご検討ください。

▼生成AI導入状況についてはこちら

【大手企業の部長以上522名調査】生成AIの導入率は約8割。成果の分かれ道は「ルール整備」と「人材育成」

タグから 探す

おすすめの記事